Title 農村調査の方法

Author(s) 大井, 浩太郎

Citation 沖大経済論叢 = OKIDAI KEIZAI RONSO, 1(1): 125-148

Issue Date 1975-03-31

URL http://hdl.handle.net/20.500.12001/6662

Rights 沖縄大学法経学部経済学科

農村調査の方法

大井浩太郎

r/ｚｅﾙｫﾉｚｏａＺ〃Ｚ肋ｅｓｔＺ９ａｔ伽９Ｚ〃ｔｏ

亡/ｚｅＡｇｒｆｃｚＪＺ伽rａＺＷＺＺａ９ｅ

KｏｔａｒｏＯｏｉ－

もくじ

沖繩農村調査要項（凡例）…………………..…………………１２６

①村の人文地図には………………………………………………１２６

②歴史…………………………………………………………･･･…１２７

③村の組織…………………………………………………………１２７

④家族………………………………………………………………１２９

⑤農業………………………………………………………………１５０

⑥林業………………………………………………………………１５２

⑦労働慣行…………………………………………………………１５２

⑧交通･運搬………………………………………………………１５４

⑨住居………………………………………………………………，５５

⑩衣服………………………………………………………………１５７

⑪食事、..……………………………………………………………１５９

⑫土地制度…………………………...……………………………１４２

⑬信仰………………………………………………………………１４５

－１２５－

沖縄農村調査要項（凡例）

１．本調査要項は農村の実地調査に役だつよう配慮して作製した。

1．実地調査にあたっては，地域的特色に応じ，取捨，補足の必要が生じてくる。

1．この要項は－つの覚えとして利用するのであるから，関連事項や個々の

問題の細部にわたっては，詳細な調査が望ましい、

1．名称地名等はそれを表現する地方的名称を確実に記録し，それがどうい

う概念をもって使われているかを把握せねばならぬ。

1．調査の対象は現時点を起点として，過去に遡り，変遷の過程をU]確にする、

１，採訪の際の話者は，どんな階層の人か，集団か，組員ならばその人がお

かれている地位などを考慮して，資料の客観性をもたせること。

１，話者については，姓名，年令，職業，性別，村での生活年数と経歴，村

での人望等を聞き，数名を選んできくことがよい、（特に生業の調査の場

合）

１，器具，道具，祭祝用具，農具等はつとめて撮影し，その作製年代及，使

用する地域等を明確にする。

］９７８年1月大井浩太郎

(農村）

①村の人文地図には

１村境・字境・組境を記入し，１日藩時代の間切境，村境，組境を朱線で

記入しておく。

２河川，湖沼，海岸，泊（津）橋，排水路，用水設備を記入

３道路（宿道，脇道，原道，信仰道はお嶽への道）を記入

４水田，畑，アタイ，宅地，森林，採草地，入会地など。

126

５役場，組合村屋,郵便局，警察署，病院診療所，学校，公民館，遊庭淳の施設及手習所跡

６神社（お獄）桐，堂，寺，聖地，墓地，葬祭場などや城趾等。７現存する民家のすべてを記入

②歴史

８村の発生，草分百姓家の記入

９集落の移動とその原因，移動の許可を得る方法

１０藩政時代の領治l3AI係

11明治時代以後の行政関係の変遷

１２村の自治制度の変遷一組制度の変遷（砂糖組，ユイ組，納税組，藍組等）

１３村の主要な家系一（門中海に本家分家の関係を明らかにする）

１４村の共有財産の変遷＝（村山，村模合地，村請地，村仕明地等）

１５村の公共事業の変遷＝（家造り，道普請，井戸掘，池沼掘り等）

１６交通，通信，機関の変遷（駅逓や一里塚の施設はなかったか。通信に馬や牛を利用することはなかったか。）

１７水利,護岸，開墾，資源開発事業（水利潅慨にどんな方法があった

か，護岸にどんな施設をしたか，開墾にはどんな方法があったか，）

1８生業はどのように変化したか－砂糖，甘藷等，田芋，里芋の裁培はあったか，その農耕技術はどうであったか，）

１９村の戸数と人口の変遷

２０兵乱一提などの原因，経過風結果，影響，村争議など

21,天災，火災，流行病，飢餓，その発生と年代原因等．；

２２，村の主要な歴史的人物一特}と農事開発Iと関する貢献者③村の組織

１村境，他部落との区別，呼称，範囲

２境界標の有無，形式，お獄の有無，祭神と由緒

３村の入口,呪物を設ける入口，呼称（島クサラシ，石敢堂，等の伝承）

127

４村に上手，下手があるか，その基準はどこか，方角等

５村の組，講，門中，その機能，結との関係

６葬式と組の関係，日常生活の関係，隣人間の義務

７村の共有財産（山林，原野，畑，地先，海岸）その利用

