title 沖縄大学紀要 = okinawa daigaku kiyo(4): 51-89 issue...
TRANSCRIPT
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Title 飲酒行動に関する心理学的研究2-職業別分析を通して-
Author(s) 国吉, 和子; 名城, 嗣明; 中村, 完; 島袋, 恒男
Citation 沖縄大学紀要 = OKINAWA DAIGAKU KIYO(4): 51-89
Issue Date 1985-03-31
URL http://hdl.handle.net/20.500.12001/5709
Rights 沖縄大学教養部
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〔資科〕
飲酒行動に関する心理学的研究Ⅱ
-職業別分析を通して-
国吉和子*名城嗣明**
中村完**島袋恒男**
I序
本研究は沖縄における飲酒行動の形態とその特徴を主に心理学的視点から解
明していくことを大きな目的としている。具体的には、飲酒行動をとり巻く個
人的・社会的条件、飲酒への許容度と逸脱飲酒との関係およびその地域差、職
業別、年齢別比較、都市化と飲酒行動との関係等々について明らかにしていく注1)
ことを目的としている。
上述の目的を達成する一環として、これまでに沖縄県における酒類消費の年
次的変動(国吉、1983a、国吉他l983b)や、大学生の飲酒行動の一般的
*沖縄大学**琉球大学
+本調査の実施に当り沖縄県本島、離島の各地の多くの方々の協力を得ました。ここに記して感謝申し上げます
注1)詳細については「飲酒行動に関する心理学的研究I」(琉球大学法文学部紀要社
会学篇、第26号、1983)参照
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傾向(島袋他1983)、および沖縄県における飲酒行動の一般的傾向とその地
域差(中村他1983)について報告してきた。
ところで、飲酒行動のパターンはさまざまな視点から把握することが可能で
あるが、前回の飲酒行動の地域差の検討結果から、沖縄県では次のような飲酒
行動パターンが顕著であることを指摘しておいた。すなわち、単独飲酒よりは
集団的飲酒が多く、ストレス飲酒であるよりは対人的、社会的飲酒であり、そ
して地域性を強調する伝統的飲酒という特徴を有しており、特に人間関係の親
密さを示す離島、農村部にその傾向が大であった。このような社会的飲酒は、
集団のあり方を大きく規定していると思える職業集団を通してどのように異な
ってくるであろうか。本稿では前回の沖縄県における社会的飲酒という飲酒行
動パターンを踏まえ、職業差という観点から比較、検討していくことにする。
Ⅱ方法
1調査対象
沖縄県内に居住する一般成人740名と大学生71名を調査対象とした。被調
査者の地域別、年齢別、職業別の内訳は表1~表3に示す通りである。尚今回の
職業別分析では、農業と漁業をこみにして農業として扱かい、また、工業、製
造業、金融業、自由業、主婦は被調査者が少ないという理由から分析対象から
除外した。そして表1.2と表3の合計値が異なるのは被調査者のデモグラフィッ
ク要因の記入漏れによる差である。
表1地域別調査対象内訳
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都市 農村 久米島 八重山 宮古 大学 合計
人数
(%)
232
(28.6)
213
(26.3)
83
(10.2)
93
(11.5)
119
(14.7)
71
(8.8)
811
(100.0)
-
表2年齢別調査対象内訳
表3職業別調査対象内訳
被調査者の特徴について若干補足しておくと、地域別では本島都市部、農村
が多く、久米島、八重山が少ない。年齢別では35才~39才が最も多く、40
才~45才、45~49才の順となっている。
調査地域の詳細としては本島都市部に那覇市、沖縄市、名護市が含まれ、本
島農村部には、玉城村、具志川市(農村部)、今帰仁村が含まれている。
2.調査の実施
調査は、大学生が1983年2月に大学で実施され、一般成人は1983年3月
~5月の間に実施された。
3.調査票の作成
⑦飲酒の実態①飲酒の動機◎習慣的飲酒①宴会飲酒習慣①飲酒
および飲酒者に対する認知と評価という5つの飲酒行動領域を設定して合計47
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20才
未満
20 ヘー
24才
25 =~ザ
29才
30 声、 ̄
34才
35 戸~
39才
40 戸~
44才
45 ~
49才
50 ~
以上合計
人数
(%)
1
(0.0)
73
(9.0)
9
(L1)
109
(13.4)
208
(25.6)
195
(24.0)
161
(19.9)
55
(6.8)
811
(100.0)
農業 漁業 商業 工業 製造業 サービス業 建設業
人数
(%)
81
(10.1)
24
(3.0)
57
(7.1)
12
(1.5)
17
(2.1)
59
(7.3)
106
(13.2)
金融業 会社員 公務員 自由業 主婦 学生 鉦’、、、 職 合計
7
(0.9)
167
(20.7)
119
(14.8)
43
(5.3)
30
(37)
71
(8.8)
10
(1.2)
803
(100.0)
-
項目の質問紙調査票が作成された。
上記47項目の設問に性、年齢、職業等のデモグラフィック要因5項目を加
えて「飲酒行動に関する調査票」を作成した。回答は各設問にあらかじめ用
意された選択肢から選ぶ多肢選択法(1つ、または3つ選ぶ)と、必要な事柄
を書き入れる記入法を併用した。尚、設問の具体的内容については付表を参照
していただきたい。
4.調査の手続
調査は各調査地点に位置する小学校在学の6年生の父親を対象として、児童
を通して調査票の配布と回収を行なった。児童の父親が不在、または欠損の場
合は、祖父、兄などの家族や親類の成人男子に記入させるよう配慮した。
5.データの処理
本稿では各設問項目における応答結果を単純集計し、項目×職業の二重クロ
ス応答分布表を作成し、職業別比較に焦点を当てた。ii4i肴ii回と同様、項目11,
12には記入が不完全のため分析から除外した。
Ⅲ結果と考察
l)飲酒の実態
全体的に最も好まれている酒は泡盛、ウイスキー、ビールのいずれかに集中
してくる。これらは職業別には、泡盛が農業や建設業、公務員(48.0%、34.3
%、33.9%)に、ウイスキーはサービス業や学生、会社員、公務員(39.7%、
36.6%、31.1%、31.4%)に、ビールは商業、学生、会社員、サービス業
(42.9%、35.2%、32.9%、31.0%)に多く好まれている。そのなか
で農業の泡盛嗜好(48.0%)や商業のビール嗜好(42.9%)は他の職業の
場合と比べて高率になっているのが目につく(項目l参照)。
ところで、実際に「飲む機会の多い酒」や「量的に最も多く飲んでいる酒」
に関して検討してみると、好まれている酒の場合の回答と対応して、全体的に
泡盛、ウイスキー、ビールに回答が集中している。
