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□財団本部 〒565-0871 大阪府吹田市山田丘3番1号 大阪大学内 □観音寺研究所 〒768-0061 香川県観音寺市八幡町二丁目9番41号 □観音寺研究所瀬戸センター 〒768-0065 香川県観音寺市瀬戸町四丁目1番70号 □観音寺研究所雲岡支所 〒769-1603 香川県観音寺市豊浜町和田甲1845番1 □ポリオ研究所 〒189-0003 東京都東村山市久米川町五丁目34番地4 □東京事務所 〒105-0004 東京都港区新橋一丁目15番7号 新橋NFビル8F □本社/瀬戸事業所 〒768-0065 香川県観音寺市瀬戸町四丁目1番70号 □八幡事業所 〒768-0061 香川県観音寺市八幡町二丁目9番41号 □雲岡支所 〒769-1603 香川県観音寺市豊浜町和田甲1845番1 □東京事業所 〒189-0003 東京都東村山市久米川町五丁目34番地4 Group Profile 作成:2020年7月

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Page 1: Group Profile - BIKEN2 3 いのちを想い、いのちを守る。私たちは、 の一員です。BIKENグループは、ワクチン研究・開発と生産・供給を担う

□財団本部〒565-0871 大阪府吹田市山田丘3番1号 大阪大学内

□観音寺研究所〒768-0061 香川県観音寺市八幡町二丁目9番41号

□観音寺研究所瀬戸センター〒768-0065 香川県観音寺市瀬戸町四丁目1番70号

□観音寺研究所雲岡支所〒769-1603 香川県観音寺市豊浜町和田甲1845番1

□ポリオ研究所〒189-0003 東京都東村山市久米川町五丁目34番地4

□東京事務所〒105-0004 東京都港区新橋一丁目15番7号 新橋NFビル8F

□本社/瀬戸事業所〒768-0065 香川県観音寺市瀬戸町四丁目1番70号

□八幡事業所〒768-0061 香川県観音寺市八幡町二丁目9番41号

□雲岡支所〒769-1603 香川県観音寺市豊浜町和田甲1845番1

□東京事業所〒189-0003 東京都東村山市久米川町五丁目34番地4

Group Profile

作成:2020年7月

Page 2: Group Profile - BIKEN2 3 いのちを想い、いのちを守る。私たちは、 の一員です。BIKENグループは、ワクチン研究・開発と生産・供給を担う

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いのちを想い、いのちを守る。私たちは、    の一員です。

BIKENグループは、ワクチン研究・開発と生産・供給を担うバイオ・スペシャリティ・ファーマです。 18世紀、世界初の天然痘ワクチンが発明されて以来、研究者たちの情熱と地道な努力により、優れたワクチンが開発されてきました。その結果、現在は予防接種により、毎年世界で推定200万~300万人の命が守られており、さらに世界中で予防接種が進むと、150万人の命を救うことができるとされています。しかし今もなお、感染症は人々の命を脅かし、ワクチンの開発のニーズは高まっています。 BIKENグループは、バイオ・スペシャリティ・ファーマとして、独自のバイオ技術によるワクチンを中心とする生物学的製剤と、優れた臨床検査サービスで、世界中の人々の大切な命を守ります。

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 BIKENは、若き細菌学者、谷口腆二博士の理念と情熱、篤志家山口玄洞氏の賛同によって誕生した大学発ベンチャーの先駆け。「優れたワクチンを提供し、人々を病の不安から解放し、命を守りたい」という熱い思いを原動力に、日本のワクチン開発のパイオニアとして、多くの「国産第一号」

※のワクチンを開発してきま

した。2014年には、(一財)日本ポリオ研究所と合併。世界各国に技術導出や技術移転を行い、感染症撲滅への取り組みにも貢献しています。※同日に承認・上市された他社製品がある場合を含みます。

 ワクチンは病を治す医薬品とは異なり、病を予防する薬。感染症の脅威から人々を守っています。天然痘は世界から根絶され、ポリオも根絶に向けた計画が進行中です。 かつて多くの人々の命を奪った日本脳炎なども日本ではワクチンが定期接種化されており、これらの感染症にかからないことが当たり前の社会になりつつあります。 しかし今もなお、私たちは新興感染症や再興感染症の脅威にさらされています。現在も、世界中で優れたワクチンが求められており、感染症と人々の闘いは続いています。

