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2014 Microchip Technology Inc. DS01162A_JP - p. 1 AN1162 はじめに 低コストで保守に手間がかからず堅牢な AC 誘導モー (ACIM) は、産業界で最も多用されているモータで す。コンシューマ向けから車載まで、幅広いアプリケー ション分野で、さまざまな出力とサイズのAC誘導モー タが使われています。 誘導モータ駆動の効率、コスト、制御を重視する場合、 センサレス磁界方向制御 (FOC)( 別名ベクトル制御 ) 最適です。「センサレス」という表現は、全くセンサを 使わないという意味ではなく、センサ式磁界方向制御 と区別するために、速度または角度 ( もしくはその両 方の ) の検出にセンサを用いないという意味で使われ ます。この特長は、全てのアプリケーションで求めら れる駆動システムのコスト削減を可能にするだけでな く、特定のアプリケーションで要求される小型化、セ ンサ配線の省略、シャフトへのデバイスの設置 ( 高温、 腐食性等の厳しい環境への対応 ) も可能にします。 本書では、dsPIC ® デジタルシグナル コントローラ (DSC) を使った誘導モータのセンサレス磁界方向制御 (FOC) 向けに、1 つのソリューションを紹介します。 概要 AC 誘導モータ AC 誘導モータ (ACIM) は、構造が単純で耐久性に優れ るため、産業用および家庭用モータ アプリケーション に大きく貢献しています。これらのモータは、摩耗部 品であるブラシも、コストのかかる永久磁石も使いま せん。ロータには単純な鋼鉄製のかご ( ケージ ) を使 います。 ACIM は一定の入力電圧と周波数で動作するよう設計 されますが、開ループ可変速アプリケーションでは、 モータ入力電圧の周波数を変化させる事で、ACIM 効果的に制御できます。モータに機械的な過負荷がか からなければ、モータの速度は入力周波数に概ね比例 します。駆動電圧の周波数を下げる場合、電圧振幅も 周波数に比例して減少させる必要があります。そうし ないと、低入力周波数でモータに過剰な電流が流れま す。この制御方式を V/f 制御と呼びます。 磁界方向制御の効果は、エネルギ消費の減少として直 接現れます。これにより、効率が向上すると共に、運 用コストと駆動部品コストを削減できます。 センサレス磁界方向制御では、速度または角度 ( もし くはその両方 ) を直接計測するのではなく、直接計測 可能な他のパラメータ ( 相電圧、電流等 ) を使って推 定します。 ACIMのモデル計算式と他の誘導モータ方式の詳細は、 「参考資料」 内の Microchip 社が提供する関連文書を参 照してください。 制御ストラテジ 古典的制御方式 ( 前述の V/f 制御等 ) では、モータ駆動 電圧の周波数と振幅を制御します。これに対し、磁界 方向制御方式では、モータ駆動電圧の周波数と振幅に 加えて位相も制御します。磁界方向制御の鍵は、三相 ステータ電流を制御するためのベクトルとして三相電 圧を生成し、ロータ磁束ベクトル ( 最終的にロータ電 流を制御するためのベクトル ) を制御する事です。 磁界方向制御の動作を理解するには、参照座標変換プ ロセスのイメージを描く事が重要です。AC モータの 動作を考える場合、ステータ側からの視点で動作をイ メージするかもしれません。この視点では、正弦波入 力電流がステータに印加されます。そして、この時間 的に変動する信号によって回転磁束が発生します。 ロータの速度は回転磁束ベクトルの関数となります。 ステータ側から見ると、ステータ電流と回転磁束ベク トルは AC 量のように見えます。 そこで、視点をモータの内部に移動します。モータの 内部に入り、ステータ電流が生成した回転磁束ベクト ルと同じ速度で、回転するロータに沿って走っている 自分をイメージしてください。この視点から定常運転 中のモータを見ると、ステータ電流は一定であり、回 転磁束ベクトルは静止しているように見えます。最終 的に、目標とするロータ電流 ( 直接計測はできない ) を得るために、ステータ電流を制御しようとするで しょう。座標変換を適用する事で、標準的な制御ルー プを使ってステータ電流を DC 値であるかのように制 御できます。 Author: Mihai Cheles Microchip Technology Inc. Co-Author:Dr.-Ing.Hafedh Sammoud APPCON Technologies SUARL AC 誘導モータ (ACIM) のセンサレス磁界方向制御 (FOC) 注意 : この日本語版文書は参考資料としてご利用ください。最新情報は必ずオリジ ナルの英語版をご参照願います。

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Page 1: Sensorless FOC ACIM AN - Microchip Technologyww1.microchip.com/downloads/jp/AppNotes/01162A_JP.pdf · 方の) の検出にセンサを用いないという意味で使われ ます。この特長は、全てのアプリケーションで求めら

AN1162AC 誘導モータ (ACIM) のセンサレス磁界方向制御 (FOC)

注意 : この日本語版文書は参考資料としてご利用ください。最新情報は必ずオリジナルの英語版をご参照願います。

はじめに低コストで保守に手間がかからず堅牢な AC 誘導モータ (ACIM) は、産業界で最も多用されているモータです。コンシューマ向けから車載まで、幅広いアプリケーション分野で、さまざまな出力とサイズのAC誘導モータが使われています。

誘導モータ駆動の効率、コスト、制御を重視する場合、センサレス磁界方向制御 (FOC)(別名ベクトル制御 )が最適です。「センサレス」という表現は、全くセンサを使わないという意味ではなく、センサ式磁界方向制御と区別するために、速度または角度 ( もしくはその両方の ) の検出にセンサを用いないという意味で使われます。この特長は、全てのアプリケーションで求められる駆動システムのコスト削減を可能にするだけでなく、特定のアプリケーションで要求される小型化、センサ配線の省略、シャフトへのデバイスの設置 ( 高温、腐食性等の厳しい環境への対応 ) も可能にします。

