csrって? - shizuoka bank · 2018-07-20 ·...

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「CSR」という をよく にしますが、CSRと どんなことをいうのでしょうか。 CSR Corporate Social Responsibility の をとった で、一 に「 」と されます。 じて、 など い側 したバ スよい 営に み、 く“す てのステークホ ダー( )の ”と“ する ”を させることで、 (サスティナビ ティー)を める みを します。 C SRって? ープの 域とと かさを げます。」に 、 域に まれ育った 域のための ープとして、また の一員として、 域 々と 栄を と、 々が ビジ する くお いをしていくという意 められています。すなわち、 岡 ープのCSR していくことといえます。 ープで と、これまで 、 々の じて 益を スよく していくことで、その たしてきました。 、岡 ープとステークホ ダーとの をあらためて し、 の一つとして「しずぎんブ ドの 」を げました。これ 、CSRを として位 づけ、す てのステークホ ダーに してバ スのよい みを うという させ、ステークホ ダーの し、 のステークホ ダー できる み(WinWinの )」と「ステークホ ダーを させていく み」の つを に、 していくことで、 い い愛 れた いていくという のです。 S hizuginの取り組みは? ープで 、CSRの により、ステークホ ダーから い愛 し、「ブ むことで「『しずぎんブ ド』の 」を します。これら などの れる ので ありませんが、 え 、岡 する が、お さまとのお 引のきっかけとなり、お さまに いただくことが 員の びとなって、一 のサービス などにつながるモチベーシ となります。 そして、ゆくゆく といった びつけることで、 岡 ープ していきます。 どんな R esult(結果)を目指すの? !! ープで 、CSRを するなかで、ステークホ ダーに するうえで かせない のニーズを 握するための のコミュニケーシ れて んでいます。また、お さまに「 」「安 しみ すさ」を じていただくため、 コマーシャ ジナ キャ クターの などを じたイメージ んでいます。 シンボル・マ ーク ふたつの をモチーフにしたシ ・マーク 、岡 ープとお さま さま、 員との との 、そ して など、さまざまなコミュニケーシ しています。そして、このコミュニケーシ の渦の から、 けて、 しい 域の かさを していきたい」という いを しています。 CSRレポート

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Page 1: CSRって? - Shizuoka Bank · 2018-07-20 · CSR推進に向けた施策は、本部各部、グループ会社の毎年度の業務計画に織り込み、進捗状況を定期的に経営に報告する体制

最近「CSR」という言葉をよく耳にしますが、CSRとはどんなことをいうのでしょうか。 CSRは Corporate Social Responsibility の頭文字をとった言葉で、一般的に「企業の社会的責任」と訳されます。企業が事業活動を通じて、経済・社会・環境など幅広い側面に配慮したバランスよい経営に取り組み、企業を取り巻く“すべてのステークホルダー(関係者)の満足”と“企業に対する信頼”を向上させることで、企業自体の持続可能性(サスティナビリティー)を高める取り組みを指します。

CSRって?

静岡銀行グループの基本理念「地域とともに夢と豊かさを広げます。」には、地域に生まれ育った地域のための銀行グループとして、また地域社会の一員として、地域や人々と共存共栄を目指す姿勢と、人々が抱く願いやビジョンを実現する可能性を切り拓くお手伝いをしていくという意味が込められています。すなわち、静岡銀行グループのCSRは、基本理念を実践し具現化していくことといえます。 静岡銀行グループでは、基本理念のもと、これまでも、日々の業務を通じて得た利益を地域経済や地域社会にバランスよく還元していくことで、その社会的責任を果たしてきました。第10次中期経営計画では、静岡銀行グループとステークホルダーとの関係をあらためて見直し、基本戦略の一つとして「しずぎんブランドの確立」を掲げました。これは、CSRを企業活動の基本として位置づけ、すべてのステークホルダーに対してバランスのよい取り組みを行うという第9次中期経営計画の基本路線を発展させ、ステークホルダーの相互依存の関係に着目し、「複数のステークホルダー間の相乗効果が期待できる取り組み(Win-Winの関係構築)」と「ステークホルダーを一体化させていく取り組み」の2つを軸に、本物の満足を提供していくことで、高い信頼と強い愛着で結ばれた関係を築いていくというものです。

Shizuginの取り組みは?

静岡銀行グループでは、CSRの推進により、ステークホルダーから高い信頼や強い愛着を獲得し、「ブランド価値」の向上に取り組むことで「『しずぎんブランド』の確立」を目指します。これらは、業績などの数字に直接に表れるものではありませんが、例えば、静岡銀行に対する信頼や愛着が、お客さまとのお取引のきっかけとなり、お客さまにご満足いただくことが従業員の誇りや喜びとなって、一層のサービス向上などにつながるモチベーションとなります。 そして、ゆくゆくは収益や株式時価総額の拡大といった財務的価値にも結びつけることで、静岡銀行グループの持続的成長を実現していきます。

どんなResult(結果)を目指すの?

コ ミ ケ ン ニ シ !! 静岡銀行グループでは、CSRを推進するなかで、ステークホルダーに本物の満足を提供するうえで欠かせない真のニーズを

把握するための双方向型のコミュニケーションの構築に力を入れて取り組んでいます。また、お客さまに「信頼感」「安心感」

「親しみやすさ」を感じていただくため、企業コマーシャルの放映やオリジナルキャラクターの展開などを通じたイメージ戦略に

取り組んでいます。

ュ ョ ー

●シンボル・マーク ふたつの波をモチーフにしたシンボル・マークは、静岡銀行グループとお客さまや株主の皆さま、従業員との出会いや地域社会との交流、そして経済活動と文化活動の融合など、さまざまなコミュニケーションの誕生を象徴しています。そして、このコミュニケーションの渦の中から、「未来に向けて、新しい夢や地域の豊かさを創り出していきたい」という願いを表現しています。

CSRレポート

しずぎんの

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CSR推進に向けた施策は、本部各部、グループ会社の毎年度の業務計画に織り込み、進捗状況を定期的に経営に報告する体制