1954年 ワクチン勧奨接種開始

[参考] 国立感染症研究所 発生動向調査年別報告数一覧(全数把握)4類感染症https://www.niid.go.jp/niid/ja/ydata/9009-report-ja2018-20.html

1988年~世界ポリオ根絶計画を実施。世界を挙げて予防接種を実施する取り組みを続け、症例数は99%減少。世界からポリオを根絶するまであと一歩。

[参考] 厚生労働省検疫所HPhttps://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/1908081325.html

1958年~世界天然痘根絶計画を実施。世界を挙げて徹底的なワクチン接種を実施。

[参考] 国立感染症研究所HPwww.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/445-smallpox-intro.html

これまでも、これからもワクチンが、社会を支える。

谷口腆二博士(前列左から3人目)

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数々の“日本初”を産み出してきた、BIKENのワクチン開発85年の歴史。

BIKENが産み出した国産第一号ワクチン一覧

乾燥弱毒生水痘ワクチン(当時)

乾燥弱毒生麻しんワクチン(当時)

BIKENはこれからも、優れたワクチンを提供し、病の不安から解放された、すこやかな未来をめざします。

経口生ポリオワクチン国産第一号承認(旧日本ポリオ研究所)1963

乾燥弱毒生風しんワクチン国産第一号承認1975

乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン国産第一号承認2005

乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン国産第一号承認2009

世界的なポリオ根絶に向けた取り組みに寄与弱毒ポリオウイルスを用いた不活化ポリオワクチンを世界で初めて開発。途上国への技術移転を行い、世界的なポリオ根絶に向けた取り組みに寄与しています。

2012 沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオ混合ワクチン国産第一号承認

1970 乾燥弱毒生麻しんワクチン国産第一号承認国内外の麻しん予防と排除に貢献世界的に前例のない漿尿膜継代という方法で開発。国内での定期接種化および、ユニセフへの輸出、ブラジル・インドネシアへの技術導出などで、世界の麻しん予防および、日本での麻しん排除達成(2015年)にも大きく貢献しました。

1986 乾燥弱毒生水痘ワクチン国産第一号承認日本発・世界初の水痘ワクチン日本発・世界初の水痘ワクチン。BIKENの弱毒生水痘ウイルス(岡株)は、世界で唯一世界保健機関(WHO)に認定されています。日本では2014年に定期接種化され、2016年には、50歳以上の帯状疱疹への予防効果も認められました。

天然痘 ポリオ

日本脳炎

0名2018年 患者数(国内)

5196名1950年 患者数(国内)

400万人1958年 推定死亡者数(世界)

根絶1980年5月 根絶

35万件1988年 症例数(世界)35万人

1988年 症例数(世界)

世界的な根絶計画

国内のはなし

33人2018年 症例数(世界)

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赤ちゃんから高齢者まで、

幅広い年齢層の人々を感染症から守るために

使われているワクチン。

病原微生物を元につくられる「生物学的製剤」であるため、

品質を一定に保ち生産量をコントロールするには

高い技術と専門知識が必要です。

BIKENでは、各分野のプロフェッショナルが連携し、品質を徹底管理。

85年以上の歴史の中で培ったノウハウが、

さまざまなワクチンの安定的な生産活動を可能にしています。

その原動力になっているのは、

「優れたワクチンで人々の大切な命を守りたい」

という創立から続く強い思いです。

昨日、息子が受けたワクチンは、私がつくったものでした。

みんなのすこやかな暮らしを守るために

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ワクチン生産・供給

生物学的製剤とは? ~ワクチンの元になる微生物たち~ 生物学的製剤は、細菌やウイルスといった生物を元につくられます。その構造が複雑なため、化学的に合成される医薬品と比べ、製造工程が複雑です。またわずかな変化が成分に影響を与える可能性があるため、高い精度で工程管理を行うことが求められています。多くの自家試験を経て、さらに国家検定に合格したものだけが市場に出荷できます。

