子どもは未来をつかみたい2nd)annual...子どもは未来をつかみたい...

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子どもは未来をつかみたい 『ぼくはどこへ行くの?』(2004年4月出版)より 絵:やべみつのり 2003年度 年次報告書 2003年7月1日-2004年6月30日 2004年度 年次計画書 特定非営利活動法人 ラオスこども 目次 2003年度 事業報告 この1年 ……………………… 1 出版プロジェクト ……………… 2 読書推進運動 ………………… 3 子ども文化センター …………… 5 国内事業 ……………………… 6 組織運営 ……………………… 7 2003年度 会計報告 …………… 9 2004年度 事業計画 …………… 10 2004年度 収支予算 …………… 12 2004-2006中期三か年計画 ……… 13

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子どもは未来をつかみたい

『ぼくはどこへ行くの?』(2004年4月出版)より 絵:やべみつのり

2003年度 年次報告書2003年7月1日-2004年6月30日

2004年度 年次計画書

特定非営利活動法人 ラオスのこども

目次

2003年度 事業報告

この1年 ……………………… 1

出版プロジェクト ……………… 2

読書推進運動 ………………… 3

子ども文化センター …………… 5

国内事業 ……………………… 6

組織運営 ……………………… 7

2003年度 会計報告 …………… 9

2004年度 事業計画 …………… 10

2004年度 収支予算 …………… 12

2004-2006中期三か年計画 ……… 13

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1

ASPBラオスの子どもに絵本を送る会から、特定非営

利活動法人ラオスのこどもへ。任意団体から法人へ。

私たちにとり、この一年は、識字分野を中心とした

「絵本を送る会」から、今のラオスのこどもが抱える問題

を包括的に考えていく組織への脱皮の年でした。さら

に、計画とルールに基づく組織運営へと、転換を図る

年でもありました。

またJICAとの開発パートナー事業の開始に伴う、膨

大な事務量の増加に振り回された一年でもありました。

開発パートナー事業の内容自体は、これまで積み重

ねてきた事業を統合し発展させたものですが、事務量

はかなり増えました。特に文書としてまとめ、報告する

業務が増え、なかなか新しい仕事に取り組む余裕がで

きませんでした。

そのような状況の中、ボランティアの活躍が今年も目

立ちました。国内イベントは昨年に引き続き、ボランティ

ア主導で実施することが多く、新しい参加者も目立ちま

した。法人化の中で確認された、開かれた組織として

運営を行っていく方針から、会の運営の基本である中

期計画の評価、新計画策定のための2回にわたる合宿

にも、多くの参加者があり、状況の共有化と様々な意

見の反映ができました。

ラオスからの情報量も大変増えた年でした。10年ぶ

りに日本人スタッフをヴィエンチャン事務所に駐在させ

ることにより、業務報告を超えて「ラオスの今」がよりきめ

細かく東京に伝わるようになりました。さらに、ラオス事

務所の充実により、ラオスでの資金調達が、昨年に引

き続き増加していることも、特記されます。

もう一つ加えるべきことは、ラオス社会の変化がど

んどん早く、激しくなっていることです。社会の開放

が進み、農村部と都市部では生活環境が大きく違う

ようになってきています。ラオスのこどもたちの問題

も、かつての「教育に触れることができない」という、

農村型の構造から、都市部を中心に、「非行」「学校

を出ても仕事が無い」など都市型の問題をも含むも

のに変化しています。

「ラオスのこども」への名称変更と時を同じくして、私

たちは、こうした子どもの問題の変化にどう対応するの

かを問われ始めたのです。

今年6月の合宿では、「現地化とは何か?」が討議さ

れました。私たちは、いつまで支援をおこなうのか。次

期中期計画を策定する中で、現地化、プロジェクトの

終わりをどのようにイメージにするか、などが話しあわれ

ました。

本年度の事業計画では、「ラオスでは、ラオス人主

体の持続的な事業運営に向け、プロジェクト運営、資

金調達の現地化のため、人材の能力向上、運営主体

の強化をめざします。」とうたっています。この一言一言

を、観念としてでなく、具体として組み立ててゆかねば

なりません。話し合いで、次の次(第4次中期計画)、あ

るいはその次の第5中期計画の中で、結果が明らかに

なるような計画の立て方にするという合意がなされまし

た。第3次中期計画では、資金調達、プロジェクト運

営、組織運営の現地化に向けて、どのようなステップを

積み上げてゆくのか、指標を明確にすることで、これま

でより詳細な計画案を作成しました。

各頁の写真解説

P. 2 03年の紙芝居コンクール子どもの部最優秀作

品 『だれの仕事?』原画

P. 3 学校図書室の開設式に集まった生徒たち(03

年12月 ルアンパバン民族学校)

P. 4 教員養成校の読書推進セミナーで絵本につい

て話す講師

P. 5 ルアンパバン子ども文化センターの踊りの教室

P. 6 ラオス語絵本プロジェクトに取り組むボランティア

P. 8 ラオス事務所でのスタッフミーティングの様子

P.12 ラオス事務所スタッフの面々(右からブアカオ、

ヴィライポーン、バンオーン、ボーケオ、スッター、

チャンシー、所長のソンペット)

