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CSR 報告書 2010

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CSR報告書 2010

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編集方針

 この報告書は、安藤建設に関係するすべてのステークホルダーの皆さまに、安藤建設の活動をできるだけ分かりやすく誠実にお伝えすることを目的としてまとめています。 安藤建設は、2002 年度から毎年、「環境活動報告書」を発行し、2008 年度は社会性報告の内容を拡充して「社会・環境報告書」を発行しました。2009 年度から「CSR 報告書」と名称を改め、今年度の報告書では、建設現場の特集記事や関係者のみなさまの声のほか、環境活動データをまとめて掲載するなど、さらなる報告内容・構成の見直しを行いました。 安藤建設は、単に社会基盤となる建造物をつくるだけではなく、「永くお使いいただける建造物の提供」を社会的使命・役割と捉えています。そのために、企業理念に基づいて推進する事業活動の内容と結果を、広く社会に報告し、事業のあり方や活動内容の検証を行いたいと考えています。 本報告書を通じて安藤建設の活動をご理解いただき、率直なご意見をお寄せくださいますようお願い申し上げます。

報告書の対象期間2009 年度(2009 年 4月~ 2010 年 3月)内容の理解を助けるため、一部に 2010 年度の記載を含みます。

報告書の対象組織安藤建設株式会社 (関係会社、海外組織は含みません)

参考にしたガイドライン● 環境省 「環境報告ガイドライン(2007 年版)」● 建設業 3団体((社)日本建設業団体連合会、(社)日本土木工業協会、(社)建築業協会) 「建設業における環境会計ガイドライン 2002 年版」発行2010 年 9月(次回発行予定:2011 年 8月)

作成部署社長室 経営企画部、建築本部 品質環境部

■ 2009 年度の主な完成工事

アルティス西ヶ原 Park Hills ( 東京都北区) 深川ギャザリア ウエスト3棟(東京都江東区)

がん粒子線治療研究センター(鹿児島県指宿市) ユメリア徳重(愛知県名古屋市) プライムスクエア広瀬通(宮城県仙台市)

ANDO CSR 報告書 20101

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CONTENTS

トップメッセージ事業概要

■ CSR経営の基盤安藤建設の CSRコーポレート・ガバナンスコンプライアンスとリスクマネジメント

■ お客様のために全社統合( 品質・環境 )マネジメントシステム品質管理・向上への取り組み建設技術の研究開発

■ 協力会社とともに安全衛生への取り組み技術・技能者の養成支援と協力会社取引の適正化

■ 株主・投資家への責任株主・投資家のみなさまとのコミュニケーション

■ 社員とともに職場環境向上への取り組み

■ 地域社会とともに社会貢献活動

【特集】建設現場の取り組み

■ 環境への取り組み環境配慮設計への取り組み環境技術の研究開発と PCa 化環境事業への取り組み環境活動データ

組織図

2

コーポレートマークANDOの「DO」を特徴化したコーポレート・マークの正方形は空間を表し、その中にある「DO」にはフォルムの中に未知数や未来を意味する「X」が隠されており、新しい価値を提供する空間創造へ果敢に挑戦する安藤建設を象徴しています。同時に「DO」のフォルムは全体として「∞(インフィニティ)」であり、安藤建設の無限の可能性を示しています。

コーポレート・カラー(ANDOブルー)未来と知性を象徴するとともに、新しい伝統へ挑戦し続ける安藤建設の清新な活力を表現しています。

ANDO CSR 報告書 2010

社  是

お得意様の身になって考え計画し施工する

企業理念

1. 豊かな環境を創造し社会に貢献する 2. 新たな価値を創造し顧客に貢献する 3. 事業に寄与する者の幸福を追求する 4. 事業の恒久的な存続を追求する

企業行動規範

社会的使命の達成 1. 社会の要請に応えた建設活動の推進 2. 人を大切にする企業の実現 3. よりよい環境の創造と保全 4. 社会との調和の促進 5. 公正な競争の推進 6. 健全な建設市場の確立 7. 国際社会への貢献 8. 法令の遵守の徹底 9. 企業会計の透明化と情報の開示

会社財産、情報の管理 1. 会社財産の管理 2. 知的財産権の管理 3. 秘密情報の管理

具体化のための措置 1. 企業倫理委員会の設置 2. ANDOグループ社員への周知徹底 3. 相談窓口の設置

35

678

91011

1213

14

15

18

21

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30

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社会から信頼される企業であり続けるために、全社を挙げてCSRへの取り組みを進めています。

トップメッセージ

建設産業の社会的使命  世界経済のグローバル化の進展により、ひとつの地域の問題が世界規模で広がるようになりました。日本もギリシャ危機に端を発したユーロ不安の影響などを受け、国内景気の先行き不安が強まっています。 こうした不安定な社会・経済の動きとともに、建設業界を取り巻く経営環境も厳しさが続いています。しかしながら、どのような環境下であれ、建設業は国土の保全、生活環境の整備、産業活動の基盤形成などを通じて、生活の向上ならびに経済発展の一翼を担っている基幹産業であることに変わりはありません。当社も常にその思いを胸に、「永くお使いいただける建造物の提供」を社会的使命・役割と捉えて事業に取り組んでおります。

CSR 活動の実効性向上への取り組み

 近年、企業には今まで以上に社会的責任を重視した経営が求められています。企業側では、様々な取り組みを行っていますが、最も重要な社会的責任は、優れた製品・サービスを社会に送り出すことに他なりません。当社の CSR 活動も、改めて特別なことを行うのではなく、多くの関係者に対して誇れる事業活動を行うことを基本に考えています。そのため「永くお使いいただける安心・安全で、環境にやさしい建造物の提供を基本として、社会的責任を果たす」を CSR 基本理念として定めました。この理念に基づいた事業活動・企業行動を通じて、お客様・利用者・地域社会など、関係者のみなさまの期待に応えるこ

とで、社会的責任を果たしていきたいと考えています。 2009 年度を初年度とする 3ヵ年の中期経営計画「ADV(アドバリュー)2011」でも、中期ビジョンとして「社会からの信頼を高め続ける企業」を掲げました。いうまでもなく、CSR 活動の実効性を高め、ビジョンを実現するための原動力は、社員一人ひとりの行動にあります。そのために、2009 年度は CSR活動を定着、実効性を高めるための仕組みづくりを行いました。 まず、当社の CSR が具体的に何を意味するのか、どのような企業行動を為すべきなのかなどを明確にし、共有することを目的に、前述した当社の CSR に関する基本的な理念とともに、目標・方針を定めました。現在、社是および企業理念と同様に社員の活動指針としています。2010 年度からはこの理念・目標・方針に沿って、各本部・事業部で組織的な CSR目標を設定して活動を行っています。 また、CSR に関する基礎知識の取得と当社の CSRへの取り組みについての理解を促進、浸透させるために、e-ラーニングによるCSR教育を開始しました。海外勤務者を含む全役職員を受講対象として、第 1回目の教育を昨年 12 月に行い、全員が合格するまで実施しました。 併せて、一定水準を超える CSR 活動の成果を表彰する制度を創設しました。組織を超えたグループ・個人での取り組みも表彰の対象としており、一人ひとりの積極的な取り組みと活動の拡大を推奨しています。

ANDO CSR 報告書 20103

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環境への取り組み

 豊かな地球を次世代に引き継ぐために、地球規模で起きている環境問題への取り組みは、立ち止まることなく続けていかなければなりません。当社では建物の企画設計段階で建物のライフサイクルCO 排出量を把握し、いろいろなCO 排出量削減対策方法を比較検討できるツールを開発してお客様の建設計画に役立てていただいているのをはじめ、それぞれの建物に応じて環境に配慮した設計をご提案しています。 また、環境事業としては風力発電分野に進出しており、NEDOとの共同研究での地点開発や、2008年に設立した子会社「アドエコロジー株式会社」による風力発電所の建設を進めています。

「CSR 報告書 2010」の発行にあたって

 当「CSR報告書」は、名称を改めてから2回目の発行となります。一年間の当社のCSR活動を記載しておりますので、ご一読いただき、お気付きの点や今後の課題など、みなさまから忌憚のないご意見、ご指摘をお聞かせいただければ幸いです。 今後とも、事業活動を通じて多くの関係者のみなさまから信頼を得られるよう取り組んでまいりますので、ご指導賜りますようお願い申し上げます。

2010年 9月 安藤建設株式会社 代表取締役社長

₂₂

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事業概要

ANDO CSR 報告書 2010 5

社 名本 社創 業創 立資 本 金株 式 市 場建 設 業 許 可宅 建 業 免 許一級建築士事務所登録

安藤建設株式会社東京都港区芝浦 3丁目 12 番 8号明治 6年(1873 年)大正 7年(1918 年)3月 20 日89 億 8,552 万円 (株主数 6,475 名)東京証券取引所第一部 (証券コード 1816)国土交通大臣許可(特 -19)第 1850 号国土交通大臣免許(11)第 1392 号東京都知事登録第 697 号(その他、各支店所在地都道府県にて登録)

<主な営業種目>● 土木建築の請負、設計、監理およびコンサルティ   ング業務● 不動産の所有、売買、賃貸、仲介、管理および  鑑定● 建設用資材、建設用機器および建設用機械装置  の製造、加工、販売ならびに賃貸 他

:::::::::

会社概要 (2010 年 3 月 31 日現在)

財務関連指標(当社個別)

-2,500

-1,250

0

1,250

2,500

2009 2008 2007 2006 2005

(百万円)

536

1,611 1,757

0

75,000

150,000

225,000

300,000

2009 2008 2007 2006 2005

(百万円)

170,253

237,675 225,493

224,872

■ 受注高

0

75000

150000

225000

300000

2009 2008 2007 2006 2005

(百万円)

240,802 253,457

231,190

建築 土木 不動産 建築 土木

0

1,500

3,000

4,500

6,000

2009 2008 2007 2006 2005

(百万円)

5,101

1,503

2,211

0

0.6

1.2

1.8

2.4

(%)

0.8

2.0

■ 売上高 ■ 経常利益・売上高経常利益率

■ 当期純利益

10,000

17,500

25,000

32,500

40,000

2009 2008 2007 2006 2005

(百万円)

24,199

29,607 28,126

26,422

23,609

(%)

15.5 14.7

15.7

0

5

10

15

20

0

500

1,000

1,500

2,000

2009 2008 2007 2006 2005

(人)

1,760 1,751 1,769

■ 純資産・自己資本比率 ■ 従業員数

■ 完成工事高 建築土木別構成比(2009 年度)

建築 138,262 (百万円)

土木 9,152 (百万円)

道路 47.6%

その他 20.2% 上水道・ 下水道 12.9%

造成 13.5%

事務所・庁舎17.0%

治山・治水 5.8%

店舗 3.6%

娯楽施設 2.8% 工場・ 発電所など 13.3%

倉庫・流通施設 2.5%

医療・ 福祉施設 16.3%

教育・研修・文化施設11.8%

住宅 24.9%

宿泊施設 1.8%

その他 6.0%

▲2,292

166,325

211,812

2,974

1.4

1,747

150,677

0.6

1.0

1,255

412

14.6

19.4 1,697

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CSRの基本的な考え方

 安藤建設は、「お得意様の身になって考え計画し施工する」という社是のもと、「永くお使いいただける建造物の提供」を社会的使命・役割の基本として、「品質のよい施工」はもちろんのこと、建設技術・環境技術の研究開発を通じて住まれる方、使われる方が安全で快適に暮らせる建造物を実現することで、社会に貢献しています。  また、事業活動のさまざまな場面において、社会の中に企業が存在していることを意識し、企業として責任ある行動を果たすことが、企業の社会的責任であると考えています。さまざまなステークホルダーのみなさまと良い関係を構築し、信頼を得ることで、安藤建設の CSR 経営を進化させていきます。   CSR推進体制

 安藤建設は、社長を委員長とする CSR 委員会を設置し、CSR 活動の意思決定機関として、CSR 活動の総合的方策・促進策の策定や投資方針の決定などを行っています。また、全社的なCSR活動推進機能を果たすためにCSR推進事務局を設置し、CSR 委員会の事務局機能を果たすとともに、全社CSR行動計画やCSR意識の浸透等に関する諸施策の立案と実行などを行っています。  CSR委員会で策定された方針に基づいて、本部・事業部・支店は CSR 活動の取り組み方針を策定し、業務執行部門は本部・事業部の方針に基づいた活動を展開しています。  今後もこうした体制を活かして全社的に CSR を推進するとともに、各所の意見を反映させながら、総合的方策や促進策の検討を図っていきます。

