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　この時のヤコブは、最愛の息子ヨセフを失った後、健康を失い、年を

とり、族長としての影響力も失っていました。しかも激しい飢饉に見

舞われ、大変な不安の中にありました。残された希望は、息子ベニヤ

ミンの存在だけでした。

　しかし、そのベニヤミンも失うことになるかもしれないという事態

が発生しました。飢饉の中、エジプトに食料を調達に行く際、エジプト

側が要求してきたことは、ベニヤミンを同行してくることでした。

　「このままでは、一族全てが餓死してしまう。」こう思ったヤコブは、

ベニヤミンを差し出す覚悟を決めました。その時の言葉が、これです。

　「私も失うときには失うのだ。」

　ヤコブは、迷ったでしょう。でも最後は、覚悟を決めたのです。覚悟

を決めるということは、こうなるであろうとまだ架空の状態に置いて

おくことができた負の要因を、負と決定づけることを意味します。

ですから、私たちの弱さは、決めることを先延ばしにし、負の要因を

架空の状態のまま、冷凍保存するのです。「いつか」とは思うのですが。

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Baptist V

oice

校長コラム

第十七声 「覚悟を決める」　村上

聡

覚悟を決める

Merry Christmas

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　しかし、負となることを承知の上で覚悟を決めることが必要ではないで

しょうか。

もしヤコブが、ベニヤミンに執着して、覚悟を決めなければ、その

後の祝福はなかったことでしょう。

覚悟を決めなければ、人生はそのまま

だったでしょう。信仰によって覚悟を決める祝福を分かち合いましょう。

き方に自由さがなく、うまくいかないそうです。

　キリストは、サタンからこの世の栄華を見せられました。

でも覚悟を決めておられましたから、惑わされることはなく、

自由でした。神なら十字架から降りてこいと罵声を浴びせ

られました。しかし、その時も自由でした。どうしてで

しょうか。神のあり方を捨てることができないとは考え

ないで、覚悟を決めておられたからです。人々は、彼の

肉体を縛ることはできても、心を縛ることはできません

でした。ヤコブもまた、覚悟を決めたことで自由となったの

です。覚悟を決めると、私たちも自由になるのです。

　人を愛するためには、感情では続きません。続けると

いう意志に基づく覚悟が必要です。人を赦すためにも覚悟

が必要です。

赦すということは権利を放棄することです。

相手の誤りを追求する権利、苦情を言う権利を放棄するため

には、捨てる覚悟、時として、損をする覚悟が必要です。　

　道で倒れていた人にとって神の祝福の器となったのは当時

見下されていたサマリヤ人でした。祭司やレビ人ではなかった

のです。 何が違っていたのでしょうか。

その人のために損を

するという覚悟ができたかどうかなのです。

　覚悟を決めたヤコブは、家族の祝福の器となりました。

彼の覚悟が、何千年と続くイスラエル民族を守ったことを考える

と、今、覚悟を決める事が大切であることが分かります。

　神は、いつも先回りをして、あなたの決心を待っておられます。

祝福を

用意して待っておられるのです。　

　ヤコブが失ったと思っていた最愛の息子ヨセフは生きていました。しかも

エジプトの権力者となって、 ヤコブたちが住む場所、

食べ物など有り余る

祝福を備えて待っていたのです。

もし、ヤコブがベニヤミンに執着して 「

私

も失うときには失うのだ。」

と覚悟を決めることがなければ、このよう神

が備えて待って下さっていた祝福を知ることはなかったことでしょう。

　ですから、損をするかもしれない、

あるいは、きっと苦労があるだろう

と思ったとしても、神に信頼して覚悟を決めることが必要です。

　誰でも、負の要因を受けとめたくはありません。ですが、それを避けよ

うとして生きる生き方には自由がありません。しかし、覚悟を決めて、そ

れを受けとめると、自由になれるのです。

　プロスポーツ選手の引退後のカウンセリングを専門にする方がおられる

そうです。その方によりますと、引退後の第二の人生で成功する人は、覚

悟を決めた人だそうです。しかし、元プロ選手であると引きずる人は、生

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Gillespie Family Christmas Concert神学校クリスマス祝会

毎年12月の第一金曜日は、神学校のクリスマス祝会が行われ、諸教会の皆様と主の御降誕を賛美してまいりました。今年は、ギレスピー御家族が再来日。クリスマス賛美で会堂が満たされます。ギレスピー兄弟は、子供9人の11人家族で、アメリカでは銀行の副支店長を務めるビジネスマンです。 日本の救いのために、2012年に続いての来日です。皆様、是非、神学校にお越し下さい。