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-
%印
く
)
50
40
30
20
'10 ■■●●●■●●●●農業
商業
サ建会設社
ピ業員ス
業
飲む機会(回数)の多い酒
公務員
学生
図1
職業別には図1に示されるように、農業や建設業、公務員、会社員、学生で
は泡盛を最も多く飲む機会が多い酒として回答している(36.1~57.0%)。
そのなかで、農業(57.0%)、建設業(48.5%)、公務員(45.8%)が際
立った比率を示している(項目2参照)。この傾向は「量的に多く飲んでいる
酒」の回答にも同じように認められる。
商業ではビールを「飲む機会が多い」とか、「量的に多く飲んでいる」とい
う回答(41.1%、40.7%)が最も多いが、ビールの場合はアルコール分が
かなり少なく、飲み易いということもあって、また、宴会等での社会的促進の
機能を果す(例えば「乾杯」)ものとして活用されるということもあって、ど
の職業でも比較的よく飲まれている。その他、サービス業ではウイスキーが高
率(33.9%)となっているが、商業や学生においてもウイスキーの愛飲者は
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-
比較的多い(37.0%、29.6%)。(項目3参照)
以上のような「好みの酒」と「実際に飲む酒」との対応関係は因果関係を定
かにするものではないが、泡盛に限定して、飲酒経験の比較的浅い大学生の場
合と比較してみると両者の関係は次のように解釈されよう。大学生の泡盛嗜好
は10%程度の低率の回答であるのに対し、「飲む機会の多い酒」や「飲む量
の多い酒」として泡盛を選択する者がそれぞれ35%、29%おり、「好きな
酒」の3倍以上に上昇している。このことから、通常人々はまず飲む機会が多
く与えられ、そのなかで次第に特定の酒に対する嗜好を形成していくことがう
かがわれる。すなわち、まず行動次元から態度の変容へと転換していくものと
考えられる。
一方、清酒やワインはどの職業でもほとんど飲む機会もなく(00~3.1%/
0.0~5-6%)、また、好まれる率も少ない(00~4.1%/2.0~7.1%)。沖
縄住民にとっては清酒は現在のところなじみ難い酒であるのかも知れない。ま
た、ワインに対する回答率が低率に留まっているのは調査対象が男性に限定さ
れており、性差による好みの違いから生じてきたものと思われる。
飲酒頻度について検討を加えてみると、自宅内及び自宅外では「週1日以上
飲む」と回答した者がどの職業でも6割以上(63.6~74.4%)を占めてい
る。また、飲酒頻度としてはかなり高い「週に4.5円以上飲む」という回答は
27~42%あり、とりわけ、農業(39.4%)とサービス業(42.4%)に高い傾
向が認められる。さらに、「ほとんど毎曰飲む」の回答者も学生を除いてはい
ずれも2割程度占めている。このようなことは地域社会のなかでの生活に酒が
深く関わっていることを反映している「(項目9参照)
ここで自宅内と自宅外に分割して各々の飲酒頻度を分析していくと、自宅外
では図2の通り、どの職業も「月に1.2回」という回答が最も多い(54.0
~75.4%)。その傾向は飲酒経験の浅い大学生に最も強いが、次いで農業、会
社員、商業の順になっている。「月に3~5回」という回答がその次に高い比
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-
(%)80
F11~2回
Ⅷ3~5回
醐鬮6~9回
歴園’0回以上
70
60
50
40
30
20
態
00。□1
■■■■■■■■■■■
■■●■■■■■■■■
■■■■■■■■●■■
10■■■■■■■
■■■■■■■■
■■■■■■■
■■■■■■■■
■■。■■■■■■■■■■■■
■■●■■■■
■■●■■■■
●■■■|■二F■■ 篝農業
商業
建設業
会社員
サービス業
公務員
学生
図2飲みに出かける回数(月)
率を示しているが、とりわけ、公務員(31.0%)や会社員(23.4%)に多
い。また、「月に10回以上飲む」という回答はどの職業も低率ではあるが、
サービス業(17.3%)や建設業(12.0%)にその回答者が多い。これらの
職業においては酒は職業上人間関係を強化するためにより多く活用されている
ものと考えられる。(項目4参照)
一方、自宅での飲酒頻度は職業によって多少異なった傾向を示しているが、
「月に1.2回飲む」というのが商業(47.7%)、建設業(42.6%)、会
-57-
-
社員(36.0%)、公務員(36.0%)の順に多い。また、農業やサービス業
では「月に10回以上飲む」という回答が多い(37.9%、28.8%)。しかし
この場合、農業では相対的に「月に10回以上飲む」の回答に傾斜しているの
に対し、サービス業では他の回答にも分散している。このことは農業の場合他
の職業と比べて自宅外飲酒よりも自宅内飲酒が多いことを示唆している。(項目
6参照)
(%)70
F1親せき宅
屋ニヨ友人・知人宅
■■大衆酒場
噸パー・キャバレーなど
60
50
40
!
●●●●●□●●●■●●■■●■■■■■■■■■■■■■
00
●■
■■■■l■-■■■■
0●00
30
…簔簔
●●■●●□●■■■■■■■■■●■■■■
■■■■■■■■■■■■■
20
Ⅱ10
農業
3
商業図
サ 建
ビ 設ス 業業
自宅外での飲酒場所
会社員
公務員
学生
図3は自宅外での飲酒場所を問うた結果であるが、どの職業も「知人・友人
宅」を選択する者が多く(28.1~59.2%)、なかでも農業(59.2%)と建
58
-
設業(47.6%)にその傾向が強い。さらに、農業の「親せき宅」の回答が比
較的高い比率を示している。これに対し、他の職業の場合「大衆酒場」や「パ
ー・キャバレー」等、飲酒場所が広範囲にまたがっている。(項目5参照)
このように、とくに農業の場合飲酒行動の範囲がかなり親しい者同士のつき
合いの枠内に限定される。また、農業に従事する者にとって周囲に「大衆酒場」
や「バー・キャバレー」等が少ないという環境的要因もそのような場での飲酒
行動を低率に留めさせている理由のひとつとしてあげることができる。
飲酒の際、「2.3人で飲む」とか、「4.5人以上で飲む」とかの集団飲
酒の形態をとることは前回の地域間比較の結果でもみられたが、職業別比較で
みても全体的にほぼ同じ傾向がみとめられる。しかし、公務員と大学生を除く他
の職業では「2.3人で飲む」という比較的少人数で飲む傾向を示している
(38.2~51.9%)。とりわけ農業や商業、サービス業ではこの傾向が強い
(50.0%、51.9%、50.8%)。
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50
40
30
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農業
商業
建設業
会社員
学生
サービス業
公務員
図4 飲酒時の人数
59
-
しかしながら、図4でみられるように、農業の場合は「2.3人で飲む」の
他に、「自分1人で飲む」の回答者が多いのに対し、その他の職業では「2.