この一年 事務局長:野口朝夫

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2

この1年

●出版委員会は5人体制に。内1名は専従

●絵本は計画より多く、9作品52,900冊を出版

●03年の絵本コンクール入選作を出版

●環境教育の絵本が完成

●通算100作・総部数約50万冊となる

●紙芝居は4作品を出版

■出版委員会

今ラオスの子どもたちに必要な本は何かを考え、作品

の選定、編集、出版を手がける委員会です。2000年に

活動を始めて以来、出版作品の多様性が増し、企画

から印刷までの時間が短縮され、年間に出版タイトル

が増えるといった成果が出ています。

出版方針

これまでは、どのような分野の本をどの程度出版するか

といった方針はなく、事前に会の事業計画との調整が

できていませんでした。今年度は、次期中期三か年計

画策定へ向けて、次のような目標を設定しました。

・年間8作品を出版する。

・読者の年齢層を意識した本づくりを行う。

・コミックなど、娯楽性のある本の出版を準備する。

・質の高い翻訳図書を出版する。

タイ研修(JICA開発パートナー事業) 8月

隣国タイの子どもの本づくりから学ぶため、6日間の研

修を行いました。出版委員会メンバー3名、挿絵画家、

当会スタッフの計5名が参加。タイの出版関係者たちと

話しあう中で、タイでも質の高い子どもの本の出版は困

難であること、その中で高い理想を求め続ける作り手た

ちから大きな刺激を受けました。

増員と準専従化

委員会メンバーは、これまでのドゥアンドゥアンさん、ブ

ンタンさん、オートーンさん(いずれも作家)に加え、6

月から情報文化省出版局職員のカビンさん、作家のブ

ンルートさんの2名が加わり、計5名となりました。ブン

ルートさんは委員会の準専従としてラオス事務所に勤

務し、今後の出版業務を担当します。

■出版作品(作品名/著者/出版部数/主な支援者)

絵 本

創作

『みずのぼうけん』 幸路春人(文・絵) パリマ(訳)

5200部 ミクプラニング

『お空にいちばん近い森』 山本芳法(文) 岩崎かす

み(絵) パリマ(訳) 5200部 ミクプランニング

『孤児とその妻』 ドゥアンドゥアン(文) ヴォンサヴァン(絵)

5000部 JICA

『ぼくはどこへいくの?』 やべみつのり(絵と文) 森

透(文) チャンタソン(訳) 13500部 ラオスに環境

の絵本を送る会 東京都民間国際事業助成金

絵本コンクール入選作

『マニュイとチャンタイ』 シーナイ(文) カムソン(絵) 5000部

JICA

『薬草売り』 (民話短編集) マニボーン他2名(文)

ドゥアンパチャン他2名(絵) 5000部 沖電気工業

再版絵本

文字絵本『なんのどうぶつ?』1 ドゥアンドゥアン(文) ケオ

他6名 (絵) 6000部 日本国際協力財団

文字絵本『なんのどうぶつ?』2 ドゥアンドゥアン(文) ケオ

他6名 (絵) 6000部 日本国際協力財団

翻訳絵本

『おやゆび小僧』 ペロー(文) シッコー(絵と訳) 1000部

フランス語協力センター 自己資金

紙芝居

紙芝居コンクール入賞作品

『だれの仕事?』 セーンチャン(文・絵) 1000部

キッコーマン 連合

『誰の穴かな』 コンサワン(文・絵) 1000部 キヤノン

保健衛生教材(出版委員会メンバーが編集協力)

『きたない水』 ロングマンの翻訳版 ティンカム(絵) 300部

自己資金

『チョーおじさんの子育て』 ロングマンの翻訳版

スッサダー(絵) 300部 自己資金

出版プロジェクト

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この1年

●JICAとの開発パートナー事業が本格化

●図書箱・図書袋の配付は計画通り実行

●読書推進運動の自立を目指し、人材育成を継続

●ラオス各機関が積極的に協力態勢を整備

●増大する図書補充対象への対応が課題

本を読む環境の整備

■図書箱・図書袋の配付(開発パートナー事業)

2005年11月までの3年間の開発パートナー事業の

折り返し点にあたる今年度は、計画通りに以下の事

業を実施することができました。

図書の配付(新規)

図書箱 270箱、図書袋 180袋を製作。セコン、ボーケ

オ、カンムワン、ヴィエンチャンの各県およびヴィエ

ンチャン都の計5ヶ所で各3日間の配付セミナーを行

い、360校の小学校に図書を配付しました(図書袋は1

校につき2袋ずつ配付)。

図書の補充

これまでに図書箱、図書袋を配付済の354校を対象に、

カンムワン、ヴィエンチャン、チャンパサック、フアパン

の各県およびヴィエンチャン都の5か所で各2~3

日間のフォローアップセミナーを実施し、図書の補充

を行いました。

利用状況調査

図書の補充の際、教育指導官、校長、図書担当教員

へのインタビューを通して、読書推進活動の実施状

況や現場での問題点などを把握。図書配付によっ

て子ども、教員、地域住民にどのような変化があった

かを聞き取り調査しました。

■開発パートナー事業中間評価(2004年5月)