としています。また、CSR担当役員(経営企画部所管役員)を委員長、本部部長を構成メンバーとするCSR推進委員会を四半期

に1度開催し、銀行グループ全体でCSR推進のPDCAサイクルを強化しています。

「私たちは、いつもあなたの夢のそばにいます。そ

して、日常生活のさまざまな場面で皆さまのお役に

立ちたい」。そんなメッセージをこめて、コミュニ

ケーションキーワード「Dream with you.」をとりい

れた企業コマーシャルを放映しています。

企業コマーシャルの放映

平成19年9月、南の空に輝く「おおい

ぬ座」にあるらしい「犬星(いぬぼし)」

から、新しいオリジナルキャラクター星犬

(ほしいぬ)の「ハピとラキ」がやってき

ました。地球がすっかり気に入った2匹

は、“ある銀行”の天井裏に住んでいる

のだとか。

しずぎんオリジナルキャラクター 星犬の「ハピとラキ」

静岡銀行グループのCSR

銀行グループの持つ金融機能を最大限に活用した経済面における取り組みにとどまることなく、環境問題や少子高齢化といった社会的な課題に対しても、地域を代表する企業グループとしての役割を果たしていきます。

経済面、社会面、環境面からの取り組み

経済面 ● 地域密着型金融の推進 ● 安定した資金供給の継続 ● 地域中小企業の後継者育成「Shizuginship」

社会面 ● 地域におけるリーダーシップ ● 地域コミュニティへの貢献 ● 地域金融経済教育 ● ワークライフバランス

環境面 ● 環境負荷軽減への取り組み ● 取引先への啓発強化

地域のリーディングバンク としての役割発揮

地域

顧客

従業員

株主

基本理念

ステークホルダー

持続的成長

シナジー効果の発揮

企業活動

適切な資本政策の実施による企業価値の向上

株主・市場からの評価の向上

誇りと活力ある企業風土の確立

従業員満足度(ES)の向上

顧客満足から顧客感動への進化による顧客ロイヤルティの向上

顧客満足度(CS)の向上

地域のリーディングバンクとしての役割発揮

地域からの評価・信頼度の向上

非財務的価値(ブランド価値)

「しずぎんブランドの確立」

財務的価値

収益拡大・株式時価総額拡大など

ハピ ラキ

ハピとラキを地球に呼んだのは、マンガ家・作家の小泉 宏さん 小泉 宏氏:静岡県出身。代表作「ブッタとシッタカブッタ」はシリーズ180万部を超えるベストセラー。第45回文藝春秋漫画賞、第6回文化庁メディア芸術祭優秀賞ほか受賞。

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地域密着型金融

コンプライアンス

コミュニケーション

環境保全

C S

○総合金融サービスの提供 ・グループ経営強化(証券・リース・コンサルティング他) ・円滑な資金供給 ・ソリューション・先進的金融サービスの提供 (ビジネスマッチング支援、資金調達の多様化への対応、経営コンサルティングなど)

○地域経済の活性化 ・公的機関への派遣 (しずおか産業創造機構、SOHOしずおか、浜松イノベーションキューブなど) ・地域プロジェクトへの参画 ・役員公職活動(静岡商工会議所他)

・地元商工会、自治会、商店街との交流 ・しずぎんユーフォニアコンサート、 カルチャーフォーラムなどの開催、 しずぎんギャラリー四季の開放 ・イベントへの協賛

○環境保全活動 ・本部別館環境ISO認証取得 ・公益信託「しずぎんふるさと環境保全基金」への寄付 ・エコカー導入の推進 ・勧誘宣伝物のグリーン購入 ・ゼロエミッション(排出ゼロ)への取り組み

○地域産業の育成 ・ベンチャー企業等に対する資金面での支援(「しずぎん投資ファンド光輝」「しずおかスタートアップファンド」など) ・ベンチャー企業等に対する情報面・施策面での支援(中小企業新事業活動促進法・中小企業ものづくり高度化支援法認定申請支援、産学連携支援など) ・地域産業の振興支援(次世代経営者塾「Shizuginship」、農業商談会「しずぎん@gricom(アグリコム)」開催など) ・地域企業を投資先とする投資信託「静岡ベンチマークファンド」の取り扱い ・地域力連携拠点の設置

○経営改善支援・事業再生・地域再生 ・地域経済に大きな影響のある企業の経営改善支援・事業再生支援 ・地域の事業再生支援(「面」の再生への取り組み、「静岡中小企業支援ファンド“パートナー”“スクラム”」、中小企業再生支援協議会との連携など)

○利便性の向上 ・店舗・ATMネットワーク・ダイレクトチャネルの拡充 ・店舗環境の整備

・新営業店システム導入 ・お客さまニーズにマッチした商品、サービスの開発

○地元企業との連携 ・地元企業との提携クレジットカード発行 ・地域共通ポイントプログラムの提供

・公共料金・税金等収納サービスの提供

○お客さま応対 ・応対マナーの向上 ・お待ち時間の短縮 ・フロア担当・ 相談担当の配置

○環境関連商品の提供 ・「富士山定期預金」の取り扱い ・環境配慮型企業を投資対象とする投資信託の取り扱い

○お客さまの環境に対する取り組み支援 ・「エコサポート・ビジネスローン」による融資 ・環境マネジメントシステム認証取得支援 ・外部機関との連携による融資手法の多様化 ・排出量取引にかかる関連商品の開発 ・公益信託の取り扱い

○地域雇用への貢献 ・地域の安定雇用の確保 ・障害者雇用、高齢者雇用 ・インターンシップ

○利用者保護 ・説明責任の履行(融資・リスク商品販売) ・苦情対応(お客さまサービス室の設置) ・個人情報、顧客情報保護 ・金融商品取引法、金融商品販売法への対応 ・情報セキュリティマネジメントシステム認証取得

○ユニバーサルデザイン ・バリアフリー対応(店舗、ATMなど) ・外国語案内(ATM、マニュアル) ・カラーユニバーサルデザインの採用(各種リーフレット)

・次世代経営者塾「Shizuginship」におけるカーボンオフセット

・環境保全・美化活動への参加(「小さな親切」運動によるクリーン作戦、植樹活動など)

○金融犯罪への対応 ・振り込め詐欺防止、被害補償金の支払い対応 ・偽造・盗難カード、盗難通帳への対応(「しずぎんカード被害補償制度」など) ・カード・インターネットセキュリティ強化 ・マネー・ローンダリングへの対応 ・本人確認の実施 ・金融犯罪対応担当の配置

経済面

企業理念

社会面

環境面

第 10 次 中

生 産 性  

顧客満足(CS)

お客さま

地域からの評価・信頼の向上

地域社会

「 し ず ぎ ん ブ ラ ンド 」の 確 立( す べ て の        

CSRマップ

CSRレポート

○災害時への対応 ・災害時の制度融資 ・BCPセミナー ・預金払出の便宜扱い ・SEAS(緊急時移動店舗) ○地域防災・防犯への協力

・地域防災組織への防災資機材の貸与・提供 ・地域防犯への協力(防犯ステッカー)