８村の指導的地位にある人の呼称，その業務分担

９村役の階級順序の有無，選定の方法，命令系統

,。村役の任免，退職祝い方式＝特に明治時代以前の

,，寄り合いの呼称，目的，時期，召集の方法，規範等

,２村人と認められる資格規準，呼称，村人でない者の呼称

、家格の規準，旧家の呼称，お嶽との関係

Ｍ草分けについての呼称，変遷,子孫

１５財産家，尊敬の有無，村人の態度

,６，日藩時代の村役に対する村人の態度

,７尊詠できる人の業務，年令，学歴，家格,政党色等

,８自作農，小作農，貧窮者，借家人，地主の呼称

、家格と縁組，通婚関係，家業の内客等

20諸職人の呼称（役割，細工人，桶屋，殿治屋，紺屋，床屋，座頭，陰

陽師，ノロ，山番，津ロ番，原番等）

２，家筋の呼称，種類，由来

２２苗字について，屋号，家の位置，地名との関連

囲村内の争い＝地合け，耕地の境界，耕作当への憂さ晴し等

泓村の慣行（村内法）＝問切内法との関連

２５居住人の村入の方法’保証人，後見人，加入金承認の方法

２６無籍者，逃亡者の扱い方

別村制裁について＝（方法，軽重の差，仲裁，村八分の内容Ⅷ制裁の方

法）

２８諸種の集まり。

（子供組，青年組（若者組）組織の内容，男女別，日'常の役割について

128

記入する）

２９娘組の有無，組織，呼称，機能，独立家屋（ヤガマヤー），選定の方

法

３０講の種類，範囲，呼称，日常の関係変遷＝原講，権現譜，念仏讃，等

矼お獄の名称，祭神，由緒，創立年代，信仰圏，古木の種類，樹令，財

産と管理の方法，例祭日と村行事,、例祭日以外に集会する日，名称，期

日，参集者の資格，郷宴の有無，親族等について調査

翻村祭､（時期，目的，形態，豊作，祈願，雨乞，風祭り，収穫祭り，成

就詣，厄払い，疫病除け祈願等）

認寺院について（位置）名称，宗派，支配，管掌，縁起等）

④家族

ｌ家長の呼称，家の社会的地位により差があるか。

２家長の家族内の地位，優越性，服従の度合。家長の主宰する事柄等に

ついて調査。

３家長権譲渡の時期，形式，財産，戸籍などをどうするか。

４相続の呼称，相続権，継承の呼称

５隠居の呼称，時期，機会，同竃か別竃か。

６隠居の場所，名称，隠居小屋は常設か＝ハナレ，アシアゲ，トングワ

等。

７主婦権の呼称，家の社会的地位や職業により差があるか。

８主婦の権限と職務，家産に対する関与の範囲，管理。

９家族員相互の呼称，名称

、人名のつけ方。

出生順を示す命名法があるか，特に命名の順序，形式，祈願等について

調査する。

１１，渥名の命名法＝農事や農具等に関連のあるものを調査。

１２養子の種類呼称，養子に対する村人の承認方法。

１３継子，私生児は社会的にどのように待遇されるか。

129

１４子供に仮親をつけるのはどんなときか，どんな人を仮親とするか，仮

親に対する義理，奉仕はどんなものがあるか。

１５家の生産活動について，家族全体で行なうか。

収入はだれが管理するか＝勝に主婦のワタクサーについてその使途貯え

の方法を記入｡）

１６系譜関係にもとづく本家分家の一団をなんと呼ぶか。

本家分家の関係=(特に農事や信仰関係について記入する。）

１７大同族団に数個の小集団が含まれる場合，分れた，原因

小集団の居住区賊，土地所有関係はどうか。

１８分家の時期，創立の決定，財産分与の比率を調べる。

分家に与える財産中，家屋，宅地，山林，原野耕地，家財道具，生産

用具，家蓄，等を具体的に調査。

奉公人分家の場合の分与物，分家後の義理奉仕について。

１９分家後の本家への依存度，儀礼，生計維持法等，本家は何代くらい前

までとされるか。

２０同族団による共同の事業，共有財産があるか。

その運営利用，管理はどうか。

２１同族内の結婚，生産，葬儀・疫病の協力の関係。

２２村八分などがあるかその呼称－その内容を調査する。

２３同族が定例的に寄り合うことがあるか，それはどんなときか一束お巡

り，首里上り，今帰仁上り等について調査。

⑤農業

１農業事始功の呼称，時期，行事＝特に初おこし等について。

２種子の保存法，容れ物，種子浸の時期，場所，行事。

３苗代の呼称，場所，苗代こしらえ後の祝い，食物等。

４種子蒔の時期と呼称，日の選定注，行事，だれが蒔くか，蒔く方式，

唱え言等を調査。

５耕地の一般名称，平地，山地，峡によって異なるか。

130

開墾地の呼称。

６田の水口の名称，出口の名称，その祭りの風習，潅慨用水路の呼称，

貯水設備の呼称，用水の分配法，堰や溝の改修方法等を調査。

７肥料の一般呼称，種類，肥料採集の山野，採取方式，肥料用植物の栽

培と製造等について記入する。

８田植前の準備，行事，田植市，里帰り，墾田神願。

９苗取りの順序と方法，苗によって年占をすることがあるか，苗は取っ

た日に植えるか，忌む日はあるか，その理由。

