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2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ ©2015 WITZ Inc IoT時代のセーフティとセキュリティ IoT時代のセーフティ設計技術解説2015年3月30日 サプライチェーンにおける品質の見える化WG委員 株式会社ヴィッツ 執行役員 機能安全開発部 部長 株式会社アトリエ 取締役 森川 聡久 - 1 -

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  • 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ ©2015 WITZ Inc

    IoT時代のセーフティとセキュリティ

    「IoT時代のセーフティ設計技術解説」

    2015年3月30日

    サプライチェーンにおける品質の見える化WG委員

    株式会社ヴィッツ 執行役員 機能安全開発部 部長

    株式会社アトリエ 取締役

    森川 聡久

    - 1 -

  • - 2 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    本日の内容

    IoT時代のシステム開発において必要となるセーフティ設計技術について、機能安全を中心に一部本質安全を含めて、実施すべき開発手順・分析手法・対処法などについて解説します。

    <目次>

    0. 弊社の機能安全実績のご紹介

    1. IoT時代にも必要となる(機能)安全への対応

    2. セーフティの分析・設計技術(H&R)

    3. セーフティの分析・設計技術(機能安全)

    4. セーフティの立証技術

    5. ガイドブックのご紹介

  • 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ ©2015 WITZ Inc

    0. 弊社の機能安全実績のご紹介

    - 3 -

  • - 4 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    IEC61508, ISO26262 機能安全プロセス認証取得

    【国内初】2010年4月: 機能安全規格 IEC61508 SIL3対応 ソフトウェアプロセス認証を取得

    【世界初】2012年3月: 自動車 機能安全規格 ISO26262 ASIL-D(最高レベル)対応 ソフトウェアプロセス認証を 4社同時取得(東芝 2社, パナソニック,ヴィッツ) その後、アイシン2社、 自動車関連企業2社の 取得支援成功!

    IEC61508:1998 IEC61508:2010, ISO26262:2011

    プロセス認証取得企業は、国内外で増加傾向にあり

    ※世界初は当社調べの限り

  • - 5 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    安全コンセプトレポート取得成功!!

    ・平成22年度~24年度:3年間の活動 ・軽くて厳格な保護が可能な「ParOS」を、パーティションOSの決定版として、 仕様策定から実装まで研究開発した。 ・上流レベルの「技術安全コンセプト」を国際認証機関TUV SUDにアセスメントしていただき、「complete評価」をいただいた。 ※アセスメント ≠ コンサル

    ※ParOS安全コンセプトレポートからの抜粋

  • - 6 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    主な機能安全支援実績 ※ET2013 弊社ブース(TOPPERSパビリオン内)出展風景より

    <機能安全対応コスト> 数億円~数十億円、数年間

    期間半減!! 費用半減!! を目指した支援

    弊社の 知見投入

    わからないから 莫大なコストが

    かかる

    支援企業実績: 社 プロジェクト支援項目 A社 B社 C社 D社 E社 F社 G社 H社 I社 J社 K社 L社 M社 N社 O社 P社 Q社 R社 S社 T社 U社 V社 W社 X社 Y社 Z社 a社 b社 c社 d社 e社 f社 g社 h社 i社 j社 k社 l社 m社 n社 o社

    ①機能安全プロセス、安全計画の構築 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

    ②技術安全コンセプトの構築 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

    ③FMEDA安全分析&故障率算出評価 ● ● ● ● ●

    ④機能安全開発受託 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

    ⑤機能安全第3者検証・監査 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

    ⑥開発ツールの機能安全対応 ● ● ● ● ●

    トレーサビリティ管理ツール導入 ● ● ● ● ● ● ● ●

    機能安全対応RTOS導入 ● ●

    ノウハウコンテンツ導入 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

    機能安全教育 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

    機能安全規格解説(無料コンサル※) ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

    機能安全認証取得支援 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

    システム、ECU対応 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

    ハードウェア対応 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

    ソフトウェア対応 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

    IEC 61508 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

    ISO 26262 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

    ISO 13849 ● ● ● ● ●

    その他の機能安全規格 ● ● ● ● ● ● ● ● ●

    ※無料コンサルは、まとまった開発・作業委託をいただいた場合に対応しております。

    2014年12月現在41 71支援プロジェクト実績:自動車

    建設機械 航空機

    医療機器 工作機械

    他にも

    鉄道、ガス機器、農業機械 サービスロボット、 などの対応実績もあるよ♪

  • - 7 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    弊社の機能安全実績の特徴

    • ①多分野・多企業への実開発支援によるノウハウの蓄積

    • ②欧州認証機関との豊富な活動経験

    – 延べ10プロジェクト以上、70回以上、 500h以上のミーティング経験

    ⇒ グローバル基準に対する豊富な実践経験

    • ③Safety(機能安全) & Security(組込みセキュリティ)

