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2０１３．６１３

出版関連小委員会ヒアリング資料

一般社団法人日本書籍出版協会

1．出版物販売額の推移

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我が国における出版物の販売額は、1996年(平成8）をピークに減少基調となっている。１９９６

年に需締・雑誌を合わせた総売上が２兆6560億円を記録したが、2011年は、１兆8040億円と

なり、３２％の減少となづた。

また、総売上の巾で大きなウエイトを占めているコミック（書籍・雑誌を含む）は、2008年

までは、出版物の総売上に比べて減少幅は小さかったが、２００９年からは全体の減少|幅以上に売

上の減少が見られるようになっている。

この間、書店での新刊書・新刊雑誌の購買に代えて、出版物へのアクセス手段の多様化が見

られるが、そのうちの多くは著鋤作者、出版者への直接的な利益還元がなされないものとなって

いる。

①公共図書館における貸出冊数の増加

文部科学省が２０１２年１０月に公表した「社会教育調査」によれば、平成２２年度における

公共図書館での貸出冊数は、延べ約６億６千万冊であった。

②新古書店での購買

最大手であるブツクオフの２０１３年３月期決算における売上高は、約７６７億｢rlに上ってい

る。新古書店業界上位３社（ブックオフ、古本市場、ブックマーケット）で約1200億円

に達する。

③レンタルブック店の台頭

出版物貸与権管理センターが許諾対象にしているレンタルブック店は、２()１２年度に全国

で１８９３店に上っている。

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出版販売金額推移

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１６，０００

１４，０００

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６，０００

４，０００

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出版物販売額の推移表 (単･位：百万円）

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2．書店数の推移（2003年～2012年）

(単･位：店）

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1９９６

1997

1９９８

1９９９

2０００

2００１

2００２

2００３

2００４

2００５

2００６

2００７

2008

2００９

2０１０

2０１１

2０１２

書籍

￥1,093,110

￥1，０７３，０１０

￥1，０１０，０４０

￥9９３，５８０

￥970,570

￥9４５，５８０

￥948,980

￥9０５，５９０

￥942,940

￥９１９》７３０

￥9３２，５８０

￥902,580

￥887,810

￥849,180

￥821,290

￥８１９，８５０

￥801,290

雑誌

￥1,563,270

￥1,564,410

￥1,531,470

￥1，４６７，１６０

￥1,426,050

￥1，３７９，３８０

￥1,361,550

￥1,322,230

￥1,298,830

￥1，２７６，７１０

￥1，２１９，９６０

￥1,182,730

￥1,129,930

￥1,086,390

￥1，０５３，５５０

￥984,370

￥938,540

うちコミック

(書籍・雑誌）

￥5８４，７００

￥5７０，０００

￥5６８，０００

￥5３４，３００

￥5２３，３００

￥5３１，７００

￥5２３，０００

￥５１６，０００

￥5０４，７００

￥5０２，３００

￥4８１，０００

￥469,900

￥448,300

￥４１８，７００

￥4０９，１００

￥3９０，３００

￥3７６，６００

電子書籍

￥1，０００

￥1,800

￥4，５００

￥9,400

￥1８，２００

￥3５，５００

￥46’４００

￥57,400

￥6５，０００

￥6２，９００

¥71,300（予測）

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3．出版物新刊発行点数の推移

画可

80,000

75,000

70,000

65,000

60,000

55,000

50,000

45,000

40,000

35,0００

３０．０００

字

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(出典：出版年報（出版科学研究所発行)）

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年

1９９６

1９９７

1９９８

1９９９

2000

2００１

2００２

2003

2004

2００５

2００６

2007

2００８

2００９

2０１０

２０１１

2０１２

発行点数

63,054

65,483

65,513

65,026

67,522

69,003

72,055

72,608

74,587

7６，５２８

77,722

77,417

76,322

7８，５５５

74,714

75,810

78,349

出版関連小委員会ヒアリング資料（２）

出版物の制作工程に要する標準的な期間

書籍の制作過程に要する期間は、１点１点の書籍ごとに異なっているといっても良い。

教育機関で用いられる教科書や参考書等のように、購入時期に完全に依存して発行時期が

決まる出版物もあれば、著作者の原稿が完成するのを粘り強く催促し続ける文芸書もある。

また、複数の執筆者の論文が掲載される学術・専門書では、すべての原稿が出揃わなけれ

ば出版を行うことができない。さらに、企画から完成まで１０年、２０年を費やすような大

型の辞事典のような書籍もある。

