特集記事:

中国経済に不可欠　　　　　　　　　　　　　　　―大規模な発展に向かう近代製紙産業

•　中国経済への貢献

•　社会福祉の推進

•　文化の伝承に欠かせない役割

“持続可能性への誓約”　　　　　　　　　　2012年第1四半期最新情報

紙はもっとも重要な人類文明の媒体であり、製紙産業は数世紀にわたり、人間の伝統や知識を継承していく上で重要な道具でした。しかし現代人は、経済および社会的側面における紙の重要な役割に気づいていないかもしれません。

実際、近代の製紙産業は日々の暮らしに欠かせない製品を供給し、豊富な雇用機会を生み出し（APPはたった一社で中国国内に約4万人の直接雇用を生み出してきました）、操業を行っている地域の経済や事業に浸透効果的な好影響を与えてきました。近代製紙会社が採用した最新技術のおかげで、人々は環境への配慮で妥協することなく、高品質で持続可能な紙製品を享受できるようになりました。今号は、中国の第12次5ヶ年計画（FYP）の一環としての製紙業の再建を背景とした上記テーマに焦点を当てています。当社は、社会が製紙産業の展望を客観的な視点でとらえ、中国の近代製紙業の発展を支えていくよう促進していく所存です。

詳細は下記URLをご覧下さい：　　　　　　　　　　　www.app.com.cn　　　　　　　　　　　　www.papercontract.com　

目　次 　中国経済に不可欠――大規模な発展に向かう近代製紙産業

APP中国持続可能性への誓約Paper Contact with China 2012年第1四半期報告書

人類文明の発展における紙の役割はこれまで盛んに取り上げられてきました。しかし、製紙業が貢献してきたのは、文明だけではありません。地域の経済や事業への浸透効果的な好影響はあまり知られていませんが、結果的に社会発展に貢献しています。

そのため、昨年12月に発表された製紙業に関する第12次5ヶ年計画（FYP）は、製紙産業は中核となる重要な第一次産業であり、かつ関連事業を良い方向へと導く経済成長の新たな源であると明示しています。この計画は、中国の製紙会社を持続可能な近代企業に変革していくには、製紙業界の再構築の推進が必須であるとしています。

製紙産業による中国GDPへの貢献は鉄鋼業などの産業ほど大きなものではないかもしれませんが、見過ごすこともできません。2010年、製紙業の生産高は金額にして約6,000億元（950億ドル）、納税額は約500億（80億ドル）に達し、これにより製紙産業は中国経済の重要な要素となりました。

一人当たりの紙消費量は国の発展と生活水準の指標でもあります。世界の製紙業開発原則に記されているように、国の紙製品消費量の伸び率は、程度の差はあるものの、その国のGDP成長率と一致しています。中国の国民一人当りの紙及び板紙の消費量はここ10年間で飛躍的に伸び、2008年に60kg、2009年に64.4kgだった紙の消費量は、2010年に68kgに達しました。

さらに現在の製紙会社は、多くの川上および川下産業、地域経済にとって効果的な経済カンフル剤となっています。例えば2011年、海南省洋浦経済開発区の生産高は――面積は海南省全体のわずか0.1％に過ぎないにも拘らず――同省の工業生産高の42％を占めていました。海南金海紙パルプ会社は、この開発区内でも最大規模の企業の一社です。

加えて、植林・パルプ・紙の一貫化によりさまざまなレベルで雇用機会が創出された結果、社会経済が促進されました。ある統計によると、植林地1ヘクタールあたり約22.5人の労働者が必要ということです。現在APPは中国国内で30万ヘクタールを超える植林地を管理しており、こうしたことだけで地域農民が林業で収入を得る豊富な雇用機会を創出しています。

製紙産業はその一方で、広く使用されている旧式の技術や環境意識の欠如により、長い間環境問題に悩まされてきました。しかし、近代の製紙産業はまったく異なっているという点は指摘されてしかるべきでしょう。技術の進歩や国家基準の強化、企業の社会的責任をめぐる意識の向上は、環境に配慮した近代製紙業を形作ってきました。中国製紙業向け第12次5ヶ年計画が開発の今後の方向性として“省エネルギーと環境配慮”と定めたのは、このためでもあります。第12次5ヶ年計

画の実施期間、製紙業界は、世界的競争力を強化する持続可能な操業を段階的に向上させつつ、最高品質の紙製品と体験をお客様に提供するために資源とエネルギーの消費を抑えて参ります。これにより、製紙産業は国家経済に多大な貢献を与えることになるでしょう。

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持続可能性への誓約

APP中国持続可能性への誓約Paper Contact with China 2012年第1四半期報告書

製紙業は古代からつづく産業です。あるときには、人々の知識は刊行物の助けを得て伝播および保存され、人間の文化と技術の発展を推進してきました。また、近代的紙パルプ産業は地域の事業に加えて国の経済に欠かせない大切なものであり、社会に貢献しています。