    – 主な組込みセキュリティ活動 • 重要生活機器連携セキュリティ協議会(CCDS)

    • サポイン3件

    • JASPAR 情報セキュリティ実証WG

  • - 8 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    農機の標準通信規格・機能安全対応を促進する基盤ソフトの整備

    欧米農機メーカー

    標準通信規格

    ISO 11783 / ISOBUS

    機能安全規格

    ISO 25119

    2000年前後から対応

    2010年頃から対応開始

    国内農機メーカー

    10年behind

    5年behind

    農機用次世代ソフト基盤

    ISOBUS・機能安全対応ソフト基盤で競争力強化を支援

    機能安全設計への形式手法適用、GSN・SafeMLの利用など予定

    平成26年度採択サポイン「農業機械のさらなる高度化と海外進出に資する次世代電子制御ソフトウェア基盤の開発」

  • 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ ©2015 WITZ Inc

    1. IoT時代にも必要となる (機能)安全への対応

    - 9 -

  • - 10 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    さまざまな産業ドメインで対応必須化する機能安全

    IEC 61511 化学プラント

    BS EN 50128 BS EN 50129

    鉄道

    IEC 62061 ISO 13849

    機械

    ISO 26262 自動車

    IEC 62304 IEC 82304 医療機器

    ISO 13482 サービスロボット

    IEC 61513 原子力

    DO-178B DO-178C 航空機

    IEC 60730 IEC 60335 ガス機器

    IEC 61508 一般安全装置

    建設機械

    産業機械

    ISO 25119 農業機械

  • - 11 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    IoT時代のセーフティの必要性

    ネットワーク連携によりシステムは益々複雑に ⇒ セーフティ対応必須

    抜粋元:サプライチェーン事業者の取組み事項整理 Safety & Security Part 1(2014年7月17日)

  • - 12 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    従来開発と機能安全開発の大きな違い

    従来開発 ①壊れないモノ作り

    ・自己努力によって壊れにくいもの、バグゼロが目標 ・匠の技術で作られた高信頼性部品を使用

    ②日本流開発スタイル ・担当者間の“すり合わせ開発”で、効率的に開発を進行 ・開発文書の出来栄えは不十分(必要最小限)

    機能安全開発 ①壊れても安全なモノ作り

    ・高品質の証拠を積み重ねた開発によってバグゼロが目標 ・万が一構成部品が故障しても危険にならない「仕組み」が必要 ②安全説明力のある開発 ・PL訴訟時に安全を客観的に説明できる開発文書の作成やエビデンスが必要

    安全性強化

    不慣れな

    開発スタイルへ

    組込みシステムの複雑化による事故多発への対応として 「実の安全性向上」と「PL訴訟対策」のため、機能安全は生まれた

  • - 13 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    機能安全対応製品の実現ステップ

    品質管理システムの構築 (CMMI, A-SPICE)

    機能安全管理システムの構築 (IEC 61508, ISO 26262, ISO 13849, etc)

    コンセプト開発

    機能安全開発・評価

    プロセス構築 プロセス改善・定着

    安全目標の定義 技術安全コンセプト構築

    機能安全開発 機能安全評価

    ・システム ・HW ・SW

    ・規定 ・ガイドライン ・テンプレ―ト ・チェックリスト ×

    プロセス構築 ・システム ・HW ・SW

    ・規定 ・ガイドライン ・テンプレ―ト ・チェックリスト ×

    プロセス改善・定着 既存開発との

    ギャップ診断

    ・H&R分析 ・目標SIL/ASIL決定

    ・安全コンセプト ・安全マニュアル ・安全要求仕様書 ・システム安全分析

    ・システム開発・V&V ・HW開発・V&V ・SW開発・V&V

    ・回路図の安全分析 ・SWアーキの安全分析

    ・SIL/ASIL故障率評価 ・機能安全監査

    安全計画

    機能安全 対応製品

    ・FSMプラン ・V&Vプラン ・調達(ツール・外注)

  • - 14 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    不明確な文書化基準

    <内容> ・正確 ・簡潔

    ・理解容易性 ・明白な構成

    ・保全性 ・内容が妥当

    どう書けば「理解容易」なのか?