CSR基本理念・基本目標・基本方針  2009 年 12 月に、社員全員が CSR への主旨を理解・共有するために、「社是」および「企業理念」を踏まえた「CSR基本理念・基本目標・基本方針」を策定・展開しました。  また、CSR に関する基礎知識取得と当社の CSR への取り組みについての理解を促進するために、e- ラーニングによる教育を定期的に実施しています。全役員・社員を受講対象とした 2010 年 1 月の実施において、合格率 100% となりました。

ANDO CSR 報告書 2010 6

安藤建設のCSR CSR経営の基盤

安藤建設は、CSRを経営そのものと位置付け、社会に貢献する新しい価値を創造します。

お客様

協力会社

社 員 地域社会

株主・

投資家

良き企業市民として、より良い社会づくりに

貢献する活動を推進します。

株主価値の向上とともに、積極的な情報開示により、

経営の透明性を高めていきます。

長期にわたり、安心して力を発揮できる

職場環境をつくっていきます。

強いパートナーシップを構築するとともに、

相互信頼と健全な取引関係を構築していきます。

最大限に満足していただける品質の建造物を通じて、お客様からの信頼獲得を目指します。

社 長

CSR 委員会

業務執行部門

全役員・全社員

CSR関連委員会 コンプライアンス推進委員会 中央安全衛生委員会 品質・環境マネジメントシステム組織 情報セキュリティ委員会

CSR 推進事務局

本部長・事業部長・支店長

本部・事業部・支店 ▼

指示

提言

活動 推進

意見 ・ 相談

成果報告 方針提示

報告・相談 支援・指導

CSR基本理念永くお使いいただける安心・安全で、環境にやさしい建造物の提供を基本として、社会的責任を果たす

CSR基本目標社会から必要とされる優良企業として、持続的成長を確実にする

CSR基本方針社会の一員として、関係者(お客様・利用者・社員・取引先・株主・地域社会等)の期待に応え信頼を得る

ステークホルダーのみなさまとのかかわり

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基本的な考え方

 安藤建設は、コーポレート・ガバナンスの充実を経営の重要施策と認識しており、さまざまなステークホルダーのみなさまに対する経営の透明性を一層高め、公正な経営の実現を図っています。 また、タイムリーな情報開示を重視し、情報提供の即時性、公正性を高めるべく当社ホームページ上に最新の財務情報の提供を行うなど幅広い情報開示に努めています。 当社の経営機能

 安藤建設は、経営上の重要事項に対する迅速かつ的確な意思決定を行うために、株式会社の機関として現在取締役10名による取締役会を設置しています。 取締役会では、法令及び定款に定められた事項並びに経営上の重要事項に関する決議を行っています。 また、代表取締役を中心としたメンバーによる経営戦略会議を月2回開催し、中期経営計画ADV2011の展開、業務執行状況の確認、課題への対応を議論し決定するとともに、コンプライアンスの徹底を図っています。

る体制となっています。 監査役会は、実効性の高い監査を実現すべく会計監査人と随時連携を取っており、定期的な報告を受けるほか、必要に応じて情報交換を行っています。

■ 会計監査人による監査 会社法および金融商品取引法の会計監査、内部統制監査については、太陽 ASG 有限責任監査法人から公正な監査を受けています。

■ 内部監査部門による監査 内部監査部門として、代表取締役直轄の監査部を設置しています。監査部は、代表取締役からの委任を受け、業務執行、会計処理等に対する監査、および財務報告に係る内部統制の評価を行い、その結果を定期的に代表取締役へ報告するとともに、監査役、会計監査人との情報交換を行っています。

 これらにより、コーポレート・ガバナンスの実効性を確保し、公正で透明性の高い経営を実現しています。

コーポレート・ガバナンスCSR経営の基盤

安藤建設はコーポレート・ガバナンスの実効性を確保し、公正で透明性の高い経営を実現しています。

▼ コーポレート・ガバナンス体制図

企業倫理委員会 内部統制委員会

グループ会社業務執行部門(本 社・事 業 部)

執 行 役 員

経営戦略会議

代 表 取 締 役

取 締 役 会 監 査 役 会 会 計 監 査 人

監 査 部(内 部 監 査 部 門)

株 主 総 会

選任

報告

指示

報告

管理

報告

内部監査

報告

連携

選任連携

選任

監査

監査・報告

監督

監査

報告

選任・監督

指導支援・

ANDO CSR 報告書 20107

当社のモニタリング機能

■ 監査役による監査 安藤建設は、監査役制度を採用しており、監査役会は現在4名で構成されています。 社外監査役2名には弁護士及び税理士を選任し、客観的立場から取締役の職務執行を監査するとともに、コンプライアンス面からの監査、指導を強化しています。なお、安藤建設と社外監査役との人的関係、資本的関係または取引関係その他の利害関係はありません。 常勤監査役2名は当社の事業に精通するとともに常時監査役として執務しており、適時に取締役の職務執行を監査でき

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コンプライアンス推進体制

 安藤建設は、コンプライアンス推進委員会を設置し、法令遵守の推進と遵法意識を浸透させる活動を行っています。 2009 年 1 月には、2007 年に制定した「コンプライアンス行動規準」と具体的な事例を示した「コンプライアンスQ&A」の改定をおこなったほか、コンプライアンスニュースの定期的な発行や全役職員を対象とした e- ラーニングによる教育(情報セキュリティ・内部通報制度・個人情報保護等)を実施し、受講率 100%を達成しました。また、人材育成研修のカリキュラムにおいて、具体的事例等を教材にしたコンプライアンス教育を定期的に実施しています。

内部統制システムの整備状況

 安藤建設は、法令遵守の徹底と当社に対する社会的要請の実現を目指すとともに、業務の有効的かつ効率的な遂行と財務報告の信頼性確保のため、2008 年 4 月に取締役会にて改定した内部統制システムに関する基本方針等に基づき、次の通り内部統制の構築と運用を行っています。

内部通報制度「ANDOヘルプライン」

 安藤建設は、2006 年 4 月に公益通報者保護法に準じた内部通報制度「ANDO ヘルプライン」を構築し、運用しています。組織的・個人的な法令違反や当社企業行動規範その他諸規程違反行為に関する社員からの相談や通報の適正な処理の仕組みを定め、法令違反行為等の早期発見と是正を図り、コンプライアンス経営の強化に資することを目的としています。通報手段は電子メール、電話、FAX、書面があり、社内外の通報窓口で受け付けています。

リスクマネジメント体制

 安藤建設では、「自然災害・事故」「脅迫・犯罪」「情報」等に関するさまざまなリスクを想定し、その未然防止の為の行動基準や顕在化した場合の対応等の基本ルールを「危機管理マニュアル」に定め、社内ホームページで内容の周

知徹底を図っています。万一、緊急事態が発生した際には、当該マニュアルに沿って担当部署を中心とした機動的な対応がとれるよう体制を整えています。 2009 年度は新型インフルエンザ感染拡大の動きを踏まえ、事業継続の観点から早期に社員に向けて対応指針を発信し、感染予防の為の備蓄品を各拠点で調える等の対策を実施しました。2009 年 11 月には、社員の防災意識向上のために、大規模地震発生を想定し、事業継続計画書「ANDO-BCP」に基づいた防災訓練を実施しました。また、12 月には「ANDO-BCP」により、公共の災害対応業務の円滑な実施と地域防災力の向上を目的とした「災害時の基礎的事業継続力」の認定を、国土交通省関東地方整備局より受けています。

情報セキュリティへの対応

 安藤建設では、2007 年 8 月に定めた「情報セキュリティ基本方針」を実現するための情報セキュリティ管理体制を確立するとともに、セキュリティレベルの低いパソコンを隔離する「検疫システム」や、パソコン盗難対策としてのHDD 暗号化、迷惑メールフィルター、URL フィルタリングサービスを導入しているほか、セキュアな作業所ネットワーク環境を構築するための標準機器「SiteNET」システムの全社展開など、情報セキュリティ対策の整備を進めています。 また、情報セキュリティ委員会の開催や情報セキュリティ教育の定期的な実施により、情報セキュリティ対策の徹底と社員の意識向上に努めています。

個人情報保護

 安藤建設は、全社的な個人情報の安全管理体制を構築し、プライバシーポリシーに基づく適正な個人情報保護を目的として、個人情報保護規程を制定しています。各部門で「個人情報管理台帳」を作成、管理することで、取り扱う情報が個人情報に該当していることを社員が認識するとともに、万一情報漏えいが発生した場合でも漏えい元が追跡できる仕組みになっています。

 

ANDO CSR 報告書 2010 8

コンプライアンスとリスクマネジメント CSR経営の基盤

安藤建設は法令などの社会的規範、社内規定等を遵守するとともに、高い倫理観に基づいて行動することにより、社会から広く信頼される企業であり続けます。

● 取締役会による重要な業務執行に関する決定と、執行状況の確認

● 代表取締役を中心とする経営課題への対応と、適切な責任と権   限の付与に基づく業務執行

● 監査役による実効性の高い監査

● 専門部署を中心とした内部統制システムの整備と、グ ループ全  体における運用

● 監査部による内部統制の実効性の検証等

2009 年度に発生した法令違反等

 安藤建設は、名古屋支店が共同企業体で施工にあたっているJR 東海博物館(仮称)新築工事において、杭工事の発生泥土を埋め戻し土として再利用するにあたり、名古屋市条例に定められた必要な手続きを怠っていたとして、2010 年 3 月に名古屋市環境局から指導を受けました。 当社では、このようなことが二度と再発しないよう、条例を含む関連法規の遵守に全社を挙げて取り組んでまいります。

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全社統合( 品質・環境 )マネジメントシステム お客様のために

安藤建設は全社統合( 品質・環境 )マネジメントシステムの活用に意欲的に取り組み、 高い顧客満足の向上と信頼の獲得を目指しています。

ANDO CSR 報告書 2010 9

 安藤建設は、2005 年 4 月に品質マネジメントシステムと環境マネジメントシステムの統合を行い、全社統合マネジメントシステムとして運用体制を構築し、推進を行っています。

全社統合(品質・環境)マネジメントシステム

ISO9001&14001 認証取得状況 

 ISO9001は、1997年8月に本社、9月にプレハブ事業部(現:第三建築事業部)が認証取得し、1998 年 12 月には全支店で取得を完了しました。ISO14001は、2000年 10月に本社、ならびに土木事業部(現:土木本部)が認証取得し、2002年 3 月には全支店で取得を完了しました。2005 年 10 月には全社統合マネジメントシステムとして全社拡大審査を受審し、同年12月1日に認証を取得しています。

内部監査の結果

 本社、支店および事業部の全社 7 サイトにおいて実施しました。

外部監査の結果

継続的改善

 外部審査での指摘、マネジメントレビューでの改善指示、年度ごとの全ての見直しを通じて、効率的なシステムへの転換と品質・環境に対する取り組みテーマの効果向上を図り、より良いシステムになるよう努めています。

日常管理での取り組み

 作業所では、着工時の「施工計画」立案の過程で、品質・環境の重要課題に目標を定めて取り組んでいます。また、日常的に品質管理をおこない、定期的に、また必要に応じて、騒音、振動、粉塵、法規制遵守などの監視測定をおこなっています。問題が発生した場合には、速やかに、適切な是正処置を行っています。 内勤部署も、各部において品質・環境の日常管理を行うとともに、年度目標を設定し、取り組んでいます。 特に 2009 年度は、品質においては品質の更なる向上に向けた構造体管理の徹底に重点を置き、環境では法規制の特定・順守の取り組みに注力しました。