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私たちには、感染症を防ぐ責任がある。

 ワクチンは、健康な身体に接種し、感染症を予防するという特質上、特に高度な品質管理が求められ、国家検定を受けるべき医薬品に指定されています。 各セクションは、BIKENに脈々と受け継がれる品質へのこだわりを胸に、ワクチン生産に取り組んでいます。

厳しい管理で確かな品質の製品を市場へ

ワクチン株

培養細胞

  地

小分製品

最終製品

  荷

安全管理

原液

最終バルク

品質管理試験

培養

精製

充填

検査

包装

国家検定品質保証

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ワクチン生産・供給

■ワクチン株 薬機法*に基づき、厚生労働大臣の承認を受けたものを使用し、 生物学的製剤基準に基づく厳密な試験を行っています。 *医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

■培地・細胞など 動物由来の原料は生物由来原料基準に基づいて、特別に管理 された動物を用いています。

■検査 出荷される全ての製品で、目視検査を実施します。

■出荷

■国家検定  ワクチンは、薬機法により国家検定を受けるべき医薬品に指定 されています。厳しい自家試験をクリアした製品は国家検定を 受け、合格した製品のみを出荷します。

 製造エリアは高い清浄度を保ち、製造には、専門的な訓練を受けた、知識と高い技術を持つ者だけが従事。納入された原料や製造中の中間体、原液などからの抜き取り検査をはじめとする、約250項目以上の厳しい品質管理試験を実施しています。 厳しい試験を通過したワクチンが容器に充填されると、検査機と目視で外観検査を行います。包装された製品は厳格に温度管理され、販売会社を通じて全国の医療機関へ。高い技術と「いのちを守る」という責任感が、BIKEN品質を支えています。

高い技術で多くの種類のワクチンを生産 現在、BIKENが製造しているワクチンは、大きく分けて2種類あります。ひとつは、乾燥弱毒生水痘ワクチンに代表される「生ワクチン」。そして、インフルエンザHAワクチンや乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンに代表される「不活化ワクチン」です。 製造しているワクチンの種類は、国内随一。BIKENが世界で初めて世に送り出した水痘ワクチンも、研究者の熱い思いと地道な努力から開発されました。この技術は海外の各機関にも提供され、世界中の水痘予防に貢献しています。

■培養・精製 多くの工程管理項目を定め、厳重に管理しています。

■品質管理試験

■充填 異物混入を防ぐため、無菌環境で自動的に行います。

※製造工程の一例

■最終製品 国家検定に合格したワクチンは個別包装し、出荷まで温度管理 された倉庫で一時保管します。

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品質保証 原料納入から製品出荷までの各工程で、作業手順が定められており、GMP要件に適合した手順書の作成、見直し、遵守を専門部署が厳格に管理し、製品の品質への信頼を高めることに努めています。 常に目的とする品質に適合するワクチンを生産できるよう、体制を確立。すべての製造工程や設備、試験方法、製品規格を、科学的根拠と妥当性に基づいて設計し、それが目的どおりに機能していることを、システマティックに検証しています。

安全管理 どのような医薬品も副作用が起こる可能性がゼロではありませんが、副作用のリスクと期待される効果を正しく理解して使用することで、その医薬品が持つ価値を最大限に発揮させることができます。 製品の安全性・有効性に関する情報を広く収集・評価・分析し、それらの情報を医療関係者やワクチンを受けようとしている方々に発信することで、製品の適正な使用に寄与しています。

 2011年、生産拠点として最新設備を擁する瀬戸センターが竣工しました。約16万5千㎡の敷地に並ぶ製造棟、品質管理棟などの施設では、複数のワクチンの製造準備を進め、順次稼働しています。生産基盤の強化による生産量の拡大により、世界へのBIKENワクチンの供給をめざします。

 BIKENは、世界で初めて水痘ワクチンを開発しました。2014年の水痘ワクチン定期接種化以降、国内の罹患者数は着実に減少しています。 今後は、生産量の拡大により、水痘を含めたワクチンを世界に届け、人々のすこやかな暮らしを守ることをめざします。