１０田植は共同でやるか，個人でやるか，田祭りはあるか，田の神の供物唱え言，田の神降臨の伝承はあるか。

１１刈り入れ作業は結でやるか,穂掛けの行事はあるか，刈りた稲の処理，稲まじんはやるか，刈り上げ祝はあるか。

１２収穫後の庭仕事の呼称，猫被は使うか，作業中の食物，歌，脱穀の方法の変遷，素籾の利用法。

１３畑地の呼称，畦の呼称，畑の排水の手段と名称，肥料の種類，施肥の

方法，順序，特に甘蕨にやる肥料，その他，除草，下葉刈り，さとうきび収穫までの管理肥培等。

１４畑に数種の作物を作るか，その種類と称，作物をとった後はどうするか。

１５麦や野菜に水をあてる風はないか，理由と呼称，畑作祈願の有無。

１６鍬，鋤,鉾など手動による耕転農具の種類と名称，その他の農具の蔵

類，用途，形状，各部分の名称（例えば手びく，うじんびら，又げ一等）

１７家蓄の種類，飼育方法，その飼料，牛の鼻ぐり通しの方法，牛馬の訓練，家蓄のた功の祝，厩の構造。

１８豚，鶏，山羊の飼育方法等を調査する。

１９養蚕一般について。

２０地目名称，村の地名を小字に至るまであげる。

米作に適した土地，湿地を意味する土地，低地，盆地，平地，溜水のあ

131

ろ土地，岩石の露出する土地，山崩れや，傾斜地，日当りの良し悪し，

等について記入，焼畑や，地替畑があるか，あるとすればその変遷についてｏ

⑥林業

１原野の共有地，村有地の呼称，その管理（特に首里親団への薪の運般路仕入先，運般組の名称を記入。

２山中の境界標。

３食用植物の種類，名称，栽培管理，香料，染料⑩

４山入りの期日と作法，山溜の期日と作法，伐採の開始名称,樹木の種類，樹木の売買方法。

５薪の総称，種類用途・採取権，計量の単位炭焼山の名称，原木の種類炭焼の方法，地名との関係。

６山に入る日を忌む理由，譜や山祭りはないか，山の怪異と信仰（例えば山溜の伝承，行事,キジムナーの伝承，信仰について記入する）

⑦労働慣行

１地主と小作関係の変遷を記入。

２１日地主の隆替，不在地主と在村地主について記入。

３山作人を何というか,契約の形式，関係小作人の数。地主と小作人との関係，小作料支払の形式。

４名子の一般的呼称，成立の原因，変遷と原因，名在の主家への賦役，主家，名子間の生活慣行，名子相互間の関係，名子の社会的地位，名子ヌケの条件，名子の外に賎民にはどんな呼称があるか。

５農耕仕事の分担法があるか，性別，年令によって異なるか０男女共同の仕事があるか，男の仕事の呼称，組仕事の種類と呼称。

６仕事開始前の準備，相談，仕事の指導者と名称，仕事の割当法，性別年令別，各一人前の労働量の規準と算定法。

７他人を頼む仕事の種類と動機，呼称，食事０労働時間，無償の手伝人依頼の範囲と呼称，吉凶，病気，その他の場合の手伝人の呼称,賃金を仕

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払う雇人のDEP称，一日の労働時惜L労働量，労働賃金支払法。

８共同労働を何というか，構成員一親族、近隣，組，規模の大小，固定的か否か，仕事の種類。

９仕事を始める家の順序は一定か，労働返済法，異った労働形式の返済注，異った労働者による返;南生。

10共同労働（例えばユイマールー）の指導者，呼称，権限。

１１公役の一般的呼称，種類，私の仕事を何というか，公役で定期になさ

れる仕事，時期，回数，臨時の仕事，一家から出る人数，期定，村総出の仕事，種類，仕事の分担，仕事の順序，公役は誰がいつ定めたか、不参加のときの制裁法。

１２屋外作業の一般的呼称，種類（山，田畑，海上）屋内作業の呼称と種

類,針仕事，機械の一般的呼称と分担者，夜間作業の名称と種類と場所１３奉公人，雇人の一般呼称，どんな場合に雇うか，仕事の種類，常雇の

呼称,どんな家が雇傭しているか，しつけ約束の奉公人を何というか，形式を記入する。

Ｍ奉公人，雇人の人数を男女比，二家以上に日を定めて雇われるか，そ

の場合の食事，寝泊り，雇人の実家と主家の関係，雇人から小作人への移行の有無。

１５無報酬または盆，蟇に義務感をもって提共される仕事や金銭があるか。

１６商家への奉公人を何というか，目的，仕事の種類。奉公入り年令，年

期，弟子離れを何というか，独立するのを何というか；師匠を何というか，独立の際の世話。

１７身売り奉公の有無，名称，借金額と奉公期間，身売り奉公の原因，小作料不納に対しても行なうか。

１８奉公人，雇い人を斡旋する者があるか，何と呼ぶか，方法手数料等，何のために奉公せねばならぬか。

１９出稼人を何というか，出稼地，労働の種類，期間，帰村の機会，送金出稼人の家族内における地位。

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２０契約を何というか，締結法，手付金の有無，酒などの方式の有無と方