3人で飲む」と「4.5人以上で飲む」の回答に傾斜しており、農業と他の職
業との飲酒形態がや■異なることが認められる。このような差異は前述したよ
うな農業の自宅内飲酒の多さに依ると考えられる。さらに、公務員の場合は職
場での会合が多いせいか、「4.5人以上で飲む」の回答が最も多くなってい
る(51.3%)。(項目7参照)
各月に支出される酒代に関しては、学生や農業が少ない額になっている。5
千円以内というのがどの職業でも全体の3割以上(31.0~61.3%)を占め
ているが、なかでもその回答率は農業において最も高い(61.3%)。学生の
酒代の低さは当然のこととして受けとめられるが、飲酒頻度や飲酒量の多い農
業の酒代が低くなっているのは、多く飲まれている酒が安価の地酒「泡盛」で
あることと、飲酒の場所が自宅外よりも自宅内に多いこと、また、自宅外でも
「知人・友人宅」に多いことに依ると考えられる。
「月額2万円以上」という回答はサービス業や商業、建設業にや公目立つ比
率(259%、22.6%、21.2%)を示している。(項目8参照)
飲酒時に交わすコミュニケーションの内容については「仕事の話」や「地域
社会の話」に集中する傾向がある。そのなかで、農業やサービス業、建設業は
「仕事の話題」をあげる者が多い(509~54.3%)。商業や会社員の場合
は両方の話題がほぼ同率になっている(32.1~34.0%/33.5~34.8%)。
このような違いは職業の内容が地域社会とどの程度関わっているかによって生
じてくると考えられる。
回答の仕方に少し傾向を異にしているのは公務員で、他の職業では低率の
「職場の話」が高率(33.9%)になっている。全体的に共通して言えること
はどの職業でも自分の仕事を中心とする身辺的な話題についてのコミュニケー
ションが多いことがわかる。一方、職業をもたない大学生の場合は、「その他」
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-
の項目(55%)に集中しているが、その内容に関しては定かでない。(項目37
参照)
飲酒時に適した料理としては全体的に「琉球料理」(24.5~58.1%)と
「和食」(20.4~42.2%)をあげているが、特に農業と建設業において
「琉球料理」(58.1%、52.5%)をあげる者が多いのが目につく。商業や
学生においてはむしろ「和食」(39.6%、43.5%)の方に傾き、会社員、
公務員では「琉球料理」と「和食」の両者にほとんど回答差はない。このよう
な飲酒時に選択される料理は食習慣と深く関わっていることは言うまでもない
が、その中で農業や建設業の「琉球料理」への強い選択傾向は彼らの「好みの
酒や「飲酒頻度の高い酒」として「泡盛」をあげることにあると解釈される。
泡盛の飲酒頻度の低い大学生の場合、「琉球料理」の回答はかなり低く、その
代わり、「和食」(43.5%)や「洋食」(21.7%)、「その他」(203%)
に傾いている。(項目38参照)
しかしながら、飲酒時に選択される音楽に関して回答を求めると多少異なっ
た傾向を示している。大学生を除いて全体的には「演歌」と「琉球民謡」に回
答が集中している(42.2~69.9%/18.9~53.3%)が、農業の場合は
「琉球民謡」(53.3%)が首位で、「演歌」(42.2%)が続いている。農
業の「泡盛」と結びついた「琉球料理」の嗜好が「琉球民謡」の選択傾向を促
していると言える。その他の職業では6割から7割までが「演歌」を選択して
いる。また、大学生では「ポピュラー・クラシック」、「演歌」の順に、比較
的広範囲に選択されているが、「琉球民謡」はほとんど選択されていない(2.9
%)。(項目40参照)
2)飲酒動機と飲酒習慣
(a)飲酒動機
前回の飲酒行動に関する地域差の分析結果から、沖縄社会では人々は「つき
合いのため仕方なく」という対人的消極的理由から酒を飲み始めること、およ
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ぴ初飲時から現在にかけて「ストレス解消」という個人的消極的理由が増加し
てくることが示唆された。前者は離島及び農村の集団的飲酒と結びつき、後者
は都市部の飲酒形態と関連してくることが考えられた。しかし、飲酒行動の全
体的特徴としては集団的飲酒、社会的飲酒ということが顕著であった。このよ
うな集団的飲酒、社会的飲酒は、その集団を構成し規定する職業によって異な
ることが予想される。
先ず最初に「初飲時の飲酒理由」(項目13)で最も高率で選択されたのは
「つき合いで仕方なく」(36.2%~54.4%)であり、次いで「人間関係を
より良くする」(10.7%~32.5%)という対人的理由である。職業別では、
建設業(54.5%)、会社員(52.2%)に「つき合いで仕方なく」という対
人的消極的理由が顕著であり、逆に公務員(32.5%)、サービス業(24.1%)
において「人間関係をより良くするため」という対人的積極的理由が顕著であ
る。一方個人的消極的理由である「ストレス解消」(1.4%~130%)も少
々見られ、商業(13.0%)、建設業(10.7%)、公務員(10.3%)、会社
員(10.1%)において初飲時から「ストレス解消」飲酒が存在していること
を示している。このような結果は、勤務条件のきびしい建設業、会社員は社交
上の必要から渋々お酒を飲み始め、公務員、サービス業は初飲時から飲酒の持
つ社会的促進効果を認めていることを示唆している。また、職業的結束の弱い
と思える農業は対人的理由の選択率が低いという結果にある。一般に人々は20
才前後でお酒を覚えるが、就職するのも20才前後~25才前後であり職業的
社会化が初飲時には達成されていないと思われる。そのため、初飲時の飲酒理
由には顕著な職業差は見られないものと思われる。
初飲時とは異なり職業的社会化の進んだ現在の飲酒理由は集団の在り方を規
定する職業により大きく異なることが予想される。
図5は現在の飲酒理由を職業毎に示したものである。初飲時と比較して現在
の飲酒理由の特徴として「つき合いで仕方なく」という対人的消極的理由が大
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-
僕すが
聞く西
%印
く
40
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20
10
農業
商業5図
建設業
会社員
大学生
サ1山」ス
公務員
職業別飲酒理由の比較
きく減少し(23.8%~36.4%)、逆に「ストレス解消」という個人的消極
的理由の大きな増加(23.0%~39.8%)を示している。しかし、職業別で
は現在においても商業(36.4%)、建設業(30.2%)、農業(28.3%)は
「つき合いで仕方なく」と答える人が若干多い方向にある。逆に「ストレス解
消」という飲酒理由を高率で選択したのは、公務員(39.8%)、建設業(35.8
%)であり、職業上精神的ストレスや身体的ストレスの多いことを予想させて
いる。このような飲酒理由の中でも、サービス業(20.3%)、大学生(330%)
は比較的高率で「人間関係をより良くするため」と答えているが、この結果は
項目28「どのような集まり、会合でお酒を飲みますか」という質問に「友人
との親睦会」と高率で答えていることと無関係ではないと思われる。また個人
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的積極的理由である「お酒が好き」(6.8%~15.0%)、「健康によい」(2.0
%~17.2%)という理由の選択も見られるようになり、特に農業において高
いことを示している。
このように、現在の飲酒理由の特徴として対人的理由の選択が減少し、逆に、
個人的消極的な「ストレス解消」という理由が増加している。特に精神的スト
レスや身体的ストレスの高いと思える公務員、建設業においてその傾向が強い。
また「体によい」、「お酒が好き」という個人的積極的飲酒理由を選択した農
業は飲み仲間が職業上限られていることを示唆している。
(b)習慣的飲酒
上に示したように沖縄県における飲酒行動への動機づけ過程は、労働の形態、
職場の人間関係などを反映し職業によってある程度異なることがわかる。それ
では、習!直的飲酒の形態は職業によってどのような特徴が見られるであろうか。
先ず最初に飲酒の時間帯について検討する。「酒を飲んでいる時間」(項目
17)で最も多く選択されたのは「PM7:00~PM10:00」(22.5%~69.