確かな品質のワクチンを世界へ。生産拠点を拡大し、BIKENワクチンを世界へ届ける。

世界の人々の感染症予防をめざして

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瀬戸センターワクチン生産・供給 グローバル展開

 GMPとは、医薬品製造業において必要な「製造管理及び品質管理の基準」のこと。

「人による間違いを最小限にする」「医薬品の汚染や品質が低下するのを防ぐ」「確か

な品質を保つ仕組みをつくる」を主な目的としています。これらを達成するために、間

違いを防ぎ、衛生的で、確かな品質を維持できる設備環境と、その環境を維持するた

めのルールを決め、定期的に評価・見直しをします。決めるべきルールは数多くあり

ますが、医薬品製造においては、製造管理、品質管理、衛生管理などが挙げられます。

GMPとは?(Good Manufacturing Practice)

瀬戸センター

バリデーションの3本柱

バリデーションの考え方

基準を決める▼

試験を行う▼

結果を評価する▼

修正処置をとる

プロセスバリデーション

製造の各工程

アッセイバリデーション品質管理の各試験

製造を支援するシステムと作業

水供給システム空調処理システム設備機器の洗浄

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85年以上にわたるワクチン開発、

製造経験を通して培った

BIKEN独自のバイオ技術とノウハウ。

それらに、目覚ましい進歩を遂げている

免疫学の知見を加えることで、

ワクチン開発の可能性が開けます。

まだ、十分な予防方法のない新興感染症、

さらなる予防効果が求められる感染症から

人々を守るために、

BIKENは「大切な命を守る」という

創立以来の志を胸に、

最新のサイエンス、テクノロジーで

画期的なワクチン開発に挑んでいます。

「日本発・世界初」のワクチン開発に挑む!

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ワクチン研究・開発

 ワクチンの元となるのは、ウイルスや細菌といった病原微生物です。一般的な医薬品の原料である化合物に比べ、その構造は複雑で、変化しやすく、多様性に富んでいます。そのためワクチンの開発には、免疫学や培養工学など、高度で広範囲かつ専門的な知識が必要です。

世界初ワクチン開発秘話 世界初の水痘ワクチンは、大阪大学名誉教授高橋理明博士によって開発されました。きっかけは、博士の3歳の息子が水痘にかかり、重症化するケースを身を持って知ったこと。「ワクチンで水痘を予防できれば」と思いを募らせ開発した水痘ワクチンは、世界80カ国以上での使用実績があります。

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新規ワクチン開発に向けて、アカデミアとの連携 BIKENグループの強みは、創立以来の大阪大学微生物病研究所をはじめとするアカデミアとの連携。BIKEN財団 次世代ワクチン開発研究部門では、大阪大学と設立したBIKEN次世代ワクチン協働研究所と共に、5~10年先のワクチン開発を見据えた基礎研究に取り組んでいます。熱意ある研究者たちが世界・日本で開発が待たれるワクチンのシーズ探索と新規ワクチン候補の創生をめざして日々切磋琢磨しています。

■シーズ探索・コンセプト検証 ・ワクチンシーズの探索研究 ・新規ワクチン候補のコンセプト確認 ・ワクチン開発のプラットフォーム技術の確立

■応用研究・非臨床試験 ・製品化を目指した生産技術の確立 ・品質管理試験の開発 ・動物を使った有効性と安全性の評価

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築き上げてきた研究ネットワークが、さらに先へと挑む原動力となる。

<新規ワクチンの開発>■製法の改良■混合ワクチン化■剤形の改良

<改良研究>

ワクチン研究・開発

■臨床試験 ・Phase1 少数の健康な成人を対象とした臨床      試験で安全性を確認 ・Phase2 少数の被験者で用法・用量を調査 ・Phase3 多数の被験者で有効性と安全性を確認

■承認審査 ・有効性と安全性について審査が行われた後、  国の承認を経て新しいワクチンとして販売されます。

改良研究

臨床試験

成果を製品につなげるため、応用研究から工業化研究 生物学的製剤の開発やスケールアップ・工業化には専門技術やノウハウが不可欠。研究から産み出された新規ワクチン候補は、数々の試験で有効性や安全性を評価します。それと並行して安定した製造法や品質試験方法の確立など製品化に向けたプロセス研究が必要とされます。株式会社BIKEN 技術研究部門では、応用研究から工業化研究までをシームレスに連携させることにより、新規ワクチン候補のスムーズな製品化をめざしています。「基礎研究の成果を確実に製品へつなげる」という信念を持って、BIKENグループは日本発・世界初のワクチン開発に挑戦し続けています。