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　　　　中国経済に多大な影響を与える重要な第一次産業

南京林業大学の李忠正教授は「近代的紙パルプ産業は最新技術で武装した技術集約型事業であり、化学や化学工業、林業、機械、事業管理、環境保護を網羅する知識で構成された複雑なシステムです。また、多くの技術的専門家を要する能力集約型産業でもあります」と指摘しています。また、植林地・パルプ・製紙の一貫化により、地域の経済および社会の調和の取れた成長に大きく貢献する、さまざまなレベルで雇用が創出されます。

　　さまざまなレベルでの雇用創出と地方開発の推進

出典： Review and Prospects on Environmental Performance of China’s Paper Industry, Professor

Li Zhongzheng of the Nanjing Forestry University

製紙産業の健全性は中国の経済発展と密接につながっています。紙および板紙の消費レベルは、国の近代化と文明化の主な指標となっています。無公害生産工程で再生可能な資源を使用することで、近代的製紙産業は持続可能な第一次産業の一つとなり、経済成長の新たな源となっています。

近代的な製紙産業は資本集約的であると同時に技術集約的でもあり、その巨大な経済規模で市場規模の拡大とさらなる成長の可能性を支えています。また、関連産業と密接に結び付いており、こうした産業に大きな影響を与えています。下記図表（表1）に示されたインパクトファクターの数字から判断すると、化学・電気・情報産業と比較して、製紙産業は関連産業に大きな影響を与えていることが明白です。このインパクトファクターは、中国経済のある製品部門で最終製品が単体で成長するときに、中国経済の他の部門の生産に与える関連する影響を示しています。このインパクトファクターが大きいほど、産業部門が他部門に与える影響は大きなものになります。インパクトファクターが1を超えているということは、その産業が他の関連産業に与える影響が平均以上であることを表しています。

さらに、中国経済において戦略的に重要な原材料産業として、製紙産業は、林業や農業、環境保護、印刷出版、化学薬品、機会製造といった関連産業から成る広大な産業サプライ チェーンや産業オートメーションおよび輸送の中核となっています。つまり、製紙産業の急速な成長は、川上および川下の協力産業に好影響を与えることになるのです（表2）。

たとえばAPP中国金東紙業は、金東の発電所でつくられるフライアッシュから“フライアッシュ気泡コンクリートレンガ”として知られる新たな壁用建材を開発および生産するために、鎮江生化フライアッシュ利用企業と長期契約を結びました。2010年、金東紙業はフライアッシュやその他の残留物などの固形廃棄物332.5キロトンのすべてをレンガ生産のために鎮江生化に販売しました。専門家によると、フライアッシュ300キロトンで2億個のレンガをつくることができ、その価値は3,000万元（470万ドル）に相当するそうです。この製品は鎮江市の壁材改革公室による“主要推薦商品”に指定されています。

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近代的製紙会社は資本集約型です。近代的製紙産業には、潤沢な財源による支えが必要です。中国の例を挙げると、APP海南紙パルプ会社の第1号パルプ生産ラインは、最先端技術を特徴とした、現在、世界で最も大きく環境にやさしい操業施設の一つです。この第1号プロジェクトへの合計投資額は、それだけで105億元（16.7億ドル）に達しています。

近代的製紙産業は規模の経済に依存しています。近代的製紙会社の規模は経済パフォーマンスと密接に関係しています。海外のケーススタディは、化学パルプ生産ラインの能力を倍にするため必要な投資増は、わずか57％としています。この節約額は非常に大きなものです。

近代的製紙産業は環境保護施設を含めた最新技術を利用しています。これについても、海南金海紙パルプ会社が再び素晴らしい例となります。同社は管理および生産工程において、全自動化とデジタル化を実現しました。第1号プロジェクトに投入された資金のうち、27億元（4.3億ドル）は環境保護に費やされましたが、これは第1号プロジェクトの全投資額のほぼ1/4に相当します。

近代的製紙産業は資源消費を最小限におさえ最高の製品品質を提供しています。VirjoyやBreeze、Space Shuttleといった高級紙製品のブランドはすべて、資源効率が良く、環境にやさしい、排出レベルが中国の国家基準よりはるかに低いどころか、世界でもっとも低いレベルにある、大規模な近代的工場から供給されています。

近代的な製紙会社はリサイクルを採用しています。古紙や廃水、固形廃棄物の回収と再利用などです。寧波亜州紙パルプ会社を例に挙げると、2010年、古紙からつくられたパルプは使用された全原材料の50％に達しました。APP中国の主要工場は使用後の水の90％を再利用しており、いくつかの工場は最も高い95％を実現しています。