認証取得サイト 登 録 日 登録番号 審査機関

品質

環境

安藤建設 株式会社

財団法人 建材試験 センター

取   得:1997 年 8 月 1 日 全 社 拡 大:2005 年 2 月 1 日 第 4 回更新:2009 年 8 月 1 日

取   得:2000 年 10 月1日全 社 拡 大:2005 年 12 月1日第 3回更新:2009 年 10 月1日

RE0148

RQ0112

品質

環境

対象 監査回数 監査実施 対象部門 重大な不適合 軽微な不適合 指導事項

第 1 回

第 2 回

計 第 1 回

第 2 回

7月~10月

10月~3月

7月~10月

12月~3月

146

134

280 146

135

281

0件

0件

0件 0件

0件

0件

25件

12件

37件 31件

18件

49件

30件

36件

66件 35件

23件

58件

品質環境

対象 監査の種類

品質第 4 回環境第 3 回複 合 更 新審 査

2009/05/26~

2009/06/03

本 社横 浜 支 店九 州 支 店広 島 支 店名古屋支店

環境:軽微な不適合 2件

品質:指摘事項   0 件

監査実施 監査対象 監査結果

社 長 室管 理 本 部営 業 本 部環境エンジニアリング本部都 市 開 発 本 部

技 術 研 究 所

首 都 圏 事 業 本 部・事業統括室・第一建築事業部 (札幌支店)・第二建築事業部・第三建築事業部・横浜支店

土 木 本 部

東 北 支 店静 岡 支 店名 古 屋 支 店大 阪 支 店広 島 支 店九 州 支 店

作 業 所

作 業 所

作 業 所

統合品質環境管理責任者

内 部 監 査チ ー ム

統合MR代表取締役執行役員副社長

本社組織経営層MR

全 社 品 質環境委員会

全社事務局(品質環境部)

▼ 全社統合マネジメントシステム組織(2010 年 4月 1日現在)

※不適合については、是正処置の手順に従い是正処置活動を実施しました。

認証範囲:建築物の設計、工事監理および施工、土木構造物の設計および施工、プレキャストコンクリート      部材の製造および据付      環境についてはそれらに係る全ての活動

各支店経営層MR

※最高経営層が実施する品質及び環境 マネジメントシステムの見直しへの 報告事項を審議し、改善の機会を検 討する場

建 築 本 部

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品質管理・向上への取り組み お客様のために

安藤建設は「お得意様の身になって考え計画し施工する」を社是とし、高品質の建造物をお客様や社会に提供することを最重要課題であると考えています。

ANDO CSR 報告書 2010 10

品質管理・向上への取り組み

 安藤建設は、2005 年から支店ごとの品質及び環境マネジメントシステムを各々全社統合し、さらに品質と環境を複合させた「統複合システム」として、企画、設計、施工、アフターサービスの各段階で業務と一体化したマネジメントシステムを運用しています。

品質マネジメントシステムの概要

 安藤建設の品質マネジメントシステムは、顧客の要求事項など社外からの諸条件を踏まえ、各プロセスの中で、PLAN - DO - CHECK - ACTION( PDCA )のサイクルを回し、さらに各プロセスが相互に関連し、システム全体を大きなPDCAとして運用しています。

品質基本方針

 安藤建設は、企業理念「新たな価値を創造し顧客に貢献する」に基づき、『顧客満足の向上と信頼関係の強化』を目指し、顧客の要求事項に適正に対応し、品質・コスト・安全・サービスの全てにおいて顧客満足を実現する建設活動を推進する。

プロセス 本支店関連部門 作業所

品質方針管理 プ ロ セ ス 上位方針を反映した目標を各部門で設定

顧客要求事項の明確化、把握、技術提案

設計の計画、実施、レビュー、検証、妥当性確認

積算、要求事項のレビュー、伝達

注文内容の伝達、供給者評価、選定、製品検査

参画、技術支援、社内検査

各プロセスの監視・測定、内部監査、 クレーム対応、マネジメントレビュー

高品質の建設物を作るための資源(人的資源、インフラ、作業環境)の提供

受注伝達内容確認 施工方針立案

資源運用管理 プ ロ セ ス

測 定・分 析・改善プロセス

設計プロセス

顧 客 関 連 プ ロ セ ス

施工プロセス PCa 部材製造プ ロ セ ス

購買プロセス 参 画

参 画

図面検討施工方針会議工程内検査・試験引渡し説明工事完成報告会

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 苦情情報のデータベース化と品質向上への活用

 お客様に安全で快適に暮らせる建造物を提供するために、引渡し後にお客様からいただくご意見を大切にしており、各支店に CS推進関連部署を設置し、お客様からの相談・申し出・苦情などに迅速に対応しています。 当社では、これらの情報を分析・分類してデータベース化し、再発防止対策とともに社内ネットワーク上で共有しています。全社で水平展開することにより、改善活動に全社一丸となって取り組み、品質確保と向上につなげています。

クレーム事例をもとにした再発防止対策の水平展開

PCa業務支援 ▼

 当社は品質マネジメントシステムと環境マネジメントシステムを統複合し、全社統複合マネジメントシステムとして、企画・設計・施工・サービスの全ての事業活動の各段階で、業務と一体化し運用しております。 当社の基本的使命は、安全で安心してご使用頂ける建造物を提供することであり、更に顧客満足の向上を図るため、高品質な建造物を追求し、営業・設計・施工・保全の各段階で、品質と付加価値を高める活動を推進しております。 また、全社員に品質基本方針・品質方針の周知を図るとともに、品質マネジメントシステムの維持・見直し・継続的改善に努めるとともに、統複合マネジメントシステムが社会との約束を果たすための仕組みであることを常に意識しながら、全社を挙げて高品質で環境にやさしい建造物の提供を目指してまいります。

建造物の価値の向上を目指して

取締役常務執行役員建築本部長遠藤 茂樹

責任者 の声

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建設技術の研究開発 お客様のために

安藤建設は、安全で快適に暮らせる建造物を実現する建設技術の研鑽を続けています。

ANDO CSR 報告書 2010 11

APCo(ANDO Precast Concrete shear wall)工法

 APCo 工法は、既存柱梁フレーム内に工場で製作したプレキャストコンクリートピース(APCo ピース)を組み立てることで、簡易に増設耐震壁を築造することができる耐震補強工法です。財団法人日本建築総合試験所による「建築技術性能証明 第09-18」号を取得しています。

KG(Key Grid)構法

 KG 構法は、重要な社会資本である学校や住宅等のストック建築物の耐震補強のために、『もっとスマートに、確実に』を開発コンセプトとして東亜建設工業と共同開発した、ピン接合形式の外付けフレームによる補強構法です。 埼玉県にある学生寮の耐震補強工事に適用し、2010 年 3月に竣工しました。 補強工事を行った建物は、地上 5 階建ての学生寮 6 棟で、延床面積は約 22,000 ㎡です。当構法は、ほとんどが外部作業であり、既存躯体の加工箇所も少ないため、受験や卒業式などの学校行事による工程上の制約が多いなかで建物を使いながら工事を進めることができ、また、格子状に補強材を取り付けるため、窓からの視界、採光を遮ることなく、補強することができました。加えて、保護カバープレートを現状の外観色と調和する配色にしたため、完成後も既存建物との一体性を確保し、すっきりとした外観を形成することができました。※2009年11月に財団法人ベターリビングの個別評定を取得

補強後の建物外観

施工状況 施工状況 構造実験

APCo工法 概要図

 展示会での技術紹介

 安藤建設は、2009 年 9 月に東京・新宿駅西口広場イベントコーナーにて開催された『建設技術展示会2009「街と人を支える力」』に出展しました。 今回の展示会では「都市環境への取り組み」と「安全・安心なまちづくり」の2つをテーマとした技術の模型やパネル・映像が出展され、当社は「APCo 工法(プレキャストコンクリート増設耐震壁工法)」と「KG構法(ピン接合形式の外付けフレームによる補強構法)」をご紹介しました。 建設技術展示会2009「街と人を支える力」

特 長

● あと施工アンカーの打ち込みや型枠組み立て、コンクリート の打設など、耐震壁を在来工法で築造する場合に生じる騒音・ 振動はほとんどありません。

● 施工スペースを小さくすることができるため、建物を使いながら補強することができます。 ● コンクリート養生期間が不要なことから、耐震壁を在来工法で築造する場合の約半分の工期で施工できます。

●工場生産による高精度・高品質のAPCo ピースを使うことで、信頼性の高い耐震壁が築造できます(構造実験で十分な耐震性能を確認しています)。

外周定着プレート

シール材パテ状エポキシ樹脂

注入接着用 エポキシ樹脂

高ナット(全集隅肉溶接)

ネジ付き鉄筋 (ネジ部摩擦圧接接合または先端部転造ネジ加工)

壁筋:ネジ付鉄筋

外周定着プレート

APCoピース

外周定着プレート

APCo工法概要図

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▲ ▲

安全衛生への取り組み

ANDO CSR 報告書 2010

安全衛生教育

 安藤建設では、社員・協力会社それぞれを対象とした安全衛生教育を行っています。 社員に対しては、毎年、作業所に勤務する社員に対して「法知識の習得」、「災害事例によるケーススタディ」等の教育を層別に実施しています。 協力会社に対しては、随時、「店社担当者教育」、「職長・安全衛生責任者教育」を実施しています。

行事の開催

 安藤建設では、毎年6月に安全大会を開催し、安全週間を前に社員、協力会社ともに、安全意識の高揚、労働災害の撲滅、安全衛生管理活動の積極的な展開を図っています。 毎年 9 月には労働衛生講習会を実施し、労働衛生週間を前に健康と快適職場形成への意識喚起を図っています。 また毎年 11 月には年末・年始災害防止総決起大会を開催し、年末・年始の工事が輻輳する時期に社員、協力会社が一体になって、労働災害防止活動に取り組むことを再確認しています。

安全協力会の活動

 安藤建設の工事に従事する協力会社で組織される安全協力会は、協力会社の管理の向上を図るため、自主安全パトロールの実施(年 4 回)や安全大会などの行事運営協力のほか、調査研究部会・教育指導部会などの運営委

 

員会で、安全協力会通達事項の実施状況調査やリスクアセスメントを取り込んだ作業手順書の雛型作成などをおこなっています。労働災害防止に寄与するとともに、自主的な安全管理向上を目指しています。

安全成績

労働災害データの活用

 前年度に発生した災害データをもとに、災害の型や原因等を分析し、災害データのリスク評価を行って、当年度の安全衛生管理計画へ反映しています。

安藤建設は協力会社と一体になって災害ゼロを目指し、継続的な災害防止活動を展開しています。

協力会社とともに

12

安全大会

安全衛生協力会自主パトロール状況

安全衛生管理基本方針   「人にやさしく」「環境を大切に」した安全衛生管理 安全衛生管理システムに基づいた安全衛生管理

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2005年度 2006年度 2007年度 2008年度 2009年度

1.00

0.84

0.51

0.02

1.95

1.55

0.97

0.41 0.37

0.14

度数率(ANDO) 度数率(総合工事業) 強度率(ANDO)

ふくそう

強度率(総合工事業) ▲ ▲

▼ 度数率・強度率の推移

2010 年度 スローガン   作業の前に リスクの評価         みんなで確認 作業の手順

※度数率:100 万延実労働時間あたりの労働災害による死傷者数をもって、災害発生の頻度を表したもの※強度率:1,000 延実労働時間あたりの労働損失日数をもって、災害の重篤度を表したもの※総合工事業平均:(出典)厚生労働省労働災害動向調査

1.89

0.48

0.14

0.29

1.09

0.31

▲▲

0.34

0.33 0.01

0.01

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協力会社職長教育

 安藤建設の求める品質を提供するためには、協力会社の技能者育成が必要です。当社は、優良協力会社及び優良職長の育成と、協力会社による自主管理強化のために、躯体工事会社を対象とした教育を実施しています。東京地区では、2009 年度は講習会を 3 回開催し、28 社 89 名が受講しました。全体講習と各工事に分かれての講習、現場見学会を実施し、自主検査表の活用方法や当社工事施工品質管理基準の確認、当社建築技術施工標準を用いた技術講習のほか、新

 

上級職長教育受講への支援

 安藤建設は安全協力会と一体となって、法定職長教育を修了した職長が技能のレベルアップを図るための上級職長教育を受講する際に、教育支援として受講費の一部を負担しています。 近年の熟年労働者の大量退職などから、労働災害防止対策の不徹底や安全衛生管理水準の低下が懸念される状況の中、優秀な職長が高い生産性を実現し、「良いものを、早く、安全に」施工できるように、安藤建設は上級職長の養成を推進しています。