1%)であり、次いで「PM10:00~PM12:00」であり、全体的に常識的
な飲酒時間帯を示している。職業別では、農業(69.1%)、建設業(65.3%)
公務員(57.4%)、会社員(54.3%)が高率で「PM7:00~PM10:00」
の時間帯を選択している。これに対して、「PM10:00~PM12:00」という
深夜の時間帯を高率で選択したのは、商業(52.7%)、大学生(50.7%)、
サービス業(50.0%)であり、加えて商業(12.7%)、大学生(16.9%)
は「PM12:00~」の時間帯を選択する人が多い。このように農業や建設業
では一日の身体的疲労が強く、また公務員や会社員では毎日の勤務時間が早い
ということから、比較的常識的な飲酒時間帯を示している。一方、就労時間が
夕方遅くまで続き、かつ仕事の始まりが時間的に遅い商業やサービス業では、
深夜にならないとお酒が飲めないことを示唆している。また、大学生の飲酒が
深夜にまたがっているのは、飲酒の機会が少なく、友人同士のコンパでの飲酒
-64-
-
であることを予想させる。
飲酒の時間帯は勤務時間によってかなり規定されているが、飲酒の時間幅は
職業を通してどのような特徴があるだろうか。
ヒニコ30分~1時間ビ鰯2時間~3時間
鬮圏1時間~2時間■■■3時間以上
%
60
50
40
5
30
!!20
10
農業
商業
建設業
会社員
公務員
大学生
サービス
図6職業別飲酒時間幅の比較
図6は「飲み始めてから飲み終るまでの時間は」(項目18)という質問に
対する回答を職業別に示したものである。最も回答率の高いのは「3時間以上」
(24.2%~54.7%)であり、次いで「2時間~3時間」(20.5%~36.2
%)のII項となっており、比較的長時間に亙ってお酒を飲んでいることを示して
いる。職業別では公務員(54.7%)、建設業(42.9%)、大学生(37.2%)
-65-
-
において「3時間以上」の選択が顕著であるが、この結果は公務員、大学生に
おいて曰頃の飲酒回数が比較的少ない(項目9参照)ということ、及びアルコ
ール濃度の強い泡盛をよく飲むということ(項目3参照)から、その分飲酒時
間も長くなることを示している。逆に、「1時間~2時間」という飲酒時間幅
を高率で選択しているのは、自宅での飲酒頻度の高い農業(32.1%)であり、
飲酒の時間帯との関係から農業では晩酌飲酒の多いことを予想させている。
(項目6参照)
肉体的労働を主とする農業や建設業において晩酌飲酒の存在することは、飲
酒と食事の関係からも推測できる。すなわち「あなたがビール・ワインなどの
軽いお酒を飲むのは」(項目19)という質問に対して、農業(53.4%)、建
設業(50.5%)、公務員(49.1%)は比較的高率で「食事の前が多い」と回
答しており、また「あなたがあわもり、ウイスキーなどの強いお酒を飲むのは」
(項目20)という質問に対して、建設業(70.2%)、公務員(60.7%)、
農業(57.1%)は「食事の後が多い」と回答している。いわゆる、ビールな
どの軽い酒はアピタイザーとして飲用し、また、すきっ腹に強い酒は体の毒だ
という習慣が成立していることを示唆している。尚、商業、サービス業は、強
い酒も軽い酒も「食事の後が多い」と高率で選択しているのは、職業柄飲酒を
始める時間が遅い(項目17参照)ことと関係していると思われる。
また、職業によって大きく異なってくると予想されるのは外出飲酒の形態で
ある。飲みに出かける回数にそれほど職業差は顕著でないが(項目4参照)、
「バー・キャバレー・大衆酒場等へ飲みに出かける時は」(項目21)という
質問に対して、職場と酒場が距離的に近いと思われる公務員(47.0%)と会
社員(38.8%)は「職場から直行することが多い」と回答している。そして、
農業(17.1%)と建設業(22.3%)は「職場から直行することが多い」と
回答する人が少なく、「帰宅して出直すことが多い」(81.6%、77.7%)
と回答している。この結果は帰宅時の服装などの外見、および職場と酒場の地
-66-
-
理的関係の差異を反映しているものと思われる。
また、飲みに出かける時(項目41)は、大部分の人が「自分から人を誘う」
(11.8%~246%)よりも「人に誘われる」(75.4%~88.2%)方で
あり、会社員や大学生は特にその傾向が高い。商業において「自分から人を誘
う」ことが若干目立つが、項目28の結果において「友人との親睦会」で飲む
という結果と一致している。
(c)宴会飲酒
先に飲酒理由の職業別比較から肉体的労働を主とする農業や建設業では個人
的積極的理由からお酒を飲み、公務員、会社員、サービス業のサラリーマン層
は個人的消極的理由から飲酒行動が動機づけられていることが示唆された。こ
のような飲酒行動の動機づけにおける職業差もさることながら、職業にもとづ
く集団的特徴の差異が社会的飲酒の代表的形態である宴会飲酒のあり方を大き
く規定しているものと予測される。
それでは「宴会や会合などの集まりの席でお酒を飲む機会」(項目27)は、
どの程度あるのだろうか。全体的な傾向としては「月に1.2回」(55.6%
~73.5%)と回答する人が多く、次いで「月に4.5回」(7.4%~21.7
%)と回答している。職業別では対人的消極的飲酒理由を示した建設業(71.4
%)と、月額の酒代の少ない大学生(73.5%)において「月に1.2回」
と答える人が多い。それに対して、公務員、会社員、サービス業などのサラリ
ーマン層は月当りの宴会飲酒が比較的多いという結果にある。サラリーマン層
に職業柄宴会や会合での飲酒が多いことは「どのような集まりの宴会、会合で
すか」(項目28)という質問の結果からもうかがえる。すなわち公務員(69.
0%)、会社員(45.0%)は、圧倒的に「職場の集まり」であると回答して
いる。それに対して大学生(87.5%)、サービス業(50.9%)は「友人と
の親睦会」であると回答している。また職業的連携の薄いと思われる農業は、
「家族・親せきの祝い」(37.1%)、「地域での祝賀会」(13.5%)と回
-67-
-
答している。このように、宴会飲酒の頻度および種類は職業柄を反映してかな
り異なる結果を示している。
職業によって社会的飲酒のあり方が異なることは飲酒量とどのように関係し
てくるだろうか。図7は、日頃の宴会や集まりでの飲酒量の程度を職業別に示
[二コ酔うぐらい飲む
匡三2酔わないようにひかえる
1轤鐵ほとんど飲まない
%、
60
50
40
30
20
10
農業
商業7図
サ建会設社
ビ 業員ス
職業別宴会飲酒程度の比較
公務員
大学生
したものである。普段から気心の知れた職場の人々、友人とお酒を飲む
傾向を示す公務員(59.5%)、会社員(49.4%)と、主に学生同志で飲
-68-
-
むと思える大学生(49.3%)は圧倒的に「酔うぐらい飲む」と回答している
のが目立っている。それに対して商業(61.8%)、建設業(57.7%)、サー
ビス業(50.9%)は職場以外の「友人との親睦会」で久々に飲むせいか「酔
わないようにさしひかえる」と回答している。また、商業(16.4%)は「酔
うぐらい飲む」と回答する人が極端に少なく、日頃から身体的、精神的ストレ
スが弱いことを示唆している。そして、一般的に「二次会へ参加する」(56.8
%~82.6%)傾向が大であるが、特に曰頃から飲酒量が多く、かつ気心の
知れた職場の人々と飲んでいる公務員(80.5%)、会社員(77.3%)は二次
会への参加に積極的であり(項目30参照)、また、二次会でも公務員(74.0
%)、会社員(64%)は「よく飲む方である」と回答している。そして、大学
生においても同様の傾向を示しているのは久々のコンパであることを示唆して
いる。(項目31参照)
(d)飲酒の結果について
ここまで職業を通しての飲酒動機、習慣的飲酒、宴会飲酒の差異について分
析・考察してきた。このような職業による飲酒行動の差異は個人的、あるいは
社会的にどのような結果をもたらしているであろうか。
「お酒を飲みすぎて健康を害したことがありますか」(項目22)という質
問に対して、飲酒機会、飲酒量の多いことを示していた公務員(62.9%)、建
設業(629%)、サービス業(53.4%)、会社員(51.2%)は「2日酔い
が多い」と回答している。それに対して「医者の治療を受けたことがある」と
回答したのは全体的にきわめて少ない結果にある(0.0%~10.1%)。そし