    どう書けば「明白」と言えるのか?

    どう書けば「簡潔」と言えるのか?

    規格書の要求事項は非常に曖昧。合格基準がわからない・・・。 そこで、「PL訴訟対策」という、もう1つの目的が重要になってくる。

    注)規格書には 「PL訴訟対策のため」とは載っていないので、 「機能安全規格要求」と「PL訴訟対策」は別要求なのです。 しかし、「PL訴訟対策のために機能安全に適合するのだから、PL訴訟で通用するエビデンスでなければならない」ことが、「暗黙の要求事項」になっている。

  • - 15 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    文書化要件の重要ポイント

    • 機能安全が求めること – 完全性・一貫性

    • 開発・管理・運用に必要な情報が全て記載/記録されていること • 過不足・矛盾がない • あらゆる観点での検証(Verification)を実施して確認されていること

    – 再現性 + 客観性 • 再現/再検証できること

    (他者でも、数年後でも)

    – 可読性 + 客観性 • 同意の理解ができること (他者が見ても、数年後に見ても)

    ⇒ 誤解するような内容だと ・・・ ・ 関連モジュールに不具合混入の恐れ ・ 後のメンテで誤修正の恐れ

    ⇒ 再現できない内容だと ・・・ ・安全であることを、客観的に確認できない

    ・後の不具合発生時に、問題原因を追究できない

    安全性を説明可能 満たせば

    PL訴訟で通用するには、再現性・客観性・可読性 が重要!!

  • - 16 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    機能安全だけでは安全なモノは作れない!!

    ・リスク低減プロセス (3ステップメソッド)

    1. 本質的安全設計

    2. 安全防護、 付加保護方策 (機能安全)

    3. 使用上の情報

    ・開発だけでなく、運用時の対応も重要!

    JIS B 9700-1 図1

    機能安全は「安全策の一種」 にすぎない!

    さまざまな対策を打って やっと「安全」なものができる。

    まずは「機械安全」 ISO12100 (JIS B 9700): 機械類の安全性-設計のための一般原則-リスクアセスメント及びリスク低減 が重要!!

    リスクアセスメント

    (機械の定義された制限及び”意図する

    使用”に基づく)

    設計者によって講じられる保護法策

    ステップ1 本質的安全設計方策

    ステップ2 安全防護 及び

    付加保護方策

    ステップ3 使用上の情報

    □ 機械に

    - 警告装置・信号

    - 警報装置

    □ 取扱説明書に

    設計者入力 設計者によって講じられる

    保護法策

    設計者によって提供された使用上の情報に基づくものを含む

    使用者入力

    □ 組織

    -安全作業手順

    -監督 -作業許可システム

    □ 追加安全防護物の準備と

    使用

    □ 保護具の使用

    □ 訓 練 等

    リスク

    設計者が保護方策を講じた後の

    残留リスク

    すべての保護方策を講じた後の

    残留リスク

  • 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ ©2015 WITZ Inc

    2. セーフティの分析・設計技術(H&R)

    - 17 -

  • - 18 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    H&R vs 安全分析

    • ハザード&リスク分析(H&R)≒ ISO12100

    – ハザード(危険事象)を抽出し、

    • 機能安全では「万が一故障した場合の誤動作」も想定

    – リスクを評価し、

    • 機能安全では「SIL/ASIL」などが決定

    – 安全策を検討する。

    • 安全分析(機能安全)

    – 前提:電気系部位の故障対策(安全設計)が検討済

    – 電気系部位について、故障しても危険にならないことを確認する。

  • - 19 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    具体的イメージ例

    ①ハザード 制御が暴走したら危険!! ②リスク評価 SIL2

    ③安全策 「非常停止ボタン」を付けよう!!