さらに安全に使いやすく、弛まない製品改良 ワクチンの改良には外部企業との協力体制の構築が重要。製品化されたワクチンをさらに安全に使いやすくする改良にも積極的に取り組んでいます。例えば、接種時の負担を軽減する混合ワクチンの開発や新しい投与デバイスの開発を進めています。オープンイノベーション・共同プロジェクトを通じて「ワクチンを必要とする人に、一日でも早く届けたい」という同じ思いを持つ企業と、それぞれの垣根を越えて共同開発に励んでいます。

2~3年

シーズ探索・

コンセプト検証

3~5年

応用研究・

非臨床試験

1~2年

承認審査

上市(販売)

Ph1

3~7年

Ph2 Ph3

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 バイオメディカルサイエンスセンターでは、自治体や医療機関・研究機関などで実施される健康診断や臨床検査、その優れた技術を活かした研究活動、そして医療人材の教育支援を実施。命を守るために、体外診断用医薬品の創出や新たな独自技術の開発に挑み続けています。

 BIKENは、公衆衛生の向上を目的に、長期的視点に立ったさまざまな学術助成事業を展開しています。「BIKEN谷口奨学金制度」もそのひとつ。これは、BIKENの初代理事長谷口腆二博士の「百年の計は人を育てること」の精神を受け継いで1962年に発足した給付型の奨学金制度で、これまでに約700名の若手研究者をサポートしてきました。2020年度からは、微生物病学を専攻する大学院博士課程の日本人並びに留学生を支援しています。

地域社会のすこやかな暮らしを守る。 バイオサイエンスの次代を担う研究者を育成する。

[臨床検査] 現在、病気を未然に防ぐ予防医学、病の進行・再発を抑える医療に関心が高まっています。BIKENでは病院や自治体の健康診断の検査を通じて、健康リスクや病気の早期発見に寄与。また、新型コロナウイルスをはじめとする感染症の脅威から地域社会を守るため、これまでに培ったノウハウと最新の遺伝子解析技術により、公衆衛生の向上に貢献しています。

[研究活動] BIKEN次世代ワクチン協働研究所と連携し、新型コロナウイルスを含む感染症に対する高精度な検査技術や体外診断薬用医薬品の開発に取り組んでいます。更に、BIKENの高い技術で、アカデミアやほかの研究機関の研究プロジェクトに参画。医療現場におけるニーズに応えるべく、新たな医薬品の創出への貢献や適切な治療に繋がる検査法の確立をめざします。

[教育支援] がんの早期発見に有効とされる細胞検査士には、高い学識と技術力が求められます。BIKENは、大阪大学大学院医学系研究科における文部科学省「がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン」に参画し、細胞診検査の担い手を育成しています。

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 また、国際的に卓越した若手研究者の育成を目的とする「大阪大学高等共創研究院」の趣旨に賛同し、バイオサイエンス関連分野において世界最先端の研究を行う大阪大学の優れた若手教員の育成支援も行っています。 病の不安から解放された未来を実現するために、バイオサイエンスの次代を担う若手研究者の育成を支援しています。

学術助成臨床検査

谷口腆二博士

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 BIKEN誕生のきっかけは、日本の感染症対策が発展途上にあった1930年代。当時、40歳の若き細菌学者、谷口腆二博士は「日本国民を感染症から守るためには、海外の西の門戸である大阪にも伝染病に関する研究機関が必要だ」と考え、奔走しました。その熱い思いは人々を動かし、山口玄洞氏の篤志を基金に、1934年、阪大微生物病研究会(以下、BIKEN財団)が財団法人(当時)として誕生。微生物病の基礎研究は研究所(現大阪大学微生物病研究所)が行い、その応用研究とワクチン等の製造・検査、供給をBIKEN財団が

■設立 2017年5月9日■操業開始 2017年9月1日■資本金 1億円■従業員数 623人(2020年4月1日現在)