中間評価は、プロジェクトの進捗状況を確認し、問題

点を洗い出し、後半の活動につなげることが目的で

す。本会とJICAと共同で、ヴィエンチャン県、カンムア

ン県の4郡の教育局および学校6校で実地調査を行

い、プロジェクトの妥当性、効率性、自立発展性等の

ポイントで評価を行いました。

この調査で明らかになったことは、第一に多くの先生・

生徒が図書管理に参加することで成果を上げていると

いうこと。第二に、教育指導官が担当地域の学校の図

書活用状況をフォローし、読書推進活動を指導するこ

とが、このプロジェクトの発展のカギとなることです。

その後、関係者でワークショップ形式で評価を行い、

読書推進運動が抱える問題を抽出、今後1年半の活

動計画を策定しました。

この過程で、読書推進運動の課題をラオス人関係者

自身の手で整理し、共有化できたことは特筆すべきこ

とと言えます。

■開発パートナー事業の終了後に向けて

これまで10年間をかけ、約2032校へ図書箱・図書袋を

配付してきました。開発パートナー事業として、この

図書配付はもう一年継続されます。その後、会はいつ

まで、どこまで、配付を行うのかという問題が浮上し

ています。

新規配付を継続することは可能ですが、その分、図書

補充の対象もどんどん増えていきます。東京事務所は、

現在の会の能力では、これ以上の配付拡大は困難で、限

度を設定するべきだとの考えでした。これに対しラオス事務

所は「本に触れる機会がない学校はまだ数多くあり、活動

に熱心な学校への図書配付は止めるべきでない」との意見

です。現場をよく知るラオス側から、箱や袋といった用具は

学校側に用意してもらい、会は本だけを配れば、コストが低

く抑えられ、読書推進運動は継続できる、というアイデアが

出されました。第3期中期三か年計画では、ラオス側の意

見を取り入れ、コストダウンと内容のスリム化を図り、新規配

付を継続します。

■学校図書室(ハクアーン)整備

児童・生徒数が多い比較的都市部の小中高等学校

で、空き教室を利用して、図書と読書用の机や椅子な

どを整備、読書推進活動のノウハウを提供する事業。

読書推進運動

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数多い開設希望の中から、熱心な先生がいるなど、学

校の状況を調査し、条件の整った学校を選んで開設

します。(ハクアーン=「愛読」という意味のラオス語)

新規開設

今年度はハクアーン87から100まで、新たに14校に開設

することができました。

内訳:小学校 4校、 中学高校 7校

民族学校 2校、 地域図書館 1館

民族学校とは、少数民族の学生たちが通う寄宿舎付

きの中高校です。今年度の開設で、全国8か所の全て

の民族学校に図書室ができました。

今年度の事業で、会の支援による学校図書室は全国

で100か所となりました。

図書補充

読書活動の活性化と定着のため、新規開設の翌年か

ら毎年図書を補充しています。今年度は、既設87校

に補充を行いました。

他団体との協働の模索

学校図書室「ハクアーン」の活動に対し、他のNGOや

外国政府からの関心が高まっています。地域開発や

学校建設などの事業に学校図書室の活動を組み

込んで、会と協働実施できないか、との相談や依頼

があります。

オーストラリア大使館 豊島福祉基金

ベルマーク教育助成財団

三井住友銀行ボランティア基金 村井浩

自立へ向けた人材育成

■教員養成校での「読書推進セミナー」と「講師養成」

99年からラオス全国8か所全ての教員養成学校で「読

書推進セミナー」を開き、全ての卒業生が読書推進を

理解し、ノウハウと意欲を携えて各地の学校に着任す

る仕組みづくりに取り組んでいます。

学生を対象としたセミナーは12~1月に各校で集中講義

形式で各4日間実施。これと並行して、各校の読書推進

講座の講師を養成するセミナーを8月にヴィエンチャン

都で6日間開催し、全国の教員養成校から担当教員計53

名が参加しました。このセミナーは「人材育成の自立

化」つまり人材を育成する人の養成が目的です。

評価会議(3月)

教員養成校での読書推進講座が教員養成課程の

正カリキュラムとなるよう、会から教育省に働きかけ

た結果、正式導入が決定されましたが、時期や方

法は未定です。この会議での報告で、いくつかの

教員養成校では、独自の工夫で時間枠を確保し、

準カリキュラムのような形で既に実施していることが

わかりました。また、今回作成した学生指導用のハ

ンドブックに分かりにくい点があるなど問題点が指

摘され、講師自身の手で使いやすいものに改訂す

ることが決まりました。

今井記念海外協力基金 国際開発救援財団

普及・啓発活動

■読書啓蒙雑誌発行

出版委員会が中心となり発行を継続する計画でした

が、内容の充実を図るため編集作業が遅れ、年度内の

発行ができませんでした。

特定受託事業

●GAPE(カナダのNGO)の依頼によりチャンパサック

県にて学校図書室を開設

●CANADA FUND (カナダ政府機関)の依頼によ

りボリカムサイ県にて学校図書室開設事業をスタート

(開設は次年度)