法，雇人の契約破棄に対する処理法，雇人は家族の一員と見なされるか

雇われるとき宣誓するか，雇われるとき雇い主から贈り物があるか。

、給金を何というか，物で支払うことはないか，その換算法，給金は年

何回か，いつ支払うか，給金以外に与える物。

２２休みを何というか，時間の長短により，差があ沼か，一日の仕事中，

何回休憩時間があるか，食事休みの呼称，仕事始めを何というか，一定

の休日を他の日と取りかえて休むか，その名称と理由，正月，盆などの

節日の休日を何というか，共同又は個人の祈願に休むことがあるか，夏

の昼寝を何というか，休日に働く者への制裁法があるか。

⑧交通・運搬

1公道，街道，通り，小道の呼称

２道のよしあしの表現法（例えばカアラ，ホリタ，ハンタ，こう，イ

シミチ，ナグミチ等）

３三又路，四辻などの呼称，一里塚等の呼称。

４渡し場，浅瀬の飛び石，徒渉橋，丸木橋などの簡単な橋を何というか

５道しるべの名称，先行者が分かれ道などで，行く先を知らせるたZ6に

立てる標の形式と呼称。

６寺院やヌルドンチなどが，宿屋がわりになったのはtj・ぜか。

７河川利用の運搬注，運搬品目，運搬業者を何というか。

８運搬用の船（例えば地船，マーラン船等）の名称，構浩，運搬黒目，

運搬地，乗組員数，組織と役割，運搬地の名称。

９多数の人員が並んで運搬する方法，名称，運搬品目大下とかＬ大木

など重量の重い物の運搬法。

１０牛馬による運搬法，量，牛方，馬方の名称。

１１人力による運搬法，天秤の名称と作り方，背負い方法の用具，種簿，

運搬品目，量，背負い篭の構造，種類，名称，榛による運搬法，頭上運

搬法と名称，運搬品目，下に敷く物の名称、

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１２穀類の運搬注，用具，一人の運搬量，運搬距離，甘藷の運搬法，肥料

の運搬法，用具などの名称，漁類の運搬法，種類と名称。

穀類と漁類の交換比率は，貢納のたＷ､魚類と穀物の換算比はどうか，具体的に調査する。

１３金銭の容れもの，作り方，煙草入れの種類，火打ち袋の名称，旅行用

具の種類・名称作り方，策や篭の種類，形式，材料，使用目的による名

称，藁竹などで編んだ容れもの敷物，箱などの製作過程，使用目的，名称，職業として製作する者があるか。

１４行商人を何というか，村に入ってくる行商人。その変遷，呼び売りや押し売りを何というか。

１５店を何というか，魚，八百屋の門売りがあるか，小間物屋がくるか，その名称，どこからくるか。

１６注文取りを何というか，注文する商品名。

１７競売を何というかその場所，庭料，競売の方法，入札落札の有無と名称。

１８仲買人の呼称，売買の方法，売買決定の時の作法，仲買人の手を経る品物名。

１９口銭を何というか，売手買手からとる口銭の額，代金。

２０市を何というか０種類による名称，市のたつ場所，露店の名称，露店商人，市に出る商人の呼称，変遷を調査。

市の開かれる日，市の開かれる日は農休みするか，祭礼と関係があるか盆市’歳の市を何というか，市に出る品物，どこから商人が来るか，方音で記入.する。

２１物や交換を何というか，どんな品物が交換されるか，その比率はどうなっているか。

２２市神があるか，祭神，祭日，祭杷者について調査する，市神の信仰範囲，その他の信仰団体があるか。

⑨住居

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１住居家屋の建坪数，付属小屋の棟別建坪数，屋敷面積，部屋割を示す政策との関係を調査。