本書では、dsPIC® デジタルシグナル コントローラ(DSC) を使った誘導モータのセンサレス磁界方向制御(FOC) 向けに、1 つのソリューションを紹介します。

概要

AC 誘導モータAC 誘導モータ (ACIM) は、構造が単純で耐久性に優れるため、産業用および家庭用モータ アプリケーションに大きく貢献しています。これらのモータは、摩耗部品であるブラシも、コストのかかる永久磁石も使いません。ロータには単純な鋼鉄製のかご ( ケージ ) を使います。

ACIM は一定の入力電圧と周波数で動作するよう設計されますが、開ループ可変速アプリケーションでは、モータ入力電圧の周波数を変化させる事で、ACIM を効果的に制御できます。モータに機械的な過負荷がかからなければ、モータの速度は入力周波数に概ね比例します。駆動電圧の周波数を下げる場合、電圧振幅も

周波数に比例して減少させる必要があります。そうしないと、低入力周波数でモータに過剰な電流が流れます。この制御方式を V/f 制御と呼びます。

磁界方向制御の効果は、エネルギ消費の減少として直接現れます。これにより、効率が向上すると共に、運用コストと駆動部品コストを削減できます。

センサレス磁界方向制御では、速度または角度 ( もしくはその両方 ) を直接計測するのではなく、直接計測可能な他のパラメータ ( 相電圧、電流等 ) を使って推定します。

ACIMのモデル計算式と他の誘導モータ方式の詳細は、「参考資料」内の Microchip 社が提供する関連文書を参照してください。

制御ストラテジ古典的制御方式 ( 前述の V/f 制御等 ) では、モータ駆動電圧の周波数と振幅を制御します。これに対し、磁界方向制御方式では、モータ駆動電圧の周波数と振幅に加えて位相も制御します。磁界方向制御の鍵は、三相ステータ電流を制御するためのベクトルとして三相電圧を生成し、ロータ磁束ベクトル ( 最終的にロータ電流を制御するためのベクトル ) を制御する事です。

磁界方向制御の動作を理解するには、参照座標変換プロセスのイメージを描く事が重要です。AC モータの動作を考える場合、ステータ側からの視点で動作をイメージするかもしれません。この視点では、正弦波入力電流がステータに印加されます。そして、この時間的に変動する信号によって回転磁束が発生します。ロータの速度は回転磁束ベクトルの関数となります。ステータ側から見ると、ステータ電流と回転磁束ベクトルは AC 量のように見えます。

そこで、視点をモータの内部に移動します。モータの内部に入り、ステータ電流が生成した回転磁束ベクトルと同じ速度で、回転するロータに沿って走っている自分をイメージしてください。この視点から定常運転中のモータを見ると、ステータ電流は一定であり、回転磁束ベクトルは静止しているように見えます。最終的に、目標とするロータ電流 ( 直接計測はできない )を得るために、ステータ電流を制御しようとするでしょう。座標変換を適用する事で、標準的な制御ループを使ってステータ電流を DC 値であるかのように制御できます。

Author: Mihai ChelesMicrochip Technology Inc.

Co-Author:Dr.-Ing.Hafedh SammoudAPPCON Technologies SUARL

2014 Microchip Technology Inc. DS01162A_JP - p. 1

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AN1162

通常は座標変換をデカップリングと呼びます。この方法は、ロータの回転座標上の誘導モータの式に基づきます。ステータの固定フレームからロータの回転フレームへ変換するには、ロータの角度を判定する必要があります。ロータの角度は直接計測するか、センサレス制御等の方法を使って推定できます。

誘導モータのセンサ式磁界方向制御の方法は、「参考資料」内の『AN908 - Using the dsPIC30F for VectorControl of an ACIM』に記載しています。センサレス制御のブロック図は、速度計測ブロックが存在せず、推定器ブロックが追加されているという点で、センサ式

制御のブロック図と異なります。以下で説明するセンサレス制御の推定器ブロックには、入力として電圧と電流が必要です。

制御ループ

制御ブロック図本書では、磁界方向制御を使ったACIMの速度制御ループについて説明します。図 1 に制御ブロック図を示します。

図 1: ACIM 向けセンサレス FOC のブロック図

d,q

,

3-PhaseBridge

ACIM

A,B

,d,q

,

Estimator

ref Iqref

Idref

PI PI

PIFieldWeakening

Vq

Vd

V

V

SVM

AngleEstimation

SpeedEstimation

I

I

IA

IB

Software Hardware

-

-

-

estimmech

I

I

V

V

+

IA

IB

IC

Iq

Id

1

2

3

4

5

6

7

8

+ +

ハードウェア ブロック

1. AC 誘導モータ

2. 三相ブリッジ ( 整流器、インバータ、アクイジション / 保護回路 )

ソフトウェア ブロック (dsPIC® DSC で実行 )

3. Clarke 正変換ブロック

4. Park 正変換および逆変換ブロック

5. 角度 / 速度推定器ブロック

6. PI コントローラ ブロック

7. 磁界弱めブロック

8. SVM ブロック

DS01162A_JP - p. 2 2014 Microchip Technology Inc.