適正処理研究会

 安藤建設は、産業廃棄物中間処理業者8 社とともに、建設工事に伴い副次的に発生する産業廃棄物の適正処理の推進、リサイクルの推進、作業所へのサービス向上と中間処理業者間のチームワーク形成などを目的とした研究会を2005 年から運営しています。年 4 回の研究会開催のほか、作業所における分別処理方法の資料作成や分別支援パトロ

EDI :電子商取引

 安藤建設は、取引先への EDI 導入を薦めており、当社との購買取引を行う取引先の事務処理の合理化と経費削減を図っています。当社は CI-NET LiteS に準拠した EDI システムを利用し、取引先とインターネットを介した購買業務での見積依頼・回答・確定注文・注文請けのデータ交換を行っています。EDI 導入により、これまでの業務時間を大幅に短縮できるほか、オンラインでデータ交換ができるため、移動・連絡の時間を削減することができます。2009 年度には、協力会社取引の適正化を目的とした「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」および「建設業法施行規則の一部を改正する省令」への対応で、EDI対応の契約書を作業所で原本閲覧(施工体制台帳の備え置き)できるようにシステムの改定を行いました。 業界標準システムであるため、当社はもとより CI-NET 対応の他の建設会社との取引にも利用できます。また、協力会社が EDI を導入する際に、当社はさまざまなフォローアップを行っています。

ANDO CSR 報告書 2010 13

技術・技能者の養成支援と協力会社取引の適正化 協力会社とともに

安藤建設は求める品質を提供するためにも、協力会社とともに発展していくことを目指しています。優れた調達先を厳正かつ公平に、総合的な評価を実施し、相互信頼と健全な取引関係を構築しています。

調達基本方針 1.グロ-バル調達購買取引の対象を広く求め、市場ニ-ズを満足させる最適な品質とコストでグロ-バルに調達します。

2.公平、透明な取引先の選定取引先の選定にあたっては、次の項目について厳正かつ公平に、総合的な評価を実施し、公平で透明な購買活動を推進します。(1)技術力(製造技術、開発技術等)(2)管理力(納期管理、品質管理、労務管理等)(3)経営力(財務状況、信用状況等)(4) 価格競争力(コスト提案力、設備、許認可取得状況、立地条件等)(5)サ-ビス(情報提供力、協力性等)

3.パートナーシップの構築取引先との相互信頼に基づき、健全な取引関係を維持し、より良いパートナーシップを構築します。

コンクリート打設 型枠 鉄筋 計

第 4 回(2009 年 6 月)

第 5 回(2009 年 9 月)

第 6 回(2009 年 12 月)

7 名

未開催

5 名

27 名

8 名

9 名 36名

▼ 開催記録(東京地区)

20名

中間処理施設見学会

たにクレーム事例集を配り、実地での当社要求品質の確認等を通して、レベルアップを図っています。

有限会社 原田工務店長谷川 博貴さん

 安藤建設では、今まで型枠工事の職長教育を2回受講しました。日ごろから図面通りに建てることを心がけ、品質確保のために細心の注意を払っていますが、講習会では施工事例 DVD を見せてもらうなど、いろいろと参考になりました。特に活発な職長会の事例を、その現場の所長さんから直接聞くことができたことが良かったです。元請と協力会社の間だけでなく、協力会社相互が連携して現場が一つのチームとしてまとまれば、より良い建物が作れると実感しました。今後も、気持ちよく仕事ができる環境づくりなどお互いに配慮しながら、協力して良い品質のものを作っていきたいです。

15 名 7 名 11 名 33名

協力会社職長教育を受講して

ールの実施、中間処理施設の合同見学会などを開催し、適切な管理・処理を行うとともに、廃棄物の減量化と資源の有効利用拡大に積極的に取り組んでいます。

全体講習

受講者 の声

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情報開示の推進

 安藤建設は開かれた企業として投資機会を促進するために、ディスクロージャーポリシーを定め、投資家のみなさまに公平・迅速かつ正確で広範囲な情報開示に努めています。 国内や海外の機関投資家、個人投資家など、多岐にわたる投資家のみなさまに対して、さまざまな方法で情報を提供し、経営の透明性を高めています。

株主総会・株主懇談会

  安藤建設の定時株主総会は、毎年 6 月下旬に東京都港区の本社で開催しています。株主総会終了後には、当日出席された株主との「株主懇談会」を開催し、経営者と株主が相互に理解を深められるよう、直接的なコミュニケーションの機会を設けています。

2

決算説明会

 安藤建設は、第 2 四半期および通期決算発表後に、アナリスト・機関投資家の方々を対象とした決算説明会を開催しています。当社の現況や活動内容、決算の詳細な内容をご説明し、直接対話の機会を設けることで、当社に対する理解をさらに深めていただいています。

IR ツールによる情報開示

 安藤建設では決算発表に際して、東京証券取引所の開示基準に基づき、TDnet に決算短信をファイリングすると同時に、当社ホームページの「IR 情報」にも掲載しています。 この他にも、法定開示基準の遵守はもちろんのこと、有価証券上場規程に該当しない場合でも、投資判断に関わると考えられる開示可能な情報を積極的に発信することにより、当社の経営状況や事業活動状況を十分にご理解いただき、適正な企業価値評価を得ることを目指しています。 また、当社事業の概要や財務データなどを提供する冊子・ファイルを作成し、ホームページにも掲載しています。

株主・投資家のみなさまとのコミュニケーション 株主・投資家への責任

安藤建設は株主・投資家のみなさまからの信頼と期待に応えるために、 適時・適切な情報開示とコミュニケーション活動を展開し、経営の透明性を高めています。

第 92 回定時株主総会

FACT BOOK

2009

2009

2008-2009

AUDITED FINANCIALSTATEMENTSMARCH 31,

第 92 期

報 告 書平成 19 年 4 月 1 日から平成 20 年 3 月 31 日まで

ファクトブック 財務諸表および主な経営指標等における過去 5 年間の推移をグラフやコメントを使用して記載:年 1回発行

アニュアルレポート(英文)英文の年次報告書:年 1回発行

報告書・中間報告書株主向け報告書:年 2回発行

当社ホームページ IR 情報:随時更新 http://www.ando-corp.co.jp/ir/financial.html

ANDO CSR 報告書 2010 14

平成 21 年 3月期 決算説明会

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人権問題に対する取り組み

 安藤建設は、コンプライアンス行動基準に「人権の尊重」を明記し、具体的には採用活動や社員の処遇などにおいて差別を禁止しています。また、新入社員導入研修において人権教育研修を実施し、基本的人権の尊重を啓発しています。

人材育成制度 

■ 研修制度 安藤建設の研修制度は、社員の職務遂行能力の発展段階に応じたマネジメント能力の向上を目的とする「階層別研修」と、各職種に求められる専門能力の向上を目指す「職種別実務研修」に大別されます。階層別研修は社内職能資格制度とリンクして昇格時研修や昇格アセスメント研修として運用され、社員の「ゼネラリストとしての成長」を目指します。職種別実務研修は、専門家集団として「全社員スペシャリスト」を目指す当社の人材育成策の一翼を担っています。

■ キャリアアップ支援 毎年定期的に社員の自己申告によるモラルサーベイと勤務に関する希望調査を行い、その結果を定期人事異動等による社員のキャリアアップに有効に活用しています。また、社内公開制の求人システムとして「社内公募制度」を導入し、

高い自己成長意欲を有する社員に対して自己実現機会の提供を行っています。同時に、戦略的分野として将来に向けて人材育成の必要がある職種に対しても社内公募制を適用し、人材ニーズに柔軟に対応できる体制を整えています。

■ 免許・資格取得支援制度 安藤建設が「専門家集団」として高い技術力を維持していくためには、社員の免許・資格取得率の維持向上が不可欠であり、「学習支援」と「費用支援」の2つの側面から、必要資格の取得支援制度を設けています。特に、技術士や

人事評価制度

 安藤建設は、「安藤型成果主義の実現」を人事基本方針に掲げ、成果主義が単なる結果主義に陥ることなく、社員が生き生きとして働き、目標として設定した成果を達成することによって、仕事を通じて自己実現を実感できる会社を目指しています。 人事評価制度としての「チャレンジ制度」は「目標管理」の手法を基本として、上司と話し合って決めた業務目標について社員がどのように取り組み、目標を達成したかを評価する制度であり、会社と個人の業績向上と社員の大きな成長を目指しています。

社員の健康管理への取り組み

 健康管理推進策として、毎年定期に実施される健康診断とは別に「心の健康づくり」を推進するための「メンタルヘルスケア」システムを導入し、社員と家族全員が利用できる外部専門機関のカウンセリングサービスを提供しています。 また、職場におけるメンタルヘルス不全の予防と罹病者の早期発見、早期対応を目的として管理者向け研修会を実施し、職場内における良好なコミュニケーションの醸成に努めています。同時に、精神専門医とのコンサルタント契約を締結し、メンタルヘルス不全に陥った社員については、各人の回復状

職場環境向上への取り組み 安藤建設は社員が長期にわたり、安心して力を発揮できるように、 公平・公正な人事制度、人材育成制度、職場環境づくりを進めています。

社員とともに

ANDO CSR 報告書 2010 15

入社4年目研修 M-2研修

一級建築士などの重要資格については、積極的な費用援助と綿密な受験対策研修を実施し、取得率の向上を目指しています。

一級建築士試験対策講習会

研修

資格

S-3

S-2

S-1

G-3

G-2

G-1

M-3

M-2

M-1

J-2

J-1 新入社員実務研修

新入社員マンツーマン教育

新入社員導入研修

階層別研修 職種別実務研修

建築系 土木系 設備系 営業系・管理系

M-3研修

M-2研修

M-1研修

入社4年目研修

新入社員フォロー研修

評価者研修

職種を問わず、各階層ごとに必要 なマネジメント能力の向上をはか ります

業務上必要となる知識・技術の向上をはかります

若手所長教育 (6年目・8年目・10年目)

ローテーション教育 (2年目)

若手社員教育 (3年目)

中堅社員教育 (5年目)

若手所長教育 (6~7年目)

中堅社員教育 (4年目)

若手社員教育 (2年目) ローテーション教育

若手社員教育 (3年目)

中堅社員教育 (5年目) 若手・中堅研修

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況に合わせた職場復帰プログラムを準備する体制を整えています。

セクシュアル・ハラスメント防止への取り組み

 安藤建設では「セクシュアル・ハラスメント防止規準」を定めて社内に周知すると同時に、社員就業規則の服務規程・懲戒規程に「会社はセクハラに対して厳格な対応を行う」旨を明記しています。 本社および各支店内にセクハラ問題相談窓口を新設し、相談受け付け訓練を受けた窓口担当者を配置して社員からの相談に備えています。 また、社員の意識を高めるために、全従業員を対象としてe-ラーニングによるセクハラ防止教育を実施しています。

ワーク・ライフ・バランスへの取り組み

 安藤建設では、ワーク・ライフ・バランスの推進に取り組んでいます。育児休業については、取得実績の増えている母親のみならず、父親の取得推進を図っています。また、介護休業については従前より制度の拡充に努めており、法定日数を大きく上回る休業可能日数を設定し、今後増加するであろう社員からの取得要請に備えています。

時短への取り組み

 労働時間短縮は建設業のかかえる大きな課題であり、安藤建設もその例外ではありません。当社では時短政策の中核組織として「中央時短推進委員会」を設置し、時短政策の基本方針と基本対策を定めています。具体的には、「作業所業務の徹底した見直しによって業務時間を短縮する」、「ゴールデンウィーク、夏期休業、シルバーウィーク、年末年始休業等の長期休業時に年次有給休暇を集中取得する(年間 8 日)」、「作業所異動発令時にリフレッシュのための特別休暇(連続 10 日間)を付与する」、「アニバーサリー休暇(本人・配偶者・子女の誕生日、子女の入学式・卒業式など)による年次有給休暇取得推進」、「全社統一ノー残業デー(年間3日)」等の諸施策を実施しています。 また、やむを得ず一定時間以上の時間外勤務をした社員については、産業医による健康診断を強制的に受診させるなど、健康管理への対応も実施しています。