２屋敷構えの總称，屋敷地選定の条件と変遷，屋敷の周囲，植樹，目的

樹の種類，忌む樹と理由，垣の形式＝生け垣，石垣，竹垣，ススキ垣，ヒンプン等。

３屋敷の入口の名称と勤入口に通じる屋敷内の通路と名称，門の形式と名称。

４家の周囲の空地の位置と名称，利用目的，屋敷の周囲の菜園畑の形式広さ，名称，庭の設備と利用法。

５垣に囲まれた屋敷内の呼称，区切り，使用目的，物干場，作業場の位

置と名称，倉の名称，利用注，倉の造り方＝高倉，アシァゲ等を調査。

６飲料水の設備，種類,名称，水の運搬用具,運搬法；泉水の利用法，

共同か個人か，水溜の方法，屋敷内導入の注，水神祭の場所，そなえもの，司祭者。

７主人夫婦の住む母屋名と付層小屋の名称，同一屋敷内で別棟か，平屋か二階か。

８主飲料，味噌，醤油，塩など貯蔵小屋の有無と名称，農具，その他生産用具を保管する小屋の有無，形式，名称。

９厩の名称，設備，数，馬糧，称揚の名称，肥料籾糠置場の名称形式。

１０かまどの位置，形式，その祭杷。

女性の忌小屋，産室，死者のあったときに篭る場所と名称，構造，機械

の建物と名称，位置，設備。

１１家を建てるときの様式，共同か，家族員だけか，建築材料はどうして

とるか，村山か，茅山を利用するか，建築祝の形式,そのときの御馳走，

踊り，謡い等。

１２庇を何というか，光線に対する配慮，樋の有無と形式，入口に戸があ

るか，その種類，形式，名称，季節による差｡

１３柱の位置と呼称役割，最も大切な柱，信仰，禁忌梁の種類，天井の呼

136

称形式，利用法。

Ｍ屋内の土間の総称区切り名称，広さ利用目的，設備,屋内の仕切りと名称

広さ，仕切りの方法上り口の部屋の名称出居の位置使用目的と方注。

閲食物調理場の位置，名称，ハレとけで異なるか，食事場所の名称，食

器置場と名称，水使い場と設備名称。

１６燃料の一般名称，種類，焚付用具，燃料の製作注と保存法，俗信，火

種保存の注意と管理注，稔れのあったときの火の更新法，付木の種類変遷名

称火具の形式と名称。

１７家建築の様式と名称，階層によって異なるか。

１８屋根ふきの材料，変化屋根の構造。ふき方の方法，名称，屋根ふき

は個人か，共同か，個人を頼むか，職人はどこから来るか，共同の場合

の方法，参加範囲萱の入手注と萱場，ふき替え後の行事，結組との関係

１９家普請の呼称，その範囲，親族などの物質的精神的援助の具体例を示

す。

２０新築の順序について，最初の祝い行事，日の選定法，建物の位置選定

法，地鎮祭，地，灰もらい行事，劫つきの名称と方法と地つき歌，礎石

の据え方，入口の閾の下に何か埋めるか，棟札の記載注，手斧始め家

建て棟上げ屋根ふき終りの行事，行事参加者と家主，親族，近隣の負担

家屋に魂を入れるか，その位置と方式，引き瀞りの時期と行事，だれが

先に入り，何を先に持ちこむか,新築の家で見た第一夜の夢による判断の

⑩衣服

１晴着の一般呼称，着る機会，種類，作る機会。

２子供の名付け，宮詣り，発育の悪い時に作る着物の形式，名称，装飾

親の着物の形式。

３成年嫁入り，年祝いの時作る着物の形式，種類，名称，だれが縫い，

布をだれが贈るか。

４盆正月祭礼の着物の形式，喪服の形式，色世代別の形式，附属品や被

り物，下着類を調査。

137

５平常着の一般名称と種類，屋外と屋内，季節的違い，性や年令階層に

よる相違があるか，平常着と晴着の中間に着るものがあるか，形式と名称，時代的変化。

６仕事着の一般呼称，種類と名称，仕事の種類によるもの，性別年令別，個人労働と共同労働の場合，季節によって異なるか。

７仕事着の服地の種類と原料，時代的変化を調査。

８仕事着の色，織り方と仕立て方，職業によって仕事着は相違するか。

９袖なし背覆い，貫頭衣，胴衣の形式名称，だれが着るか。

１０平常着を仕事着に仕度替えする方法，袖裾をどうするか，肌脱ぎなど

するか。

11海や山などの特殊な仕事着の仕立て方と名称，また休息時の着替え。

１２夜着，寝具の名称，仕立て方形式，変遷，既婚未婚による服装の相違

腰巻をつける機会，樟をつける機会，その色，贈り主，等を記入。

１３帯の種類と名称，使用法，結び方による象徴，年令による差，男女が

帯，手拭る贈る機会と目的，帯，手拭の変遷。

Ｍ子供を負う帯の名称，負い方，負い着物の名称と形式，模様，色，季

節の違い等を調査。

１５身なり，身ごしらえを何というか，それを評する言葉，はでな服装，

着物の着こなしでその人の性格が分るというか,その表現の言葉＝

（方言で記入する）

１６衣服の保管法，衣積の名称，衣服を害虫から防ぐ方法，衣類の手入れ

方法，洗濯方法，その変遷。

１７一家の裁総はだれがするか，男でもするか，衣服の裁ち方の種類，男

女による差ロ年令による差。

１８縫い上げを何というか，何才まで着るか，筒袖から長袖に移るのは何

才か，年少の子供の衣服のつける飾りや護符の形式，縫い上げると家の

中柱に着けさせるか，そのときの呪術にはどんなものがあるか。

、新しい着物を裁つときの作法，日の選定法，仕立ておろしを着る際の

138

作法，呪術。

２０布が衣料となる工程，織りおろしの布織り始功の部分，織り終わりの

部分の呼称，利用法。

２１布の晒し方，道具，薬品，晒し職人，布を作る際の糸の種類，名称，

原料（特に芭蕉糸など）その工程，糸車などの器具の形式と名称，苧麻

綿の栽培注と調製法を調査。

２２染料の種類，原料作り方，色の出し方と色彩の名称，染め方の種類，