●石原奨学金:教員養成校の学生に奨学金支給

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この1年

●1都3県の8館の運営を支援

●自立へ向けた資金低減方針を継続

●薬物汚染・非行などの増加から、子どもの健全

育成の場としてCCCへの注目が高まる

●ヴィエンチャン都で教育活動開発センターの設立

へ向け施設の建設がスタート

■広がりと定着

1994年に開設された子ども文化センター活動も10年目を

むかえ、大きな広がりを見せています。数年前、情報文化

省大衆文化局のなかにセンター担当ができたことで、活

動が全国13県20か所に広がっています。

そのうち、会はヴィエンチャン、ボリカムサイ、サイヤブリ、ル

アンパバン、ゲンタオ(サイヤブリ県)、シーサタナークの6ヶ

所のセンターに加え、今年からサイヤブリ県のボーテン、

パクライの小規模CCC 2ヶ所を支援することになりました。

青少年ボランティア活動の定着

各センターでは、絵画・伝統音楽・伝統舞踊・歌・ゲーム・

編み物・織物・英語・演劇・木彫・工作・粘土・人形劇・スポ

ーツ・料理・彫刻・詩・読み聞かせなどの講座が開かれて

います。活動は中学生までの子どもたちが参加していま

すが、卒業した子どもたちが、年下の子どもたちの活動を

サポートしたり、郊外の学校へキャラバンを組んで出か

け、センター活動を広げる役割を自発的に行う動きも、各

センターで定着してきました。

全国フェスティバル

1月にはカンムワン県で全国子ども文化センターフェステ

ィバルが開催され、各CCCから代表の子どもたちが参加

し、交流を深めました。このフェスティバルには、CCC活

動の各地への普及、啓発の意味もあります。

日本のコンクールへの応募

日ごろの活動の成果を発表する意味もあり、今年も日本

の紙芝居や絵画のコンクールに多数の作品を応募、受賞

が相継ぎました。世界子ども愛樹祭コンクールでは、ルア

ンパバンCCCの子どもの作品が大賞を受賞し、表彰式に

招かれました。

国際ボランティア貯金 ミクプランニング

三井住友銀行ボランティア基金 指定募金

■ラオス社会の変化とCCCへの期待

近年、ラオスの子どもを取り巻く環境が急激に変化し、都

市部の子どもの中には、薬物汚染や非行が見られるよう

になっています。こうした問題に伴い「子どもの安全な居

場所」としてCCCへの注目が高まってきました。活動に参

加することで子どもたちが犯罪の危険や非行に近寄らず

に済んでいる、との評価です。今後、会やCCCは「子ども

を守る」という役割を意識し、ラオスの様々な環境にある子

どもたちを注視していく必要があります。また、子どもたち

バランスのとれた健全な成長の助けとなる活動として、ス

ポーツなど体を動かす活動の充実が求められます。

■自立へ向けた取り組み

本会からのCCC運営への支援額は原則増加させない方

針です。一方でCCC活動の全国的な広がりがあり、新し

い活動を育てたいという先輩格のCCC館長たちの意見も

あります。そこで、新設センターを支援する場合は、既設

センターへの支援額を減らして充当することが合意されて

います。そのため、大きなセンターでは積極的に資金源

の多様化を図っています。ただし、本会の立場から見る

と、支援額の減少は、関与度の低下につながり、理念の

共有などの面で不安材料もあります。

■教育活動開発センターの建設

04年4月、ヴィエンチャン市教育委員会による新しいタイ

プの子ども文化センターの建設が始まりました。これまで

の子ども文化センターは、子どものための施設でしたが、

この施設は教員の再研修の拠点としても機能します。教

員研修の一環として、子どもたちとの接し方、読書推進活

動の展開の仕方などを実践的に学べる「現場」つまりCC

C的な活動の場が併設されます。このセンターから、ラオ

スの学校教育の新しい発展が期待されます。

NGO支援無償資金協力

子ども文化センター(CCC)