朝の部10時～11時30分 / 夜の部7時～8時30分 （6時30分から神学生による劇があります）奨励 村上聡校長 ＊＊＊＊伝道のためにも大変用いられるコンサートになると確信しております

昨年の神学校賛美 今年も賛美します 三年前は「塩狩峠」を演じました

神学校クリスマス祝会

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神学＆教会成長セミナーの祝福

神学校NEWS

女子寮サニタリールーム全面改修工事女子寮の浴室とトイレと洗面所のスペース約6坪の改修工事を行うことになりました。この部分は、1970年代に建築され与えられた最初の校舎の部分で、阪神淡路大震災の際にも何とか守られた部分です。損傷箇所や水漏れの箇所を修復しながら使ってまいりましたが、４０年という年数と地震で受けた影響は隠すことができなくなりました。 また、現在の女子学生がいない状況での工事のしやすさから、この度の改修工事を決断した次第です。 タイルなどを剥がしてみますと、やはり下地の腐敗も激しく、 まさに今が、 主が導いて下さった時であると主をあがめることができました。 今現在、学生 教師 宣教師の奉仕作業で行われております。 感謝なことに、 来年の春から、複数の女性の入学希望者がいることを伺っており 新しくなる設備が用いられることを大変嬉しく思っております。昨年は、屋根の大がかりな工事をしたばかりですので、迷いもありましたが、祈りの時を持ち、この場所で、神の働きである神学校を継続していくためには、必ずしなければならないことと判断いたしました。 昨年の熱いご支援の数々を思います時に、甚だ恐縮ではございますが、今一度、主にある温かいお祈りとご支援を、何卒宜しくお願いいたします。 この度の改修費用の130万円が与えられますようにお祈り下さい。

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8月下旬に神学校卒業生を対象としたセミナーが開かれました。関西近辺はもちろんのこと、九州沖縄や関東で主に仕えている卒業生、また、海外に宣教師として出て行っている卒業生も集うことができました。一泊二日で、食事や宿泊を共にし、お互いに励まし合うことができました。 セミナーのDVDや音声データ等、希望する卒業生は、神学校事務に問い合わせて下さい。

神学校は、開校以来、建学の精神としてこの御言葉を掲げております神の前に錬達せる者とならんことを勵め ～ テモテ後書より神の前に錬達せる者とならんことを勵め ～ テモテ後書より

Bible School Periodical ｢バプテストラッパ」 2014Bible School Periodical ｢バプテストラッパ」 2014冬号

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Ⅰ．旧約聖書における「霊」

　

Ａ．「霊」の基本的意義

　　

１．風　

　　　　　

動いている空気、「風」の意味で多く用いられています。語源か

らも激しい風を意味する場合が多いのですが（Ⅰ列王一八・四五、エゼキエ

ル一・四、一七・一〇等）、激しさを伴わない場合や（創世記三・八等）、

風のむなしさを表す場合もあります（イザヤ二六・一八、四一・二九等）。

　　

２．息

　　　　　

人間の風は、「息」です（ヨブ一九・一七等）。人間も動物もい

のちの息あるものです（創世記六・一七、七・一五、二二、伝道者三・一九

）。神の力ある息は、天の万象を創造し（詩篇三五・六）、紅海を分け（出

エジプト一五・八）、人にいのちを与え、また取ります（ヨブ三四・一四、

一五、詩篇一〇四・二九、三〇）。

　　

３．霊

　　　　　

最高の霊的人格は、神です（イザヤ三一・三）。風が人によって

制御されることがないように、神はいかなる制限を受けることのない無限で

絶対的な霊的存在者です。また神の霊（創世記一・二等）、聖霊（イザヤ六

三・一〇、一一等）に言及されています。

　

神のかたちに創造された人間（創世記一・二六）も霊的存在であり、その

「霊（

へ

ルーアハ）」は、神によって人間の内に造られ（ゼカリヤ一二・

一）、守られ（ヨブ一〇・一二）、死の際に神に帰ります（伝道者一二・七

）。

　　

４．心

　　　　　

個人の支配的な衝動や性向、つまり心の状態や態度を表します。

新改訳では、多くの場合、「心」と訳しています（民数記五・一四、三〇、

一四・二四等）。感情の座（Ⅰサムエル一・一五等）、意志の座（詩篇五一

・一二等）、精神活動の座（イザヤ四〇・一三等）を意味します。

　

前回と前々回に学んだ御使いや悪魔と悪霊も「霊」です。神も「霊」であり、

人にも「霊」があります。それでは、「霊」とは、一体どのような存在であるの

でしょうか。今回は旧約聖書における「霊」について学びましょう。

　　　

　　　

　　　