    ④安全要求の定義 「非常停止ボタン押下時に確実に停止すること(SIL2)」

    ボタン マイコン リレー

    <従来設計(機能実現)>

    ※注)非常停止ボタンだけで十分安全になるかは不明

    ボタン マイコン リレー

    <安全設計>

    <H&R>

    2重接点ボタン リレーの 故障検出

    WDT

    <安全分析>

    SIL2を満たす安全設計 であることを確認する。

    電源 マイコンの 故障検出

  • - 20 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    H&Rに必要な情報

    リスク分析(H&R)

    機械類の説明に 関連する事項

    法規制、規格及び他の適用可能な文書に関する事項

    使用経験に 関する事項

    使用者の仕様

    想定される機械類の仕様

    全ライフサイクルの説明

    設計図面

    動力源及び供給方法

    以前設計した類似の関連書類

    使用上の情報

    適用可能な法規制

    関連する規格

    関連する技術仕様

    関連する安全データシート

    事故履歴

    インシデント履歴

    機能不良履歴

    エミッションの履歴

    使用された化学物質 の履歴

    加工される材料による 健康被害の履歴

    関連する 人間工学原則

    人と機械の インタラクション

    (操作ミスを誘発するようなもの

    【例】ボタン配置、ハンドル操作方向など)

    ※参照:ISO12100

  • - 21 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    • 『機械が使用される目的・条件』を明確化するため、機械類の制限の決定を行う。

    • 機械類の制限の例(JIS9700:2013/5.3項)を以下に示す。

    機械類の制限の決定(H&R)

    使用上の制限 空間上の制限 時間上の制限

    機械の運転モード

    その他の制限

    機械の介入手順

    性別

    年齢

    利き手の使用方法

    身体能力の限界

    使用者の訓練レベル

    使用者の経験レベル

    使用者の能力レベル

    危険源の第3者への暴露

    機械の可動範囲

    運転及び保全のように 機械に関わる人に対する

    空間要求事項

    機械類と人との係わり方

    機械‐動力源間の インタフェース

    機械類及び/又は コンポーネントの寿命

    推奨点検修理間隔

    加工材料の特性

    清掃レベル

    環境面

    機械が使用される目的・条件

    有効期限は何年か? どういう目的で使用される? 使用者は、どういった条件を満たす必要があるか? 設置のための条件は何か?

    ※参照:ISO12100

  • - 22 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    危険源の同定(H&R)

    • 機械のライフサイクルの全局面(運搬、組立て及び設置、コミッショニング(立ち上げ、検収引渡し、移管)、使用、分解、利用停止、及び廃棄処分)における、合理的に予見可能な危険源、危険状態及び/又は危険事象を系統的に同定する。

    • 危険源の同定に用いられる『分析手法』は、以下の通りである。 – JIS9700:2013に記載されていないが、JIS9702:2000(JIS9700:2013へ統合)に記載されている。

    (HAZOPは記載されていない。)

    – また、 ISO/TR 14121-2:2012にて、リスクアセスメントの各段階における数々の手法の実際的使用について示されている模様。( ISO/TR 14121-2:2012 については、未調査)

    帰納的手法 両手法の使い分け 演繹的手法

    PHA(予備危険源分析) HAZOP(ハザード&オペラビリティー調査) MOSAR法(系統的リスク分析のための組織化法)

    ワット・イフ法 FTA(障害ツリー分析)

    FMEA(故障モード及び影響分析) デルファイテクニック

    危険の同定

    合理的予見可能な危険源 危険状態 危険事象

    ※参照:ISO12100

  • - 23 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    リスクの見積り

    • 個々の危険状態に関連するリスクは、危害の発生確率と危害の酷さとの組合せで表される。以降のスライドに、見積り基準を示す。

    リスク(R) = 危害の発生確率(P) × 危害の酷さ(S)

    = (F + A + Ps) × S

    以下の2点を考慮して、危害の酷さ(S)を求める。 ■障害又は健康障害の酷さ 1) 軽度 2) 重度 3) 死亡 ■危害の範囲 1) 1人 2) 複数人

    以下の3点を考慮して、危害の発生確率(P)を求める。 ■人の危険源への暴露(危険源にさらすこと)(F) 1)危険区域への接近の必要性 2)接近の性質 3)危険区域内での経過時間 3)接近者の数 5)接近の頻度 ■危険事象の発生確率(Ps) 1)信頼性及び他の統計データ 2)事故履歴 3)健康障害履歴 4)リスク比較 ※ ■危害の回避又は制限の可能性(A) 1)危険源に暴露される様々な人 2)危険状態から危害に至る早さ 3)リスクの認知 4)危害の回避又は制限にかかる人の能力 5)実際の経験及び知識