て、日頃から肉体的労働で体を鍛練し、かつ飲酒量の少ないと思われる農業
(48.5%)、商業(47.3%)は「そのような事はない」と回答している。
(図8参照)このようにサラリーマン層は2曰酔をする程お酒を飲んでいる
ことを示しているが、そのために仕事を休めるわけではない。「お酒を飲みす
ぎて仕事を休んだことがありますか」(項目23)という質問に対して、「よ
-69-
-
亡コ 2日酔程度
医者の治療
% 特になし
60
50
40
30
lli20
10
農業
商業
サ建
設ビ 業ス
職業BlIに見た飲酒と健康
会社員
公務員
大学生
図8
-
つ。
以上のような飲酒のもたらす個人的結果に対して対人的、社会的結果'よ職業
を通してどのような特徴を示すであろうか。「酒によってトラブルを起したこ
とがありますか」(項目24)という質問に対して、「家族とのトラブル」を
高率で選択しているのは、2日酔いで仕事を休むことの多い農業(37.8%)、
建設業(34.5%)である。それに対して、職場の仲間や友人と飲む機会の多
かった会社員(19.2%)、サービス業(17.3%)、公務員(16.5%)は「友
人・仕事仲間とのトラブル」を選択している。また「親せき。近所とのトラブ
ル」(0.0%~3.6%)、および「警察のやっかいになるトラブル」(0.0%
~8.1%)はきわめて選択率が少ない。しかし、全体を通して「その他」とい
う選択肢を選び具体的に記入がないのは、この種の質問に対す防衛的態度を誘
発していることが考えられ、実際上トラブルはもっと多いものと考えられる。
3)飲酒行動に対する認知及び評価
日常の生活における酒の必要度の認知は、職業別にどのように異なるのだろ
うか。「あなたの日常の生活に酒はどの程度必要か」(項目16)の質問に
対して、「絶対必要」の選択肢への回答率をみると、公務員が最も高く(12.1
%)、次にサービス業(10.2%)、会社員(6.2%)となっている。また、
「絶対必要」と「ある程度必要」への回答率を加算した結果から見ると、サー
ビス業が最も高く(71.2%)、公務員(64.3%)、商業(61.8%)の11頂に
なっている。このような一般成人の各職業別の回答結果に比べ、大学生は回答
率が低くなっている(45.1%)。ところで、酒は生活に役立っているのだろ
うか。「酒はあなたの生活に役立っているか」(項目35)の質問に対して、
「役立つ」の選択肢への回答率の結果から、最も高いのは公務員(22.4%)
であり、順次、会社員(21.5%)、農業(17.3%)となっている。また、
「役立つ」と「多少役立つ」の選択肢への回答率の加算結果から見ると、公務
員(741%)とサービス業(74.1%)が最も高く、次に商業(67.2%)、
-71-
-
農業(65.1%)、会社員(61.4%)、建設業(53.9%)の順になっている。
すべての職業で、酒は生活に役立つ方向で認知されている。ここでも、大学生
は一般成人に比べ回答率が低くなっている(47.8%)。また、逆に「邪魔に
なっている」の選択肢への回答率では建設業が最も高く(12.7%)、以下、会
社員と農業が同位(8.2%)で続いている。
次に、「気楽に酒の飲める場所はどこか」(項目34)の質問に対して、「自
宅・親戚宅」の選択肢への回答率の結果では、農業(79.5%)が最も高く、
以下、建設業(68.6%)、会社員(60.2%)、公務員(59.0%)となって
いる。農業は「友人宅」への回答率(15.7%)も他の職業に比べ高くなって
おり、私的場所で飲む傾向が強い。「パー・キャバレー」の回答率では商業
(22.9%)、サービス業(15.6%)が高く、建設業(11.6%)、公務員
(11.0%)と続いている。また、「大衆酒場」の回答率ではサービス業
(15.6%)、会社員(138%)が高い。以上の結果から、特に商業やサービス業
は他の職業に比べ、「パー・キャバレー」や「大衆酒場」等の共有的な場所で
飲む傾向が見られる。また、大学生は「大衆酒場」(39.7%)、「友人宅」
(29.4%)、「自宅・親戚宅」(22.1%)の11項になっている。
各職業の人々は、酒の持つ最大の利点をどのように認知しているのだろうか
(項目42)。すべての職業と大学生において、「つき合いをよくする」を
1位に、「ストレス解消に役立つ」を2位に挙げている。「つき合いをよくする」
の選択肢への回答率を見ると、サービス業(75.9%)が最も高く、以下建設
業(68.6%)、農業(67.0%)、公務員(66.7%)、会社員(63.6%)、
商業(57.7%)の順になっている。逆に「ストレス解消に役っ」の選択肢の
回答率では、商業(38.5%)が最も高く、会社員(29.9%)、公務員(25.6
%)、農業(23.4%)、サービス業(22.4%)、建設業(216%)の順
になっている。また、「欲求不満解消になる」の選択率に関しては、大学生
(92%)と公務員(6.8%)が他の職業(1.3%~2.9%)に比べ高い。相対
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-
的に、サービス業、建設業、農業は他の職業に比べ「つき合いをよくする」こ
とに酒の利点を認知し、反面、商業、会社員、公務員は他の職業に比べ、「ス
トレス解消に役立つ」を若干強く認知している。商業、会社員、公務員は他の
3職業に比べ、やや都市型の飲酒行動様式をとっていると考えられる。
ところで、酒の持つ最大の欠点はどのような事だろうか(項目43)。すべて
の職業で、「健康を害する」の選択肢への回答率が高い。その中でも、農業
(47.2%)、商業(47.1%)、会社員(43.1%)が他の職業に比べ若干高くなっ
ている。「金がかかる」と「社会にIと迷惑をかける」の両選択肢への回答率の
順位は職業間で異なっている。「金がかかる」への回答率は、公務員(33.0
%)、建設業(31.3%)、会社員(28.8%)の3職業がこの順で高い。ま
た、「社会に迷惑をかける」への回答率では、サービス業(31.6%)、公務
員(29.5%)、農業(29.2%)が他の職業に比べ高くなっている。「人間
関係を悪化させる」への回答率はすべての職業と大学生で最下位になっている。
また、大学生は、酒の欠点を「金がかかる」(43.5%)、「健康を害する」
(30.4%)、「社会に迷惑をかける」(23.2%)の11項で認知している。
ところで、「宴会や会合での席で酒に酔った上でのトラブルが多く見うけら
れるか」(項目33)の質問に対し、すべての職業と大学生で「少ない方だと
思う」への回答率が高い(783%~92.0%)。また「かなり多い」と「あ
る程度トラブルがある」の両選択肢への回答率の結果から、最も高いのは建設
業(17.0%)であり、以下、公務員(15.2%)、商業(143%)、サービ
ス業(12.5%)、会社員(11.2%)、農業(8.0%)の11項になっている。
「周りに度を越して酒を飲む人がいるか」(項目36)の質問に対して、すべ
ての職業と大学生ともに「少ないと思う」と認知している(67.1%~85.1
%)。反面、「多いと思う」の回答率の結果から、最も高いのは、商業(27.3
%)であり、11項次、会社員(26.5%)、公務員(26.1%)、サービス業(254
%)、農業(18.9%)、建設業(14.9%)となっている。
-73-
-
次に、「酒を飲む人々は年々増加していると思いますか」(項目44)とい
う質問に対して、「いくらか増加している」(47.8%~67.1%)と回答す
る人が多く、次いで「かなり増加している」(22.9%~45.9%)と回答し
ている。職業別では、大学生(67.1%)、商業(58.8%)に「いくらか増
加している」と回答する人が多く、飲酒量の多いと思える会社員(45.9%)、
サービス業(42.4%)において「かなり増加している」と回答する人が目立
っている。また、「酒に酔って問題を起こす人々が増えてきていると思うか」(項
目45)という質問に対して、サービス業(62.7%)、公務員(55.4%)、
会社員(54.5%)は、「いくら増加している」と回答しており、商業(35.4
%)、建設業(26.5%)は「かなり増加している」と回答している。そし
て、逆に「減っている」(23.7%~28.2%)と回答したのは合計で25.2
%であり、大部分の人々が、飲酒にともなうトラブルの増加を認めている。
飲酒にともなうトラブルの増加に呼応して、「飲酒者に対する社会の態度は」
