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労研アーカイブを読む  椎名和仁 転倒・転落事故の実態と課題/永田久雄 全社挙げての転倒災害防止対策が支える来店者・従業員ともに安全・安心な百貨店づくり/松坂屋上野店 高齢労働者の転倒災害未然防止:安全に働ける身体づくり/川越 隆 転落防止対策に新体感・体験型安全教育の導入で労働者の危険感受性向上をはかる/萩原 淳 転倒,墜落・転落災害防止をビルメンテナンス業界の共通・共用の課題として/島田良雄 転倒・転落予防と医療の質・患者安全の確保/髙橋静子 荒川ころばん体操 ご一緒にいかがですか?/尾本由美子 転倒・転落等公務災害を防止し, 消防活動向上を支える 職場環境の改善 中村義彰 2020年3月1日発行(毎月1回1日発行) (75巻3号)ISSN 0035-7774 巻頭言 Cinema 大原記念労働科学研究所 特 集 2 0 2 0 Vol.75, No.3 転倒・転落事故防止の意義と効果的対策 「パラサイト 半地下の家族」 小林祥晃 53

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労研アーカイブを読む 椎名和仁

転倒・転落事故の実態と課題/永田久雄全社挙げての転倒災害防止対策が支える来店者・従業員ともに安全・安心な百貨店づくり/松坂屋上野店高齢労働者の転倒災害未然防止:安全に働ける身体づくり/川越 隆転落防止対策に新体感・体験型安全教育の導入で労働者の危険感受性向上をはかる/萩原 淳転倒,墜落・転落災害防止をビルメンテナンス業界の共通・共用の課題として/島田良雄転倒・転落予防と医療の質・患者安全の確保/髙橋静子荒川ころばん体操 ご一緒にいかがですか?/尾本由美子

転倒・転落等公務災害を防止し,消防活動向上を支える

職場環境の改善中村義彰

Vo

l.75

, No

.3,

2020年3月1日発行(毎月1回1日発行) (75巻3号)ISSN 0035-7774

20

20

巻頭言

Cinema

大原記念労働科学研究所

大原記念労働科学研究所

特 集

2 0 2 0

  

定価一、二〇〇円

  

本体一、〇九一円

(年ぎめ一三、〇〇〇円)

 

 

V o l . 7 5 , N o . 3

二〇二〇年三月一日発行(毎月一回一日発行)   編集人/原

 知之

 (〒151‒

0051)東京都渋谷区千駄ヶ谷一‒

一‒

一二

桜美林大学内三階

                      

 

発行人/坂本恒夫

 

発行所/大原記念労働科学研究所  

 

転倒・転落事故防止の意義と効果的対策

転倒・転落事故防止の意義と効果的対策

「パラサイト 半地下の家族」小林祥晃

53

労働の科学

前期▶ 2020年 10月15日(木)・16日(金)・17日(土)前期▶ 2020年 11月12日(木)・13日(金)・14日(土)前期▶ 2020年 12月10日(木)・11日(金)・12日(土)後期▶ 2021年 2月18日(木)・19日(金)

過労死の実態と防止対策/産業事故・転倒事故/産業安全総論/産業機械の災害防止手法/健康経営/企業で安全と取り組む/企業で健康と取り組む/企業で職場環境の改善と取り組む/外国人労働者の安全と健康/女性労働者の安全と健康/高年齢労働者の安全と健康/自動運転と社会受容/健康的で生産性の高い働き方とオフィスづくり/IoTを職場改善に生かす/外資系企業で安全保健と取り組む/海外進出企業の安全保健活動を支援する/アジアで職場環境改善に取り組む/BCPで自然災害に備える/暴力・ハラスメントの組織的対応/これだけは知っておきたい熱中症対策/ワークショップ

公益財団法人 大原記念労働科学研究所 産業安全保健エキスパート®養成コース担当事務局

産業安全保健エキスパート®とは、産業現場における安全、健康、職場環境に関わる課題を総合的にマネジメントする各職場における中核人材です。養成コースでは、安全・健康・職場環境の課題を三位一体的に捉え、大学院レベルの講義と実践を行います。講師は、産業界、学界より厳選された専門家や産業安全保健エキスパート有資格者が務めます。

産業安全保健エキスパート®養成コース

開講日

科目例

申込・詳細

【第  期】受講者募集17

http://www.isl.or.jpURL [email protected]

安全・健康・職場環境の課題を総合的にマネジメント

雑誌コード 09727-3 491009727030801091

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2 0 2 0

V o l . 7 5 , N o . 3

作品 About Light:髙見 晴惠素材:コピー用紙

2008年12月9日〜2009年2月15日カルマール選抜展

カルマール美術館・カルマール/スウェーデンKalmar Museum・Kalmar

撮影:髙見 晴惠表紙デザイン:大西 文子

転倒・転落事故防止の意義と効果的対策

転倒・転落事故の実態と課題.................................................................... [公益財団法人 大原記念労働科学研究所]永田 久雄..............4

高齢労働者の転倒災害未然防止:安全に働ける身体づくり................................................................................................[愛知医科大学医学部]川越 隆............10

全社挙げての転倒災害防止対策が支える来店者・従業員ともに安全・安心な百貨店づくり「生活と文化を結ぶ」を合言葉に地域とともに歩み続けて..............................................................................[株式会社大丸松坂屋百貨店]松坂屋上野店............16

転落防止対策に新体感・体験型安全教育の導入で労働者の危険感受性向上をはかる...................................................................................................[金下建設株式会社]萩原 淳............22