    ※参照:ISO12100

  • - 24 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    リスクの大きさの決定

    重篤度クラス 暴露頻度クラス

    回避性クラス

    C1 C2 C2

    S1 E1 QM QM QM

    E2 QM QM QM

    E3 QM QM A

    E4 QM A B

    S2 E1 QM QM QM

    E2 QM QM A

    E3 QM A B

    E4 A B C

    S3 E1 QM QM A

    E2 QM A B

    E3 A B C

    E4 B C D

    ※参照:ISO26262-5 表4 ISO26262 ASILの場合

  • - 25 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    保護方策の種類

    安全防護物

    固定式 ガード

    可動式 ガード

    調整式 ガード

    インターロック付き ガード

    施錠式インターロック付き ガード

    起動機能インターロック付き ガード

    インターロック装置

    イネーブル装置

    ホールド・ツゥ・ラン制御装置

    両手操作制御装置

    検知保護装置

    能動的光電保護装置

    機械的拘束装置

    制御装置

    動作制限制御装置

    ガード 保護装置 付加保護方策

    非常停止装置

    補足された人の脱出及び救助の

    ための方策

    遮断及びエネルギの消散に関す

    る方策

    設計者によって 講じられる保護方策

    保護方策

    安全防護 本質的安全設計方策 使用上の情報

    使用者によって 講じられる保護方策 本規格の対象外

    ステップ1 ステップ2 ステップ3 ステップ2

    ※参照:ISO12100

  • 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ ©2015 WITZ Inc

    3. セーフティの分析・設計技術(機能安全)

    - 26 -

  • - 27 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    安全分析にて考慮すべき故障のパターン

    • 系統的原因故障(バグ) と ランダムHW故障

    • 単一故障 と 多重故障 – IEC 61508では、単一故障のみ考慮

    – ISO 26262(自動車)では、2重故障まで考慮必要

    – BS EN 50129(鉄道)では、3重故障まで考慮必要

    • 恒久故障 と 一時故障 – 一時故障の例)ノイズによるメモリ化け

    • 従属故障 – ある故障が原因で、その影響を受け、別の箇所が故障する

    • 共通原因故障 – 1つの原因により、複数箇所への同時故障が生じること

    – 例1)電源異常により、2マイコン共誤動作

    – 例2)ノイズの影響(環境)により、 2マイコン共誤動作

    – 例3)安全系のある変数が化け、各出力系全てが誤動作

    – 例4)同一設計のソフトのため、同じ箇所にバグが存在

  • - 28 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    潜在故障 • 安全策(Safety Mechanism;SM)の潜在故障

    安全機能 (これが故障すると

    危険に直結)

    安全策1 (安全機能が故障していないことを監視)

    ②異常を検出 ⇒ フェールセーフ処理

    ①故障

    安全機能 (これが故障すると

    危険に直結)

    安全策1 (安全機能が故障していないことを監視)

    ①先に故障

    ②後に故障 ⇒ 危険

    a) 安全なケース

    b) 危険なケース

    対策例

    安全機能 (これが故障すると

    危険に直結)

    安全策1 (安全機能と安全策 2が故障していない

    ことを監視)

    安全策2 (安全策1が故障していないことを監視)

  • - 29 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    安全分析が必要な工程

    システム 安全要求仕様工程

    システム アーキテクチャ設計工程

    安全コンセプト

    ソフトウェア 安全要求仕様工程

    ソフトウェア アーキテクチャ設計工程

    ソフトウェア モジュール設計工程

    コーディング工程

    ソフトウェア モジュールテスト工程

    ソフトウェア 統合テスト工程

    ソフトウェア 安全妥当性確認工程

    システム 統合テスト工程

    システム 安全妥当性確認工程

    (HAZOP or FMEA) and/or FTA

    ハードウェア 安全要求仕様工程

    回路設計

    基板製作

    HAZOP or FMEA

    FMEDA

    目的:故障が生じても危険にならないことの確認

  • - 30 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    ASILと安全策の例(RAM故障対策) ISO26262-5

    90%

    99%

    60%

    99%

    99%

    99%

    DC

  • - 31 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    ソフトウェアにおける安全の確保方法