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電流デカップリング

デカップリング ブロック ( 図 2 の網掛け部 ) は Clarke変換ブロックと Park 変換ブロックで構成されます。Clarke 正変換ブロックは、ステータに対応する三軸 ( 二次元 ) 座標系を、ステータを基準とする二軸座標系に変換します。Park 正変換ブロックは、二軸座標系をステータ固定フレームからロータ回転フレームに変換します。詳細は「参考資料」内の『AN908 - Using the dsPIC30Ffor Vector Control of an ACIM』を参照してください。

図 2: 座標変換 ( デカップリング ) のブロック図

d,q

,

3-PhaseBridge

ACIM

A,B

,d,q

,

Estimator

ref Iqref

Idref

PI PI

PIFieldWeakening

Vq

Vd

V

V

AngleEstimation

SpeedEstimation

I

I

IA

IB

Software Hardware

-

-

-

estimmech

I

I

V

V

+

IA

IB

IC

Iq

Id

+ +

SVM

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速度 / 角度推定器速度 / 角度推定器 ( 図 3 の網掛け部 ) には、ステータの固定参照フレーム(二軸の電圧と電流)が入力されます。速度と角度は逆起電力 (BEMF) を使って推定します。励磁電流が一定である場合、BEMF の式 ( 式 4、式 5) を単純化できます。

図 3: 速度 / 角度推定器のブロック図

まず、式 1 に示す推定器ブロック入力を使って、誘導BEMF を計算します。

式 1:

次に式 2 を使って、 -座標を d-q 座標に変換します。

式 2:

図 4 に d-q 座標の推定 BEMF を示します。磁化電流が一定である場合、BEMF の d 成分は 0です。

d,q

,

3-PhaseBridge

ACIM

A,B

,d,q

,

Estimator

ref Iqref

Idref

PI PI

PIFieldWeakening

Vq

Vd

V

V

SVM

AngleEstimation

SpeedEstimation

I

I

IA

IB

Software Hardware

-

-

-

estimmech

I

I

V

V

+

IA

IB

IC

Iq

Id

+ +

E V RSI LS

dIdt

--------––=

E V RSI LS

dIdt

--------––=

Eq E– estim sin E estim cos+=

Ed E estim cos E estim sin+=

DS01162A_JP - p. 4 2014 Microchip Technology Inc.

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図 4: BEMF ベクトル成分 : -座標と d-q 座標

Eq

Es

Ed

E

E

qestim destim

estim

Positive Speed

2014 Microchip Technology Inc. DS01162A_JP - p. 5

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推定 BEMFと実際の BEMF 間の角度差は = - estimです ( 図 5 参照 )。

図 5 では、推定 BEMF の d 成分は 0 よりも大きいため、 < 0です。

図 6 では、推定 BEMF の d 成分が 0 よりも小さいため、 > 0です。

図 5: Ed > 0 の場合の角度推定 ( 速度は正方向 )

Esqf

Es

Esdf

E

E

d

q

destimqestim

estim

<0

Positive Speed

DS01162A_JP - p. 6 2014 Microchip Technology Inc.

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図 6: Ed < 0 の場合の角度推定 ( 速度は正方向 )

推定角度 estim から誤差 を差し引く事で簡単に推定BEMF の誤差を修正できますが、数値的に不安定になる可能性があります。

このため、推定角度の補正には、角度の代わりに速度を使います。角度は速度の積分値として求めるため、数値的に安定します。

BEMF は磁束変化に比例します。式 3 に、d-q 軸を分割した結果を示します。

式 3:

式 4 と式 5 に d-q 軸の各成分を示します ( ロータ磁束は一定と想定 )。

式 4:

式 5:

従ってロータ速度は式 6 のように表せます。

式 6:

qestim

Esqf

Es

Esdf

E

E

dq

estim

Positive Speed

>0

destim

E 11 R+---------------

dmR

dt--------------=

Ed1

1 R+---------------

dmR

dt-------------- 0=

Eq1

1 R+---------------mRmR=

mR

1 R+mR

---------------Eq=

2014 Microchip Technology Inc. DS01162A_JP - p. 7

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推定誤差があると Ed は 0 になりません。また、誤差が大きいほど Ed は大きくなり、これはロータ推定速度の補正項に反映されます ( 式 7 参照 )。

式 7:

表 1 に示すように、回転方向に応じて補正動作の方向が異なります。

表 1:

式 8 に示すように、角度は速度を積分する事で求まります。

式 8:

推定器の「PLL」補正ブロックの構成を図7に示します。

図 7: BEMF の関数 ( 磁束一定 ) としての推定速度 / 角度

条件 mR の補正 補正項

正方向速度、Ed > 0 減 - Ed

正方向速度、Ed < 0 増 - Ed

負方向速度、Ed > 0 増 + Ed

負方向速度、Ed < 0 減 + Ed

mR

1 R+mR

--------------- Eq Eq Edsgn–=

correction

mR dt=

d,q

,

1s

E

E

Ed

Eq

Edf

Eqf

mR

LPF

LPF Sign

+

+

estimmR

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図 8 に、補正ブロックを含む推定器の全体構成を示します。この構成により、センサレス FOC のブロック図 ( 図 1) に示した入力 / 出力が得られます。

推定 BEMF は、Park 変換後の値をローパスフィルタ処理する事で求まります。電流の微分に起因するノイズを低減するため、一次フィルタを使います。フィルタ定数は、信号ノイズを大幅に低減すると同時に、推定BEMFの動的変化に影響しないように選択する必要があります。

図 8: 速度 / 角度推定器のブロック図

d,q

,

1s

1s1s

d,q

,

Ls

Rs

Rs

Ls

V

V

I

I

Ed

EqEqf

Edf

mR

Iq

Id

2mech

ImR

-

Magnetizing curve

LPF

LPF

LPF

Sign

SWITCH mRref

+

+

-

-

+

--

+

+

estim

E

E

RR/1

R+

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PI コントローラPI コントローラは、計測したプロセス変数と参照値間の誤差を補正 ( 出力によってプロセスを調整 ) する制御ループ フィードバック機構です。誘導モータ制御の場合、3 個の PI コントローラを使います ( 磁束とトルク生成に対応する各電流成分に 1 個ずつと、速度制御ループ用に 1 個 )。

PI コントローラの詳細は、「参考資料」内のアプリケーション ノート『AN908 - Using the dsPIC30F for VectorControl of an ACIM』に記載しています。