(項目46)という質問で飲酒者に対する社会の評価を求めて見ると、肯定的
な感情を示す「大目に見ている」(35.7%~56.5%)と回答する人が多く、
次いで、否定的感情を示す「ルーズである」(33.7%~62.9%)の11項とな
っている。職業別では、飲酒量の多いと思える公務員(56.5%)、建設業(52.0
%)に「大目に見ている」と回答する人が多く、飲酒行動の社会化の進んで
いない大学生(62.9%)と、親睦という目的で酒を飲むと思えるサービス業
(49.2%)、商業(42.6%)において「ルーズである」と回答する人が多
いという結果にある。また、農業(18.0%)は比較的高率で「きびしいと思
う」と回答しているが、農村社会での人間関係の親密さに基づく批判の目があ
ることをうかがわせている。「あなたの周りで未成年者の飲酒は」(項目46)
の質問に対して、入学当初から酒を飲むという現実を反映してか、大学生(643
%)は圧倒的に「よく見られる」と回答している。全体的に最も高い回答率を
示しているのが「たまに見られる」(25.7%~45.7%)という回答であり、
-74-
-
現実的に未成年者の飲酒が多いことを示唆している。特に、よく飲みに出かけ
ると思える建設業(45.7%)、公務員(43.3%)、会社員(43.0%)にお
いて若干回答率が高くなっている。また、友人、知人宅や自宅で酒を飲むサー
ビス業(49.9%)や、それに加えて、飲み屋の少ない農村という地理的条件
を反映して農業(44.0%)は、「ほとんど見られない」と回答している。
Ⅳ要約
本研究では飲酒行動に関する心理学的研究として飲酒の実態や動機、飲酒習
慣、飲酒行動に対する認知、評価の側面から質問紙調査が作成され、沖縄県内
在住成人男性740人と、大学生71人計811人を対象として1983年2月~5
月に調査が実施された。その結果に基づいて本報告では職業間比較を中心に分
析が行なわれた。その主な結果は次のとおりである。
1)飲酒の実態
①全体的に好まれている酒として「泡盛」、「ビール」、「ウイスキー」
に集中しているが、「泡盛」はとくに農業に、「ビール」は商業に、「ウイス
キー」はサービス業に好む者が多い。「飲む機会の多い酒」や「量的に多く飲
んでいる酒」に関してもほぼ類似の傾向を示している。
②自宅外での飲酒頻度はどの職業も「月に1。2回」の回答が量も多いが、
全般的に職業上人間関係を重視する建設業やサービス業においては自宅外での
飲酒頻度がや■高くなっている。
③一方、自宅での飲酒頻度に関しては「月に1.2回」と「月に10回以
上」の回答が高率になっているが、農業と会社員は後者の回答に、それ以外の
職業は前者の回答に傾斜している。
④飲酒場所としてはどの職業も「知人・友人宅」が選択されることが多い
が、とりわけ農業と建設業にその傾向が強い。他の職業ではその他に「大衆酒
場」や「パー・キャバレー」等にまで広く及んでいる。
⑤飲酒時はどの職業においても集団飲酒の形態をとっているが、公務員と
-75-
-
大学生を除く他の職業では比較的少人数で飲む傾向があり、なかでも農業がそ
の傾向を強く示している。
⑥飲酒時のコミュニケーションの内容はどの職業でも自分の仕事を中心に
した身辺的な話題をとりあげる傾向が強い。
⑦飲酒時に選択される料理には全体的に「琉球料理」と「和食」があげら
れるが、農業と建設業の場合とくに「琉球料理」に傾斜している。
⑧飲酒時に適した音楽としては大学生を除いてどの職業も「演歌」や「琉
球民謡」を選択する傾向が強い。なかでも農業の「琉球民謡」の選択率の高さ
が目につく。
2)飲酒動機と飲酒習慣
①初飲時の飲酒理由としては、対人的理由が顕著であるが、建設業、会社
員では「つき会いで仕方なく」という消極的理由を、公務員、サービス業は、
「人間関係をより良くするため」という積極的理由を選択している。
②現在の飲酒理由としては、対人的理由の選択が減少し、「ストレス解消」
という個人的飲酒理由が増加している。特に公務員、建設業において高率で選
択されている。また農業において、「健康によい」という飲酒理由の選択が見
られる。しかし、商業、建設業、農業、現在でも「つき会いで仕方なく」とい
う理由を選択している。
③農業、建設業、公務員、会社員は、「PM7:00~PMlO:00」の飲酒
時間帯を有し、商業、大学生、サービス業は、10時以後の飲酒時間帯を特徴
としている。
④飲酒時間幅では、公務員、大学生、建設業において、「3時間以上」の
選択率が高く、農業は、自宅で酒を飲むことが多いということから、「1時間
~2時間」の幅を選択している。
⑤農業、建設業、公務員は、軽い酒を「食前に飲む」、強い酒は「食後に
飲む」という適切な飲酒習1慣を示している。
-76-
-
⑥外出飲酒では、職業柄、公務員、会社員は、「職場から直行することが
多く」、肉体的労働を主とする農業、建設業は「帰宅後出直す」と回答してい
る。
⑦「宴会や会合での飲酒機会」は、公務員、会社員、サービス業などのサ
ラリーマンに多く、建設業や大学生において少ない。主に「職場の集まり」で
あることを示している。
⑧宴会や会合の席においても、公務員、会社員、大学生は、「酔うぐらい
飲む」と回答しており、「友人との親睦会」で久々に飲む、商業、建設業、サ
ービス業は「酔わないようにさしひかえる」と回答している。
⑨飲酒のもたらす個人的結果として、飲酒量の多いと思われる公務員、建
設業、サービス業、会社員は「2曰酔い」が多いと回答している。
⑩酒によるトラブルは、2曰酔いで仕事まで気軽に休める農業、建設業は
「家族とのトラブル」を挙げ、職場の集まりでよく飲む会社員、サービス業、
公務員は「仕事仲間とのトラブル」と回答している。
3)飲酒行動に対する認知及び評価
①すべての職業の人々と大学生は、曰常生活において酒の必要性を「ある
方がよい」と積極的に認知している。その中で、サービス業、公務員、商業等
は他の職業に比べ酒の必要性の認知が相対的に強い。また、公務員、サービス
業は他の職業に比べ、酒は生活に役立つと若干強く認知している。
②気楽に酒の飲める場所として、農業は「自宅・親戚宅」、「友人宅」の
私的場所を挙げている。また、商業やサービス業は他の職業に比べ、「バー・
キャノルー」や「大衆酒場」等の共有的な場所を挙げる傾向が見られる。
③酒の持つ最大の利点として、サービス業、建設業、農業は他の職業に比
べ「つき合いをよくする」と認知している。反面、商業、会社員、公務員は他
の職業に比べ「ストレス解消に役立つ」と若干強く認知している。
④飲酒人口は増加傾向にあると認知され、特に会社員、サービス業はその
-77-
-
傾向が高い。
⑤認知された飲酒人口の増加に呼応して、飲酒にともなうトラブルも増加
してきていると認知されている。商業や建設業は「かなり増加している」と回
答し、サービス業、公務員は「いくらか増加している」と答えている。
⑥飲酒者に対する社会の評価の予測として、飲酒量の多い公務員、建設業
は「大目に見ている」と回答し、大学生、サービス業は「ルーズである」とき
びしい評価を下している。
参考文献
①沖縄県立精神衛生センター「精神衛生センター所報」1981年
②国吉和子「沖縄における飲酒の実態とアルコール関連問題一復帰後の統計
の分析を中心に-」、『沖縄大学紀要』第3号(通巻24号)1983年
③中村完、国吉和子、島袋恒男、名城嗣明「飲酒行動に関する心理学的研
究I」琉球大学法文学部紀要、社会学篇、第26号、1983年
④名城嗣明、中村完、島袋!恒男、国吉和子「飲酒行動に関する心理学的研究
①」沖縄心理学研究6号、1983年
⑤名城嗣明、中村完、島袋恒男、国吉和子「飲酒行動に関する心理学的研究
②」沖縄心理学研究6号、1983年
⑥西川愼八、額田祭、上野佐共編『日本の飲酒を考える」医学書院、1975年
⑦余暇開発センター編『現代社会における飲酒行動に関する研究』、1977年
③宮里勝政編「アルコール症」、「現代のエスプリ」Nul44・至文堂1979年
⑨山梨県精神衛生センター『山梨県明野村における飲酒実態調査一中間報告一」
1981年
-78-
-
〔付表〕調査用紙と応答分布(%)
Iと|計■’’要蔓 菅項目1.あなたの一番好きなお酒を次の中からひとつ選んで下さい。イ.あわもり
ロ.清酒
ハウイスキー
ニ.ビーノレ
ホ.ワイン
へ.その他
項目2.あなたが現在主に飲む機会
(回数)の多いお酒をひと
つ選んで下さい。
イ.あわもり
ロ.清酒