近代的製紙産業の特徴：

中国林産業協会および製紙分会の前事務局長である徐衛東氏は、700キロトンの木材パルプを生産するには、20万ヘクタールの植林地から原料を供給しなければならないと述べています。666.7ヘクタールを1年間植林・手入れ・伐採するためには約110人の従業員が必要であり、通常業務で合計33,000人の雇用が確保できます。生産を行うには、さらに約1,000人の従業員が必要となります。つまり、このプロジェクトは計43,000人の雇用を直接的に創出することになるのです。

中国の大規模近代的紙パルプメーカーの一社として、海南金海は2006年から2010年にかけて約19億元（3億万ドル）を納税しました。同社は地元の農家と協力して植林地をつくり、その過程で農家の皆様に副収入をもたらしました。植林・パルプ・製紙の一貫化プロジェクトが完了した暁には、年間数百万元の価値がある10,000キロトンを超える製品がこの施設から運ばれていくことになり、楊浦の物流産業の開発ブームに拍車をかけるでしょう。

さらに、楊浦経済開発区の主要企業として、金海紙パルプ会社は地方経済および社会の発展を推進しています。たとえば、海南金海工場の近隣にある公堂下村の生活水準は、金海のプロジェクトが実施される前の2003年から、プロジェクトが試行された後の2009年の間に飛躍的に向上しました。

金海プロジェクトが設立される以前の2003年、公堂下村の住民は老朽化した家に住んでいました。車は一台もなく、村全体でバイクが3台あるだけでした。

金海プロジェクトが試行された後の2009年、強固なコンクリートの家屋が村のあちこちで見られるようになりました。村民は800人を超えますが、文字通りその全戸がバイクを所有し、町には7、8台の車があります。

APP中国持続可能性への誓約Paper Contact with China 2012年第1四半期最新情報

　　 無公害生産に関する、　　　　　 　　　　

　　　広西金桂の第1四半期の持続可能な進展

3月、広西金桂紙パルプ会社は、化学機械パルプの生産ラインで年間30万トンのパルプを生産できるようになりました。この生産ラインは関連する政府環境機関にも評価されています。同月、金桂の最新廃水酸化処理のための研究および工業的実証プロジェクトは、広西科学技術庁の2012年主要技術プロジェクトに選ばれました。

　　金東紙業の‘エネルギー効率の高い、　　　　　 環境にやさしい企業’への試験的取り組みが　

　 表彰される

2月、工業情報化省、財務省、科学技術省は、提案された試験的計画に着手した、金東紙業を含む80社を表彰する合同声明を発表しました。金東紙業が提出した計画に含まれるさまざまなプロジェクトは円滑に進行しており、今後5年間、特に省エネルギーと排出削減分野で多大な貢献をもたらすと期待されています。

　　　草の根NGOのためのAPPの青年インターン　　　シッププログラムが2つの賞を授与される

1月、草の根NGOのためのAPP青年インターンシッププログラムとAPP中国と金奕聡慈善基金が先導する地域社会プロジェクトが、China Philanthropy TimesとGlobal Charityより夫々、‘企業の社会的責任モデル（MNC）’と‘2011年中国地域社会プロジェクトトップ10’を授与されました。このプログラムは、

地域交流の基盤をつくる取り組みと若い才能を育てる新しい取り組みを認められ、表彰されたものです。

　　 金奕聡慈善基金とAPP中国が、甘粛省の　

　　　学校のため資金提携プロジェクトで提携

甘粛省定西の高峰地区にある4ヶ所の学校（牌坊、馬営、紅堡、明徳）の学生への資金援助と、3ヶ所の学校（牌坊、馬営、紅堡）での慈善事業支援を目的とした新たな地域社会プロジェクトで、金奕聡慈善基金はAPP中国と協力してきました。このプロジェクトは、辺境地域を貧困から救い、自立した生活ができるよう同基金が実施している一連の活動の最新のものです。

　　APP中国は4年目となる　　　　　　　　　　　　　　　WWFのアース・デイに参加

2012年3月31日午後8時30分、APP中国はWWFが毎年実施しているアース・アワー運動を支持し、また地球を守ることは私達すべての責任であることを認識し、1時間の消灯を行いました。また、2012年のテーマである“I will if you will”とともに、APP中国は社内の環

境にやさしい人物を特定および表彰する一連の活動に着手し、宣伝と模範的リーダーシップを通じ、従業員の間で環境保護メッセージを強く推進してきました。

　　金海紙パルプ会社が、沿岸環境保護規制に　 関する最も厳格な要求基準を満たす

3月、海南金海紙パルプ会社の専用埠頭は、船舶による海洋汚染防止のための検査要求基準を満たし、海南海運安全管理機関による認証を取得しました。これにより、海南金海工場は同省で沿岸環境保護規制の要求事項を満たした初の企業となりました。

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