    故障モード 主な安全策 ISO26262-5

    ROM故障 ・チェックサムやCRCによるROM故障検出 Table D.5

    RAM故障

    ・チェックサムやパターンテストによるRAM故障検出

    ・安全関連データの2重管理

    Table D.6

    CPUコア故障 ・レジスタのテスト

    ・スタックオーバー/アンダーフロー検出 Table D.4

    クロック故障 ・タイムウインド付きWDT Table D.10

    内部バス故障検出 ・ウォーキングビットによるバス故障検出 Table D.14

    ソフトウェアの誤動作 ・実行シーケンスモニタ+WDT Table D.10

    ①厳密な機能安全プロセスでソフトウェアの開発を行う。

    ②システムレベルで導き出されたソフトウェアの技術的な安全策について、詳細レベルで十分であるかを確認する。不足している場合、新たな安全策を追加する。

    ソフトウェアにおける主な安全策

  • - 32 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    ソフトウェアのバグ(誤動作)検出機構

    ISO26262-6

    <従来開発> テストがしっかり出ていてバグが無い。 <機能安全> テストの完全性は不可能。 バグが潜んでいることを前提に対処。

  • 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ ©2015 WITZ Inc

    4. セーフティの立証技術

    - 33 -

  • - 34 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    安全ケース(Safety case)

    • 安全ケースとは、アイテムに対する安全要求が完全であり、かつ、満足されているということを、開発における安全活動の成果物からまとめたエビデンスによって主張すること

    • 目的: – 安全ケースは、特定のコンテキストで運用されるシス

    テムが、非合理的なリスクを伴わないということの、明確で包括的でディフェンス可能な(エビデンスに基づく)主張を伝える。

    • 主要な3要素 – 要求事項 – アーギュメント – エビデンス

    (第10部5.3「安全ケースの理解」より)

    Safety Requirements & Objectives

    Safety Evidence

    Safety Argument

    Safety Requirements & Objectives

    Safety Evidence

    Safety Argument

  • - 35 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    GSNでSafety Caseの目次を表現 • GSN = Goal Structuring Notation

    – 安全などの「主張」と、それを支持する「議論」の構造を表す図。

    • Safety CaseのTOP(目次)をGSNで表す。 • GSNの末端のSolutionから、具体的な開発成果物へのリン

    クを貼り、全ての成果物の紐付けを行う。

    ※抜粋元: http://www-users.cs.york.ac.uk/tpk/dsn2004.pdf

    ※注)実際は、あらゆる成果物が紐付くレベルの、詳細なGSNになる。

  • - 36 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    成果物一式でSafety Caseを主張

    • その場合、 – 技術的なTOP文書:技術安全コンセプト – プロセスのTOP文書:機能安全対応プロセス規定/認証取得済プロセ

    ス規定

    • 各TOP文書からのトレースがとれていることが重要!!

    実現(開発)フェーズ

    コンセプトフェーズ

    安全

    技術的安全確保 安全プロセス

    低故障率部品部品の故障に

    対する安全対策

    機能安全プロセス実施

    機能安全対応プロセス規定

    ギャップ分析&プロセス構築

    機能安全開発

    FMEDA

    安全分析

    SIL

    達成評価

    安全コンセプト

    Validation

    (妥当性確認)

    AND

    AND AND

    AND

    ランダムハードウェア故障への対策

    決定論的原因故障への対策

    機能安全監査

    AND

    Verification

    (一致性検証)

    全ての成果物 =SafetyCase

    要件の トレーサビリティ プロセスの

    トレーサビリティ

  • - 37 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    【弊社事例】技術安全コンセプト4文書による立証

    Safety Concept

    (SC)

    安全分析 結果

    安全要求 仕様書 (SRS)

    Safety Manual (SM)

    詳細を参照

    仕様(SRS)・制約事項(SM)の下、 安全であることを証明

    安全であることの 確認エビデンス

    ハザード&リスク分析(H&R)

    安全分析(詳細の検証)

    技術安全コンセプト

    の構築(安全証明)

    システム

    概要

    想定

    状況

    安全

    要件

    安全

    目標

    安全分

    析結果

    SC(TSC)

    SRS SM

    仕様定義

  • - 38 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    「可読性」の向上 ~準形式手法~

    ISO26262-6

    IEC61508-3:2010

    独自の図

    フォーマットが決められた図 (UMLなど)

    形式記述

    客観的に 曖昧

    明確 詳細

    ブロック間I/F シーケンス データ

    状態 時間+状態

    通信 条件

    関連

    従来: 様々な観点で設計

    機能安全: 様々な観点を わかりやすく図示

    機能安全では、準形式手法を推奨

  • - 39 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ ©ASDoQ

    「可読性」の向上 ~文書品質の改善~ システム開発文書品質研究会(ASDoQ)

  • - 40 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    要件のトレーサビリティ管理方法

    • 要求番号の付与粒度は文章単位(認証機関指摘事項)

    • 上流文書との紐付を手作業で実施する必要あり(膨大な作業量) – どんな優れたツールを用いても回避不可能!