ハウイスキー
ニビーノレ
ホ.ワイン
へ.その他
項目3.あなたが現在、量的に最も
多く飲んでいるお酒をひと
つ選んで下さい。
イあわもり
ロ.清酒
ハウイスキー
ニ.ビーノレ
ホ.ワイン
へ.その他
項目4.あなたがお酒を「飲みに出
かける」回数は、月に約何
回ですか。
イ.1、2回
ロ.3~5回
ハ.6~9回
二.10回以上
-79-
般成人
農業
商業
サービス
建設業
会社員
公務員
大学生 計
014500
000000
112601
2350
蛆4肥筋22
別39904
冊旧48
732602
512
2
104916
909148
700760
8688
●●●●●●
●●●●●●
●●●●●●
●●●●
600273
703151
607050
0197
134
134
134
62
047027
075070
579577
7283
939151
剖1弘訓10
013011
7957
133
333
511
395690
504290
207299
0000
弧2釦泌21
蛆1加町11
601910
9272
422
521
341984
107506
405506
7472
921212
607500
羽0旧u00
l395
233
323
62
954345
886107
791607
0073
321632
妬0別〃01
203101
別孤95
332
423
326260
680204
046004
4834
,4記釿57
記2別況01
羽1羽詔01
5841
71
685967
720092
297995
0965
920032
015101
羽0肋別01
2277
233
423
62
-
鴦業一 更
|芒ス
ー‐‐
建設業。項目5.あなたが自宅外でお酒を飲
む主な場所は、次の中どこ
ですか(ひとつ選ぶ)。
イ.親せき宅
ロ.友人・知人宅
へ大衆酒場
二.バー・キャバレーな
ど
ホその他
項目6.あなたは自宅で月に何回お
酒を飲んでいますか。
イ.1,2回
ロ.3~5回
ハ6~9回
二.10回以上
項目7.あなたがお酒を飲む時の人
数で最も多いのは次の中ど
れですか。
イ.自分一人で飲むこと
が多い
ロ.2,3人で飲むこと
が多い
ハ.4,5人以上で飲む
ことが多い
項目8. あなたが酒代として使う金
額は月に約どのくらいです
か。
イ.2千円以内
ロ.2千円~5千円
ハ.5千円~1万円
二・1万円~2万円
ホ.2万円以上
80
般成人
農業
商業
サ
凸ス
建設業
会社員
公務員
大学生 計
42122
4889
000
8542l
邪旧肥師
99399
町切羽
73224
15
3221
54291
7913
795
51806
7597
5記旧釦9
別砠別Ⅳ肋
611
412
153
31883
0028
389
71689
5配配犯四
筋妬Ⅲ邪
503
02735
153
21212
46406
6898
785
12232
●●●●
●●●●●
●●
●●●●●●
27298
2230
530
29071
1411
4212
243
21212
91091
1225
820
6544l
Ⅱ詔別Ⅲ8
記uu弱
型羽師
旧館鉛旧、
62903
0129
813
28414
●●●●
8釦筋那、
891
釦Ⅲ旧那
Ⅱ咀那皿肥
125
03944
4135
042
39433
0別田11
7190
729
羽uⅣ44
14211
35
12871
9007
881
38450
0●●●
那四咀泌
09180
別仙詔
12654
13211
22211
-
筐
膣膵「業一
商業一
サービス’ 壜■l
会社員 實
項目9.あなたは-週間に約何日お
酒を飲んでいることになり
ますか。
イ.ほとんど毎曰
ロ.4,5曰
ハ.2,3日
二・ほぼl曰
ホ.ほとんど飲まない
(月にl、2回)
項目lOあなたはお酒に強いですか。
イ.強い方である
ロ.弱い方である
項目13.あなたがお酒を飲み始めた
時の主な飲酒理由は、次の
中のどれですか。
(ひとつ選ぶ)
イ自信をつける
ロ.ストレス解消
ハ体によい
(健康によい)
二つき合いで仕方なく
水人間関係をより良く
するため
へ好奇心
卜.大人の仲間入り
項目14.あなたがお酒を飲む現在の
理由はどのような事が多い
ですか。(3つ選ぶ)
イ.自信をつける
ロ.ストレス解消
ハ体によい
(健康によい)
二つき合いで仕方なく
ホ人間関係をより良く
するため
へ.お酒が好きだから
卜その他
-81-
般成人
農業
商業
サ
凸ス
建設業
会社員
公務員
大学生 計
22313.
46
0000000
1323110
Ⅲ咀朋6邪
09
2786502
7鍋Ⅳ配702
45
4111
1
21674
64
0091506
0514136
89326
27
031蛆旧旧5
0弧9記973
1213
45
1
86394
82
7962113
0951384
肥旧加Ⅱ妬
63
168胡別皿、
0387063
36
322
32447
82
0794777
8842449
u肥訓Ⅱ妬
63
003別、、8
3590090
36
13
31
62273
55
6182518
9888008
●●●●●
朋咀別9町
蛆別
4別93141
0032408
1511
211
15536
64
0376537
5883637
●●●●●
●●
●●●
●●
●●
●●●
●●
●●
74205
90
0017207
2966391
11312
45
1331
321
41
0457
73
0446637
0000000
●●●●
7550
09
011弼旧弧5
1326352
215
54
2231
21250
37
6726766
4650301
●●●●●
84700
仏閲
0845838
3弧97212
11213
411
211
-
U
大学生
I
鬘‐簡業一
リムス。
項目15-般的に、人は何故お酒を
飲むと思いますか。
(ひとつ選ぶ)
イ.自信をつける
ロストレス解消
ハ体によい(健康によい)
皇つき合いで仕方なく
ホ人間関係をより良く
するため
へ好奇心
ト.お酒が好きだからチ憂さ晴し
項目16あなたの曰常の生活にお酒
はどの程度必要ですか。
イ絶対必要
□ある程度必要
ハどちらかといえば、
ある方がよい
二ない方がよい
ホあってはならない
項目17.あなたがお酒を飲む主な時
間帯は次の中のどれですか。イPM5:00~
PM7:00
ロ.PM7:00~
PM10:00
ハPMlO:00~
PM12:00
二PMl2:00以降
ホその他
-82-
般成人
農業
商業
サ
坐ス
建設業
会社員
公務員
大学生 計
18356061
26940
11611
13556061
5記沁E0
39124
122
262
02616970
62858
83775
025幽閉160
3弱Ⅲu1
17225
21
251
08036067
20927
40069
0路0加泌031
01601
3釦印86
11611
00000000
89869
03700
083泌館062
4兜釦91
35524
12
62
02923349
25210
03863
051坊配161
62010
0別記09
21
531
97407617
12080
04358
00399221
E肥妬70
7町別37
213
1
41000400
83478
05799
●●●
17000100
22922
0皿印旧9
312
21
431
51930184
62219
68600
03229182
6昭潴Ⅲ0
2印弧57
222
1
-
蕾項目18.あなたがお酒を飲み始めて
から飲み終るまでの時間の
長さで最も多いのは次の中
のどれですか。
イ30分以内
ロ30分~1時間
ハ1時間~2時間二2時間~3時間
ホ3時間以上1口
農業一
商業。
建設業
薑-1
[薑
項目19.あなたがビール、ワインな
どの軽いお酒を飲むのは主
に。
イ食事の前が多い
ロ食事の最中が多い
ハ食事の後が多い
項目20.あなたが、あわもり、ウイ
スキーなどの強いお酒を飲
むのは主に。
イ食事の前が多い
口食事の最中が多い
ハ食事の後が多い
項目21パー・キャバレー・大衆酒
場等へ酒を飲みに出かける
時は。
イ職場から直行するこ
とが多い
ロ帰宅してから出直す
ことが多い
項目22あなたは、お酒を飲み過ぎ
て健康を害したことがあり
ますか。
イ2曰酔程度が多い
ロ医者の治療を受けた
ことがある
ハそのような事はない
-83-
般成人
農業
商業
サ
とス
建設業
会社員
公務員
大学生 計