磁界弱め

モータの定格速度を超える場合、ロータ磁束を弱める必要があります。回転速度を上げるには、「V/f = 一定」でステータ電流周波数を増加させる必要があります。しかし、電圧を定格値よりも上げる事はできないため、さらに速度を上げるには生成トルクを下げる ( モータ出力を一定に保つ ) 必要があります。

閉ループ磁界方向制御では、モータが定格速度を超えると、Id および Iq 制御ループが飽和してモータ磁束を制限します。磁界弱めアルゴリズムは、モータ速度が上昇するにつれて Id 電流を低減する事で、制御ループの飽和を防ぎます。

空間ベクトル変調Clarke 変換ブロックの出力電圧は SVM モジュールに入力され、そこでインバータのゲートに向けた命令信号が生成されます。SVM の動作原理は、「参考資料」内のアプリケーション ノート『AN908 - Using thedsPIC30F for Vector Control of an ACIM』に記載しています。

正弦波 PWM に対する SVMT の主な利点は以下の通りです。

• 線形動作レンジ内でライン間電圧が増加 (15%)すると、同一定格出力における定格電流は低下します。電流が低下すると、パワーインバータのコストを削減でき、整流の電力損失も減少します。

• モジュールの入力は、固定されたステータフレーム内で定義されるベクトルであるため、1 つの量を使って三相正弦波の生成を制御でき、従って要求される計算負荷は減少します。

システムの概要このアプリケーション回路には、Microchip 社がモータ制御のデモ向けに提供している既存のハードウェアブロック コンポーネントを利用できます。また、Microchip 社製開発ボードと、それらに互換の拡張ボードを組み合わせる事で、開発を容易に進める事ができ、どのようなシステムにもすばやく出力を提供できます。

ハードウェア

コンポーネント ブロックシステム コンポーネントは以下の通りです。

三相 ACIM

三相 ACIM には Lesson 社製 ACIM を推奨します。このモータは Microchip 社または他の業者から購入できます。他のモータを使う場合、モータパラメータと PIコントローラ係数をソフトウェア内で変更する必要があります。

メーカーが指定するモータパラメータは、実際のソフトウェアに適合するよう正規化する必要があります。パラメータの正規化を支援するため、アプリケーション ソフトウェアのアーカイブには、アプリケーションソフトウェアに必要な正規化パラメータを生成するための変換テーブル (EstimParameters.xlsファイル )が含まれています。

Microchip 社の dsPICDEM™ MC1H 三相高電圧モジュール

三相高電圧モジュールはパワー エレクトロニクスゲート駆動段、異常検出およびラッチ回路、絶縁型ホール式電流センサを含みます。このモジュールの詳細は

「参考資料」内の『dsPICDEM™ MC1H 3-Phase HighVoltage Power Module User’s Guide』(DS70096) に記載しています。

Microchip 社の開発ボード

使用するdsPICデバイスに応じて各種の制御開発ボードを利用できます。例として、dsPIC30F 向けの開発ボードは dsPICDEM™ MC1、dsPIC33F 向けの開発ボードは Explorer 16 です。これらのボードには、dsPICDEM™ MC1H を直接またはアダプタボード(Explorer 16 向け PICtail™ Plus モータ制御ドータカード等 ) を介して接続できます。これらの開発ボードの詳細については、「参考資料」内の関連する文書を参照してください。本書に付属するソフトウェア アーカイブは、各種の dsPIC ソリューションの実装をサポートします。ソフトウェア アーカイブ内の Readme.docファイルには、各推奨セットアップ向けのハードウェア コンポーネントの一覧を記載しています。

DS01162A_JP - p. 10 2014 Microchip Technology Inc.

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dsPIC デバイス

dsPIC デバイスは高性能 16 ビット デジタルシグナルコントローラ アーキテクチャ ( 改良型 RISC CPU) を採用し、充実した DSP 機能を提供します。

• この高性能 CPU の特長は以下の通りです。

- 改良型ハーバード アーキテクチャ

- C コンパイラ向けに最適化され、柔軟なアドレス指定モードを持つ命令セット アーキテクチャ

- 24 ビット幅の命令パス、16 ビット幅のデータパス

- 83 個の基本命令

- 最大 40 MIPS の実行性能

- 44 個の割り込み要因

- 16x16 ビットのワーキング レジスタ配列

• DSP エンジンの特長は以下の通りです。

- シングルサイクルの積和演算

- モジューロおよびビット反転アドレス指定モード

- 2 個の 40 ビット幅アキュムレータ ( オプションの飽和処理ロジック )

- ±16 ビットのシングルサイクル シフト

• モータ制御 PWM モジュールの特長は以下の取りです。

- 8 個の PWM 出力チャンネル

- 相補または独立出力モード

- エッジまたはセンターアライン モード

- 4 個のデューティサイクル ジェネレータ

- 専用タイムベース

- 設定可能な出力極性

- デッドタイム制御または相補モード

- 手動出力制御

- A/D 変換用トリガ

• 直交エンコーダ インターフェイス モジュールの特長は以下の通りです。

- A 相、B 相、インデックス パルス入力

- 16 ビットのアップ / ダウン位置カウンタ

- カウント方向ステータス

- 位置計測 (2 倍、4 倍 ) モード

- 入力用プログラマブル デジタル ノイズフィルタ

- 16 ビット タイマ / カウンタ モードの切り換え

- 位置カウンタのロールオーバー / アンダーフローでの割り込み

ソフトウェア

コンポーネント モジュールソフトウェア プロジェクト コンポーネントはモジュール化されており、各機能は別々のファイルに格納されています。制御アルゴリズムは、制御計測サンプリングによってトリガされる 1 つの割り込みサービスルーチンと、ユーザ インターフェイスによる操作を制御ステートマシンと連携して処理する 1 つのタスクによって構成されます。