名称道具，個人と専問の差その変遷。

２３機の種類と構造，道具名称，その変遷について調べる，機では衣料の

布のみを織るか。

跳機をたてる順序，だれが織るか，日の選定法，被物の名称，種類，形

式，被る機会と目的，年令性別などの差，被物によって何かを象徴する

か,ハレとケの差，時代的変化。

２５手拭の名称用途，目的長さ，模様，男女年令の差，手拭を被る機会，

目的，被り方，帽子，鉢巻の仕方。

２６髪形の種類と名称，象徴の変化髪に飾る付層物，装身器の種類。

２７笠や蓑の種類，材料，形式，名称，用途，目的，作製の過程，手甲，

手袋，脚絆，足袋などの形式，色，模様，名称，製作法，履物の種類，

名称材料用途，形式，製作法，俗信，履物の変遷等を調査。

⑪食事

１調査村落内の各階層より代表的な家を選出して調査する。(例えば地主

目作業，小作農，名子等）

２日常の主食料の種類，主食料の総称，混合食の場合はその割合と名称

３主食料の種類の変ｲﾋ，順序，名称時期と原因，影響，季節，労働の

種類により，年令，性別により変化はないか。

主食以外の代用食の総称，種類,名称，混合，季節労働，年令，性別の変

化。

４主食以外の貯蔵食，種類，方法，名称，凶荒食物の種類，食べ方，備

139

荒の方法，副食物の種類名称，食べ方，保存注＝ソテツ，千甘藷，千大

根，干菜等その調製注。

５肉類，魚介類の種類，名称，食べ方，貯蔵法，食べる日，俗信を調査

記入する。

６調味料の一般呼称種類，原料，作り方，用途，保存注俗信その時代

的変化。

７主食の食べ方（粒か粉か）米飯を何というか，米以外の穀物だけの

飯の食べ方，米以外の穀物を混じた主食の食べ方食べる機会，名称，

カテ飯の種類。

８水分の多い食物の名称，作る櫟会，食べ方＝田芋，里芋等。

９濁酒の造り方，神酒の造り方，作る機会，供え方，のみ方。

１０盆，正月などの晴の食物の総称。

１１粉食の名称，種類，作り方，混合の場合は割合，味のつけ方，炊紛が

あるか，名称と目的，作る機会と目的。

１２甘藷里芋などの球根植物を切り乾燥して食べるか，粉にするか，方法

名称，食べ方を調査する。

１３餅や団子をつくる機会，種類，味や色付け法，形状，使用目的，名称

餅と団子の差。

１４焼米をつくる機会，方法，目的，名称。

一度煮たものを乾かして使うものがあるか，目的と名称，用途等を調査

する。

１５副食物の一般的呼称，主要な副食物，漬物の名称/漬け方，塩の割合

他との混合漬の方法，名称，用途。

１６汁の種類，名称，味付け注，調味料には何に使うか。

１７塩辛の作り方，獣肉の塩辛があるか，名称と用途，煩製品の作り方と

名称，獣肉の乾物の作り方，名称。

１８食器の一般名称，種類，使途，名称，購入先。

１９料理用具の種類，名称形式，入手先，使途。

140

２０食物，飲料を入れる器具の種類，名称，入手先，運搬注，食物貯蔵用。

の器具と名称等調査。

２１穀類，液体などを計る道具の種類，名称，単位，計算法，その変遷に

ついて調査する。

２２四季を通じての一日の食事の献立，量を調べる，普通の日の食事回数

時間，名称，その変化，主要食事以外に何回食事をするか，時間と名称

季節，労働職業，休日などにより異なるか。

２３屋内で食事をするとき，食卓を用いるか，膳を用いるか，その座，席

順はどうか，食物の分配はだれがおこ穴うか＝特に家族制度との関係を

調査する。

24,食べ始めと終りの作法，唱詞，食事中の動作，出来事，言葉で何か予

兆とされることがあるか，食事中を他人に見られることを嫌う風がある

か，その理由，会食する場合があるか，それはどんなときか。

２５何かの理由により禁食とされるものがあるか，それは料理法，時期な

どにより許されるか，特別の飲食物を取ることにより，忌や，呪的状態

から逃れることができるか。

２６家の神仏に供える食物の種類と名称，機会，作法，形式，調理注，食

器は異なるか，あとで誰が食べるか，どんな効果があるとされるか，力＞

げ膳を何というか。どんな機会にするか，形式，吉凶の占いはないか。

２７精進日があるか，精進食があるか，その機会と精神の範囲理由,煮炊し

ない日があるかその機会と理由，特定の食物を断つことはないか。

２８正式食事を何というか，変った食物があるか，それぞれの名称，変っ

た食物を作るのは－年に何回か，食物の名称作り方，食べ方，食器はど

うか。

２９祭礼生産儀礼，吉凶その他の定まった食物の名称，作り方，食べ方０

共同飲食の際の作法について調査。

３０酒宴の開かれる場所，食事作法の方式，席順盃の廻し方，酌取り人な

どの名称。

1４１

３１酒宴に参加する人の種類と範囲，不参加の場合の規則費用の負担法，

共同飲食を禁ぜられている人はどんな人か，一般に何というか＝酒宴を

参会といわないか。

躯料理を男がする場合があるか，機会と理由，屋外料理の機会と理由，

竃はどうするか。

鋼特定の地方のみの食物，料理法，嗜好品があるか、

鋤菓子茶，煙草などの種類と名称，愛用者，昔からの変遷を知るための

調査。

⑫土地制度

１土地の種類，地割注とその変遷。

２地分けの範囲，一地の坪数,地分の方法はどうなっているか地分けの年数

地割地の管理施肥はどうか,開墜地は何というかｂその所有の方協

３村共同で開墾した土地を何というか，年貢はどうして納めるか，地割

地はだれが測定するか，土地の評価はだれがやるか，記帳するのはだれ

か－調査記入する。