適正な雇用形態に向けた取り組み

 採用時の雇用形態の枠を超えて、より高いパフォーマンスを発揮する社員に対して、オープンエントリーによる登用制度(一般職から総合職、地域限定総合職への登用)を設け、職域の拡大や給与等の処遇の向上を図っています。

ANDO CSR 報告書 2010 16

感謝の気持ちを忘れずに

管理本部総務部 主任清水 夏紀さん

社員の声

 産前産後休暇・育児休業の取得後、休職前と同じ部署に復帰した清水さん。仕事と育児の両立についてうかがいました。

 私は 2009 年 5月に長女を出産し、娘が 11ヶ月になった時に職場復帰しました。育児休業中は、初めての育児にとまどいながらも、娘と過ごす時間を楽しむことができました。 現在は、休業していたからこそわかる、仕事のやりがいや充実感、社会とのつながりを実感しています。また、「ありがとう」と

 職場復帰前は、果たして自分に仕事と育児の両方ができるのか、不安に思うこともありました。でも何事も「案ずるより産むが易し」です。今こうして働けるのは、職場の皆さんのご理解やご協力、家族の支えのおかげ。常に感謝の気持ちを忘れずに、日々業務に励んでいきたいと思います。また、私と同じように仕事と育児の両立を目指す方々にとっての、一助となれば嬉しいです。

という言葉をかけていただいた時が、仕事を続けていて良かったと思う瞬間です。業務については時間に限りがある分、効率よく仕事を進められるよう心がけています。

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女性の活躍

 中長期的に労働人口が減少する中、安藤建設では社員を最も重要な経営資源と考え、性別を問わず人材の活用に力を入れて取り組んでいます。中でも、「女性社員の職域拡大」は人材活用の最重点課題であり、女性社員の総合職、エリア総合職(地域限定総合職)採用を積極的に進め、かつては「男の職場」と言われた建設業特有の職場体質からの脱皮を推進しています。

高齢者の再雇用

 安藤建設は、定年年齢到達者の一部再雇用制度を運用してきましたが、2006 年 4 月の高年齢者雇用安定法施行にともない、一定水準以上のスキルやノウハウを備えた社員を再雇用する社員再雇用制度を導入しています。豊富な経験をもつベテラン社員の能力を定年後も有効に活用し、当社が蓄積した高い技術力を次世代に継承していくための大きな力としています。

障がい者雇用の推進

 安藤建設では、障がいを持つ方も健常者と同様に正社員を前提とした採用を行っています。「障がいのためにできない」部分に目を向けるのではなく、「障がいがあってもできる」ことに焦点を当てて人材を活用することにより、社員が誇りとやりがいを持って働ける職場の提供を目指しています。※ 障がい者雇用率1.72%(2010 年 4 月1日時点)

労使間のコミュニケーション

 安藤建設は職員組合との間にユニオンショップ協定を締結しており、管理職を除くすべての社員が職員組合に加入し、組合組織率は 70%を超えています。労使相互の円滑な意

CSR 表彰制度

 社員の CSR 活動への取り組み意識の向上と活動の拡大を目的に、2010 年度から一定水準を超える活動を表彰する制度を設立しました。事業部の部門といった既存の組織を超えた、個人・グループの取り組みも表彰の対象としており、積極的な活動を推奨しています。

ANDO CSR 報告書 2010 17

▼ 定年退職者の再雇用状況

定年退職者数再 雇 用 者 数再 雇 用 率

2007年度49名35名71.4%

2008年度64名57名89.1%

2009年度63名45名71.4%

▼ 女性の就労状況

社 員 数 全 体女 性 社 員 数女性社員比率

2007年度1,751名 121名 6.9%

2008年度1,747名 130名 7.4%

2009年度1,697名 127名 7.5%

志疎通を図るために常設の労使協議会を設置し、春闘等の賃金交渉だけでなく、人事制度全般にわたる協議を広く行っています。

労使協議会

職場環境に恵まれて 名古屋支店設計部 課長 佐藤 容子さん

社員の声

 当社で女性管理職第一号で、現在単身赴任中の佐藤さん。管理職としての仕事のやりがい、家庭との両立についてうかがいました。

 私は入社以来、構造設計を担当しています。仕事の上でやりがいを感じる瞬間は、自分の提案や工夫が取り入れられて、受注につながった時ですね。会社に貢献できたと思える瞬間ですし、この喜びと達成感が、私の原動力でもあります。 管理職として心がけているのは、部下の能力をより多く引き出

せるような職場の環境づくりです。みんなの興味ややりがい・ 感じていることを理解し、自発的に仕事に取り組めて、自由に意見が言える環境を作りたいと思っています。  女性の場合、結婚や出産など人生の転機に、仕事を続けていくことへの悩みや不安があると思います。私も東京から名古屋への転勤が決まったときには正直悩みましたが、夫の協力と支えがあって、単身赴任を決意しました。名古屋での生活を始めて一年半。今では

夫と過ごす時間を大切に、仕事と家庭の両立を楽しんでいます。 私は職場環境に恵まれ、今まで仕事を続けることができました。今後は同じような悩みをもつ女性社員に対し、ぜひ協力していきたいと思っています。

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■ 大学生の施工演習に現場提供

 東京都新宿区の(仮称)高田馬場三丁目プロジェクト作業所において、関東学院大学工学部建築学科の学生の授業・施工演習に協力しました。 今回の演習は、「単なる現場見学会に終わらせたくない」という講義の主旨に応えたもので、仮設・躯体工事と仕上げ・設備工事の施工方法ならびに作業所管理方法を学ぶために、特殊な敷地条件や設計者の意図に対する施工者の実践を机上と現物で確認する形で行いました。 モノづくりの最前線を体感してもらう場を提供することにより、建設業の魅力を伝えることができました。

■ 地元の小学生を対象とした現場見学会の実施

 鹿児島県南さつま市の樋川原・上野風力発電所の建設現場において、南さつま市立久木野小学校の生徒を対象に、現場見学会を実施しました。 現場事務所では、イラストを用い、風車を人間にたとえるなど、仕様・特徴をわかりやすく説明した後、実際に迫力ある風車組み立てや、風車内部などを見学し、普段の授業では学べない貴重な体験をしていただきました。全校生徒15名の久木野小学校は、2010年4月の他校との統合により廃校することが決まっていましたが、生徒の皆さんに思い出を残すことができました。

ANDO CSR 報告書 2010 18

社会貢献活動 安藤建設は、建設事業を通じた社会貢献のほか、良き企業市民として、教育支援、地域活動、共生活動など、社会貢献活動を展開しています。

地域社会とともに

静岡県立修善寺工業高等学校の皆さん 三島市立北上中学校の皆さん

函南町立西小学校の皆さん

南さつま市立久木野小学校の皆さん 関東学院大学工学部建築学科の皆さん

参加者 の声 ● 私達が中を歩いた大きな「くい」が、地面に入って未来

の道路を支えていくなんて本当にすごいと思いました。 ● 将来、私が車の免許を取ったら、完成したこの道路を 必ず   走りたいと思いました。 (函南町立西小学校5年生の現場見学会感想文より)

■ 地元小・中・高等学校の生徒を対象とした  現場見学会の実施

 静岡県田方郡函南町の(国)1 号函南高架橋 伊豆縦貫自動車道関連受託工事(下部工第 2 工区)作業所において、函南町立西小学校、三島市立北上中学校、静岡県立修善寺工業高等学校の生徒を対象に、現場見学会を実施しました。 見学会では工事概要説明後、橋脚基礎に採用された新技術の「回転圧入鋼管杭」を間近で見ていただいたり、橋脚に登って高さを実感していただくなど、普段の授業とは違う学びの場を提供しました。 この他にも、土木の日見学会や、まちづくりワークショップ、職業体験学習などを実施し、新聞、テレビなどで県内に紹介されました。

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ANDO CSR 報告書 2010 19

2009 年度の主な社会貢献活動 

■ 教育支援活動

・大学・業界団体等への非常勤講師の派遣・大学・短期大学等からのインターンシップ受け入れ (建設現場実習、内勤業務)・「仕事体感 1DAYインターンシップ」の開催・作業所周辺の生徒を対象とした現場見学会 (埼玉、静岡、愛知ほか)

■ 地域社会活動

・「みなと環境にやさしい事業者会議(mecc)」への参加・東京・芝浦の「芝浦まつり」への協力・仙台の「大崎八幡宮どんと祭」の「裸参り」への参加・その他地域祭り・イベントへの参加・協力・植樹イベントへの参加・事業所・作業所周辺の清掃活動

■ 芸術・文化活動 ・トッパンホール主催のクラシックコンサートへの 特別協賛

■ 共生社会活動

・「チャレンジ 25」への参加・「キッズデザイン協議会(内閣府認証NPO)」への参画・全国各地での献血活動・エコキャップ推進協会(内閣府認証NPO)への ペットボトルキャップ提供

植樹イベントへの参加 「大崎八幡宮どんと祭」の「裸参り」への参加

TOPICS 「仕事体感 1DAYインターンシップ」を開催  安藤建設は新卒採用活動の一環として、2011 年 3 月卒業予定の学生を対象とした「1DAY インターンシップ」を開催し、5日間で100名の学生に参加していただきました。  この「1DAYインターンシップ」は、参加した学生に「建設業」と「安藤建設」の魅力を伝えようと、人事部と設計部が企画したものです。  

制作からプレゼンテーションまでを実施しました。今後も、モノづくりを体感してもらう機会を提供するとともに、建設業の魅力を伝えていきたいと思います。 

参加者の声「本当に” モノづくり” という感じがしました。こう

いうことを大学の授業でやってみたかったです」

 参加者は 4 名程度のグループに分かれ、「プロジェクトの受注を目指し、発注者の期待を超える建築物を創造する」という目標に挑戦し、「ブロック」での模型作品の

● 災害時における地域貢献活動

 安藤建設は、直接または加盟している建設諸団体を通じて、国や地方自治体と災害協定を締結しており、災害時の要請に対して迅速に対応できる体制を整えています。

ブロックを使った模型作品 プレゼンテーションの様子

グループワークの様子

※本プログラムはテレビで紹介されました。

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ANDO CSR 報告書 2010 20

「(仮称)新宿駅東口ビル新築工事」作業所の社会貢献活動東京都新宿区、JR新宿駅・中央東口前に、先頃完成した「ミラザ新宿」があります。当物件の工事では、地域の方々との交流を大切に、町内会行事をはじめとするさまざまな地域活動に積極的に参加しました。

地域の方とのご縁を大切に 第二建築事業部工事部 「(仮称)新宿駅東口ビル新築工事」 作業所長 尾崎 弘高さん

 「(仮称)新宿駅東口ビル新築工事」の作業所長である尾崎さんに、工事期間中に行った地域活動と、地域の皆さんとのコミュニケーションについてうかがいました。

 「地域の一員としての自覚をもち、近隣との良好な関係を保ちながら工事を進める」。これは、私がはじめて所長になったときからずっ

と守り続けてきた作業所方針です。工事は地域の皆さんからのご理解・ご協力がなければ、進めることができません。そのため、地域の皆さんに恩返しをできることがあれば「できる限りのことをしていきたい」と思っていますし、地域の皆さんとのコミュニケーションをとても大切にしています。地域の方が何か困っていることがあると聞けば、すぐに駆けつけますし、町内会の行事には積極的に参加をしています。 当作業所は2年間の工期のなかで、商店街のお祭りや清掃活動など、主にマンパワーでの協力をさせていただきました。また、元気の良い挨拶を作業所員一同が徹底することで、地域の方から顔を覚えていただくことができました。地域の方から「信頼しているから」「名誉会員にしてあげるよ」と言っていただいた時は嬉しかったですね。 この地域の皆さんと出会えたのも「ご縁」ですから、今後もこのつながりを大切にしていきたいと思っています。

DATA所 在 地:東京都新宿区新宿三丁目発 注 者:合同会社新宿みらいデベロップメント設  計:野村不動産一級建築士事務所工事概要:S(一部 SRC・RC)造 地下 3階 地上 10 階  塔屋 1階     延 8,014 ㎡工  期:2008 / 09 ~ 2010 / 08