○お客さまとのコミュニケーション ・顧客満足度調査(アンケート) ・お客さまご意見カード ・静友会等取引先親睦会

・地元会社説明会(新春講演会共催)

第4回 しずぎん@gricom

お客さまご意見カード ・ボランティア支援(「小さな親切」運動事務局) ・募金の機会の提供(ハートフルベンダーの設置など)

・地域金融経済教育

銀行グループのイメージ向上への取り組み(企業コマーシャル「Dream with you.~いつもあなたの夢のそばに~」の放映、オリジナルキャラクター 星犬の「ハピとラキ」) P13

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○地域社会とのコミュニケーション

○地域貢献

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平成20年3月 舘山寺大草山植樹活動(浜松市)

○人材育成・人材の活用 ・スペシャリストの育成 ・公募による行外派遣、トレーニーの実施(MBAなど) ・各種講習会の開催、自己啓発支援 ・スキル認定制度(FA権利・長期トレーニー権利) ・リーダー育成(コーチング研修、選抜型リーダー養成研修)

○資本政策 ・適正な配当の実施 ・収益性の強化、資本効率の向上(ROA、ROE)による 株式時価総額の拡大と経営安定維持 ・戦略的な資本活用

○コーポレートガバナンスの強化 ・内部統制システムの構築 ・経営の監督と執行の分離(会長室の設置、執行役員制度) ・内部監査部門の独立性確保、社外監査役の招聘 ・役員への業績連動型報酬、株式報酬型ストックオプションの導入

○環境意識の向上 ・「しずぎんEMSカード」の携帯

・行内LAN(本部提案制度など)による従業員意見の吸収 ・人事相談室スタッフによる面接 ・決算IR行内説明会 ・社内誌「しずぎんのまど」発行、ビデオニュースの上映 ・役員等の営業店訪問 ・従業員意識調査

○ワークライフバランス ・子育て支援制度の充実 ・健康保持増進運動 (生活習慣病対策、メンタルヘルス対策、職場環境の改善、レクリエーション) ・総労働時間の短縮(定時退行運動、有給休暇取得運動) ・福利厚生の充実(しずぎんベネフィットプラン)

○ポジティブアクション ・女性の積極的登用 ・多様な就業観への対応(グループ会社間転籍制度)

○リスク管理の高度化 ・統合的リスク管理(リスク資本配賦、リスク調整後収益指標(EVA等)) ・統合リスク・予算管理会議の設置 ・リスク管理統括部署の設置 ・バーゼルⅡ 対応 信用リスク…基礎的内部格付手法採用 オペレーショナルリスク…粗利益配分手法採用 ・非常事態対策要綱(BCP)等の整備

○株主・投資家・アナリストとのコミュニケーション ・情報の適時開示

○株主総会 ・議決権行使の電子化の採用 ・機関投資家向け議決権電子行使プラットフォームの採用

○IR活動 ・年2回(東京・静岡)ラージミーティングの開催 ・ワンオンワンミーティングの開催 ・個人投資家向けIR(証券会社共催)の開催 ・海外IRの実施 ・ディスクロージャー誌等の充実 ・「ご意見FAX」による情報開示ニーズ把握

○SRI対応 ・SRI調査協力(SRIファンド組み入れ促進) ・FTSE4Good等のSRIインデックスへの採用

○CS推進体制の強化 ・CS会議、ワーキンググループの定期開催 ・CS推進責任者(CSリーダー)の任命 ・CS活動の評価手法の標準化

○コンプライアンス態勢の維持・強化 ・コンプライアンス会議の設置 ・コンプライアンス統括部署の設置 ・不祥事件防止

○CSマインドの高揚 ・CS研修の開催 ・本部スタッフによるCS全店訪問指導 ・CSニュース発行 ・CSワッペンの着用

○コンプライアンス意識の向上 ・「しずぎんコンプライアンスブック」の配布 ・ベーシック研修の開催 ・コンプライアンスニュース発行

・研修施設の新設

・クールビズ・ウォームビズの実施 ・資源の節約・リサイクル

・財務報告に係る内部統制の評価および監査制度への 対応(金融商品取引法対応)

  期 経 営 計 画

の 向 上

従業員満足(ES)

従業員

株主・市場からの評価の向上

株主

        ス テ ー ク ホ ル ダ ー か ら の 高 い 信 頼 や 強 い 愛 着 の 獲 得 )

( )

・内部通報制度(オピニオンボックス) ・人事相談窓口の設置

FTSE4Goodへの採用証明書

コンプライアンス意識の高揚を図る 営業室内掲出ポスター

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○従業員とのコミュニケーション

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経営機構(コーポレートガバナンス体制)

CSRレポート

企業の社会的責任を 果たすための礎として。 経営管理態勢の強化に取り組み、静岡銀行グループの企業価値の向上を目指します。

コーポレートガバナンス体制

取締役会は取締役10名で構成され、企業理念および倫理憲章をふまえ、経営意思決定、経営監督機能を担う機関として、中期

経営計画、業務計画などの経営戦略やリスク管理およびコンプライアンスにかかる基本方針を決定するとともに、業務執行の監

督を行っています。

静岡銀行では、監査役制度を採用しており、監査役4名のうち弁護士、大学教授の2名を社外監査役として招聘しています。

また、経営の監督と執行を明確に分離するため、会長室を設置し、取締役会長および取締役副会長が執行部門の監督と対外的

活動を、取締役頭取、取締役副頭取以下の取締役に加え取締役会で選任された執行役員(平成20年6月26日現在、執行役員15

名、うち取締役兼務3名)が業務執行を担当する体制としています。業務執行にかかる重要事項については、取締役会の委任を受

け分野ごとに設置された会議体(経営執行会議等)で決定しており、権限と責任を明確化したうえで経営環境の変化に的確かつ

機動的に対応する体制を構築しています。

また、経営の意思決定の客観性を確保する観点から、社外の意見を経営に反映させるべく、頭取の任意の諮問機関として外部

の有識者を中心に構成するアドバイザリーボード(経営諮問委員会)を設置しています。

機関の内容

静岡銀行のコーポレートガバナンス体制図

株主総会

地区カンパニー

国内営業店 ローンセンター

支店サポート部

法人部 個人部

事務サポート部

審査部 企業サポート部

資金証券部 市場国際部

取締役会

会長室

監査部

取締役会長 取締役副会長 代表取締役頭取

代表取締役副頭取(2名) 取締役兼務執行役員(3名) 非常勤取締役(2名)

