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緑風舎音楽ホール Thu. Oct. 31, 2019 7p.m.- 第 49 回緑風舎コンサート de Pf 村田千佳 Chika Murata Hr Takeshi Hidaka 松原勝也 Katsuya Matsubara 藝大の仲間たち Vn Vn 自由空間

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Page 1: Vn...Brahms:Trio for Horn, Violin and Piano E-flat Major Op. 40 ブラームスのヴァイオリンソナタ全3曲は、彼の室内楽作品の中でも最も親しまれ、頻繁に演奏され

緑風舎音楽ホールThu. Oct. 31, 2019 7p.m.-

第49回緑風舎コンサート

ホルントリオde

Pf 村 田 千 佳Chika Murata

Hr 日 高  剛Takeshi Hidaka

松 原 勝 也Katsuya Matsubara

藝大の仲間たち♪

Vn

Vn

緑風舎自由空間

Page 2: Vn...Brahms:Trio for Horn, Violin and Piano E-flat Major Op. 40 ブラームスのヴァイオリンソナタ全3曲は、彼の室内楽作品の中でも最も親しまれ、頻繁に演奏され

♬ピアノ:STEINWAY HAMBURG製

♪ベートーヴェン:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 第4番 イ短調 作品23 Beethoven : Sonata for Violin and Piano No. 4 A minor Op. 23

休   憩

Today’s Program

♪ブラームス:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 第1番ト長調 作品78「雨の歌」 Brahms: Sonata for Violin and Piano No. 1 G Major Op. 78

♪ブラームス:ホルン三重奏曲 変ホ長調 作品40 Brahms: Trio for Horn, Violin and Piano E-flat Major Op. 40

ブラームスのヴァイオリンソナタ全3曲は、彼の室内楽作品の中でも最も親しまれ、頻繁に演奏されている作品である。≪雨の歌≫とも呼ばれるこのソナタ第1番Op.78は、1878年から79年にかけて、ブラームス46歳の時に書かれた。≪雨の歌 (Regenlied) ≫というサブタイトルは、自身の同名の歌曲(Op.59-3)が引用されていることに由来する。ソナタ第1番の直前にはヴァイオリン協奏曲 ニ長調Op.77が作曲されているが、ヴァイオリンとピアノのための作品としては、1853年に≪F.A.Eソナタ≫ のうち第3楽章のScherzoが書かれた以来、およそ25年の時を経てようやく完成にまで至った作品となる。シューマン夫妻の息子でヴァイオリニスト・詩人であったフェリックス(ブラームスが名付け親)が24歳で亡くなった直後に作曲されたこの曲は、ブラームスの悲しみが投影されているが、それは失望や落胆といった重く辛い悲しみというよりは、温かい 愛情、故人との懐かしい想い出、そこから生まれる寂しさといったもののように感じられる。

「諸君、喝采を。喜劇は終わった」と亡くなる直前に放ったベートーヴェンの生涯は波乱に満ちていたが、決して絶望することなく内なる声を信じ、芸術を昇華させていった。ヴァイオリンソナタ第4番はベートーヴェン31歳の年に作曲された。ウィーンへ移住して10年、演奏家としても作曲家としても名を上げたがしかし、難聴は日増しに進んでおり、翌年の秋には「ハイリゲンシュタットの遺書」が書かれている。冒頭から堰を切って感情がぶつかっていくような第1楽章プレスト(急速に)。第3楽章アレグロモルト(極めて速く)は焦燥感がある主題だが、中間部にコラールが聴こえる。その間に置かれた第2楽章は、歩くように,ユーモアを持って少し歩みを進めて、と表示され、ヴァイオリンとピアノの会話に温かな気持ちが降りてくる。和歌山県の花「梅」の花言葉は「不屈の精神」だそうで、不屈の精神と聞くとベートーヴェンが思い浮かぶのだが、梅の花が結びつくかどうかは別として、彼の強い精神は、音楽を通して私たちに勇気を与えてくれるようだ。

ブラームスはホルン(特にナチュラル・ホルン)の響きを好み、自身でも演奏した。交響曲でも有名な独奏が書かれており、ピアノ協奏曲の冒頭など、ここぞと言う時に登場する。ホルンという楽器への想い入れは相当強かったようだ。作曲家は優れた演奏家によって霊感を得ることが多いが、1865年にホルン奏者アウグスト・コルデスに出会ったブラームスは、『ホルン三重奏』という珍しい形態で曲を書くことを決めた。後年、近しい友人にブラームス自身が語ったところによると、バーデン・バーデン滞在中に、隣接する森(ドイツ特有のシュヴァルツ・ヴァルト-黒い森-)や丘を散歩しながら構想を練り筆を進めていった。この時期の代表的な作品には有名な「ドイツ・レクイエム作品45」もあるが、1856年にはロベルト・シューマンの、1865年には母親の死に直面したことが作品の内容に影響を与えており、本作第3楽章の主題には、ドイツの古いコラール(ただ主に依り頼むものは救われる)が使われている。第1楽章の落ち着いた始まりに続く、花開くような展開、第2・4楽章は森を馬で駆けているだろうか、各楽章は先述のコラールで有機的に繋がり、ブラームスの室内楽作品の中でもひときわ存在感を示している。

