1. y x - sits_math/visible...x が、関数のグラフにどのように表れる...
Post on 23-Jun-2020
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見える微分 (マニュアル)
∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣
このソフトは ‘微分’を視覚的に納得してもらうために作りました。
具体的には微分係数dy
dxと平均変化率
∆y
∆xが、関数のグラフにどのように表れる
かを見、またその数値を比較して微分可能性を実感して貰います。
ちなみに微分係数は
dy
dx= lim
∆x→0
∆y
∆x
で定義されます。
ここで取り上げた三つの関数については、平均変化率
∆y
∆x=
y(x+∆x)− y(x)
∆x
と接線の傾きの
差=∆y
∆x− dy
dx
が、微分可能性の意味を実感させます。
もちろん、有限回の操作で収束を ‘証明’することはできません。
しかし、この三つの関数は、
「なめらかさ」& (ある種の)「単調性」
からそれを実感できるはずです。
とりあえず、動かしてみましょう。
∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣∣—目次—
1.二次関数 ソフト『y = x2』 2
2.指数関数 ソフト『y = ax』 5
3.三角関数 ソフト『x2 + y2 = 1』 9
1
1.二次関数 ソフト『y = x2』
図 1: 初期画面と設定画面
;接点Aのx座標⇐= x変更
;二点APのx座標の差⇐= ∆x変更
⇐= |∆x|漸減(点 Pが点Aに近づく)
;漸近の方向
;直線APの傾き
;接線の傾き(∆y
∆x− dy
dx
);傾きの差
⇐=初期画面
⇐=ソフト終了
最初にソフト『y = x2』を立ち上げたときの画面が左図で、そこにある設定画面を拡大した
のが右図です。
左
初期画面 設定;x = 1, ∆x = 0.5
動点P(1.5, 2.25) 接点A(1, 1)
∆y
∆x= 2.5 >
dy
dx= 2 差= 0.5
白い垂直の線分で直線APの傾き∆y
∆xを示します。
赤い垂直の線分で接線の傾きdy
dxを示します。
文中ではソフトで表示される数値にアンダーラインを引いてあります。なお微分係数を定義
するための途中式∆x, ∆y,∆y
∆x,dy
dxの値は重要な役割を果たします。特に
差=∆y
∆x− dy
dx
は、微分可能性を判断するための重要な値です。それらの意味や計算例は “見える微分”に
のっていますので参考にしてください。
2
A ← P
図 2: 『近づく』ボタン
左
『近づく』3回 設定;x = 1, ∆x = 0.2
動点 P(1.2, 1.44) 接点A(1, 1)
∆y
∆x= 2.2 >
dy
dx= 2 差= 0.2
『近づく』ボタンを押すと |∆x|が漸減して 0に近づきます。ただし漸減量は途中から確率的
に選ぶので、試行のたびに数値が変わります。
右
さらに『近づく』 設定;x = 1, ∆x = + E− 7
接点A(1, 1)
∆y
∆x= 2.000 >
dy
dx= 2 差= + E− 7
『近づく』ボタンを押すたびに、設定画面に「漸近のようす」が、記号『←,→,↑,↓』で表
示されます。たとえば、図 2.ではともに
『A ← P』で点 Pが右から点Aに漸近し
∆y
∆x↓で単調に減少しながら
dy
dxに収束
しています。
3
P → A
図 3: ∆x 変更
上から二番目の [変更]ボタンで∆xを−0.5に変えると点Pの位置が点Aの左に移ります。
左
∆x 変更 設定;x = 1, ∆x = −0.5
動点 P(0.5, 0.25) 接点A(1, 1)
∆y
∆x= 1.5 <
dy
dx= 2 差= −0.5
右
さらに『近づく』 設定;x = 1, ∆x = − E− 7
接点A(1, 1)
∆y
∆x= 1.999 <
dy
dx= 2 差= − E− 7
図 3.では
『P→ A』;点 Pが左から点Aに漸近し
∆y
∆x↑で単調に増加しながら
dy
dxに収束