経営執行会議等※

頭取

監査役会・監査役室 監査役(4名 うち社外監査役2名)

内部監査部門 (取締役会の監督機能を補佐)

経営企画部 経営管理部 リスク統括部

コンプライアンス部

経営統括本部 (経営のスタッフ部門)

営業本部 (業務執行部門)

※経営執行会議、統合リスク・予算管理会議、コンプライアンス会議、審査会議

アドバイザリーボード (経営諮問委員会)

(平成20年6月26日現在)

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内部統制システムの整備に係る基本方針(抜粋) 静岡銀行グループでは、取締役会で定める内部統制システムの整備に係る基本方針に基づき、内部統制システムの整備・強化

に取り組んでいます。

静岡銀行では、本部組織を業務執行(フロント)と企画・管理・監督(ミドル)、内部監査(オーディット)の機能別に明確に区分し、

組織間の相互牽制を強化しています。

また、客観的で実効性のある内部監査を実施するため、内部監査部門である監査部を被監査部門から独立させ、取締役会のも

と、会長室が管轄する体制としています。これにより、内部監査部門の被監査部門に対する独立性や牽制機能を一層強化し、内部

統制の適切性、有効性を検証しています。

また、経営のスタッフ部門である「経営統括本部」には、経営企画・管理を担当する経営企画部・経営管理部のほか、コンプライ

アンス、リスク管理をそれぞれ担当するコンプライアンス部、リスク統括部を設置し、経営統括機能を強化しています。

内部統制システムの整備状況

●静岡銀行グループは企業理念をすべての活動の指針と位置づけ、コンプライアンスの基本方針として倫理憲章を定めており、全役職員がこれを遵守いたします。 ●取締役会は、取締役会規程に基づき運営を行い、業務執行を決するとともに、取締役の職務執行を監督します。取締役は、法令、定款、株主総会決議を遵守し、取締役としての職務を忠実に遂行します。 ●静岡銀行は監査役設置会社であり、監査役は監査役会規程および監査役監査基準に基づき、取締役の職務につき監査します。

1 取締役の職務の執行が法令および定款に適合することを 確保するための体制

●取締役会を定例開催するほか、必要に応じて適宜開催するとともに、取締役会の権限委譲による決定機関として経営執行会議等を設置し、重要な業務執行に関わる事項の審議を行います。 ●執行役員制度を設け、取締役会の決定に基づく業務執行について、各規程に決裁権限と責任の所在を定め、適切かつ有効な内部管理体制の構築と効率的な業務執行を実現します。

4 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制

●取締役および使用人は、必要に応じて監査役に報告を行い、銀行経営に重要な影響を及ぼす情報については遅滞なく報告を行います。

8 取締役および使用人が監査役に報告をするための体制 その他の監査役への報告に関する体制

●監査役会が定めた監査役監査基準に基づき、監査役監査が適正かつ円滑、効果的に行われるような監査環境を整備します。

9 その他監査役の監査が実効的に行われることを確保する ための体制

●静岡銀行グループは、コンプライアンスを経営の最重要課題の一つに位置づけるとともに、すべてのリスク管理の前提として認識し、コンプライアンス態勢の整備・強化を図ります。また、反社会的勢力等との関係遮断は、コンプライアンスに関する重要事項の一つとして認識しています。

5 使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを 確保するための体制

●取締役の職務の執行に係る情報資産の管理は、法令等の定めによるほか、行内規定により適正に行います。

2 取締役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制

●静岡銀行グループはリスク管理体制の強化を経営の最重要課題の一つとして位置づけており、健全性を維持しつつ収益の安定的向上を図ります。

3 損失の危険の管理に関する規程その他の体制

●グループ会社の業務運営は、グループ会社運営規程等に基づいて行い、銀行の常勤監査役がグループ会社の非常勤監査役に就任するとともに、銀行の所管部長等が非常勤取締役に就任し、静岡銀行グループの業務の適正を確保します。 ●内部監査部門は、内部監査で指摘した重要な事項について、遅滞なく代表取締役および取締役会に報告し、内部監査で指摘した事項について、被監査部門における改善状況等を適切に把握する体制を整備します。

6 静岡銀行および子会社からなる企業集団における業務の適正を確保するための体制

●監査役を補助するための機関として監査役室を設置し、監査役の補助業務を行うために必要な専任担当者を配置しており、取締役会、業務執行部門、内部監査部門からの独立性を確保します。

7 監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項、ならびに当該使用人の取締役からの独立性に関する事項

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コンプライアンスって? 「コンプライアンス」とは、一般的に法令や社会ルールなどを遵守することをいいます。企業活動が社会に与える影響の大きさ

を考えたとき、企業に対しても当然コンプライアンスの実践が求められることになります。そこで静岡銀行グループでは、コンプ

ライアンスを「倫理法令遵守」と定め、経営の最重要課題に位置づけ、取り組んでいます。

静岡銀行グループのコンプライアンス・リスク管理体制図

静岡銀行グループでは、地域社会を形成する一員として、法令や社会ルールの遵守はもちろん、豊かな社会常識と公平無私な

心を持って、地域社会と共存しながら発展していくため、コンプライアンスの基本方針として「倫理憲章」を定めています。

基本方針

倫理憲章

私たちは、銀行の持つ社会的責任と公共的使命の重みを常に認識し、 銀行グループとして健全な業務運営を通じて揺るぎない信頼の確立を図ります。 信頼の確保

私たちは、業務遂行にあたって法令・社内の規定を遵守することはもちろん、 誠実・公正を旨として、社会の一員としての規範を全うします。 法令・規定の遵守

私たちは、銀行グループの役職員として 豊かな社会常識と公平無私な心を養い地域社会の発展に貢献します。 豊かな社会常識と公平無私な心

静岡銀行グループは、反社会的組織、公序良俗に反する組織からの不当な要求は 断固として拒否するとともに一切の関係を排除します。 反社会的勢力等との関係遮断

私たちはステークホルダーとのコミュニケーションを活発にし、 相互に協力しあって強固なコンプライアンス体制を構築します。 活発なコミュニケーション

外部監査(監査法人)

監査役会/監査役室

内部監査部門 監査部

資産監査グループ

        

検査グループ

          