地域社会活動の取り組み

● 熊野神社本社神輿渡御に参加

● 「天皇陛下御即位20年をお祝いする国民祭典」に参加

● サンタパレードに参加

教育支援活動の取り組み 大学からインターンシップ生の受け入れを行い 、工事の現地体験・施工図チェックなど、全 10 日間の講習・実習を行いました。

参加者 の声 学校の講義で習った様々な作業を間近で見学できたことは、貴重な体験

でした。日々の安全確認の大切さ、工期通りに工事を進める大変さ、施主に喜んでいただけるモノを作るための努力、そしてその中で皆さんがモノづくりの楽しさや喜びを見出していること。ひとつの建物がたくさんの人の手によって作られているということを実感しました。(学生からのお礼状より)

社員の声

サンタパレードへの参加 作業所周辺の清掃 仮囲いの利用

天皇陛下御即位20年をお祝いする国民祭典

当作業所の氏神様である十二社熊野神社の例大祭で、2 基の神輿をそれぞれ100 人で担ぎながら、新宿駅周辺を約8 時間かけて練り歩きました。また、祭礼の片づけにも参加しました。

熊野神社が東京を代表する神社の一つとして、祝賀パレードで「神輿渡御」を披露することになり、当作業所は町会の一員として参加、神輿渡御の旗持を務めました。

「新宿東口 X’ mas サンタクリーン大作戦」のサンタパレードに参加しました。商店街の皆さんと一緒にサンタクロースの帽子をかぶり、お菓子やエコバッグを配りました。

● 作業所周辺の清掃活動の実施 ● 仮囲いを利用した看板の設置 新宿の歴史、商店街シンボルマーク、商店街行事、警察署看板などを作業所の仮囲いに設置しました。

熊野神社本社神輿渡御

インターンシップ生を囲んで

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ANDO CSR 報告書 201021

 名古屋市北区で現在施工中の「西部医療センター中央病院(仮称)」は、完成後に名古屋市の「福祉・安全都市~ほっとなごや~」の実現に向けた先導的プロジェクトである「クオリティライフ21城北」の中核施設となります。 「患者に選ばれる病院へ」を目指して、省資源・自然エネルギーの有効利用など地球環境へ配慮されているほか、免震構造を採用し、大規模災害時における適切な医療を提供する病院として設計されており、当社は施工者として携わっています。 建設会社の事業所の大半を占める建設現場における、CSR活動の取り組み状況をご紹介します。

DATA所 在 地:愛知県名古屋市北区平手町発 注 者:愛知県名古屋市病院局設  計:名古屋市住宅都市局設計協力:株式会社日建設計

西部医療センター中央病院(仮称)新築工事

社員の声

施 工 者:安藤建設・村本建設・加賀田組・内藤建設・栄興建設 JV工事概要:S(一部 SRC)造 地下 1階 地上 8階 塔屋 2階     延 42,590 ㎡工  期:2008 / 03 ~ 2011 / 01

特集:建設現場の取り組み

みなさんの協力があってこそ

名古屋支店工事部「西部医療センター中央病院(仮称)新築工事」作業所長加藤 進さん

 「西部医療センター中央病院(仮称)新築工事」の作業所長である加藤さんに、建設現場においてどのようにCSR活動に取り組んでいるのかうかがいました。

 工事の施工にあたっては、近隣のみなさまとの約束ごとを確実に守ることと、「クオリティライフ 21 城北」プロジェクト全体の施工

調整に配慮しています。もちろん、安全管理は第一でおこなっていますし、この建設現場に携わるすべての方に安心して気持ちよく働いてもらえる職場環境の構築にも力を入れています。工事に着手してから 1年程度は近隣のみなさまから色々なご意見をいただきましたが、施工者として JVを組んでいる他社の方や職長会の協力によって改善に取り組み、現在(2010 年 7 月)ではほとんど苦情をいただくことがなくなりました。「日々の活動がやっと実を結んだ」ことを実感しています。 工事の進捗に従って様々な業種の方が工事現場で作業をするため、新しく現場に入ってきた末端の業者の方に作業所で決めたルールを浸透させるのに注力しており、「当たり前のことを確実に」守ってもらえるように指導することを怠っていません。CSR 活動は私や当社の社員だけで取り組み、達成することは不可能です。みなさんの協力があってこその成果だと思っています。

「クオリティライフ21城北」 全体イメージ

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ANDO CSR 報告書 2010 22

仮囲いの利用(近隣小学生の絵を展示)

周辺道路の清掃ユニットシャワーの設置

地下湧水による道路散水

騒音・振動監視機器の設置と24時間計測

自動タイヤ洗浄機 ゲート周辺での植栽緑化、ミスト扇風機

鉄筋先組デッキの使用温度管理型溶融釡(電気釡)の使用

■ 建設現場周辺への配慮

 工事現場への搬出入車両の出入口(ゲート)を 1ヶ所にするとともに、大型車両の通行ルートを限定しました。ゲートには自動タイヤ洗浄機を設置し、搬出車のタイヤに付着する泥を洗い流すことで周辺道路の汚染防止に努めています。 仮囲い周辺には植栽を施して街の緑化に協力しています。ゲート誘導員の熱中症対策としてミスト扇風機を設置したところ、一般の通行者も足を止めて涼むこともあります。 また、騒音・粉塵防止のために、仮囲い上部に防音シートを増設するとともに、騒音・振動計を設置して、事務所で 24 時間連続計測を実施して管理しています。

■ 職場環境の向上

 工事現場で働く作業員の衛生を考慮して、清潔感溢れるユニット式トイレと作業終了時に一汗流せるようにユニットシャワーを設置しています。休憩所には季節の飾り付けや子供の絵を掲示して、心休まるひと時を過ごせるようにしており、夏季にはミスト送風機を設置して熱中症対策を行っています。

■ 資源の有効活用

 地下工事では、12m の掘削により、おびただしく湧き出る地下水をリチャージウェルを介して地中へ戻すとともに、場内では基礎解体工事や仮設道路の粉塵対策として、また外周道路へはヒートアイランド現象抑制と清掃のための散水に利用しました。

■ 環境負荷の低減

 地上躯体工事では、基礎躯体におけるラス型枠や、ハト小屋・屋根スラブへのサイト製作 PCa 部材を採用し、在来工法で必要な天然木材による型枠の使用を低減しました。 防水工事では、近隣への臭気の拡散抑制のために、温度管理型溶融釡(電気釡)、低臭低煙型アスファルトの使用を提案して採用されたことで、環境負荷の低減を図ることができました。 また、鉄骨工事においては、フラットデッキから鉄筋先組デッキへの変更を提案して採用されたことで、高品質・工期短縮が図られたとともに現場作業量の削減による騒音防止につながりました。

■ 建設副産物対策

 建設現場の一斉清掃では、「職長会」の清掃・コンテナ委員によって建設副産物の分別回収の徹底が監視されており、また場内に限らず周辺道路の清掃も行って、地域の美化活動も行っています。作業員休憩所

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環境配慮設計への取り組み安藤建設は、企業理念である「豊かな環境を創造し社会に貢献する」に基づき、計画段階から「環境負荷の低減、省エネルギーなどの環境保全」に配慮した設計活動を行っています。

簡易 CO2 排出量算出ツール 「らくちん CO2 名人」

 「らくちん CO2 名人」は、企画設計段階から建物のライフサイクル CO2(LCCO2)排出量を把握し、お客様がその効果を比較・検討できるよう開発した簡易 CO2 排出量算出ツールです。 このツールによって、設計者は早い段階からの設計物件のLCCO2 排出量を簡易に把握し、設計にフィードバックしながら環境配慮型設計を進め、お客様に対し「環境にやさしい設計」のご提案ができるようになります。またお客様にとっても、いろいろな CO2 排出量削減対策方法を企画設計段階で比較検討していただくことができます。 「らくちん CO2 名人」では、まず始めに、企画設計段階での建物用途・建物構造を選択し、CASBEE データを基にした規準値(LCCO2 排出量原単位)を導き出します。次に、延床面積の入力および CO2 削減提案、全 24 項目のうち採用する項目の選択、ならびにその詳細に関しての数値の入力を行い、各削減効果を確認、決定します。これらのデータに基づき、CO2 排出量が建設、修繕・更新・解体、運用の 3 分類で数値化され、原単位規準値からの削減量を数値化・グラフ化・杉の木換算化などで「見える化」して表示することができます。

■ 「らくちん CO2 名人」を構成するシート及びその内容

■ 出力入力シート

設計実績例

 2009 年度に竣工した当社設計物件において、下記の環境配慮設計項目を実施し、入居者や利用者に快適な空間を提供しています。

● 太陽光パネルを採用し、建物に電力を供給するとともに、  共用部に発電状況の分かるモニターを設置することで 利  用者に省エネとエコの推進をアピール● 共用部に LED 照明と人感センサー制御器具を採用するこ  とにより、消費電力を削減● 高遮熱断熱 Low-E ペアガラスの採用により、室内の空調  負荷を軽減● 南面に深い庇を設けることにより、夏季の室内空調負荷  を軽減● コンクリートに当社PC工場製のPCa部材を使用し、型    枠の南洋材使用量を削減● 狭小敷地においても、屋上緑化、接道緑化など、積極的  な緑化を実施● 建物外壁面に光触媒コーティングを施し、空気を浄化(窒  素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)を分解)● 衛生陶器に防汚節水型の機器を採用

ANDO CSR 報告書 201023

環境への取り組み

▲ ▲ ▲

コツめいじん

太陽光パネル

LED照明

深い庇による斜光

防汚節水型の衛生機器接道緑化

算出

※建築物総合環境性能評価システム

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環境技術の研究開発とPCa化 環境技術開発は「使用材料の低減と廃棄物の削減を実現する技術開発」を方針とし、研究を進めています。 PCa工法はCO 削減に貢献できる工法であり、安藤建設は積極的にPCa工法の提案をしています。

環境技術の研究開発

 安藤建設の技術研究所では、社会のニーズに対応した研究開発活動や研究機関・学会との技術交流を通じて、社内外への技術支援・成果の普及を進めています。研究所内に整備されている環境実験棟では、2階建て規模の実大模型

 

 

PCa 化

安藤建設は、昭和 40 年代初頭から PCa(プレキャストコンクリート)建築の先駆者として、自社プレハブ工場

 PCa 工法は環境負荷低減のほか、品質や耐久性、自由度の高さなど、高い付加価値が注目されています。特に、マンションなどのバルコニーや開放廊下は常に日射や風

■ PCa 工法による環境への貢献

 2009 年度に当社のプレハブ工場で生産した PCa 部材の生産量は、コンクリート量で 6,303 ㎥となりました。在来工法と比較した場合の環境貢献度は表のとおりです。

ANDO CSR 報告書 2010 24

環境への取り組み

2

を有しPCa工法の研究・開発に努めています。当社は建物の企画・設計からPCa部材の生産・施工および付帯サービスに至るトータルシステムを採用し、お客様の建設計画をお手伝いしています。

による人工気象実験ができるほか、最先端クリーンルーム実験等が可能な実験用クリーンルーム、電磁シールドルームを備えており、受託研究にも対応しています。

雨にさらされており、劣化も激しい部位ですが、PCa 部材を採用することで、建物の耐久性を高め、長寿命住宅の実現に貢献することができます。

環境実験棟

項  目南洋材使用量の低減産業廃棄物排出量の削減CO2 発生量の削減騒 音 の 発 生粉 塵 の 発 生

南洋材の使用量廃棄物の排出量CO2 発 生 量騒音の発生量粉塵の発生総量

71%削減31%削減25%削減45%削減30%削減

121 ㎥削減124t削減

21kg-c 削減606kdB-h 削減

6.8 ㎥削減

効果(貢献度)※1 ※2

※1:下記資料に基づき、当社 PC工場のコンクリート打設量をすべてWR-PC工法に換算したもの。 ※2:社団法人プレハブ建築協会 PCa 工法環境性能ガイドによる。