しています。
差= ± E− 7 について
先頭の符号『±』は差の符号を示しています。また E−7は∆y
∆xと
dy
dxの差の絶対値が
0.0000001
以下であることを示しています。
4
2.指数関数 ソフト『y = ax』
図 4: 初期画面と設定画面
;指数関数の底 a⇐=左;底変更 右;底= eに変更
;接点Aのx座標⇐=接点変更
;二点APのx座標の差⇐= ∆x変更
⇐= |∆x|漸減(点 Pが点Aに近づく)
;漸近の方向;直線APの傾き;接線の傾き;傾きの差
(∆y
∆x− dy
dx
)⇐=初期画面⇐=ソフト終了
左がソフト『y = ax』を立ち上げたときの画面で、そこにある設定画面を拡大したのが右です。
左
初期画面 設定;底 a = 2, 接点x = 0, ∆x = 0.5
動点P(0.5, 1.414) 接点A(0, 1)
∆y
∆x= 0.828 >
dy
dx= 0.693 差= 0.135
初期設定では底 aが 2、接点が y切片A(0, 1)となっています。
このときdy
dx= loge(2) = 0.693 · · · となります。
まず二次関数のときと同じように、PをAの右から近づけてみましょう。
指数関数は、底が 2であっても 4であっても1
2であっても、あるいは、自然対数の底 eであっ
ても、関数自身の微分可能性について論理的に同じです。 → “指数関数をよみ直す”と “微分
可能性について”(準備中)参照
5
A ← P
図 5: 『近づく』ボタン
左
『近づく』3回 設定;底 = 2, 接点x = 0, ∆x = 0.2
動点 P(0.2, 1.148) 接点A(0, 1)
∆y
∆x= 0.743 >
dy
dx= 0.693 差= 0.050
右
さらに『近づく』 設定;底 = 2, 接点x = 0, ∆x = + E− 6
接点A(0, 1)
∆y
∆x>
dy
dx= 0.693 差= + E− 7
図 5.ではともに
『A ← P』で点 Pが右から点Aに漸近し
∆y
∆x↓で単調に減少しながら
dy
dxに収束
しています。
図 5.は二次関数の図 2.と同じ近づき方です。
6
P → A
図 6: ∆x 変更
上から三番目の [変更]ボタンで∆xを−0.5に変え、点Pを点Aの左に移しました。
左
∆x 変更 設定;底 = 2, 接点x = 0, ∆x = −0.5
動点 P(−0.5, 0.707) 接点A(0, 1)
∆y
∆x= 0.585 <
dy
dx= 0.693 差= −0.10
右
さらに『近づく』 設定;底 = 2, 接点x = 0, ∆x = − E− 6
動点 P(−0.5, 0.707) 接点A(0, 1)
∆y
∆x<
dy
dx= 0.693 差= − E− 7
図 6.では
『P→ A』;点 Pが左から点Aに漸近し
∆y
∆x↑で単調に増加しながら
dy
dxに収束
しています。
図 6.は二次関数の図 3.と同じ近づき方です。
7
底変更
図 7: 底変更
一番上左の [変更]ボタンで底を 4に変えました。
左
底 4 設定;底 = 4, 接点x = 0, ∆x = 0.5
動点 P(0.5, 2) 接点A(0, 1)
∆y
∆x= 2 >
dy
dx= 1.386 差= 0.613
このとき正確にはdy
dx= loge(4) = 2 loge(2) = 1.386 · · · です。
同じ [変更]ボタンで底を1
2に変えました。
中
底1
2設定;底 = 0.5, 接点x = 0, ∆x = 0.5
動点 P(0.5, 0.707) 接点A(0, 1)
∆y
∆x= −0.58 >
dy
dx= −0.693 差= 0.107
このとき正確にはdy
dx= loge(0.5) = − loge(2) = −0.693 · · · です。
一番上右の『底 e』ボタンで底を eに変えました。
右
底 e 設定;底 = e, 接点x = 0, ∆x = 0.5
動点 P(0.5, 1.648) 接点A(0, 1)
∆y
∆x= 1.297 >
dy
dx= 1 差= 0.297
このとき正確にはdy
dx= 1です。
8
3.三角関数 ソフト『x2 + y2 = 1』