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■広報

ロゴデザイン

会の名称変更に伴い、ロゴを新しくデザインしました。

マークはこれまでのものを継続して使用します。

ニュースレター

発行頻度を年4回から、4・7・11月の3回に変更。B5の

版型をA4に変え、情報量を増やすとともに、誌面デザ

インをリニューアルしました。ラオスからの発信を増やす

という方針も決まりました。印刷部数:各回約2,200部

※ロゴとニュースレターは日本デザイナー学院グラフィ

ック科研究科の学生たちの協力でデザインされました。

ホームページ

ボランティアの協力により、コンスタントな更新を行う

ことができました。月間アクセス数:約 900件

■イベント

自主開催と、他団体主催イベントへの参加と、2つの

形態がありますが、今年度の30件ほどのイベントの内、

大部分が外部への参加でした。特に企業主催イベントへ

の協力が急激に増加しています。

その一方で現地活動報告会など、支援者に現状を伝え

る機会を作ることができませんでした。限られた人員態

勢の中で、イベントにどのような戦略をもって取り組む

のか、検討する時期に入っています。

会の関係するイベントは「食」をテーマにしたもの

が多いのが特徴です。こうしたイベントでは普段なじみ

がないラオス料理を通じて、ラオスの文化を伝える意味

は大きいと言えます。

イベントスタッフとして活動したボランティアは201

名、内47名がラオス人留学生でした。

■ラオス語絵本プロジェクト

前身の「絵本2000冊運動」が3年がかりで目標の2000

冊を達成したのを機に、名称を変更。学校単位での参加

も含め、継続的な参加者が増え、今年度ラオスに送られ

た絵本は1086冊となりました。絵本は各地の学校図書室

などで大事に読まれています。

現在約90種類の絵本に訳文が用意されていますが、訳

文の整備を始めて10年が経過し、一度翻訳を再点検する

必要があると考えています。

■書き損じハガキ収集キャンペーン

他団体に比べて取り組みが遅れていた、書き損じハガキ

収集活動ですが、年末年始を中心に多くのみなさんが協

力してくださいました。1年で計147件、50円の書き損

じハガキ換算6892枚、約31万円分。これは絵本980冊の

ご支援に相当します。

■インターン受入

大学の依頼により、インターン1名を2ヶ月(活動11

日間)受け入れました。資料の準備、入力作業などの日

常業務から、イベントの運営まで、様々な仕事をしても

らいました。

■修学旅行受入

東京事務所に中学校、高校から、修学旅行の一環として

生徒を訪問させたいという希望が増加しています。国際

協力への入口として、興味をもってもらえるよう対応し

ていますが、学校側が安易に受入を依頼してくる傾向も

見られます。今後は一定の受け入れ基準を設けることを

検討しています。

■ネットワーク活動

NGO全体の能力向上を目指す活動に、以下のように関

わりました。ネットワークが広がるとともに、活動の質

の向上にも結びついています。

国際協力NGOセンター理事(チャンタソン/共同代表)

外務省NGO研究会(森 透/共同代表)

教育協力NGOネットワーク研究会(森 透/共同代表)

JANIC-UNICEF「南」の子ども支援NGO能力強化委員会(野

口朝夫/事務局長)

「南」の子ども支援NGOネットワーク(野口朝夫/事務局長)