この制御アルゴリズムは、「参考資料」内の ACIM アプリケーション ノート『AN908 - Using the dsPIC30F forVector Control of an ACIM』のセンサ式ベクタ制御をセンサレス制御向けに適合させる事によって開発されました。変更点は、推定器部モジュールの追加と、推定器に対する既存モジュールの適合だけです。従って、既存ソフトウェア コンポーネントの詳細については、AN908 を参照してください。

表 2 に、最重要ソフトウェア モジュールを示します。

表 2:

上記のソースファイルにはヘッダファイルが関連付けられており、特にユーザパラメータ設定用ヘッダファイル (UserParams.h) が重要です。ユーザパラメータはモータ パラメータとインバータ パラメータを含みます。モータ パラメータは、ソフトウェア制御アルゴリズムに適合するよう正規化されます。これにより、制御ソリューションを他のシステム コンポーネントに容易に移植できます。ソフトウェア アーカイブには物 理 値 を 正 規 化 す る た め の ユ ー テ ィ リ テ ィ(EstimParameters.xls ファイル ) が含まれています。

デバッグ機能と DMCIMicrochip 社の MPLAB® IDE は、dsPIC 製品に統合開発環境を提供します。IDE は、高機能コードエディタに加えて、高効率 C コードコンパイラとデバッガを備え、充実したブレークポイントおよびトレース機能を使ったシングルステップ実行をサポートします。これら全ての機能は、統一された使いやすい GUI の下で利用できます。

DMCI は、システムの重要変数にすばやく動的かつ容易にアクセスするためのグラフィック ユーザ インターフェイスを備えたツールです。プログラムが生成したデータを解析するために、スライダ、ON/OFF ボタン、動的に割り当て可能なグラフ ウィンドウを使ってシステム変数を直感的に見やすく表示できるため、開発および校正 / 調整をすばやく行えます。さらに、DMCI は、プログラム変数をプロジェクト内で調整できる手段を提供します。これにより、選択したプログラム変数をユーザ インターフェイスの操作エレメントと表示機能に容易に割り当てる事ができます。

モジュール 概要

acim.c ISR、ユーザ インターフェイス、制御タスク

( 制御アルゴリズム、ユーザ インターフェイ

ス、制御ステート処理を含む )

estim.c ロータ速度 / 角度の推定器

pi.s PI コントローラ

trig.s Sinus 計算

svgen.s SVM 生成

clkpark.s Clarke-Park 直接変換

invclark.s 逆 Clarke 変換

invpark.s 逆 Park 変換

curmodel.s 磁化電流と角度の計算

fdweak.s 磁界弱めアルゴリズム

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実行およびデータフロー

ソフトウェア プログラムの実行は 2 つの主要タスク(ACIM のセンサレス制御、ユーザの命令と情報の処理 )を含みます。

センサレス制御はゼロ速度から開始できないため、単純なV/f制御を使った開ループモードでアプリケーションを起動する必要があります。モータが回転し始めると、BEMF を使ってセンサレス制御が可能になります。開ループ制御と閉ループ磁界方向ベクトル制御はボタン操作で切り換える事ができます。PI コントローラのパラメータ調整を目的として、参照速度を 2 倍にするオプションを使う事で、システムのステップ応答を観察できます。

メイン制御ループはモータの速度を制御します。従って、参照速度はアルゴリズム入力の 1 つであり、これはポテンショメータから読み出されます。表 3 に、制御ステートマシンに含まれるステートを示します。

表 3:

開発ボード上の特定のボタンを押す事で、これらのステートを移動できます。使用するポテンショメータとボタンについては、各ソフトウェア アーカイブに含まれるハードウェア セットアップの説明 (Readme.docファイル ) に詳細に記載しています。

センサレス磁界方向ベクトル制御の入力として、電流計測値が必要です。制御出力は、インバータのゲートを制御するための 3 つの PWM モジュール信号です。

参照ロータ磁束はモータのパラメータを使って計算できます。磁界弱めを使う場合、これはロータ速度の関数として求められます。

図 9: ソフトウェア ステートマシン

ステート 概要

Stop モータが停止している状態です。

Open Loop モータを始動するには、このステートを経

由してロータ位置を検出する必要があり

ます。

Closed Loop センサレス磁界方向制御 SVM を実行しま

す。

Closed LoopDouble Speed

閉ループアルゴリズムで参照速度を2倍に

します。これは、PI コントローラのパラ

メータ調整を目的としてデータを収集す

るために使います。

STOP

OPEN LOOP

CLOSED LOOP

CLOSED LOOPDOUBLE SPEED

BUTTON COMMAND

SENSORLESS FOC SVMALGORITHM

DATA ACQUISITION ISR

USER COMMAND AND INTERFACE TASK

LCD DISPLAY AND LED STATUS

INFINITE LOOP

INTERRUPT

DS01162A_JP - p. 12 2014 Microchip Technology Inc.