図 8: x2 + y2 = 1
;接点Aの角 t⇐= t変更
;二点APの角の差⇐= ∆t変更⇐= |∆t|漸減
;漸近の方向
;横方向の変化率
;縦方向の変化率
⇐=初期画面⇐=ソフト終了
最初にソフト『x2 + y2 = 1』を立ち上げたときの画面が左図で、そこにある設定画面を拡大
したのが右図です。
左
初期画面 設定;t = 0.6, ∆t = 0.3
動点 P(0.621, 0.783) 接点A(0.825, 0.564)
∆x
∆t= −0.679 <
dx
dt= −0.564 差= −0.114
∆y
∆t= 0.728 <
dy
dt= 0.825 差= −0.096
ソフトで描かれている円は、原点が中心半径 1の単位円です。ですから
A= (cos(t), sin(t)), P= (cos(t+∆t), sin(t+∆t))
となり
∆x
∆t=
(cos(t+∆t)− cos(t)
∆t
∆y
∆t=
(sin(t+∆t)− sin(t)
∆t
です。さらに∆t −→ 0で収束した値から
dx
dt=
d
dtcos(t) = − sin(t),
dy
dt=
d
dtsin(t) = cos(t)
となることがわかります。
9
P時計→ A
図 9: 『近づく』ボタン
左
『近づく』を 2回 設定;t = 0.6, ∆t = 0.1
動点 P(0.764, 0.644) 接点A(0.825, 0.564)
∆x
∆t= −0.604 <
dx
dt= −0.564 差= −0.040
∆y
∆t= 0.795 <
dy
dt= 0.825 差= −0.029
右
さらに『近づく』 設定;t = 0.6, ∆t = +E−6
接点A(0.825, 0.564)
∆x
∆t<
dx
dt= −0.564 差= −E−6
∆y
∆t<
dy
dt= 0.825 差= −E−7
図 9.では
『P時計→ A』;点 Pが時計回りに点Aに漸近し
∆x
∆t↑,
∆y
∆t↑で単調に増加しながら、それぞれ
dx
dt,
dy
dtに
収束しています。
10
A反時計← P
図 10: ∆t 変更
上から三番目の [変更]ボタンで∆tを−0.3に変え、点Pを点Aの右に移しました。
左
∆t 変更 設定;t = 0.6, ∆t = −0.3
動点 P(0.955, 0.295) 接点A(0.825, 0.564)
∆x
∆t= −0.433 >
dx
dt= −0.564 差= 0.131
∆y
∆t= 0.897 >
dy
dt= 0.825 差= 0.071
右
さらに『近づく』 設定;t = 0.6, ∆t = −E−6
接点A(0.825, 0.564)
∆x
∆t>
dx
dt= −0.564 差= +E−6
∆y
∆t>
dy
dt= 0.825 差= +E−7
図 10.では
『A ←反時計 P』;点 Pが反時計回りに点Aに漸近し
∆x
∆t↓,
∆y
∆t↓で単調に減少しながらそれぞれ
dx
dt,
dy
dtに
収束しています。
11
PI(π)モード
図 11: x2 + y2 = 1
一番上の変更ボタンを押して『PI モード』を ON にしてから
9 を入力すると t =π
12× 9 =
3π
4となります。
左
設定;t =3π
4設定;t =
3π
4, ∆t = 0.3
動点 P(−0.884, 0.466) 接点A(−0.707, 0.707)
∆x
∆t= −0.591 >
dx
dt= −0.707 差= 0.115
∆y
∆t= −0.801 <
dy
dt= −0.707 差= −0.094
右
さらに『近づく』 設定;t =3π
4, ∆t = +E−6
接点A(−0.707, 0.707)
∆x
∆t>
dx
dt= −0.707 差= +E−7
∆y
∆t<
dy
dt= −0.707 差= −E−7
図 11.では
『P時計→ A』;点 Pが時計回りに点Aに漸近し
∆x
∆t↓と単調に減少しながら
dx
dtに収束し、
∆y
∆t↑で単調に増加しながら
dy
dtに収束しています。
12
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