業務監査グループ

取締役会

会長室

信用 リスク

リスクの種類 市場 リスク

流動性 リスク

コンプライアンス (倫理法令遵守)

●国内外営業店・本部各部・国内グループ会社・海外現地法人 ●重要な業務委託先

業務執行部署

リスク統括部

リスク統括グループ コンプライアンス部

リスク管理 統括部署

(統合的リスク管理部門)

リスク管理部署 リスク統括グループ オペレーショナルリスクグループ 信用リスク グループ

経営執行会議 コンプライアンス会議 統合リスク・予算管理会議 等

事務 リスク

システム リスク

オペレーショナル・リスク

その他 リスク

リスク管理の有効性検証

リスク資本の

配賦・

モニタリング

リスク管理

方針・

基準の策定

コンプライアンス・リスク管理体制

CSRレポート

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コンプライアンス実現のための具体的な実践計画として、取締役会で毎年度コンプライアンスプログラムを策定しています。

また、頭取を議長に取締役などで構成するコンプライアンス会議を毎月開催し、コンプライアンスにかかる重要事項の審議のほ

か、コンプライアンスプログラムの実施状況を含む銀行グループのコンプライアンス態勢について評価と見直しを行う体制として

います。

銀行グループのコンプライアンス統括部署としてコンプライアンス部コンプライアンスグループを設置し、コンプライアンス関

連情報の一元管理を通じたモニタリングにより、違反の未然防止と態勢の改善に取り組んでいます。同グループにはコンプライ

アンスオフィサーとリスク商品管理担当を配置し、営業店立入調査などを通じて、営業店に対するモニタリングの強化を図って

います。

営業店・本部各部・グループ会社にはそれぞれコンプライアンス責任者と担当者を配置し、日常業務における遵守状況のチェッ

クなどを実施しています。

コンプライアンス運営体制

コンプライアンス重視の企業風土の醸成 全店長会や営業店臨店などの機会をとらえ、取締役が直接コンプライアンスに係る示達を行うなど、経営がコンプライアンスに

積極的に関与することでグループ全体のコンプライアンス意識の高揚を図っています。

このほかにも、以下をはじめとする、コンプライアンス意識の醸成と向上に向けた諸施策を実施しています。

法令や規範についてわかりやすく解説した 「しずぎんコンプライアンスブック」 の全役職員への配布

コンプライアンス実践に向けた 研修や店内勉強会の開催

内部通報制度(オピニオンボックス)の 設置による組織の自浄機能の向上

平成20年度のコンプライアンスプログラムでは、「各人が自ら考え行動するコンプライアンス」の定着化などを基本方針に掲げ、頭で理解していながら行動に結びつかず、結果として発生するコンプライアンス違反の絶無を目指しています。

■■ 考える。行動につなげる。

※電話のほか、文書やeメール、OAパソコンを利用して通報することができます。

コンプライアンス 担当役員

コンプライアンス 統括部署

弁護士 事務所

通報

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リスク管理って? 「リスク管理」とは、経営環境の変化や新たな金融手法の登場など、金融機関における業務内容の多様化、複雑化により発生す

るさまざまなリスクに対し、高度なリスク分析能力に基づき、リスクを分散したうえで、適正な利益の水準を確保することを目的と

して、適切にリスクをコントロールすることです。

静岡銀行グループでは、健全性を維持しつつ収益の安定的向上を図るため、リスク管理体制の強化を経営の最重要課題の一

つとしています。平成19年3月末からは新しい自己資本比率規制であるバーゼルⅡが導入され、金融機関に対してより一層のリ

スク管理の高度化が求められるようになりました。

リスク資本配賦運営 静岡銀行グループでは、「統合的リスク管理」の実効性確保に向け、リスク資本配賦によるリスク管理を導入しています。リスク

資本配賦とは、業務運営にともない市場リスクや信用リスクなどが損失として顕在化した場合でも、損失を自己資本の範囲内に

収めることで債務超過を回避し、業務を継続していくためのリスク管理手法です。

具体的には、中核自己資本(Tier Ⅰ - 税効果相当額)をリスク資本として、取締役会で決定した額を各業務執行部署に配賦し、

各業務執行部署は、最大リスク量が配賦されたリスク資本の範囲内に収まるよう業務運営を行います。最大リスク量は、業務執行

部署から組織的に独立したリスク管理部署が計量化し、さらにリスク管理統括部署がリスク資本の範囲内に収まっているかをモニ

タリングすることで、運営上の客観性・正確性を確保しています。

また、リスク資本配賦にあたっては、中核自己資本の全額を配賦するのではなく、地震などの非常時のリスクに備えて一定の

バッファー資本を確保することで、より健全性の高い運営を目指しています。

静岡銀行グループでは、すべてのリスクに関して、それぞれのリスクカテゴリーごとに評価したリスクを可能な限り総体的に捉

え、リスクを経営体力(自己資本)の範囲内に収める「統合的リスク管理」をリスク管理の基本方針とし、「リスク管理基本規程」に

明確に定めています。

なお、自己資本の管理については「自己資本管理規程」を定め、直面するリスクに見合う十分な自己資本を確保することを基本

方針としています。

基本方針

リスク管理に関する方針や運営体制などを定めた「リスク管理基本規程」のもと、各種リスク(信用リスク、市場リスク、流動性リ

スク、オペレーショナル・リスク)ごとに基本的な手続きを定め、これに基づくリスク管理を行っています。

リスク管理統括部署ならびに各種リスクごとのリスク管理部署が、銀行グループのリスクを組織横断的に分析・評価する体制と

しているほか、さらに被監査部門から独立した監査部が銀行グループにおける業務運営全般の監査を通じて内部管理に対する適

切性や有効性を検証する体制としています。監査においては、リスクの種類や程度に応じて監査の頻度や深度などを考慮したリ

スクベース監査の高度化を図ることで、内部監査の効率性と実効性の確保に努めています。

リスク管理体制

コンプライアンス・リスク管理体制

CSRレポート

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信用リスクとは、倒産や経営の悪化などお取引先の信用状態の低下により、貸出金などの回収が困難になることで、銀行グルー