01332
442
271
16
415
4旧鉋加別
333
008
妬7町
Ⅳ田
54
414
88059
794
316
00
353
●●●●●
●●●
●●●
●●
●●
●
11050
710
64
757
u4田
2223
36
27
44
93026
306
956
64
469
6m咀記〃
342
873
18
387
315
17
36
53
84289
541
622
37
262
42632
別84
弱8記
630
27
1124
27
27
51365
730
190
85
299
24372
判Ⅳ羽
弼印
19詔
973
1223
17
5
40457
109
767
03
964
●ご●
36応別別
900
28躯
710
71
414
216
45
6
28442
343
946
55
000
41067
090
24蛇
1肥
印0印
1223
414
93459
334
910
21
099
●●●●●
●●●
●■●
●C
O●
●
31067
513
171
90
279
1223
414
27
27
53
-
富
■
」。
l
〈五社員一
項目23.あなたは、酒を飲みすぎて
仕事を休んだことがありますか。
イよくある
口たまにある
ハ.ほとんどない
二全くない
項目24.あなたは、酒によってトラ
ブルを起したことがありま
すか。(ひとつ選ぶ)
イ家族とトラブルを起したことがある
ロ友人、仕事仲間とトラブルを起したこと
がある。
ハ親せき、近所の人と
トラブルを起したこ
とがある。
二警察のやっかいにな
るトラブルを起した
ことがあるc
ホその他
項目25あなたには、きまった飲み
仲間がいますか。
イいる
ロいない
項目26項目25でイと答えた方にお聞きします。
あなたの飲み仲間は、どの
ようなつき合いの人ですか。
イ家族・親せきの者
ロ友人
ハ職場の仲間
二同じ地域の人
ホ,その他
-84-
般成人
農業
商業
サ
告ス
建設業
会社員
公務員
大学生 計
2666
80
47
155
20440
●●●●
●●
●●
●●●
●●●●●
9711
71
23
536
29800
233
31
454
1412
4386
96
00
455
11916
5463
01
00
筋弧
75例Ⅳ52
125
21
6
4772
93
00
855
16120
3339
67
00
5冊別
60253
224
21
5611
9380
59
64
746
47270
2105
3弧Ⅳ
21
27
73530
432
454
53
6725
22
58
219
59221
99
0犯記蛆
10
927
70631
21
463
44
6653
95
01
519
23190
2妬銘記
班岨
30
27
7記駈20
1
563
6328
64
01
046
00000
1090
19
08
巧塑
2冊002
1
1224
17
3006
16
45
328
06920
4妬別記
76
22
.胡
173061
21
553
-
項目27あなたは、宴会や会合など
の集まりでお酒を飲む機会
は月に平均してどのくらい
ありますか。
イ.月に1.2回ロ月に4.5回
ハ月に5~10回
二.月に10回以上
ホその他
項目28あなたは、どのような集ま
りの宴会、会合などで酒を
飲むことが多いですか。
爪家族・親せきの祝い
ロ地域での祝賀会
ハ職場の集まり
二友人との親睦会
ホその他
項目29宴会や会合であなたは、酒
をどの程度飲んでいると思
いますか。
イ酔うぐらい飲むこと
が多い
ロ酔わないようにさし
ひかえる事が多い
ハほとんど飲まないこ
とが多い
項目3Q宴会や会合の後に二次会な
どがあるときは、あなたは
イ参加することが多い
ロ参加しないことが多い
項目31項目30でイと答えた人に聞
きます。二次会では、
イよく飲む方である
ロ飲まない方である
-85-
般成人
農業
商業
サ
,』ス
建設業
会社員
公務員
大学生 計
72416
15185
812
81
13
62415
73954
羽冊8
62
79
61
13112
54
53
68665
88374
488
46
90
●●●■●
●●●●●
●●
●●●
●●
54558
44937
611
09
59
51
1115
162
72
35
77061
85395
893
73
88
66051
53900
602
36
姐咄
61
11151
351
72
43002
41951
776
46
82
16129
13356
170
Ⅵ泌
妬弧
71
242
351
21296
23086
406
31
02
56511
胆5妬羽4
928
72
“妬
61
144
72
57170
71067
552
56
00
●●●●●
31617
27982
印弧5
別旧
45
62
61
72
直しAqCUPしのど
4紐、□八4nUo△
qJKJQU
RU11
noqJ
qJ▽IC△nURu
11O△11ワーワー
ハワ●0EJ
駆酊
17
71
844
63
25921
58215
916
69
79
65322
咀6弱訂5
279
35
.記
61
144
72
-
冊月
實蒼一項目32項目30でロと答えた人に聞
きます。二次会に出ないと
きは、
イ自宅で飲み直す
ロ二次会とは別行動で
飲む
ハほとんど飲まない
項目33一般に宴会や会合での席で
酒に酔った上でのトラブル
が多く見うけられますか。
イかなり多い
pある程度トラブルが
ある
ハ少ない方だと思う
項目34あなたにとって気楽に酒の
飲める場所は、次のうちど
こですか。
イ自宅・親戚宅
ロ友人宅
ハ大衆酒場
二職場
ホ.バー・キャバレー
へその他
項目35.お酒はあなたの生活に役立
っていますか。
イ役立つ
ロ多少役立つ
ハわからない
≦邪魔になっている
項目36あなたの周りに度を越して
酒を飲む人がいますか。
イ多いと思う
ロ少ないと思う
-86-
般成人
農業
商業
サ
とス
建設業
会社員
公務員
大学生 計
208
190
572042
3872
90
7768
旧別
838
162
951021
17
971
133
004
127
863292
7553
37
548424
,N妬7
901
683
72
17
841
227
656
055
676269
5609
46
蛆6旧2旧8
旧昭旧6
102
027
54
315
18
27
303
000
670765
7237
91
冊47413
M羽羽E
u筋
303
163
117
18
1
365
397
208136
5942
55
37閉
791
033471
1908
63
16
611
233
27
313
848
000000
4718
19
313
981813
2187
63
47N
118
511
251
27
450
343
147008
5348
91
●●
●●●
●●●●●●●
●●●□
●●
571
478
299008
4365
27
17
17
223
134
36
550
718
122608
9993
44
733393
2Ⅱ稲
別乃
660
7398
17
511
142
-
F
'菫戸項目37Bあなたがお酒を飲みかわす
時の話題で最も多いのは、
次の中どれですか。
(ひとつ選ぶ)
イ政治・経済
ロ家族の話題
ハ地域社会の話題
二職場の話題
ホ仕事の話題
へその他
后
公
_贄I二
項目38.あなたが酒にともなって食
べる料理で主なものは次の
うちどれですか。
(ひとつ選ぶ)
イ琉球料理
ロ和食
ハ洋食
二中華料理
ホその他
項目39.お酒を飲む時に音楽があっ
たらよいと思いますか。
イあった方がよい
□ない方がよ(叩
ハわからない
項目40.あなたが酒を飲む時は、ど
のような音楽がいいですか
(ひとつ選ぶ)
イ演歌
ロ琉球民謡
ハポピュラー・クラッ
シック
ニジャズ・ロック
ホその他
-87-
般成人
農業
商業
サ
凸ス
建設業
会社員
公務員
大学生 計
208333
14230
650
23202
●●句●ロ●
2皿〃4別4
23202
冊別344
“Ⅱ別
145
970718
56180
091
89300
●●●の●●
15弧5記加
98100
別羽咀3Ⅳ
別皿9
611
333895
35912
759
39107
●●●●●●
●00■●
●●●
●●●
●●
559800
70650
981
95103
151
3311
71
521
115201
57009
578
00000
●●●●●●
●●●●●
●●●
●●●
●