国内事業

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7

この1年

●法人化後、初めての事業年度

●経営強化と参加拡大の両立を目指した

●文書化により運営の透明性を増すよう努力

●会員数は伸びず

●ボランティアのイニシアチブがイベントで顕著

●運営意思決定へラオス事務所の参画拡大

全体運営

■理事会

計12回開かれ、運営に関する討議と意思決定を行

いました。法人化に伴うルール作り、中期計画の策

定などが年間を通じたテーマでした。

■会員

年度末での会員数は活動会員34名、賛助会員192

名(内団体8)です。法人化以前は、年間のべ300名

ほどの方のご協力がありましたが、入会登録の働き

かけ不足からか、充分な水準には達していません。

■運営会議

計11回開かれ、会員やボランティアが参加し、情報共

有と意見交換、理事会への提案等を行いました。会

場を事務所から駅前の公共施設に移し、議題の事前

通知や司会の明確化など運営の改善を行いました。

■2002年度通常総会

8月17日、ライフコミュニティ西馬込にて開催。社員

(活動会員)23名と賛助会員4名が出席しました。20

02年度(03年5月8日~6月30日)事業・会計報告が

全会一致で承認され、2003年度事業計画・予算が

理事会より報告されました。また2003年度役員とし

て理事6名を承認し、監事2名を選任しました。総会

後の意見交換では団体としての「意見表明」に関す

る議論が行われ、ラオスや活動領域に関わることは

必要に応じて社会的発言をしていくことが合意され

ました。

■合宿

第2期中期三か年計画の終了にあたっての事業評

価および、第3期中期三か年計画策定のため、2回

の合宿を実施。理事、スタッフ、会員、ボランティア

が参加して問題点や方向性、目標の共有化を図り

ました。

03年9月27~28日 大田区平和島ユースセンター 15名参加

04年6月5日 ライフコミュニティ西馬込 18名参加

■第3期中期三か年計画

2004年度よりスタートする第3期中期三か年計画

は、事業の「自立化」と運営の「現地化」へ向けた道

筋づくりの期間とし、予算枠組は年間4500万円規模

と設定しました。

■ラオス事務所の参画

組織運営の強化および将来の「現地化」への取り組

みの一環として、ラオス事務所からの意見を積極的

に採用。より主体的に、実現可能性を踏まえた具体

的な意見が出されるようになり、次期中期計画も、プ

ロジェクトにラオス事務所の意見を取り入れて変更

しました。会の目指す方向の共有化が進んだ成果と

言えます。

東京事務所

■体制

専従職員2人(有給)+常勤非専従事務局長(無

給)による運営。業務量の増大に比べ、事務局の体

制は十分とはいえず、過重な労働が続きました。こう

した業務体制の補強のため、5月から元スタッフ小川

直美が1年契約で復帰。一方、1年半にわたり国内業

務を担当してきた藤沢佳代が6月末に退職しました。

法人化に伴い職員の社会保険を完備。また、職員の

能力強化のため人事考課を導入し、年間目標設定とと

成果をもとに評価を行うことにしました。

■資金調達

この一年の個人の方からのご寄付は約300件。長期

的に続いている個人寄付の件数の減少、減額傾向

に歯止めをかけることはできていません。特に、永

年の支援者の高齢化に伴う支援の先細り傾向は顕

著となっています。法人化のためにエネルギーが集

中したこともありますが、運営上重要なことが積み残

されたことは大きな問題です。支援者に対しても充

分な満足を提供できていないと認識しています。

一方、企業、助成団体、政府資金からのプロジェク

ト支援は堅調に推移。JICA開発パートナー事業に

より多額の資金が投入されました。助成団体の資金

については、継続していただくことが多いのですが、

組織運営

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事業の成果報告を充実させていく努力が必要で

す。企業からのご支援には、資金面だけでなく、社

員の方の活動参加という面でも期待があります。

■ボランティア

積極的なボランティアは約25名と増加し、幅広い年

齢層の方が参加しています。夏の麻布十番納涼祭

国際バザール、秋の各種イベント、冬の札幌屋台

村、春の正月パーティーと、多くのイベントがボラン

ティアの企画、主導で行われました。その他、有志

による現地ツアー、ラオス語勉強会など自主的な活

動が行われました。ラオス人留学生の活動参加も多

く、日本人ボランティアとの交流により、会の特徴と

なっています。

ラオス事務所

■体制

ソンペットを所長として、ラオス人スタッフ7名、アルバイ

ト1名、日本人駐在1名体制で運営。スタッフ一人一人

の担当、責任が徐々にはっきりしてきており、意欲的な

取り組みにより、業務の質が向上しています。ただし、

開発パートナーの実施に伴い、地方出張が非常に増

えており、調整の必要が出ています。またそれぞれの

能力をより向上させるために、適切な研修の機会を提

供することも必要となってきました。

東京事務所だけでなく、ラオス事務所においても「運営

ルール」を文書化する準備を始めています。

計画されていた副所長の雇用は、適切な人材が見つ

からず、達成できませんでした。

■資金調達

本の出版や、配付プロジェクトに対し、カナダファン

ド、フランス語協力センター、オーストラリア大使館、

GAPEなど外国政府機関、NGOなどからの資金提

供を受けました。現地資金調達量は着実に増加し

ており、今後の現地化へ向けての大きな一歩と言え

ます。

■広報

日本や欧米の団体からの問い合わせ、来訪者の増加

に対応し、プロジェクト別説明資料、年間活動報告書

など、日本語・英語の広報資料を整備しました。

ラオスで活動する国際NGOを紹介するホームページ

が立ち上がり、本会も3月に加入しましたが、会の紹介

内容はまだ準備中です。

■イベント

5/11 JICA-Netラオス日本小学生交流

5/28-6/1 「子どもの日」週間のイベントに出展

6/1 ヴィエンチャン都主催「子どもの日」行事に参加

■インターン受入

初めて、3名のインターンを受け入れました。

7/26~8/5(10日間) 子どもの実態調査及び英文資料

整理などの活動に従事

7/23~8/27(1ヶ月間) 子どもの実態調査、読書推進活

動のデータ集計と分析などの活動に従事(JICAインター

ンシッププログラム/NGO体験プログラム)

9/11~19(9日間)子ども文化センターの活動調査、資料整

理、紙芝居コンクール作品応募準備などの活動に従事(JANI

C-UNICEF「南」の子ども支援NGO能力強化プログラム)

■対外活動

ラオスで活動する日本のNGOの月例ミーティング(J

ANM)に出席(近藤知子/ラオス駐在)

WHOとUNICEFによる小学校用保健教育教材の

開発にアドバイザーとして参画(ソンペット/所長)