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AN1162

図 10: ソフトウェア データフロー

コード性能

MC1ボードでdsPIC30Fを使った場合の性能は下記の通りです。

• 実行時間 : 212 ~ 250 サイクル

• クロック速度 : 7.2 ~ 8.5 µs @ 29.491 MHz• コードサイズ : 226 ワード

• RAM: 76 ワード未満

Forward Park

Reference VVoltage

Forward Clarke

Measured Id Current

Measured Iq Current

Estimated Angle

Reference VVoltage

Angle and Speed Estimator

Estimated Angle

Estimated Speed

Reference Flux Reference Id

CurrentReference

Speed

PI ControllerPI Controller

Reference Iq Current

PI Controller

Reference Vq Voltage

Reference Vd Voltage

Inverse

Reference VVoltage

Reference VVoltage

SVM

Reference Va Voltage

Reference Vb Voltage

Reference Vc Voltage

Estimated Angle

+

-

-

+

-

+

~ Measured I Current

Measured

I Current

I CurrentMeasuredI Current

Measured

Clarke

2014 Microchip Technology Inc. DS01162A_JP - p. 13

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AN1162

実装結果

速度 / 角度推定器推定器ブロックには、Park 変換後の電流と電圧が入力されます ( 図 3 参照 )。アプリケーション ソフトウェアに実装されている推定器の計算式を下に示します。

BEMF 電圧は式 9 のように求まります。

式 9:

図 11 の網掛け部分が式 9 に対応します。

図 11: 速度 / 角度推定器のブロック図

図 12 に、誘導 BEMF の実測波形を示します。

EstimParm.qVIndalpha = ((long)MotorEstimParm.qLsDt * (long)(EstimParm.qDIalpha))>>10;

MotorEstimParm.qLsDt = 210 Ls

Io

Uo 8 Tsample ------------------------------------------

d,q

,

1s

1s1s

d,q

,

Ls

Rs

Rs

Ls

V

V

I

I

Ed

EqEqf

Edf

mR

Iq

Id

2mech

ImR

-

Magnetizing curve

LPF

LPF

LPF

Sign

SWITCH mRref

+

+

-

-

+

--

+

+

estim

E

E

RR/1

R+

DS01162A_JP - p. 14 2014 Microchip Technology Inc.

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AN1162

図 12: 誘導 BEMF の結果

2014 Microchip Technology Inc. DS01162A_JP - p. 15

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AN1162

ノイズを低減するため、電流は 8 割り込みサイクル周期で微分されます。MotorEstimParm.qLsDtは 210 でスケーリングされます。これは、EstimParm.qDIalphaと EstimParm.qDIbetaを -1023 ~ 1023 のレンジ内に収めるために必要です。式 10 に、BEMF の 成分の計算式を示します。

式 10:

図 13 の網掛け部分が式 10 に対応します。

図 13: 速度 / 角度推定器のブロック図

図 14 に、 BEMF の実測波形を示します。

EstimParm.qEsa = ParkParm.qValpha-(((long)MotorEstimParm.qRs * (long)ParkParm.qIalpha) >>15)- EstimParm.qVIndalpha;

MotorEstimParm.qLsDt = Rs 215 Io

Uo------

d,q

,

1s

1s1s

d,q

,

Ls

Rs

Rs

Ls

V

V

I

I

Ed

EqEqf

Edf

mR

Iq

Id

2mech

ImR

-

Magnetizing curve

LPF

LPF

LPF

Sign

SWITCH mRref

+

+

-

-

+

--

+

+

estim

E

E

RR/1

R+

DS01162A_JP - p. 16 2014 Microchip Technology Inc.

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AN1162

図 14: BEMF の結果

2014 Microchip Technology Inc. DS01162A_JP - p. 17

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AN1162

次に、計算された BEMF の - 成分が式 11 のようにd-q 座標に変換されます。変換角度は、直前の制御ステップで計算された推定磁束角度 estim です ( 図 15 参照 )。

式 11:

図 15 の網掛け部分が式 11 に対応します。

図 15: 速度 / 角度推定器のブロック図

図 16 に、-および d-q BEMF の実測波形を示します。

EstimParm.qEsd = (((long)EstimParm.qEsa * (long)SincosParm.qCos) >> 15) + (((long)EstimParm.qEsb * (long)SincosParm.qSin) >> 15);

d,q

,

1s

1s1s

d,q

,

Ls

Rs

Rs

Ls

V

V

I

I

Ed

EqEqf

Edf

mR

Iq

Id

2mech

ImR

-

Magnetizing curve

LPF

LPF

LPF

Sign

SWITCH mRref

+

+

-

-

+

--

+

+

estim

E

E

RR/1

R+

DS01162A_JP - p. 18 2014 Microchip Technology Inc.

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図 16: -および d-q BEMF の結果

2014 Microchip Technology Inc. DS01162A_JP - p. 19

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BEMF の d-q 成分は、電流計測からのノイズを低減するために、フィルタ処理されます ( 式 12 参照 )。一次ローパスフィルタの時定数は、信号ノイズを大幅に低減すると同時に EstimParm.qEsdfと EstimParm.qEsqfの動的変化がフィルタを通過できるように選択する必要があります。

式 12:

図 17 の網掛け部分が式 12 に対応します。

図 17: 速度 / 角度推定器のブロック図

図 18に、d-q BEMFフィルタ後の実測波形を示します。

EstimParm.qEsdStateVar = EstimParm.qEsdStateVar + ((long)(EstimParm.qEsd - EstimParm.qEsdf) * (long)EstimParm.qKfilterd);EstimParm.qEsdf = (int)(EstimParm.qEsdStateVar >> 15);

EstimParm.qKfilterd = 215 Tsample

Td------------------

d,q

,

1s

1s1s

d,q

,

Ls

Rs

Rs

Ls

V

V

I

I

Ed

EqEqf

Edf

mR

Iq

Id

2mech

ImR

-

Magnetizing curve

LPF

LPF

LPF

Sign

SWITCH mRref

+

+

-

-

+

--

+

+

estim

E

E

RR/1

R+

DS01162A_JP - p. 20 2014 Microchip Technology Inc.