東京藝術大学音楽学部器楽科ヴァイオリン専攻を経て同大学院音楽研究科修士課程修了。在学中に安宅賞受賞。その後新日本フィルハーモニー交響楽団コンサートマスターを歴任(1989~99)。ソリストとしては、新日本フィルハーモニー交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、東京交響楽団、オーケストラ・アンサンブル金沢、神戸市室内合奏団など、主要オーケストラと共演。室内楽奏者としては、ヨーヨー・マ、ピーター・ゼルキン、チャールズ・ナイディック等と共演。さらに、ギタリストの福田進一、渡辺香津美とのデュオ、トリオとしても活躍している。プレアデス・ストリング・クァルテットのメンバーとして、ベートーヴェン弦楽四重奏曲全曲シリーズに取り組んだ。津田ホール「松原勝也+プラス」、北九州響ホール「響ホールフェスティヴァル」、第一生命ホールで行われた若い演奏家のための「アドヴェントセミナー」(2001~10)などをプロデュースする。2012年、東京の春音楽祭において、自ら編曲したバッハ:ゴールドベルク変奏曲の弦楽五重奏版を初演し絶賛を博した。第17回中島健蔵音楽賞、第55回文化庁芸術祭新人賞受賞。静岡AOIレジデンス・クヮルテット・メンバー、長崎OMURA室内合奏団アーティスティック・アドヴァイザー、霧島国際音楽祭講師、東京藝術大学音楽学部教授。AOI・レジデンス・クヮルテットの活動に対し、平成24年度静岡県文化財団第26回地域文化活動賞特別賞受賞。

長崎大学経済学部を卒業後、東京藝術大学、オランダ・マーストリヒト音楽院にてホルンを学ぶ。ホルンをE.ペンツェル、W.サンダース、守山光三、(故)山田眞、田原泰徳の各氏に師事。2000年広島交響楽団に入団、その後日本フィルハーモニー交響楽団、読売日本交響楽団、NHK交響楽団ホルン奏者を歴任。日本のオーケストラとモーツァルトやR.シュトラウス、グリエール、シューマン等のホルン協奏曲で多数共演している。これまでに、ロサンゼルス(U.S.A.)、マーストリヒト音楽院(オランダ)、シベリウス音楽院(フィンランド)、嘉義市(台湾)にてリサイタルやマスタークラスを開催。また、宮崎国際音楽祭、霧島国際音楽祭、木曽音楽祭にも参加している。現在、東京藝術大学准教授。国立音楽大学講師、名古屋音楽大学客員教授を務める。日本センチュリー交響楽団首席客演奏者。ホルンアンサンブル「つの笛集団」、THE HORN QUARTET メンバー。日本ホルン協会常任理事。2012年フォンテック社よりソロCD「Variation for Horn」、2013年ビットマップ社よりEtude CDホルン「コップラッシュ 60の練習曲」「ベローリ8つの練習曲」、2015年カメラータ・トウキョウよりソロCD「HORIZON」(レコード芸術特選盤)、2016年 Con anima よりThe Horn Quartet CD「Sparkling Horns!」をリリース。

東京藝大学附属高校、同大学を経て同大学院修了後渡欧、文化庁海外派遣研究員としてウィーン国立音楽大学大学院ピアノ科、室内楽科「ハイドン研究所」修了。オーストリアトーマスティック・インフェルド賞、国際シューベルト・現代曲コンクール、国際ハイドン室内楽コンクール審査員特別賞受賞。日本をはじめ欧州でコンサート活動を展開、ベルリン・フィルハーモニーホールでのDSO協奏曲シリーズでは好評を博し5回連続の招聘となった。帰国後は特にアンサンブルに意欲的に取り組み、国内第一線で活躍する音楽家や、R. ホーネック、D. オッテンザマー 、K.H. シュッツ、W. アウアーなど国外のアーティストからの信頼も厚い。大桑文化奨励賞、和歌山市文化奨励賞、和歌山県文化奨励賞受賞。銀座ハプスブルクファイルヒェン音楽監督、日本ベトナム文化交流協会芸術監督、国際教育音楽祭ミュージック・マスターズ・コース・ジャパン制作監督等も手がけ、2017年より3年に亘ったベトナム全土での訪問演奏プロジェクトはベトナムの国営放送等多くのメディアに取り上げられた。2019年ハノイ国際室内楽コンクール審査員。2017年 I.コハーンとのオールブラームスCDをリリース。

村田千佳 Chika Murata : Piano

日高 剛 Takeshi Hidaka : Horn

松原勝也 Katsuya Matsubara : Violin