プが損失を被るリスクをいいます。

静岡銀行グループでは、貸出資産の健全性の維持・向上を図るため、リスク統括部信用リスクグループを信用リスク管理部署と

し、国内外の信用リスク全般の管理を行っています。特に、信用リスク管理の根幹を成す「債務者格付制度」を含む内部格付制度

については、与信部門から機能的に独立したリスク統括部信用リスクグループが制度の「設計」と「運用の監視」を、審査部格付

審査グループが「運用」を、リスク統括部リスク統括グループが制度の適切性の「検証」を行うこととし、これらの3部署による相

互牽制により内部格付制度が適正に機能する体制を構築しています。さらに、信用リスク管理がルールに則って適正に行われて

いるかを、自己査定実施プロセスの検証などを通じて、営業部門・与信部門・リスク管理部門から独立した監査部資産監査グルー

プが監査する体制としています。

また、信用リスクグループは、銀行全体の与信ポートフォリオに内在する信用リスクの状況を統計的手法により計量化し、将来発

生する可能性のあるリスク量を把握するほか、大口与信先や特定の業種への与信集中の状況などをモニタリングし、過度な信用

リスクが発生しないようリスクコントロールを行っています。

信用リスク管理体制

静岡銀行グループでは、企業の信用度を正確に把握し、信用リスク管理を精緻化することを目的に、「債務者格付制度」を導入

しています。この「債務者格付制度」では、客観性維持の観点から定量情報を重視し、企業の財務状況・資金繰りなどの財務デー

タに基づき、債務者を12段階の格付に区分しています。

この債務者格付は、銀行法に基づく「早期是正措置制度」において求められている自己資本比率算出作業の一環として実施さ

れる自己査定の分類作業のベースになっているほか、一般貸倒引当金の算定基準、問題債権の管理基準などに幅広く活用されて

おり、信用リスク管理の根幹を成す指標となっています。

なお、原則としてすべての企業を対象に債務者格付を行い、1年ごとの見直しを通じ企業の実態を把握することで、審査能力の

強化を図っています。

債務者格付制度

信用リスクって?

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市場リスクって? 市場リスクとは、金利や為替、株価などの市場価格の変動により、金融資産の価値が変動し損失を被るリスクをいいます。

バックテスティングの状況(トレーディング業務)

VaR(バリュー・アット・リスク)とは?

VaRとは、平常時において一定期間に被る可能性のある損失額

を統計的に計測するリスク管理方法です。

静岡銀行では、欧州静岡銀行を含め銀行全体の市場リスク量をリスク資本の一定範囲内にコントロールするとともに、リスクに

見合った収益を確保するための管理体制を整備しています。また、その他の主要グループ会社が保有する市場リスクについても

一元的に管理し、銀行グループ全体の市場リスクについて定期的に取締役会に報告しています。

市場リスク管理にあたっては、牽制機能を確保するため、市場取引部門(フロントオフィス)から市場リスク管理部門(ミドルオ

フィス)と事務管理部門(バックオフィス)を厳格に分離しています。

ミドルオフィスは、市場リスク量を計測し管理するとともに、フロントオフィスにおける規程の遵守状況のチェックなどを行いま

す。また、バックオフィスは、フロントオフィスが約定した取引内容をチェックするなど、フロントオフィスに対する牽制機能を発揮し

ています。さらに、この3部門の牽制体制の有効性を、被監査部門から独立した監査部が検証しています。

ミドルオフィスの計測した損益状況やリスク量は、行内ネットワークにより随時経営陣がモニタリングできる体制を整えており、

その他の定期的報告とあわせ市場リスクについての情報把握と経営判断への活用を行っています。

市場リスク管理体制

平常時におけるリスク量を計測するVaRを補完するため、通常の状態では起こりえないような市場の大きな変動を想定したス

トレステストを実施して、毎月の統合リスク・予算管理会議に報告しています。ストレステストでは、あらかじめ想定した変動幅だけ

市場が変化した場合のシナリオと、市場が急変した過去の事例を参考にしたシナリオの2つのシナリオにより、急激な市場変動が

生じた場合の損失額を算出しています。

ストレステスト

VaR計測モデルの精度を検証するため、VaRと実際の損

益を比較するバックテスティングを実施しています。具体的に

は、保有期間1日かつ信頼区間99%のVaRと日々の実際の

損益を比較します。

平成19年度のトレーディング業務のバックテスティング結

果は、グラフの示すとおりとなっています。これにより信頼区

間99%のVaR計測モデルが充分な精度を有していると判断

されます。

バックテスティング

日々の損益

0

0 25 50 75 100

100

(百万円)

50

-50

-100

VaR(保有期間 1日、信頼区間 99%)

※グラフ上の斜めの線よりも下に点がある場合は、  VaRの水準を上回る損失が生じたことを表しています。

コンプライアンス・リスク管理体制

CSRレポート

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流動性リスクって? 流動性リスクには、市場環境の悪化などにより必要な資金が確保できなくなり、資金繰りがつかなくなる場合や、資金の確保に

通常よりも著しく高い金利での調達を余儀なくされることにより損失を被るリスク(資金繰りリスク)と、債券などの金融商品の売

買において、市場の混乱などにより取引ができなかったり、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることにより損

失を被るリスク(市場流動性リスク)があります。

資金繰りリスクについては、日次、週次、月次における資金繰り管理部署を定め、海外支店を含めて管理しています。さらに、不

測の事態に備え市場部門、国内営業店ごとに4段階の非常時を設定し、各々の局面において権限者、事務局、対応策を定め、速や

かに対処できるようにしています。

市場流動性リスクについては、商品ごと、および期間別にポジション枠を設定し管理しています。ポジション枠は市場規模などを

勘案し、半期ごとに見直しを行っています。

なお、流動性リスク管理がルールに則って適正に行われているかについて、被監査部門から独立した監査部が検証しています。

流動性リスク管理体制

オペレーショナル・リスクって? オペレーショナル・リスクとは、銀行グループにおける各業務の過程、役職員の活動もしくはシステムが不適切であること(内部

要因)、または外的な事象(外部要因)による損失など、銀行グループのオペレーション(業務)に関する幅広いリスクを意味します。

静岡銀行グループでは、オペレーショナル・リスクを8つのリスクカテゴリーに分類しています。

お客さまの情報や銀行グループの機密情報の管理を適切に行っていないために発生する情報漏えいなどの発生リスク(情報管理リスク)と、銀行グループ業務を外部委託している場合に委託先で発生した事故(システム障害・情報漏えいなど)により損失を被るリスク(業務委託リスク)をいいます。

各種銀行グループ取引にともなって発生する事務を適切に処理しない、または事務そのものの仕組みが不適切であったために生じる事故により損失を被るリスクや、外部者による窃盗や詐欺などの被害にあうことにより損失を被るリスクをいいます。