■代表者 代表取締役社長 上田善啓■所在地 香川県観音寺市■事業内容 ワクチンを含む生物学的製剤の製造及び供給

代表取締役社長 上田善啓取締役 松久廣成/田中崇嗣/真鍋貞夫/藏岡 悟    鈴木 彰監査役 上田明伸/土井敏秀

大学発ベンチャーとして大阪大学に誕生。85年を超えるワクチン開発の先駆者の歴史。

 2017年9月、BIKEN財団はさらに前進すべく、田辺三菱製薬株式会社との合弁会社「株式会社BIKEN」を操業開始しました。BIKEN財団のワクチン製造技術を基軸に、田辺三菱製薬の医薬品生産に関するシステムや管理手法等を融合した生産基盤のさらなる強化により、ワクチンの安定供給に貢献します。 BIKEN財団と株式会社BIKENは、バイオ・スペシャリティ・ファーマ「BIKENグループ」として一丸となって、これからもBIKENブランドへの信頼に応えます。

BIKENグループとして新たなステージへ。

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一般財団法人阪大微生物病研究会(以下、BIKEN財団)は、2019年に設立85周年を迎えました。1934 年の設立以降、日本発・世界初の開発となった水痘ワクチンを始め、数多くの国産第1号ワクチンの開発、生産供給を行うとともに、優れた臨床検査サービスを提供し、公衆衛生に貢献してまいりました。2017年には、高まり続けるワクチンの供給ニーズにさらに力強く応えていくため、生産部門を分社化し、田辺三菱製薬株式会社との合弁会社、株式会社BIKENを設立しました。同社は、BIKEN財団のワクチン製造技術を基軸に、田辺三菱製薬株式会社の医薬品生産に関するシステムや管理手法等を融合し、生産基盤の強化を加速させることで、ワクチンのさらなる安定供給に貢献してまいります。BIKEN財団と株式会社BIKENから成る「BIKENグループ」は、ワクチンを中心とした生物学的製剤に特化したバイオ・スペシャリティ・ファーマとして、85年以上のワクチン開発、生産で培った独自のバイオ技術、アカデミアとの連携を活かしたオープンイノベーションで、世界中の人々の大切な命を守るための日本発・世界初の画期的なワクチンの開発をめざします。医学が発展した現在も、人類は未だ新たな感染症の脅威にさらされているなか、ワクチンの接種は様々な感染症に対する最も効果的な対策の一つとされています。病の不安から解放された、すこやかな未来をめざし、BIKENはこれからも高度なサイエンスと独自のバイオ技術の進歩を追求し続けます。

優れたワクチンを通じて、世界中の人々の大切な命を守る。

Top Message

一般財団法人阪大微生物病研究会

理事長 山西 弘一

山口玄洞氏谷口腆二博士

BIKENプロフィール

病の不安から解放されたすこやかな未来をめざして。

担うという“大学発ベンチャー”は、当時、画期的なものでした。 戦後間もない1946年には、発しんチフスワクチン供給のニーズに応えるべく、香川県に観音寺研究所を設立。1970年に完成した乾燥弱毒生麻しんワクチン国産第一号をはじめ、多くの国産第一号のワクチンを開発し、世に送り出しました。中でも水痘ワクチンは、日本発・世界初のワクチンとなりました。 革新に挑み続け、すこやかな社会に貢献するという志は今日のBIKENにも脈々と受け継がれており、新たなワクチン開発と高品質なワクチンの生産に努めています。

安定供給・コスト競争力強化安定供給・コスト競争力強化

シェア拡大・ワクチン事業収益増シェア拡大・ワクチン事業収益増

販売会社販売会社

開発加速・製造委託増加開発加速・製造委託増加

■設立 1934年(昭和9年)6月6日■基本財産 5億5万円■従業員数 872人(㈱BIKENへの出向者を含む・2020年4月1日現在)

■総資産額 1,700億円(2020年3月31日現在)

■代表者 理事長 山西弘一■所在地 大阪府吹田市■主な事業内容 微生物病に関する研究 ワクチンを含む生物学的製剤の製造及び供給 学術研究への助成 臨床検査

理 事 長 山西弘一常務理事 松久廣成/上田善啓/村上誠一/田中崇嗣理  事 桑原 豊/松浦善治/吉野 完/米田悦啓監  事 鈴木 直/土井信幸