■建物改修

ラオス事務所が入居中の建物が老朽化し、03年12

月から04年3月にかけて改修工事を行いました。1

階子ども文庫の快適性が増した他、図書保管庫、

配付準備作業場なども安全に作業できるようになり

ました。

外務省国際開発協力関係民間公益団体補助事業

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プロジェクト運営

■出版

出版委員会を核に、多様な本の出版を継続します。

1)出版委員会

● 調整役としての委員会の機能を強化する。

● 5名の委員で、年8冊の出版をコーディネートする。

● 編集出版業務の円滑化、効率化を図る。

● デザインワークの依頼先を複数化し質の向上を図る。

● 資料図書を備える。

2)子どもの本の出版

● 8作品、各5,000冊を出版。うち1作品は海外文学作品

の翻訳とする。

● 資金源を多元化し、2作品は現地で資金を獲得する。

● 長編コンクールにより作家の発掘、多様化を図る。

3)本の流通システムの形成

● 他団体への有償譲渡を促進し収益を確保する。

● 出店の可能性を調査する。

■読書推進活動

1)環境整備

JICAとの開発パートナー事業を軸に、読書推進活

動の環境整備を継続します。

● 図書配付や学校図書室開設の基準を作成し、事

業の効率化と成果の向上を図る。

● 図書箱(270校分)、図書袋(70校分)を製作。セミ

ナー開催と共に小学校計340校に配付する。

● 状況に応じて、箱・袋など入れ物は支給せず本のみ

を配付することでコストを下げ、配付数を確保する。

● 配付済360校に図書を補充し活動を活性化する。

● 学校図書室(ハクアーン)を10校に開設。既設の125

校へ図書を補充する。

● 紙芝居2作品を出版。メディア、教材として普及と活用

をすすめる。

2)システム化と人づくり

活動の持続・自立へ向け、教員養成校を拠点とした人

材育成とカリキュラム運用への支援を継続します。

● 教員養成校の講師養成セミナーを開催する。

● 県・郡の教育監督官の研修を行い、地方での活動

の担い手の育成を強化する。

● 「読書推進ハンドブック」を改訂し、試用を行う。

● 各校図書館に図書を補充する。

● 評価会議により自主的な改善と問題解決を促す。

3)普及・定着

子どもの読書と学校での図書活用を着実に定着させ、

学校から地域へ、教育の場から生活の場へと普及す

すめるため、次のことを行います。

● テレビ、ラジオ等の視聴状況を把握し、マスメディア

をによる啓発広報を検討する。

● 既に実施したラジオ番組の効果を検証する。

● 子どもによる絵本・作文コンクールを準備する。

● 積極的に活動している学校を表彰する。

■子ども文化センター

資金的支援からソフトの支援へ移行します。運営の持

続と自立化のため、活動の担い手各層との理念の共有を

深め、地域社会や父母との連携を促進します。その過程

で子どもの権利への理解を広め、子どもの参加を促進し、

プログラムの多様化と質の向上を図ります。

● 8館の運営支援を継続する。

● 青少年ボランティア活動の資金を支援する。

● 館長を対象に、運営や資金調達能力の向上のための

研修を行う。

● ヴィエンチャン都教育活動開発センター竣工後に、

ヴィエンチャンCCCを移管。都教育局職員の研修を

行い、教員研修とリンクした運営を支援する。

●子どもの権利を正確に普及させるため、館長、スタッフ、指

導員への研修をおこなう。

● スポーツ、音楽などのプログラムに必要な支援を行う。

■CEDCへの対応

ラオスにおけるCEDC(特に困難な状況にある子ども

たち)の状況を把握し、支援を模索します。そのためラ

オスで既にCEDCへの活動を行っている団体やグル

ープとの連携を視野に入れ情報交換をすすめます。

■調査

子どもの実像を把握するため、図書配付時の子ども

調査を継続します。調査結果の分析を行い、まとま

った段階で公開します。

2004年度 事業計画 第3期 2004年7月1日~2005年6月30日

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■特別プロジェクト

ラオス政府からの緊急支援要請により、資金調達がで

きた場合には、小学校の教科書印刷を支援します。

その際、数少ない教科書がより有効に活用されるよう、

配付と管理に読書推進の実績を活用します。

国内事業

■広報

● 各種広報ツールの位置づけを明確化し、目的に

応じて多様化を図る。

● 年次報告書を日・英語で発行する。

● ニュースレターは年3回発行を継続。さらに読みやす

く魅力的な誌面を工夫し、ラオス情報を充実させる。

● ホームページの全面刷新をおこない、より豊富な

情報提供と頻繁な更新を行う。

● 新しいパンフレットの制作、英文サイトの立ち上げ、

企業向けメールマガジン、訪問ツール、DMなどの

開発、イベント用・ボランティア向け活動紹介ツール

の開発など、昨年度できなかったことを実行する。

■イベント

● 会が主催するイベントを増やし、会のメッセージを対

外的に発信する機会を増やす。外部イベントについ

ては参加基準を作成し、戦略的に参加していく。

● ラオスで会が出版した本が100冊になったことを記

念し「ラオスの絵本100冊展」(仮)を日本とラオスで

開催。活動を広くアピールし、知名度を向上させる。

■ラオス語絵本プロジェクト

● 良質の本の提供、日本でより多くの方が参加でき

るプログラムとして、積極的に推進していく。

● 訳文を再チェックし質を上げる。

● 開発教育の視点からプログラムを活用する。

■書き損じハガキ収集キャンペーン

● メディアを活用し広く一般からの参加を図る。

● 継続的な参加につながるよう、協力者に有効な

働きかけを行う。

● 50円ハガキ1万枚相当の収集を目標とする。

組織運営

■全体運営

昨年度に引き続き、「組織運営」の安定化と強化が課

題です。文書化されたルールに則った運営を実践しな

がら検証し、より質の高い運営を目指します。

理事会 各理事の役割分担の明確化および増員によ

り仕事量の平準化、低減をはかります。

会員 活動会員、賛助会員の20%増を目指します。

ボランティア 活動参加のガイドライン(ハンドブック)