実物大実証実験構造実験装置 相模原プレハブ工場

  土木の施工における取り組み

 安藤建設が施工した、千葉県君津市の館山自動車道君津南工事では、切土法面において自然環境、視認性、景観等の面からメッシュリング工法を提案して採用されました。 メッシュリング工法は、法面に安定した生育基盤を確保するための緑化基礎工であり、クリンプ金網でできた枠材が法面の凹凸に応じる柔構造で背面が地山と密着するため、客土が流出しません。また、通水性に優れ、降水時の余剰水はリング枠内に溜まりません。緑化後はクリンプ金網と植物根茎が絡み合うことで客土の安定はさらに高まるほか、客土が分断されないために永続的な緑化が維持できます。

施工状況 緑化状況

対在来工法

設 計

施 工 製 造

研究開発

芝浦小学校・幼稚園改築工事

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風力発電分野

■ 地点開発

 2008 年度に採択された NEDO(独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)との共同研究「風力発電フィールドテスト事業(高所風況精査)」の 1 年間の風況測定が2009 年 10 月に終了しました。その結果、当社提案により採択を受けた 5 観測地点のうち、「和歌山県有田市」が事業化に有望な地点であると評価され、現在は2012年度の運転開

■ 建設工事:上野風力発電所、樋川原風力発電所

 風力発電所の建設において、2010 年 5 月に鹿児島県南さつま市に上野風力発電所と樋川原風力発電所が完成しました。両発電所を併せた出力は 11,940kW、発電量は約3,000 万 kWh/ 年を見込んでいます。これは平均的な一般家庭の年間消費電力量に換算すると7,500世帯分に相当し、建設地である加世田地区の約 70%を賄うことができます。これによる二酸化炭素の年間削減量は 10,440t-CO2/kWh、原油換算では約 6,800kl の削減となります。 当該地は、南さつま市の市街地や久志湾を眺める低山地の尾根に位置しており、1993 年に集中豪雨で大規模な水害が発生した地域です。鹿児島県の指導により、建設に伴う防災工事も施工・完了し、周辺環境の整備にも寄与しています。

■ 建設工事:日の岬ウィンドパーク風力発電所

 当社が出資し、2008 年 6 月に子会社として設立した風力発電事業会社「アドエコロジー株式会社」の初めての事業となるのが、日の岬ウィンドパーク風力発電所です。 当該地は、紀伊半島最西端、紀伊水道に突き出した岬に位置し、年間を通じて強い風の吹く風力発電の適地です。「日の岬パーク」の新たなモニュメントとして稼動することで、地域住民の新エネルギーへの関心を高め、環境に対する意識改革をより強くするものと期待されています。※当事業は、NEPC(一般社団法人 新エネルギー導入促進協議会)の新エネルギー等 事業者支援対策費補助金事業に採択されています。※煙樹海岸県立自然公園 特別地域内にあり、景観に配慮した計画となっています。

土壌汚染対策分野

 改正土壌汚染対策法が2010年4月1日に施行され、土壌汚染調査契機が大幅に拡大されたほか、これまで多くの土壌汚染対策に用いられた「掘削除去」の頻度が抑制されました。 安藤建設は、改正法に基づいてお客様に最適なご提案ができるよう、土地履歴調査や土壌汚染修復工事における原位置浄化工事、原位置封じ込め措置などの技術の研鑽をつづけています。

焼却施設・煙突解体分野

 安藤建設は、独自開発した低騒音・低振動の焼却施設・煙突解体システム「ENTOS(エントス):Environmental Total Operation System」による解体工事をご提案しています。高さ60m級の煙突に適用でき、建物が密集しているような狭い場所でも施工できるほか、遠隔操作による無人化により、周辺環境と作業環境の安全性を確保できます。 2009年度は神奈川寒川町の焼却施設解体工事と岩手県盛岡市の煙突解体工事において採用し、お客様から高い評価をいただきました。

ANDO CSR 報告書 201025

環境事業への取り組み 安藤建設は環境保全、環境負荷低減を目指し、実証実験、保有技術、施工実績等を活かして さまざまな環境関連分野へのビジネスに取り組んでいます。

環境への取り組み

始を目指して地元住民をはじめとする関係者と調整しています。また、当社が風力発電事業として将来取り組むための地点開発を全国で行っており、現在候補地として9箇所あります。 今後も、風力発電による温室効果ガスの削減だけではなく、地域に貢献できる風力発電事業を展開していきます。

風況測定機器の設置状況

岩手県盛岡市の煙突解体工事施工状況上野風力発電所と樋川原風力発電所

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*オフィス業務における目的・目標は、上記の他に、各部門独自に設定しています。 *土木設計は CASBEE 評価を実施していません。

項 目 業務分類 2009年度 2010年度 環境目標 活動結果 評価 環境目標

地球温暖化 防 止

グリーン 調達の推進

建設副産物総排出量の削減

熱帯材木合 板 の 使用削減

環境配慮設 計

使用材料の低減と廃棄物の削 減 を 実現する 技術開発

PCa化の推 進

建 設

オフィス

建 設

建 設

建 設

技術開発

企画設計

PCa部材製 造

・2002年度比:4.62%削減 (1990年度比:14.12%削減)

作業所CO2排出量削減 ・2002年度比:3.56%削減 (1990年度比:13.06%削減)

2007年度比:6.5%減 (総排出量:1,217.0t-CO2) ペットボトルキャップ6,520個をエコキャップ推進協会に提供

全社の消費電力量削減2007年度比:2.0%減(総排出量:1,275.6t-CO2)

社会貢献活動(資源の循環)ペットボトルのキャップ回収初年度のためデータ把握

適正なグリーン調達5品目以上採用作業所数:78%以上

総排出原単位:16.4kg/㎡ 全作業所分別率:52.5%

建設副産物の削減総排出原単位:17.0kg/㎡以下全作業所分別率:70%以上

代替率:54.9%

型枠用熱帯伐木の使用低減型枠の転用を含めた代替型枠の代替率:65%以上

実施物件ランク ・BEE値:1.16 ・A  : 2件 ・B+  : 3件

環境配慮設計の実施・エコロジカルデザイン・チェックシ-ト(CASBEE)の活用・BEE値  :1.0以上・目標ランク:B+以上

輻射熱を考慮した躯体内部の温度影響を解析できるようにした

日射による躯体内部の温度影響を緩和する工法および影響評価方法の開発

現業支援計測として建築部材の成分分析を実施

室内化学環境(VOC)の測定および解析による現業支援

ビル風、窓周辺の温度差によって生じる熱負荷を解析する熱流体解析ソフトを作成

ダブルスキンによる熱負荷低減工法の解析法の開発

全受注物件に占める自社物件のPC製作比率:27%廃棄物総排出量:45.0kg/ ㎥以下

ANDO CSR 報告書 2010 26

評価 ○:達成 △:未達成

作業所数:32.5%

環境基本方針   安藤建設は、企業理念「豊かな環境を創造し社会に貢献する」に基づき、『地球環境保全と環境負荷削減』を目指し、環境保全に関連する法規制の順守と環境保全活動を通じて社会との信頼関係を築き、持続可能な社会づくりに貢献する。 事業にあたっては、環境マネジメントシステムに基づき、事業活動より発生する環境影響を認識するとともに、温暖化防止ならびに資源の循環・有効活用に対する取り組みを継続的に改善し、汚染の予防に努める。

2009年度全社環境目標に対する活動結果と2010年度全社環境目標

安藤建設は「地球温暖化防止」をはじめとする7つの項目を重点課題として、環境目標の達成に努めています。

作業所CO2排出量削減 ・2002年度比:4.59%削減 (1990年度比:14.09%削減)

全社の消費電力量削減2007年度比:3.0%減(総排出量:1,262.6t-CO2)

社会貢献活動(資源の循環)ペットボトルのキャップ回収

適正なグリーン調達5品目以上採用作業所数:70%以上

建設副産物の削減総排出原単位:15.5kg/㎡以下全作業所分別率:65%以上

型枠用熱帯伐木の使用低減型枠の転用を含めた代替型枠の代替率:68%以上

環境配慮設計の実施・エコロジカルデザイン・チェックシ-ト(CASBEE)の活用・BEE値  :1.0以上・目標ランク:B+以上

建物緑化による省エネ技術開発及び高機能緑化の検証・緑化による日射緩和がもたらす省エネ効果、CO2削減効果の調査

建築物から発生する化学物質に対する現業支援及び対策の検討・コンクリートから発生するアンモニア対策法の検討

建物の熱負荷の問題に対して流体解析ソフトを用いた簡易判定法の開発

全受注物件に占める自社物件のPC製作比率:27%廃棄物総排出量:45.0kg/ ㎥以下

△ 自社物件のPC製作比率:22.3%廃棄物総排出量:50.8kg/㎥

環境活動データ

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ANDO CSR 報告書 2010 27

OUTPUTINPUT

オフィス活動

資材・エネルギー投入量

CO₂ 排出量

施工段階廃棄段階(運搬)

合 計

オフィス活動

CO2排出量

建設廃棄物

環境負荷物質排出量

※1:グリーン調達の各数量はサンプリング調査からの全社推定値を算出したものです。※2:電力の CO2 排出換算係数は、0.407kg-CO2/kwh(平成 15 年環境省:温室効果ガス排出量算定方法ガイドライン)を使用しています。   灯油・軽油・ガソリン・都市ガス・水道のCO2排出換算係数は「地球温暖化対策の推進に関する法律施行令三条」(平成18年3月24日一部改正)に規定する方法および係数を使用しています。 ※3:設計段階の CO₂ 削減量は、社団法人建築業協会(BCS)の設計段階の運用時 CO2 削減量の算出方法に基づいています。※4:建設活動の施工段階 CO₂ 排出量は、建設段階の投入エネルギーをCO2 に換算したものです。

安藤建設の事業活動

技 術 開 発

企 画 設 計

建 設

改 修

解 体 ・ 廃 棄

▲▲・ 電 力・ 軽 油・ ガソリン・ 都市ガス・ 水 道・ コピー用紙

350.5万kW16k㍑117k㍑12千㎥27千㎥53.8t

29,549 t CO2606 t CO2

30,155t CO2

フロン回収量

・ フロン 1.92t

1,782 t CO2

※4

※3設計段階のCO ₂削減量

「省エネの建築主の判断基準」からのCO₂削減量

4,228 t CO2削減

投入資材(主要資材)

グリーン調達

建設段階の投入エネルギー

441千㎥ 37千t153千t162.2万㎡

・ 生コンクリート ・ 鉄 骨 ・ 鉄 筋(電炉鉄筋) ・ 合 板

・ 高炉コンクリート・ 再生砕石・ 代替型枠・ 再生アスコン ・ 建設発生土

25千㎥69千㎥151千㎡6千t

859千㎥

・ 電 力・ 灯 油・ 軽 油 ・ ガソリン・ 都市ガス・ 水 道

1,554万kW354k㍑8,225k㍑164k㍑4.2千㎥ 358千㎥

※1

※2

建設活動

・ 総建設廃棄量・ 総排出原単位(建築)・ 最終廃棄量(・ 最終廃棄率)(・ リサイクル率)

239,718t17.8kg/㎡13,299t(5.5%)(94.5%)

建設活動

使用量15,541千kW354千㍑ 8,225千㍑164千㍑ 4.2千㎥

358.3 千㎥3.6 千㎥―

(t CO2/億円)

▼ 建設活動(施工段階)のCO₂排出量

電   力灯   油軽   油ガソリン都市ガス水   道L P G合   計原 単 位

CO 排出量6,325t890t21,715t380t9t

207t23

29,549t20.18

2008 年度 2009 年度

電   力軽   油ガソリン都市ガス水   道合   計

使用量3,505千kW16千㍑ 117千㍑ 12千㎥27.0千㎥―

CO 排出量1,426t42t271t27t16t

1,782t

2008 年度 2009 年度

▼ オフィスのCO₂排出量

使用量19,515千kW207千㍑ 12,411千㍑348千㍑ 0.4千㎥

555.5 千㎥――

(t CO2/億円)

CO 排出量7,943t520t

32,766t804t0.8t322t

―42,356t20.28

使用量4,603千kW14千㍑ 134千㍑ 13千㎥30.0千㎥―

CO 排出量1,874t38t311t27t17t

2,267t

0

20,000

40,000

60,000

80,000

37,137

39,027(56.5%) 24,819

(83.8%) 15,674(98.3%)