４－地又は一分の組み合せ方法はどうか，地割配当地の過不足に対する

矯区の方法はどうか。

５地割をしない土地の処分方法はどうか，地割地受渡の方法はどうか，

その期日はどうか。

６地割替のための地人總会を何というか，（例えば村ユーレョ村ゾロ

イ，村吟味等。）地割のための地人總会を召集するのはだれか，どんな

方法で召集するか，不参者に対する制裁法。

７組に土地を配当することがあるか，その組は血族であるか，門中であ

るか，隣家か，友達仲間か。

８地割帳作製はだれがやるのか，地割協議の責任者か，村役人のうち誰

がやるか，不参者に対する制裁法はどうか，村八分をするようなことはなかったか。

９－地を細分したその部分の呼称，名称，細分された部分の面積はいく

142

らあるか。

１０細分したとき幾等級できるか，その組合せの方法はどうか，分配には

どんな方法を採用するか,抽選によってやる方法があるかｂ抽選が終ったら地

人がその割当地を踏査することはないか，踏査するときは一人で行なうか､村役

人が一緒に行くことがないか｡

１１配当地の距離に応じて各地人で交換分合が行なわれることがあるか。

１２村役人は地割替作業をするのにどんな方法をとるか，およそ作業は何

日位かかるか，そのとき村役人は報酬を受けるか，受けるとすればどれ

位か，それは穀物か，金銭か，それとも労働作業による弁償の方法をと

るか。

１３検地はどうして行なわれたか，祖税のためか，政治的策略によるもの

か，検地のときの竿入の長さは凡そ幾尺か，観音竹などを使うことはな

かったか，水縄を張るとき，縄心はどれ程であったか。

１４検地の際は土地を何等級に分けたか，斗代を出す方法は，誰がやるか

記帳するのはだれか，検地役人に饗応することはなかつ升か。

１５検地役人の付添い役にはどんな人がえらばられたか，その人々には報

酬はあったか，あったとすればどれだけだったか，それは金銭であった

か，米穀であったか，士地を与えられたか，労働力を与えたか。

１６検地帳を作製するとき従来の畝割帳を村村から取り揚げられたことは

なかったか名寄帳はどのようにして作成したか，地割帳の地積をそのま

ま与すようなことに.なかったか，名寄帳の保管は誰が責任者であったか。

⑬信仰

１村または部落全部で把る神社，お獄，祭神，主として何をきき届けて

くださる神と考えているか。

２把りはＷ)に関する言い伝え，祭神に関する伝承。

３氏子の範囲，お嶽の位置，一年中の祭日，お篭り゜

４祭りの準備，誰がいつごろ何をするか，注連縄張り，巫女，司の服装

装束など，家々から出す供物等それらを取り払う時期，始末の方法等を

143

調査する。

５神幸の順路と経過時開＝東お巡い，雨ごい，ウンジヤミ等の順路につ

いて詳記する。

神幸行列の構成と諸役の分担，とくに神霊の葱依物に注意すること。

６神霊の葱依物と見られる人の動作，持ちもの，いつから葱依状態に入

り，いつまで特続するか。

７神前に捧げる芸能について記録する，神供えもの調製する人，場所，

清めの方法，別電の様相，容器，盛りかた，おさがりをたべる人，処分

の方法、

８忌籠りを特色とする祭礼，物忌に付会された妖怪，物忌に入る者は村

人全部か特定の人だけか，それぞれにつき物忌の程度を調査。

９葬，産，月経などの猿れある者が神聖な物忌に対してとる態度，守る

べきこと，それぞれ親族関係のどの範囲までか。

１０物忌の場所は常設か臨時か，特定の家を運ぶ場合，順廻りか，何か選

定の条件があるか，しつらえ，清めかたを調査する。

11物忌期間中積極的にする行為，精神潔斎の種類，程度，物忌中の飲食

物の種類，飲食して悪いもの，断食，調製する人作り方，食事の場所，

作法，物忌中に使う食器，食具の保管，後始末等。

皿中心となる祭日に対して何日前から物忌を始めるか，物忌の終り，す

なわち日常に復する機会は何日目か

１３平常と祭礼時の神役にはどんなものがあるか，神役の家系，その出自

相続，神職，門中などの相互関係を調べる。

魁門中総代の地位役目，村役との関連，他の役職との兼任状態，選出，

任期を調べる。

１５巫女の家柄，出自，奉仕の範囲＝地域的には奉仕神社の数，内容的に

は祭礼での役割，家庭祭杷への関与度。

１６オコデの選び方，家柄との関係，オコデの妻の役割，物忌，子供の役

割，穂れある場合の処置。

144

１７祭礼の費用の出所，お獄の鍵，ノロ地，ノロ田の管理小作の状況･

’８門中で把る神，その場所，桐を祭る範閉，同族の神と村の神との関係

１９本家の分担，席順，相続との関係。

２０屋敷神を祖る家と妃らぬ家，本家分家の関係，把りはじめの由来霊威

たたり，桐，神体，傍の樹木，霊石，桐の位置と方角･

祭日，把り方，神供，年中行事，氏神祭礼など同時に把るとと等を調べる。

２１開拓先祖との関係，家敷墓との関係。

２２分家，入村，転居，絶家の場合。

２３屋内に把る神，門のお札，年神棚，盆棚など臨時に棚を設けて祭るも

の，時期，方角，材料，供物。

２４炊事や富に関した神，竃や火に関する神，便所神,倉に把る神，これ

らの神と農神との関連を調査。

２５作神，田の神,原神，水神など農耕に関した神，その祭日，把り方。

神の表象，奉仕者，供物などを通して神の性格を究明する。

２６山の神，海の神，竜神，漁の神，商の神，市の神等を調べその奉仕者

等日，供物を明らかにする。

２７大工，石工,鍛治屋，鉱山業などの職人の把る神，とくに火と金属を

扱う者の信仰として調査，種造り，その醗酵現象に対する霊神を調査。