災害、機器・通信回線の故障、プログラムの不備などによりコンピューターシステムが停止または誤作動した場合に損失を被るリスクや、コンピューターの不正使用、サイバー攻撃などにより情報が破壊された場合に損失を被るリスクをいいます。

銀行グループの役職員による法令違反行為、意図的な内部規則違反行為の発生により損失を被るリスクや、不適切な契約の締結、または訴訟への対応により損失を被るリスクをいいます。

地震、台風などの自然災害、テロ等の人為的災害などにより銀行グループの有形資産(建物など)が毀損するリスクや、交通事故など銀行グループの有形資産(自動車など)が他に及ぼす影響により損失を被るリスクをいいます。

銀行グループの人事、労務、および安全衛生環境の問題が発生すること、役職員の業務上の不法行為により銀行グループが使用者責任を問われること、および人事に関連する訴訟への対応により損失を被るリスクをいいます。

事実と異なる風説、風評により評判が悪化すること、および銀行グループの不適切な業務運営などにより信頼が低下することにより損失を被るリスクをいいます。

上記のいずれにも属さないオペレーショナル・リスクをいいます。

オペレーショナル・リスクのリスクカテゴリー

事務リスク

システムリスク

情報管理・業務委託リスク

リーガルリスク

有形資産リスク

人的リスク

風評リスク

その他のリスク

リスクの定義

1

2

3

4

5

6

7

8

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充実した自己資本 バーゼル銀行監督委員会が定めた算式に基づく自己資本比率(BIS国際統一基準による自己資本比率)は、銀行経営の健全性や

信用度を表す重要な指標とされ、静岡銀行のように海外に営業拠点を有する銀行は8%以上を確保することが求められています。

平成19年3月末から導入された新しい自己資本比率規制であるバーゼルⅡでは、自己資本比率の算出方法について、リスクの

状況や管理手法に応じて銀行が選択することになりました。静岡銀行では、業務や取引の多様化に対応したリスク管理の高度化

に取り組み、より高度な算出手法の採用を目指して行内体制の整備を進めています。

静岡銀行グループでは、事務リスク管理の基本方針などを「事務リスク管理規程」に定め、事務規定に則った厳正な事務処理を

図るとともに、発生した事務事故については、リスクの高い事故事象から優先的に再発防止策の検討・実施・モニタリングを行うこ

とにより事務リスクの低減を図っています。また、業務の多様化や取引量の増加に適切に対応し、想定される事務リスクを回避す

るために、機械化やシステム化などのBPRによる業務の効率化、営業店事務の集中処理部署への集中化などを進めています。

事務リスク管理

リスクカテゴリーごとに各リスク所管部署が専門的な立場からそれぞれのリスク管理を行い、リスク統括部オペレーショナルリ

スクグループが銀行グループのオペレーショナル・リスク管理部署として、オペレーショナル・リスク全体の一元的な把握・管理を

実施しています。また、オペレーショナル・リスク管理の基本方針に基づき、内部損失データの収集・分析、リスクコントロールセ

ルフアセスメントの実施など、オペレーショナル・リスクを適切に、特定、評価、把握、モニタリング、削減するための管理体制の強

化に取り組んでいます。これらのリスク管理体制は、被監査部門から独立した監査部が立入検査などを通じて有効性を検証する

体制としています。

オペレーショナル・リスクのなかでも代表的な事務リスク、システムリスクの管理体制はつぎのとおりです。

オペレーショナル・リスク管理体制

静岡銀行グループでは、コンピューターシステムを情報資産の一つに位置づけ、システムリスクに対する取り組み方針などを

「情報資産の安全対策に関する基本方針(セキュリティポリシー)」に定めるとともに、「情報資産の安全対策基準(セキュリティス

タンダード)」に基づく各種安全対策の実施により、コンピューターシステムを安全かつ確実に運用しています。

システムリスク管理

静岡銀行のコンピューターシステムの開発・運用・保守・管理などを主な事業とする静岡コンピューター

サービス株式会社では、情報保護に対する意識、社会的責任が高まるなか、平成20年3月、情報セキュリ

ティマネジメントシステムの国際規格である「ISO27001」の認証を取得しました。

「ISO27001」の認証取得

公共性の高い金融機関として。 「健全経営」を基本に、高い信頼性を維持しています。

「ISO27001」とは?

情報の機密性、完全性、可用性を組織的に管理し確保することにより、改ざん、紛失、漏洩、盗難等のリスクから情報

を保護する「情報セキュリティマネジメントシステム」に関する国際規格です。

コンプライアンス・リスク管理体制/健全な財務状況

CSRレポート

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BIS自己資本比率の算出式

バーゼルⅡ採用手法

平成20年3月末時点の新基準による自己資本比率(連結ベース)は、14.70%(基本的項目であるTier Ⅰ 比率は13.42%)、

Tier Ⅰ から税効果相当額を控除した中核自己資本比率でも12.63%と、海外に営業拠点を有する銀行の基準とされる8%を十

分にクリアしています。

BIS自己資本比率

BIS自己資本比率の推移(連結ベース) BIS自己資本比率の比較(連結ベース)

信用リスク・アセットの額 + マーケット・リスク相当額 × 12.5 + オペレーショナル・リスク相当額 × 12.5

Tier Ⅰ [資本勘定を主とした基本的項目]

Tier Ⅱ [有価証券評価損益の45%などの補完的項目]

Tier Ⅲ [準補完的項目]

BIS 国際統一基準 による

自己資本比率 × 100%

+ 控除項目 - =

(注1)地銀平均は国際統一基準行速報値の平均 (注2)( )内はTier Ⅰ 比率 (注3)平成19年3月末、平成20年3月末の比率は新基準(バーゼルⅡ)で算出した数値

地銀平均

11.82

11.97

12.09

12.73

12.48

平成16年3月末

平成17年3月末

平成18年3月末

平成19年3月末

平成20年3月末

静岡銀行

13.60(11.27)

13.53(11.38)

13.64(10.69)

14.55(12.16)

14.70(13.42)

(注)平成19年3月末、平成20年3月末の比率は新基準(バーゼルⅡ)で算出した数値

16/3末 17/3末 18/3末 19/3末 20/3末

15

8

9

10

11

12

13

14

(%)

(単位 : %)

BIS基準

地銀平均

静岡銀行

内部格付手法においては、事業法人等向けの与信は個社別に行内の債務者格付を付与して信用リスクアセット額を算出し、小口貸出先や住宅ローンなどはリスク特性に応じてプール区分を行い信用リスクアセット額を算出します。 粗利益配分手法では、オペレーショナル・リスク相当額の適切な算出に加え、オペレーショナル・リスクを特定、評価、把握、管理、削減するための体制整備など、適切なオペレーショナル・リスク管理体制の整備が求められます。

※1. ※2.