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AN1162

図 18: d-q BEMF フィルタの結果

2014 Microchip Technology Inc. DS01162A_JP - p. 21

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推定角速度は、q 軸上の BEMF の符号に応じて d 軸上のBEMFを加算または減算する事によって補正されます。

式 13:

図 19 の網掛け部分が式 13 に対応します。

図 19: 速度 / 角度推定器のブロック図

if(EstimParm.qEsqf>0){EstimParm.qOmegaMr = (((long)MotorEstimParm.qInvPsi*(long)EstimParm.qEsqf) >> 15) - EstimParm.qEsdf;} else{EstimParm.qOmegaMr = (((long)MotorEstimParm.qInvPsi * (long)EstimParm.qEsqf) >> 15) + EstimParm.qEsdf}

MotorEstimParm.qInvPsi = 1 R+ U0 215

ref 0--------------------------------------------

d,q

,

1s

1s1s

d,q

,

Ls

Rs

Rs

Ls

V

V

I

I

Ed

EqEqf

Edf

mR

Iq

Id

2mech

ImR

-

Magnetizing curve

LPF

LPF

LPF

Sign

SWITCH mRref

+

+

-

-

+

--

+

+

estim

E

E

RR/1

R+

DS01162A_JP - p. 22 2014 Microchip Technology Inc.

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AN1162

式 14 に示すように、磁束周波数は、推定器の安定性と収束性を補強するために制限されます。

式 14:

図 20 に、推定角速度の実測波形を示します。

図 20: 推定角速度の結果

if(EstimParm.qOmegaMr>EstimParm.qOmegaMrMax){EstimParm.qOmegaMr=EstimParm.qOmegaMrMax;}if(EstimParm.qOmegaMr<EstimParm.qOmegaMrMin){EstimParm.qOmegaMr=EstimParm.qOmegaMrMin;}

2014 Microchip Technology Inc. DS01162A_JP - p. 23

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AN1162

磁化電流の角度は、磁束周波数を積分する事で求まります。

式 15:

図 21 の網掛け部分が式 15 に対応します。

図 21: 速度 / 角度推定器のブロック図

図 22 に、推定ロータ角度の結果を示します。

EstimParm.qRhoStateVar = EstimParm.qRhoStateVar + (long)(EstimParm.qOmegaMr) * (long)(EstimParm.qDeltaT);EstimParm.qRho = (int) (EstimParm.qRhoStateVar>>15);

EstimParm.qDeltaT = 215Tsample

00------

d,q

,

1s

1s1s

d,q

,

Ls

Rs

Rs

Ls

V

V

I

I

Ed

EqEqf

Edf

mR

Iq

Id

2mech

ImR

-

Magnetizing curve

LPF

LPF

LPF

Sign

SWITCH mRref

+

+

-

-

+

--

+

+

estim

E

E

RR/1

R+

DS01162A_JP - p. 24 2014 Microchip Technology Inc.

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AN1162

図 22: 推定角度の結果

2014 Microchip Technology Inc. DS01162A_JP - p. 25

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電流モデル ソフトウェア モジュール (curmodel.s)は磁化電流値を計算しますが、これは推定器には不要です。磁化電流を常時一定の参照値に設定する事で、この計算を不要にできます。

式 16:

図 23 の網掛け部分が式 16 に対応します。

図 23: 速度 / 角度推定器のブロック図

EstimParm.qImrStateVar=EstimParm.qImrStateVar+( (long)(ParkParm.qId - EstimParm.qImr) * (long)MotorEstimParm.qInvTr) ;EstimParm.qImr = (int)(EstimParm.qImrStateVar>>15);

MotorEstimParm.qInvTr = 215 Tsample

Tr------------------

d,q

,

1s

1s1s

d,q

,

Ls

Rs

Rs

Ls

V

V

I

I

Ed

EqEqf

Edf

mR

Iq

Id

2mech

ImR

-

Magnetizing curve

LPF

LPF

LPF

Sign

SWITCH mRref

+

+

-

-

+

--

+

+

estim

E

E

RR/1

R+

DS01162A_JP - p. 26 2014 Microchip Technology Inc.

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回転速度は 2 段階で計算します。電流モデルを実行しない場合、最初にスリップ速度を計算します (式 17参照 )。

式 17:

次に、ロータ磁束速度からスリップ速度を減算し、フィルタ処理します ( 式 18 参照 )。

式 18:

図 24 の網掛け部分が式 17 と式 18 に対応します。

EstimParm.qOmeg2Estim = ((long)ParkParm.qIq*(long)MotorEstimParm.qRrInvTr)>>15;

MotorEstimParm.qInvTr = 215 I0 0 Tr Idref -------------------------------

EstimParm.qVelEstimStateVar=EstimParm.qVelEstimStateVar+( (long)(EstimParm.qOmegaMr-EstimParm.qOmeg2Estim-EstimParm.qVelEstim)*(long)EstimParm.qVelEstimFilterK );EstimParm.qVelEstim = (int)(EstimParm.qVelEstimStateVar>>15);EstimParm.qVelEstim= (int) ((long)EstimParm.qVelEstim*(long)Polpair)>>15);

EstimParm.qVelEstimFilterK = Polpair = 215 Tsample

T------------------ 215

Ppol---------- 1–

2014 Microchip Technology Inc. DS01162A_JP - p. 27

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図 24: 速度 / 角度推定器のブロック図

図 25 に、推定回転速度の結果を示します。

図 25: 回転速度の推定結果

d,q

,

1s

1s1s

d,q

,

Ls

Rs

Rs

Ls

V

V

I

I

Ed

EqEqf

Edf

mR

Iq

Id

2mech

ImR

-

Magnetizing curve

LPF

LPF

LPF

Sign

SWITCH mRref

+

+

-

-

+

--

+

+

estim

E

E

RR/1

R+

DS01162A_JP - p. 28 2014 Microchip Technology Inc.