を作成し、ボランティアの役割、責任、自由に関する合

意に基づいて、参加の質の向上を図ります。活動説明

会を定期化し、新しい参加者の積極的な加入を図りま

す。ラオス人留学生との交流や説明の機会を増やし、

会の理念を明確に伝えて理解、共有を図ることで、帰

国後も連携できる関係を築いていきます。

運営会議 進行の効率化と論点の明確化により時

間を短縮します。参加者の10%増をはかります。勉

強会等、会員との幅広い知識の共有をすすめます。

中期計画 第3次中期三か年計画の年度ごとの実

行計画の実行と目標達成をチェックし、計画を改訂

していく作業を会員とともに行います。

ラオス事務所の参画 東京またはヴィエンチャンで定

期的に会議を開き、ラオス側の意見を積極的に運

営に反映させます。各プロジェクトでも、ラオス側参加

による年度ごとの評価会議を行います。

■東京事務所

体制 専従職員2人+無給事務局長での運営に加

え、アルバイトの活用をすすめ、過重な労働の軽減、

迅速な反応、問題解決への取り組みなどが行われるよ

うにはかります。担当業務の明確化を進めます。人事

考課の効果的運用について工夫と試行を重ねます。

新人雇用にともない、研修の機会を設定します。

資金調達 支援者の満足度をあげることで、個人の

方のご寄付が増加するように努力します。そのため会

員情報の整理、データーベースの充実などが課題で

す。企業・団体などからのご支援に対する報告書の作

成スピードと質を向上させます。新しい支援者を獲得

するために、内容を絞った寄附メニューの開発・提案を

おこないます。

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■ラオス事務所

体制 ラオス人スタッフ7名、日本人スタッフ1人の体

制で運営します。副所長候補の発掘を引き続き行い、

業務の集中を改善します。9月に駐在スタッフが近

藤知子から赤井朱子に交代します。また、NGO活

動の理念の共有を深めるため、ラオス語で使命・理

念・活動計画を文書化します。運営ルール、業務分担

も文書化をすすめ、活動の透明性を確保します。

スタッフ研修 自立へ向け、プロジェクト運営能力、専

門性を高める研修を行います。より高度な事務処理が

できるよう教育し、東京事務所の負担を軽減します。

資金調達 英文・ラオス語文による活動報告書を充

実させ、より積極的に外国政府機関、NGOなどの

団体からの資金調達量を増やします。現地での資

金調達額を昨年度の20%増を目標とします。

広報 各国NGOと連携したプロジェクト展開を増や

すため、プロジェクト内容の広報を活発化します。プロ

ジェクト別説明資料、年間活動報告書など、日本語・

英語の広報資料を整備し、ラオスで活動するNGOを

紹介するホームページにも情報を発信していきます。

イベント ラオス事務所においても、会の活動をラオ

スで広く認知してもらうために、子どもや、NGOに関わ

る各種イベントに、積極的に参加してゆきます。そのた

めに、参加基準、訪問受入基準を早急に作成する必

要があります。

対外活動 子どもの権利の普及などで、UNICEF

や他団体との協働を積極的にはかり、活動の質の

向上を図るとともに、子どもへのより効果的な働きか

けが可能となるよう会のノウハウを提供し、ラオス社

会での存在感を強めていきます。

第3期 2004年7月1日~2005年6月30日

特定非営利活動法人ラオスのこども

Ⅰ 収入の部 (単位:円)

科目 金 額

会費・寄附金 7,575,000

一般寄付金 4,000,000

活動会員年会費 75,000

指定募金 3,500,000

助成金・補助金 38,700,000

民間一般助成金 10,000,000

政府系補助金・助成金 25,700,000

補助金・助成金(現地受取) 3,000,000

その他 4,500,000

交流広報事業による収入 4,000,000

雑収入 500,000

当期収入合計 50,775,000

前期繰越金 14,362,089

収入合計 65,137,089

Ⅱ 支出の部 (単位:円)

科目 金 額

事業費 47,458,070

出版事業費 4,642,550

読書推進事業費 28,445,825

子ども文化センター支援事業費 12,039,695

交流広報事業費 2,330,000

管理費 10,904,525

東京事務所 9,601,000

家賃・水道光熱費 558,000

通信費・運搬費 169,000

事務費・記録費 240,000

人件費・交通費 7,584,000

備品消耗品費 90,000

広報費 620,000諸会費・会場費 140,000

雑費 200,000

ラオス事務所 1,303,525

家賃・水道光熱費 365,700

通信費 48,300

事務費・記録費 69,000

広報費 5,750

人件費・交通費 449,075

備品消耗品費 124,200

諸会費 34,500

雑費 207,000

予備費 1,500,000

当期支出合計 59,862,595

次期繰金 5,274,494

2004年度役員

理事 チャンタソン インタヴォン(共同代表)

森 透(共同代表) 塩谷 光 風間美苗

野口朝夫 小川直美

監事 森 千也 野口賢一

2004年度 収支予算

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□東京事務所

〒143-0025 東京都大田区南馬込6-29-12,303

TEL/FAX 813-3755-1603E-mail [email protected] http://deknoylao.org

□ラオス事務所

035/3 NOUAI 05 SAMSENETHAI RD. SIHOM CHANTHABURY,VIENTIANE LAO P.D.R. P.O.BOX1518TEL/FAX 856-21-21-3449E-mail aspb@ laotel.com