外部格付に対応したリスク・ウェイト等、監督当局が設定したリスク・ウェイトを使用して信用リスク・アセットの額を算出

標準的手法

事業法人等のデフォルト時損失率については監督当局の設定値を使用し、それ以外のパラメータ(デフォルト率等)については自行の実績データを基にした銀行独自の推計値を使用して信用リスク・アセットの額を算出

基礎的内部格付手法 ※1

● 信用リスク

すべてのパラメータについて自行の実績データを基にした銀行独自の推計値を使用して信用リスク・アセットの額を算出

先進的内部格付手法

粗利益に監督当局の設定した一定の掛目を乗じてオペレーショナル・リスク相当額を算出

金融庁の告示であらかじめ定められた計算方式 内部のリスク管理に用いているVaR(バリュー・アット・リスク)に基づくモデル (一定の定性的・定量的基準を満たしているもの)を利用する方式

基礎的手法

銀行グループの業務を8つに区分し、それぞれの粗利益に監督当局が設定した掛目を乗じた合算値からオペレーショナル・リスク相当額を算出

粗利益配分手法 ※2

● オペレーショナル・リスク

実際に発生したオペレーショナル・リスク損失額等を基に、銀行内部で構築したモデルによりオペレーショナル・リスク相当額を算出

先進的計測手法

標準的方式

● マーケットリスク

内部モデル方式

静岡銀行採用手法

静岡銀行採用手法

静岡銀行採用手法

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短期格付

高水準の格付 静岡銀行では、海外3社、国内1社の格付機関から国内金融機関のなかでも高水準の格付を取得しています。平成19年5月に

ムーディーズ社による長期格付が「Aa3」に引き上げとなったほか、平成19年12月にはスタンダード&プアーズ社による長期格

付および短期格付がそれぞれ「AA-(安定的)」「A-1+」に引き上げられ、邦銀のなかで最高水準となりました。

格付とは?

格付とは、「企業などが発行する債券の元本と

利息が、あらかじめ定められた条件どおりに支

払われる確実性」をアルファベットや数字など

で示した国際的な指標です。銀行の場合、預金

の元本と利息が確実に支払われるかどうかを

表しており、銀行の信用度や安全性を示す指標

として利用されています。

静岡銀行の格付取得状況 平成20年6月1日現在

AA-(安定的)

Aa3

AA

※銀行基礎信用力格付

A-1+

P-1

F1

  B+ ※

C+

B

財務格付

長期格付

ス タ ン ダ ー ド & プ ア ー ズ

ム ー デ ィ ー ズ

フ ィ ッ チ

格 付 投 資 情 報 セ ン タ ー

■■ 格付の種類

発行から最終期限までが1年を超える預金・債券などを対象とする格付です 長 期 格 付

発行から最終期限までが1年以内の預金・債券などを対象とする格付です 短 期 格 付

企業などの財務内容そのものに注目した格付です 財 務 格 付

健全な財務状況

CSRレポート

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健全な資産内容 地域産業における業種の多様性に加え、堅実経営の企業が多いことにも支えられ、静岡銀行は不良債権の発生を最小限に止

め、資産の健全性を維持しています。

企業に対する経営改善支援などによる不良債権の新規発生の抑制のほか、事業再生や不良債権のオフバランス化に注力した

結果、平成20年3月末のリスク管理債権残高は1,954億円、総貸出金残高に占める割合は3.3%となりました。また、部分直接

償却を実施した場合の償却額および信用保証協会の保証付貸出金を控除した場合の実質的なリスク管理債権残高は924億円

となり、部分直接償却額を控除した総貸出金に占める比率は1.6%となりました。

与信費用についても、担保・保証などによる保全率が高いことから、引き続き低い水準にコントロールされています。

不良債権に対する引当としては、「破綻先」および「実質破綻先」については、債権額から担保などによる回収可能見込額を控

除した全額を、「破綻懸念先」については、債権額から担保などによる回収可能見込額を控除した金額に対し、過去の貸倒実績率

に基づく予想損失率を乗じて算出した金額について貸倒引当金を計上しています。また「要注意先のうち要管理先」についても

予想損失率に基づく貸倒引当金を計上し、適切な不良債権の処理を実施しています。

(平成20年3月31日現在)

リスク管理債権 (単位 : 億円) (単位 : 億円)

リスク管理債権の内訳 実質的なリスク管理債権

与信費用

(※1)リスク管理債権比率 = リスク管理債権残高 ÷ 総貸出金残高 (※2)実質的なリスク管理債権比率 = (リスク管理債権残高 - うち信用保証協会保証付貸出金    -部分直接償却額) ÷ (総貸出金残高 - 部分直接償却額)

(※3)不良債権処理額 =個別貸倒引当金純繰入額 + 貸出金償却 + その他債権売却損等 (※4)与信費用比率 = 与信費用 ÷ 貸出金平残

破綻先債権

担保不動産の早期処分や債権売却などによる オフバランス化を推進

グループ会社などとの連携により 一定の時間をかけつつも企業再生や事業再生に取り組む

92億円(4.7%)

延滞あり[ 不稼働資産 ] 27% 73% 延滞なし[ 稼働資産 ]

資産の健全性の維持 地域経済の活性化

1,954億円

3カ月以上延滞・ 貸出条件緩和債権 (要管理先)

283億円(14.5%)

延滞債権 (破綻懸念先・実質破綻先)

1,578億円(80.8%)

部分直接償却額

▲ 138億円

リスク管理債権

1,954億円

実質的なリスク管理債権

924億円

信用保証協会保証付貸出金

▲ 891億円

不良債権

リスク管理債権残高

リスク管理債権比率 (※1)

実質的なリスク管理債権比率 (※2)

2,194

4.1%

2.2%

1,967

3.5%

1.7%

1,954

3.3%

1.6%

18/3末 19/3末 20/3末 17年度 18年度 19年度

77

△2

75

0.13%

52

△12

39

0.07 %

21

25

46

0.09%

不良債権処理額 (※3)

一般貸倒引当金純繰入額

特定海外債権引当勘定繰入額

貸倒引当金取崩額

与信費用( ① + ② + ③ - ④)

与信費用比率 (※4)