12,395(33.4%)

29,911(43.3%)

24,510(66.0%)

232(0.6%)

776(2.6%)

88(0.2%)

2005年度 2009年度2008年度2007年度2006年度

重量ベース(t)

29,6114,016

(13.6%)

■ 単品 ■ 汚泥 ■ 混廃

15,545 15,9463,343

(21.5%)11,986(77.1%)

216(1.4%)

104(0.6%)

168(1.1%)

▼ 廃棄物総排出原単位

目標実績目標実績

建築

土木

2005 年度18.0kg/ ㎡16.5kg/ ㎡ー

14,505kg/5 百万

2006 年度17.5kg/ ㎡17.5kg/ ㎡ー

12,894kg/5百万円

2007 年度17.5kg/ ㎡17.4kg/ ㎡ー

11,294kg/5百万円

2008 年度17.5kg/ ㎡16.4kg/ ㎡ー

16,436kg/5百万円

▼ 建設廃棄物の総排出量と割合

<建築>

<土木>

2009 年度17.0kg/ ㎡17.8kg/ ㎡ー

14,273kg/5百万円

■ 単品 ■ 汚泥 ■ 混廃 ■ 新築 ・ 改修 ■ 解体

0

50,000

100,000

150,000

200,000

250,000

2005年度 2009年度2008年度2007年度2006年度

198,053

131,519(66.4%)

59,890(30.2%)

78,364

119,689

58,853

86,545

85,743

92,150

112,137(63.0%)

59,222(33.3%)

6,534(3.7%)

88,013(60.5%)

38,508(26.5%)

18,877(13.0%)

51,749

78,634

94,002(72.1%)

27,196(20.9%)

9,185(7.0%)重

量ベース(t)

223,7726,644(3.4%)

183,018(81.8%)

34,028(15.2%)

6,726(3.0%)

49,223

174,549145,398

130,383

177,893

環境活動データ

2009年度マテリアルフロー

安藤建設は資源・エネルギー投入量と環境負荷物質排出量を定期的に収集することで、総合的・効率的な環境負荷低減活動に活用しています。

69,026

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ANDO CSR 報告書 2010 28

環境活動データ

件 数1017

2008年度2009年度

平均BEE値1.021.17

件 数57

平均BEE値1.081.13

件 数510

平均BEE値1.051.15

住宅・業務系建物 生産・物流系建物 全 体

▼実施設計(DRⅢ)終了時の評価結果

▼建築・土木完成工事

▼ 2009 年度のサンプリング作業所および全社(推定)の 調達実績主 な 品 目

建 設 発 生 土電 炉 鉄 筋高 炉 コン クリート再 生 砕 石代 替 型 枠再生加熱アスファルト

サンプリング数量(93作業所)859,000 ㎥153,000 t97,000 ㎥69,000 ㎥150,000 ㎡6,200 t

448,188 ㎥26,760 t64,916 ㎥35,892 ㎥78,240 ㎡3,203 t

推定全社数量

受 託 件 数重 量

26 件949.9kg

2008年度 2009年度11 件

1,915.0kg

▼ フロン回収受託状況

コンクリート塊ア ス・コ ン 塊建設発生木材

目 標99.0%99.0%95.0%

実 績98.8%99.3%95.7%

実 績99.7%99.9%98.0%

2008 年度 2009 年度目 標99.0%99.0%95.0%

分 別 率最終廃棄率リサイクル率分 別品目数

目 標73%以上18%以下82%以上5~24品目

実 績60.2%18.8%81.2%5~24品目

実 績67.4%17.9%82.1%5~24品目

2008 年度 2009 年度

▼ 建築(新築完成工事)

目 標73%以上18%以下82%以上5~24品目

■ PCB(ポリ塩化ビフェニル)の適正保管

 安藤建設では、自社で使用していた PCB を含む高圧コンデンサ 50 台、蛍光灯安定器 163 台を日本環境安全事業株式会社(JESCO) において処理されるまで、当社の機材センターにおいて適正に保管しています。

建設副産物削減とリサイクルへの取り組み

■ 特定建設資材廃棄物のリサイクル率目標と実績

 建設リサイクル法の特定建設資材廃棄物 3 品目について、各年度毎のリサイクル率の向上を目指して目標を設定し、取り組んでいます。

■ 建設現場のゼロエミッション化への取り組み

 2001 年度から開始したゼロエミッション化(廃棄物ゼロ)への取り組みは、2005 年度から各作業所の諸条件に基づいて、分別品目数、分別率、最終廃棄率の目標値を設定する「標準化されたゼロエミッション化」への展開に移行し、活動しています。

地球温暖化防止への取り組み

■ 環境配慮設計

 安藤建設は、企業理念である「豊かな環境を創造し社会に貢献する」に基づき、計画段階から「環境負荷の低減、省エネルギーなどの環境保全」に配慮した設計活動を行っています。 当社では、2006 年度から CASBEE を採用し、環境配慮設計に注力しています。

■ グリーン調達

安藤建設は 2005 年度から 78 品目の「グリーン調達リスト」を活用し、積極的なグリーン調達に努めています。

有害・化学物質への取り組み

■ フロンの管理

 2007 年 10 月に改正された「フロン回収・破壊法」に則り、管理を行っています。建物解体、改修工事時には、フロンを使用している業務用冷凍空調機器を事前に確認し、フロン類の引渡し委託などを行程管理票で管理するなど、適切に回収しています。

※建築物総合環境性能評価システム

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環境活動データ

ANDO CSR 報告書 201029

1. 事業エリア内コスト1) 公 害 防 止 コ ス ト

2) 地球環境保全コスト3) 資 源 循 環 コ ス ト

小  計2. 上・下 流 コ ス ト

3. 管 理 活 動 コ ス ト

4. 研 究 活 動 コ ス ト5. 社 会 活 動 コ ス ト

6. 環 境 損 傷 コ ス ト合  計

・仮設工事を対象とした公害防止対策のためのコスト (大気汚染 / 水質汚濁 / 土壌汚染 / 騒音・振動 / 地盤沈下防止)・地球温暖化防止および省エネルギー / オゾン層破壊防止のコスト・資源の効率的利用 / 産業廃棄物・一般廃棄物のリサイクル等 / 産業廃棄物・ 一般廃棄物の処理・処分等のコスト

・環境物品等を提供するためのコスト・廃棄物適性処理のための費用・環境マネジメントシステムの運用および人件費・環境情報の開示および環境広告等のコスト・環境負荷監視コスト(騒音・振動・水質・大気等)・社員および協力会社への環境教育に費やしたコスト・環境保全に資する製品等の研究開発コストおよび人件費・事業所および作業所周辺の美化と緑化対策コスト・地域支援、環境関連基金及び寄付等のコスト・自然破壊修復 / 環境損傷引当金 / 環境保全に関する保証金など

1,049129

1,2292,407

9,294

11514

218

11,859

57811

5711,160

5,577

5620

282587,099

分  類 取 り 組 み 内 容費 用(百万円)

2007年度130,383t37,137t

45,507t(20.03)2,627t    9,520百万円54百万円

2008年度145,398t15,545t

42,356t(20.28)2,303t    11,313百万円44百万円

対 2008 年度比 対 2008 年度比  原単位対 2008 年度比 対 2008 年度比 19.8% 増(サンプリング推定値)51.6% 減

建設廃棄物排出量(建築)建設廃棄物排出量(土木)二酸化炭素排出量(施工)二酸化炭素排出量(オフィス)グリーン調達(資材・材料)グリーン調達(事務用品)

分 類数量・金額 (  )内は排出量原単位(tCO /億円)

項 目

項   目

事業エリア内 効 果

上・下 流効 果

2008年度11,859209,2665.67

投入コスト(百万円)完成工事高(百万円)比 率( % ) 

2009年度7,099

147,4144.82

2006年度6,925

240,1202.73

2007年度7,204

226,8483.18

2002年度19,14520.044.2

534,591196,302基準年

2008年度17,14916.460.2

446,171200,10098,649

(t)(kg/㎡)(%)(千円)(百万円)(千円)

総 排 出 量総排出原単位分別率(重量)処 理 費 用完成工事高(建築)経 済 効 果  ※1・2

■ 判断指標 ( 環境保全コスト /完成工事高比率)

■ 環境保全効果

■ 経済効果 ( 建設廃棄物処理費用の低減)

■ 環境保全コスト

※1 建設廃棄物処理費用の低減にかかわる経済効果については 2002 年度を基準年度とし   建築工事(新築) におけるデータより算出しました。

※2 発生抑制による総排出量の低減及び分別の浸透による処理費用の低減により、売上    高を考慮すれば、2008 年度 98,649 千円、2009 年度 107,291 千円の経済効果が得ら   れたと推定されます。但し、分別に要する費用の算定は含まれていません。

集計範囲:本社および全支店を対象とし、海外は対象外です。集計期間:2009年4月1日~2010年3月31日で、発生額で算出しています。また、有価証券報告書に反映される財務会計との関連付けは行っていません。集計方法:施工CO 調査以外は、JVを含めたサンプ リング調査結果を全社換算しています。2009年度サンプリング件数 建築:85件 土木:8件環境保全コスト:① 公害防止コストおよび地球環境保全コスト:作業所における仮設工事、  本社ビルの設備機器等の公害防止対策コストを算出しています。② 管理活動及び研究活動コスト:人件費を算入しています。環境保全効果:資材・材料等のグリーン調達は、サンプリングした件数  分のコストを算出しています。P27、29に記載したCO 排出量の算出に使用した電力の換算係数は、0.407kg CO /kWh を固定して使用しています。その他のエネルギーも同様です。(平成15年 環境省:温室効果ガス排出量算定方法ガイドラインより引用)

53.9%増2.6%増0.5% 減22.6% 減

調査の基本事項1.2.

3.

4.

5.

6.

2009年度223,772t15,946t

29,549t(20.18)1,782t    9,073百万円21百万円

2009年度10,34717.867.4

269,201138,262107,291

2008年度 2009年度

環境会計

安藤建設では企業の環境保全に関する投資や経費、その効果などを「環境会計」として集計しています。

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組織図

管理部

第一建築事業部

第二建築事業部

第三建築事業部

札 幌 支 店 東 北 支 店 静 岡 支 店 名 古 屋 支 店 大 阪 支 店 広 島 支 店 九 州 支 店

営業部 設計部 積算部 購買部 工事部

工務部 安全部 品質環境部 管理部

労務安全部

営業部 設計部 工事部

工務部 技術部 管理部

営業部 工事部 住宅リニューアル営業部

住宅リニューアル工事部 管理部

営業部 企画営業部 生産施設部

法人営業部 工事部 リニューアル部

営業部     工事部

安全管理部 積算部 工務部 購買部 設備部

CS推進部 受注戦略企画部 住宅企画積算部 コスト管理部

PC製品部

事業企画部    管理部

技術研究所

建築企画部 品質管理部 品質環境部 技術部 企画設計部 第一設計部

第二設計部 第三設計部 第四設計部 構造設計部 設備設計部

開発企画部 第一事業開発部

エンジニアリング部 新エネルギー関連部

営業部

営業部 PFI・PPP推進部 総合評価対策部

営業事務部   営業情報企画部

総務部 経理部

法務部 事業部管理統括部

経営企画部 人事企画部

情報企画部

秘書室

監査部

支店標準組織

社 長 室

管 理 本 部

営 業 第 一 本 部

営 業 第 二 本 部

環境エンジニアリング本部

都 市 開 発 本 部

建 築 本 部

首 都 圏 事 業 本 部

事 業 統 括 室

横 浜 支 店

土 木 本 部

プ レ ハ ブ 工 場

営 業 本 部

(2010 年 7 月 1日現在)

プロジェクト企画部

第二事業開発部

営業部 工事部

管理部 国 際 本 部

株主総会

取締役会

監査役会

監査役室

社  長

経営戦略会議

営業部 工事部

ANDO CSR 報告書 2010 30

環境技術営業部 管理部

営業部     産業設備部 産業建築部

産 業 施 設 本 部

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東京都港区芝浦 3-12-8 〒108-8544 TEL(03)3457-0111( 大代表 )

ホームページ http://www.ando-corp.co.jp/ e-mail [email protected]