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AN1162

センサレスとセンサ式の比較

図 26 の実験結果は、センサレス制御とセンサ式制御のステップ応答に有意な差が見られない事を示しています。このように、制御の動特性を低下させる事なく、センサを推定器に置き換える事ができます。

図 27 に示すように、定常条件における推定速度は、センサからの速度情報と同等の良好な精度を有しています。

図 26: 実験結果 : センサ式 ( 左 ) とセンサレス ( 右 ) の比較

図 27: 速度の推定精度

2014 Microchip Technology Inc. DS01162A_JP - p. 29

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AN1162

起動と調整ACIM センサレス制御の安定性を改善するため、下記のように参照速度に下限許容値を適用し、停止状態からの安全な始動を可能にしています。

• モータが運転中であり、かつアナログ参照値(CtrlParm.qVelRef) がソフトウェアで設定した下限値 (qVelMinContrOff/2) よりも低い場合、制御速度参照値 (PIParmQref.qInRef) は「0」に設定され、速度制御は無効になります。

• モータが運転中であり、かつアナログ参照値(CtrlParm.qVelRef) がソフトウェアで設定した下限値 (qVelMinContrOff/2) よりも大きい場合、速度コントローラ参照値(PIParmQref.qInRef)はアナログ参照値 (CtrlParm.qVelRef) に設定されます。

• モータが停止中であり、かつアナログ参照値(CtrlParm.qVelRef) がソフトウェアで設定した下限値 (qVelMinContrOff) よりも大きい場合、速度制御参照値(PIParmQref.qInRef)はアナログ参照値(CtrlParm.qVelRef) に設定されます。

PI コントローラ パラメータを容易に調整するためにトルクモードを使えます。トルクモードでは、速度コントローラは動作せず (PI 速度コントローラはバイパ

スされ )、トルク参照値が直接設定されます。トルクモードは低速および停止状態でも使えます。この制御モードでは、始動または制限アルゴリズムを使いません。

トルクモードを選択するには、acim.c ファイル内で下記のように定義します。

#define TORQUE_MODE

図 28 に、参照値の変化に対する俊敏なトルク応答を示します。電源の制限に達するまでは、モータの速度を上げても磁化電流は変化しません。それ以上速度を上げると、トルクは 0 まで低下します。

図 28: 速度の応答

DS01162A_JP - p. 30 2014 Microchip Technology Inc.

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AN1162

まとめ本書では、Microchip 社の dsPIC30F および dsPIC33Fデジタルシグナル コントローラを使ってACIMのセンサレス磁界方向制御を実装するためのソリューションについて説明しました。また、システムコストを大幅に削減可能なセンサレス磁界方向制御でセンサ式磁界方向制御とほぼ同等の動特性が得られる事を実験結果によって示しました。

参考資料• AN887 “AC Induction Motor Fundamentals”

(DS00887), Microchip Technology Inc., 2003• AN908 “Using the dsPIC30F for Vector Control of an

ACIM” (DS00908), Microchip Technology Inc., 2007• dsPICDEM™ MC1 Motor Control Development

Board User’s Guide (DS70098), MicrochipTechnology Inc., 2003

• dsPICDEM™ MC1H 3-Phase High Voltage PowerModule User’s Guide (DS70096), MicrochipTechnology Inc., 2004

• Explorer 16 開発ボード ユーザガイド (DS51589A),Microchip Technology Inc., 2005

• Motor Control Interface PICtail™ Plus DaughterBoard User’s Guide (DS51674), MicrochipTechnology Inc., 2007

2014 Microchip Technology Inc. DS01162A_JP - p. 31

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NOTE:

DS01162A_JP - p. 32 2014 Microchip Technology Inc.

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2014 Microchip Technology Inc. DS01162A_JP - p. 33

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SQTP は、米国における Microchip Technology Incorporatedのサービスマークです。

GestICとULPPは、その他の国におけるMicrochip TechnologyGermany II GmbH & Co. & KG (Microchip TechnologyIncorporated の子会社 ) の登録商標です。

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• Microchip 社製品は、該当する Microchip 社データシートに記載の仕様を満たしています。

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通している同種製品の中でも最も高度であると考えています。

• しかし、コード保護機能を解除するための不正かつ違法な方法が存在する事もまた事実です。弊社の理解ではこうした手法は、

Microchip 社データシートにある動作仕様書以外の方法で Microchip 社製品を使用する事になります。このような行為は知的所

有権の侵害に該当する可能性が非常に高いと言えます。

• Microchip 社は、コードの保全性に懸念を抱くお客様と連携し、対応策に取り組んでいきます。

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コード保護機能は常に進歩しています。Microchip 社では、常に製品のコード保護機能の改善に取り組んでいます。Microchip 社

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ダラスAddison, TX Tel:972-818-7423 Fax:972-818-2924

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ロサンゼルスMission Viejo, CA Tel:949-462-9523 Fax:949-462-9608

ニューヨーク (NY) Tel:631-435-6000

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カナダ - トロントTel:905-673-0699 Fax:905-673-6509

アジア / 太平洋

アジア太平洋支社Suites 3707-14, 37th FloorTower 6, The GatewayHarbour City, KowloonHong KongTel:852-2401-1200Fax:852-2401-3431

オーストラリア - シドニーTel:61-2-9868-6733Fax:61-2-9868-6755

中国 - 北京Tel:86-10-8569-7000 Fax:86-10-8528-2104

中国 - 成都Tel:86-28-8665-5511Fax:86-28-8665-7889

中国 - 重慶Tel:86-23-8980-9588Fax:86-23-8980-9500

中国 - 杭州Tel:86-571-2819-3187 Fax:86-571-2819-3189

中国 - 香港 SARTel:852-2943-5100 Fax:852-2401-3431

中国 - 南京Tel:86-25-8473-2460Fax:86-25-8473-2470

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アジア / 太平洋

インド - バンガロールTel:91-80-3090-4444 Fax:91-80-3090-4123

インド - ニューデリーTel:91-11-4160-8631Fax:91-11-4160-8632

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マレーシア - クアラルンプールTel:60-3-6201-9857Fax:60-3-6201-9859

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