したがって、「標準的な制作期間」を示すということ自体が難しいのであるが、強いて、

以下の典型的な書籍類型について、比較的多いと思われる制作期間を示す。ただし、これ

もあくまでひとつの目安に過ぎないことに留意されたい。

Ａ書き下ろしの文芸単行本

Ｂ単著の学術専門書

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仕事の分担

出版物 の 制 作 過 程

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著作 者(作家､漫画家､写真家等）

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本文

後付

広告

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体裁指定

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製版指定

レイアウト

読者読

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印画紙一フイルムどり－出力

フィルム出力一入

○過去１年間の新刊書籍の分野別の点数。また、それらのうち、

を著者と取り交わした点数

（翻訳書については、翻訳者との契約の件数）

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出版関連小委員会ヒアリング資料（３）

出版権設定契約、二次使用等の実態について

1．出版権設定契約の締結状況について

当協会が2011年に行った調査によると、新刊諜籍のうち何らかの契約書を締結してい

る割合は７３％を超えている。契約群に占める出版権設定契約の割合は正確にはわから

ないが、出版社が使用している契約番の８割近くは出版権設定契約となっている。

出版契約に閏する実態調査（日本書籍出版協会、２０１１年４～５月実施、回答１０５社）

６

Ｐ

書面による出版契約書

○使用している出版契約書※複数回答

ａ.'|本書籍出版協会細作成のヒナ型をそのまま使川２０社１９．０％

ｂ,|-|本書籍出版協会作成のヒナ型を基本に修正を加えて使用６７社６３．８％

【a.b､の内訳（複数回答)】

出版権設定（60.0％)、出版権設定-|-砿子の独占許諾（21.2%)、児童書用く出版権設定＞（5.9％）

紙の独占許諾（7.1％)、紙および電子の独占許諾（8.2％)、

電子出版の独占許諾（8.2％）、その他、不明（18.8％）

ｃ,独自の出版契約書を作成（出版権設定）１０社９．５％

。．同上（独占許諾）８社7.6％

ｅ，同上（著作権譲渡）３社2.9％

ｆその他５社4.8％

2．二次出版、サブライセンスの実務について

(1)二次出版のパターン

書籍において二次出版が行われる場合のパターンとしては、以下のようなものが

考えられる。さらに以下の組み合わせ（例：雑誌掲載→単行本→文庫本→二次文厳

木）も多様に存在する。

単行 本 → 自 社 で の 文 庫 化

単行 本 → 他 社 で の 文 庫 化

単行本→その一部を自社でアンソロジーに利用

単行本→その一部が他社でアンソロジーに利用

雑誌掲載→自社で単行本（コミックス）の出版

雑誌掲載→他社で単行本のＨ|版

全体

出版点数

18,355

契約点数

13,452

割合

73.3

②二次出版が他社で行われる場合

出版権は､現行法上は出版権者が第三者に対し出版権の再許諾を行うことは認められ

ていない（８０条３項)。

ただし、実務上は、出版権を設定した一次出版物が継続出版されている問に、その

著作物の二次出版物が他の出版社から発行されることも少なくない｡文脈本がその典

型的な例である。

このような場合、二次出版社は一次出版社に対して、二次出版料として二次出版物

の価格の数％に相当する金額を、一定期間支払うことが多い。これについては、どの

ような法律構成によるのか必ずしも確立しているとはいえない。著作権法逐条講義

（加戸守行著）では、「権利段害についての責任追及はしないことで両者が了解を与

え、その代償の意味における補悩金として許諾料祁ｗｉ額を受領する」という償行とし

て動いていると述べられている。

画

新聞掲栽→自社（あるいは）他社での単行本の出版

単行本→版型・造本装順を変えた単行本

紙の本→電子書籍

単行本．→オンデマンド版

(2)二次出版に係る一次出版社と二次出版社との契約

①二次出版が自社で行われる場合（一次出版が単行本の場合）

出版権は、出版の態様における;複製権の独占利用を出版者に認めるものである以上、

一次出版物の発行の際になされた出版権設定契約は、自社で行う二次出版の際も当初

の出版権設定契約の範囲内に含まれるものであると考えられる。

ただし、実務としては、二次出版においては出版物の判型、製本等の体裁、含まれ

る著作物の組み合わせ、価格等が変更されることがほとんどであるため、詳細な条件

等については著作者に配慮し、その都度、箸‘作権者と協議の上新たな合意を形成して

いる。

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③雑誌掲戦された著作物の二次川版が自社で行われる場合

著作物の雑誌掲載に際して、州版権が設定されることは稀である。これは、出版権が

継続|||版の義務を課している等､比較的長期にわたり販売される諜繍を想定している

ためと思われる。

雑誌への寄稿は、連続的（場合によっては不連続のこともある）に樹城を予定する

連戦小説やコミック、コラムのようなものと、その衿限りの単発的なものがある。連

載小説等は、多くの場合、その社での噸行本発行を想定しているがその場合も、雑誌

掲救時に将来の単行本のための出版権設定契約を行うことは稀である。噸行本発行の

明示的な予約契約を結ぶ例もあまりないと思われる。

単発のコラム等を集めて一冊の単行本とする場合は､初出の雑誌出版社でない出版

社からの発行も少なくない。この場合、単行本の出版社が独自に出版契約を結ぶこと

になり、初出出版社は特に権利主張を行うことはないと思われる。

以上

７