「霊（

へ

ルーアハ）」の語根の根底的概念は、「動いている空気」で、

「息をする」ことに関係します。

　

類語の「

へ

プーアハ（息をする、吹く）」（雅歌二・一七、四・六等）や「

へ

ナーファハ（息をする、吹く）」（創世記二・七等）が、「口から激しく息

を出す」ことを意味するのに対して、「霊（

へ

ルーアハ）」は、「鼻から激し

く息を出す」ことを意味します。

　

また、はかなさや空しさを表す「

へ

ヘベル（息、蒸気）」（詩篇一四四・四

、伝道者一・二二等）と対照的に、「霊（

へ

ルーアハ）」には、激しさの概念

が顕著です。

　

しばしば「霊（

へ

ルーアハ）」は、「

へ

ネシャーマー（息）」（創世記二

・七、七・二二等）と並行して用いられています（イザヤ四二・五、五七・一六

等）。その動詞形「

へ

ナーシャム（息を吐き出す、あえぐ）」は、イザヤ書四

二章一四節で、「

へ

シャーアフ（音を立てて息を吸い込む、あえぐ）」と対に

なって用いられているため（新改訳は意訳）、子を産む女性の激しい息を表現し

ています。しかし本来は、動詞語幹も名詞形「

へ

ネシャーマー（息）」も、普

通の静かな息を意味し、激しい息を表す「霊（

へ

ルーアハ）」とは、ニュアン

スが異なります。

　

Ｂ．「霊」の多様な意義

霊 旧約編

聖書語句の学びシリーズ第二二回　　吉本隆史

Bible School Periodical ｢バプテストラッパ」 2014Bible School Periodical ｢バプテストラッパ」 2014 冬号

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使徒パウロは、このイザヤ書四〇章一三節を引用するのに（ローマ一一・三四、

Ⅰコリント二・一六）、「霊（

へ

ルーアハ）」を「

ギ

ヌース（理性、思考力、

考え）」と訳した七〇人訳を、聖霊に導かれて用いています（新改訳では「みこ

ころ」）。ヘブル語には、理性を意味する「

ギ

ヌース」に相当する語がないの

で、認識機能が「霊（ へ

ルーアハ）」に帰されています。

　

その他、「霊（

へ ルーアハ）」を用いて、人の心の状態や態度を表すことが

多くあります（出エジプト六・九、申命記三四・九、Ⅰ列王二一・五、詩篇七七

・三、箴言一七・二七、伝道者七・八、イザヤ五七・一五、ホセア四・一二等）。

　　

５．怒り

　　　　　

激しい風、激しい鼻からの息は、怒りを表します（士師八・三、箴言

二九・一一、ゼカリヤ六・八等）。

　　

１．神の力

　　　　　

「霊（

へ

ルーアハ）」は、神の力に満たされていることで、イザヤ

書三一章三節等に明示されるように、弱さ、はかなさ、死ぬ運命にある「肉（へ

バーサール）」（本シリーズ第三回「肉」参照）と対照的な意味を持ちます。

　

主の霊は、力を与え（士師三・一〇、六・三四、一一・二九等）、新しい人に

変え（Ⅰサムエル一〇・六）、預言のことばを与え（Ⅱ歴代二〇・一四等）、弱

さと不可能を克服し、みこころを行う力と権威を授けて下さるのです。

　　

２．神のいのち

　　　　　

主は土地のちりで人を形造り、その鼻にいのちの「息（

へ

ネシャー

マー）」を「吹き込まれ（

へ

ナーシャム）」、人は「生きもの（

へ

ネフェシ

ュ・ハッヤー）」（直訳「生けるたましい」／創世記一・三〇「いのちの息のあ

るもの」）となりました（創世記二・七）。

　

このように主の息はいのちを創造します。全人類の息は神の御手の中にありま

す（イザヤ四二・五等）。創世記六・三の「わたしの霊」とは、「神か

らのいのちの息」のことと思われます。主こそ、いのちを与え、取られ

、すべてを支配しておられるお方なのです。

　

３．神の所有

　　　　

霊の起源は神であり（民数記一六・二二）、人にはその霊を保

持する力はなく（伝道八・八、詩篇一〇四・二九）、人が死ぬとその霊

は神に帰ります（伝道一二・七）。「霊」は徹頭徹尾、人のものではな

く、神のものなのです。私たちは、人間的なものではなく、神に依り頼

んで歩みたいと思います。

　　　

「『権力によらず、能力によらず、わたしの霊によって』

　　　　　　　

と万軍の主は仰せられる。」

（ゼカリヤ書四章六節）

　

　Ｃ．「霊」の基本的特徴

非公開