転倒,墜落・転落災害防止をビルメンテナンス業界の共通・共用の課題として...................................................................[公益社団法人東京ビルメンテナンス協会]島田 良雄............26

転倒・転落予防と医療の質・患者安全の確保................................................................................[医療法人鉄蕉会 亀田総合病院]髙橋 静子............32

荒川ころばん体操 ご一緒にいかがですか?............................................................ [東京都荒川区健康部(保健所)健康推進課]尾本 由美子............36

俯瞰(ふかん)

転倒・転落等公務災害を防止し,消防活動向上を支える職場環境の改善…………………………………………………………………………………………………… 1中村 義彰[越谷市消防職員協議会執行委員会]

巻頭言

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CONTENTS

Series

Column

時評:労働科学教員の長時間労働の現状が認められず!熊本地裁判決を問う..............................................................................藤川 伸治............40

労研アーカイブを読む(53)問題解決手法と集団決定法(グループ・ダイナミックス)............. 椎名 和仁............44

凡夫の安全衛生記(39)「拠り所がいる」規程・基準を示す..............................................福成 雄三............48

Between(3)「水」について..........................................................................................髙見 晴惠............51

Cinema 『パラサイト 半地下の家族』

アカデミー賞とカンヌ映画祭を制した「格差の不安」......................................小林 祥晃............52

Talk to Talk寝覚めしが..................................................................................................肝付 邦憲............54

産業安全保健エキスパート®養成コース...............................................................................56

勞働科學のページ.......................................................................................................................62

次号予定・編集雑記...................................................................................................................64

Graphicディーセント・ワークを目指す職場 15[見る・活動](110)仲尾 豊樹.............................................................................................................................. 口絵

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1労働の科学 75巻3号 2020年

ふ か ん

巻頭言ふ俯瞰

消防は、火災のみならず多種多様な災

害から住民の生命と財産を保持するとと

もに、その被災の軽減を図ることを目的

としていることから、災害発生時には迅

速かつ適切な業務活動が求められます。

その災害対応には多くの危険要素が存在

するものの、活動する消防隊員(救急、

救助隊員等も含む)の二次的な災害はあ

ってはならないことであり、通常業務の

訓練時においても、その構築の重要性か

ら安全対策には万全を期しています。特

に、消防職場においても転倒・転落防止

は安全対策の基本的なものと捉えられて

います。

災害時の消防活動は、概して119番

通報の受信から緊張感が走る中で始まり

ます。その勤務する庁舎から緊急出動す

る消防隊員の動線は、住民等の来訪者と

交差することのないように設けられてお

り、通路となる廊下や階段には滑りにく

い床材を施しています。また、一昼夜閉

ざすことのない職場であり災害に即時対

応するため、消防隊員の待機施設として

仮眠室があります。その施設においても、

転倒防止を図るために足元間接照明等を

施しています。訓練施設には転落事故防

止のための安全ネットやマットを設け、

個人装備においてもフルハーネス等の墜

落制止用具の整備を図っています。

施設や装備の安全対策を図る一方、災

害に対応する消防活動はじめ通常業務の

調査や検査、各種訓練に至る活動の安全

対策についても、対策を講じ周知に努め

てはいますが、消防隊員の転倒・転落を

伴う事故、ヒヤリ・ハット事例は起きて

います。

例えば、火災現場で活動する消防隊員

はヘルメット、防火衣、空気呼吸器等を

身に着けて火勢等に一定の安全策を講じ

る一方、重量と視野の狭さというリスク

を負います。このことからも、延ばされ

た消防ホースや乱雑になっている現場で

の段差等につまずき転倒、出火建物の屋

根上、階層上部へ入っての消防活動中に

よる滑りや踏み抜き転落事故が発生する

ことがあります。また、救急隊や救助隊

においても同様であり、傷病者や救出者

を担架搬送する際に足元視野が限られて

の転倒、このような事例は要救護者にも

大変な影響を及ぼすことにもなりますの

で、最大限の安全策を講じなくてはなり

ません。つまずきや転倒、転落への小さ

なヒヤリ・ハットも無にすることのない

検証が必要ではないでしょうか。

消防活動上の転倒・転落の事故事例の

一部を紹介しましたが、これらの解消の

ためにはその活動を実践する消防隊員等

の参加の下に、より良い安全対策が具体

的かつ継続的に講じられていく体制とシ

ステムの存在が求められます。越谷市の

消防職場では安全・衛生委員会や庁舎及

び訓練施設等の建設計画時に設けられる

検討委員会等にも消防隊員の参加や提言

を可能にしています。また、当市消防職

員の自主組織として「越谷市消防職員協

議会」が設けられており、近年では労働

安全衛生法第59条第3項の特別教育に基

づく「墜落制止用具を用いる業務」の教

育研修の場を開き、その充実に取り組ん

でいます。

これからも消防活動時の転倒・転落の

防止はじめ、あらゆる危険に対する安全

対策の向上に努めていきます。

なかむら

よしあき

越谷市消防職員協議会執行委員会

相談役、元全国消防職員協議会

事務

局長

主な著書・論文

・『消防職場 職場改善事例集④』(共

編)労働基準調査会,1995年.

・「消防職場における休憩時間問題」

(共著)『連合総研レポート』13

6号,2000年.

・「消防職員の交替制勤務と仮眠環

境の改善と整備」『労働の科学』

70巻5号,2015年.

転倒・転落等公務災害を防止し、

消防活動向上を支える職場環境の改善�

中村

 義彰

(129 )