２８講や集団の信仰行事について，その改廃と集団の離合の様相をとらえる。

信仰集団結成の動機，発案者，推進者，中心人物，行事内容，飲食,供

物等を調査。

２９寺院，堂’塚，塔，等の宗旨ｊ村の階L層，家格との関係，僧侶，檀家

総代の地位，村役，村職との関連を調査＝特に原講，権現調等を調べ

る。

３０村人の参詣，参鯖の機会，その行事，法令などを調査。

寺院の継済，僧侶への謝礼，神，仏混清の状態＝建物，神体，司祭者，

145

祝詞，行事など調査。

キリスト教，新興宗教の浸透，村人の受けとり方。

３１村全体の利害に関するもの,害敵を防ごうとする道切り,厄病送り，

虫払い等の様式を記路する。

釦生業のための豊作祈騒，雨乞い，日乞い，稲祈祷，大漁祈願，ハーリ

ー行事等を調査＝シヌグ，ウンジヤミ等記入。

鍋個人の病気や不幸に際しての願かけ，断ち物，水拓離の類，参加者，

呪文。

趾雨乞いの模様＝詳細に記録する。

３５精神病者に対する村人の感じ方，村人が何を頼み，何を占ってもらう

か。

３６死人の口寄せ，占師，ユタの行動半径巡遊，謝礼。

３７入神の動機，資格，修業したところ，守り神，巫女，祈祷師たちの集

会。

３８二人一組または葱りましを使う神意の表現者と伝達者があるか，巫女

は家系か，多発的か，偶発的か，相続か，養子か，近隣の巫女との相互

関係を調査する。

３９この種の人たちの興亡，多発の機縁。

知妖怪にはどんなものがあるか，山の怪，路傍の怪，家屋敷の怪，漁の

怪等。

似共同幻覚，怪火怪音＝遺念火，キジムン，マジムン等。

蛇村の地形，信仰，年中行事，伝説などとの関連のもとにとらえる，去

来する妖怪，巡回するもの，性格の変わる喉の，妖怪の出る場所，日時

季節，環境，よく逢う人，妖怪に対抗する手段を調べる。

偲葱きものの種類，懸かれやすい人の性格，葱かれた人の動作，食べも

の，葱かれた原因，または原因と考えられている条件，生霊または葱依

動物の特徴。

拙愚きものを落すための呪法，道具，祈祷師，落とし方＝マプイグミ，

帝

146

マブイワカシ，マプイオトシ等について，その形式，方法を調査する。

組縁組を嫌う家系，葱きもの筋と社会的緊張度，葱きもの筋の家で特に

把る神。

鮒出産，結婚，富その他の幸福の予兆と考えられている現象等。

４７死，病気火事等不幸の予兆と考えられている現象。

組農作の豊凶,漁，不漁，狩山仕事の出来，不出来，商の成否などの子．

兆と考えられている現象

組年頭，豊作,漁，狩，商いなどのどのような行為，動作，でき事が幸

不幸の予兆になるか。

５０婚礼，誕生，葬式中の出来ごと,幼児の動作，病人の言動などを何か

の予兆とするか。

51旅だちの前の出来事，道で物を捨う，葬列，婚礼の行列僧侶などに逢う

などを何の予兆と考えるか二人が同事に同じ言葉を発するくしゃみ耳鳴

りなどの生理現象，赤子の体の特徴などを何の予兆とするか，漁にでる

とき最初女人に逢うと不漁とは言わぬか。

５２鳥肌虫，動物の動作や声を何の予兆とするか，花や樹の場合，雷，地

震，流星，虹などの天然現象，竃の火，煙の方向，灯火の明滅怪音等。

５３夢一よい夢，悪い夢の種目。悪い夢の結果を防ぐ法。

乳占いにはどんな種類があるか，村共同か，個人か，占いの道具一木の

枝，こより，水，石，砂，銭，豆，<も，火や灰，唾，飯や粥，酒，餅

などのかび，綱引き相撲，弓などの競技による占い。

５５占いをする場所と期日，

占いの目的’一年の幸健康，農作の豊凶，大漁，富，天候，無災害，結

婚の或否，生児の男女や将来，紛失物，盗品や盗人などについて調査記

入する。

５６占者一職業的か素人，売卜術によるか。

謝礼，巫女一ユタの正体を調査する。

５７忌，忌の行為，忌の期間を何というか，死，産月事その他の忌の名称

1幻

忌を守る法，食べもの，小屋の生活。

忌の期間を終えて，平常に戻る時の作法や祝い。

忌の害，忌のために生ずる違和，損害，故障，忌を犯した者のうける制

裁＝浜下り等の方法，諸作を調査。

５８忌まれる土地，田畑，山林，屋敷など。

忌まれる物＝特定のまたは特殊な石，木，動物。

忌まれる行為，日常,年中行事，生業などの間に禁止されている行為。

忌まれる日時，方角，忌み言葉，等を詳記する。

５９人形送り，人形祭り，疫病神送り，その1,,の神送り，虫送り，虫祈祷

送り念仏。

門守り，魔よけ，呪詞，その形式，方法を調査する。

６０眼の周囲，百日咳，あざ，萢瘡，癩滴，癩病，梅毒，神経痛，象皮病，

熱病などをなおすのに，その治療をどうしているか＝民間薬，QIid的な方法，治

療施術者の問題を調査。

61神薬一巫女神楽,クイチャー，オモロ，クエナ，ヤラシ，その他エイ

サー（京大郎踊，ニンブチャー踊，獅子舞，念仏踊）その由緒，沿革，

伝播の経路などを調査。

６２カ石，綱ひき，ハーリーなどの競技の由来，伝承を調査。

斗鶏，斗犬，斗牛，競馬などと農作との関係。

農作物や身長などの比較競争を調査する。

それぞれについて日時，競争者，場所，競技内容，祭礼などを調査する。

６３潮神を把ることはないか，井神はどうして祖るか，誰が妃るか，供え

ものは何々か，そのときの供養の詞はないか，田の水口祭と関連はない

か，井神に捧げる芸能はないか，あるとすればその踊の形式，歌などを

採録し，農耕との関連を明らかにする。

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