    ※当社製機能安全RTOSの安全要求仕様書からの抜粋 ※赤字は要求番号

    【NG事例】章番号単位で番号付与 【OK事例】文章単位で番号付与

  • - 41 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    厳格なレビューの実施:レビューの種類

    • ピアレビュー

    – 作成した開発文書の中身に誤りが無いかを、同僚やチームメンバーがチェックすること。非公式レビューの一種。

    – 第3者観点が欠落するため、開発時の思い込みミスや、非可読性に関する検出が弱い。

    • ウォークスルー

    – 開発文書の中身に誤りが無いかを、複数人で集まりチェックすること。公式レビューの一種。

    – レビュア:開発の専門家、ターゲットシステムの専門家、品質の専門家、安全の専門家。

    • インスペクション

    • 開発文書の中身に誤りが無いかを、複数人でチェックすること。公式レビューの一種。

    • レビュア:開発の専門家、ターゲットシステムの専門家、品質の専門家、安全の専門家。文書作成者は参加できない。

    • 各レビューは事前レビューを実施する必要あり。

    • 事前レビューと、合同レビューの2段階実施する。 機能安全で要求される 高い説明力が必要!!

  • - 42 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    レビューの完全性 ・各開発工程(アーキテクチャ設計工程、モジュール設計工程、実装、単体テスト、統合テスト、・・・)にてゲートが必要。 ・ゲートでは、厳密なレビューとエビデンス(記録)が必要。

    レビュー内容が本当に正しいことを説明できる文書化が必要。 (従来の指摘事項の記録だけではNG)

    ※当社の認証プロセスの例

  • - 43 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    トレーサビリティツール活用による効率化

    ①同時に複数文書間の内容を確認

    ③複数人のレビュ結果を マージし

    インスペクションレビュー活用

    影響分析も同様に実施

    ②そのままレビュー結果を記録

    本ツールの画面:当社製トレーサビリティ管理ツール “Greyhound ” より 平成21年度 全国中小企業団体中央会 試作開発等支援事業にて開発

  • 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ ©2015 WITZ Inc

    5. ガイドブックのご紹介

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  • - 45 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    ガイドブックのセーフティ設計関連 目次(仮)

    SEC BOOKS: 品質向上のためのセーフティ&セキュリティ設計の勧め(仮) ※ガイドブック発刊に向けて、IPA/SECにて現在取りまとめ中です。 ※下記目次は、サプライチェーンにおける品質の見える化WG検討資料より一部抜粋。

    セーフティのためのソフトウェア設計 セーフティ設計の開発プロセス

    セーフティを考慮した設計とは セーフティを考慮したソフトウェア開発プロセス

    セーフティ設計の手法 • ハザード&リスク分析 • セーフティを実現するための技術

    セーフティに有効な設計手法 安全性を高める考え方

    セーフティ設計の評価手法と認証 • セーフティ設計の妥当性確認 • 機能安全認証

  • - 46 - ©2015 WITZ Inc 2015/3/30 IoT時代のセーフティとセキュリティ

    ご清聴ありがとうございました。

    本内容についてのご質問は下記にお願いします

    株式会社ヴィッツ 執行役員

    機能安全開発部 部長 森川 聡久

    [email protected]

    Tel: 052-220-1218

    本内容の関連サイトもご覧ください。 ◎当社ホームページ:http://www.witz-inc.co.jp/ ◎TÜV SÜD による認証確認サイト: http://www.tuev-sued.de/industry_and_consumer_products/certificates (Search欄で、"Witz Corporation"と入力してください) ◎プロセス認証プレス発表記事 日本経済新聞:http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=306435&lindID=1 EDN:http://ednjapan.com/edn/articles/1203/29/news083.html Tech On!:http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20120329/210429/ パナソニック:http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn120329-8/jn120329-8.html 東芝:http://www.toshiba.co.jp/about/press/2012_03/pr_j2901.htm iPROS:http://www.ipros.jp/news/article/detail/3649/ Response:http://response.jp/article/2012/03/30/172177.html Tech-On!(IEC61508):http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20100512/182502/