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Knock the door食環境科学科研究室探訪 1

品質情報管理学研究室 教授 上條 賢一『フラクタル次元増大の法則』発見か!?

我々の身近にある様々な「複雑システム」において、一般には予測不可能と言われている「突発的事象」が生起する前に、何らかの「前兆現象」があるかをデータ・サイエンスにより探っています。仮説としての『フラクタル次元増大の法則』が常に成り立つかどうかを、種々の分野における実際のデータに基づいて検証しています。

植物細胞分子生物学研究室 教授 佐々木和生食品の新しい評価技術のために

食品の安全性を科学的な根拠に基づいて評価するために、評価科学(regulatory science)の概念が適用されています。生体に含まれる成分を網羅的に解析して評価するオミックス技術は、評価科学に最適な技術であることから、現在この技術で食品の安全性を評価するための基礎的な研究を行っています。

食品計測工学研究室 教授 大熊 廣一ニオイや鮮度の可視化、低温電場保蔵技術の開発

鮮度計測などバイオセンサの高感度、多機能化あるいは、食品のニオイ評価など、官能的な評価を簡易的に数値化するシステム、新規食品保蔵・加工技術(高電場処理、マイクロバブル)の開発など、食品の品質評価や商品開発に役立つ技術を開発しています。これまで生鮮魚介類の鮮度を計測するバイオセンサの実用化に成功しています。

食品の機能科学や栄養、健康科学などを通して食の観点から生命をとらえ、バイオテクノロジーを基礎とした新しい分析技術の開発や、食の安心・安全の保証、健康寿命の延伸、未利用食資源の有効活用などの研究を行っています。

食品微生物学研究室 教授 佐藤 順奥が深い「食品微生物ワールド」の探求

食品の腐敗変敗や食中毒に関与する微生物のふるまいは、相手が目に見えない生き物でもあり奥が深いものがあります。これら微生物(細菌、カビ・酵母)の発育挙動や効果的な制御方法、また検査方法に関する研究を行っています。まずは、微生物と食品(培地)との応答をしっかりと観察することを研究の中心に据えています。

農業・食

材料

エコ・環境

農業・食

微生物

ヒト

農業・食

植物

植物代謝機能開発研究室 教授 下村 講一郎

植物の生産する機能性物質に関する研究

植物は、食糧や医薬品等の原料として我々の生活に取って非常に重要です。研究室では、野菜の抗酸化物質に注目して企業と共同研究も行っており、アントシアニン生成により根の中央部と皮層が赤い新品種の大根およびニンジン臭の少ない非常にフルーティーな人参も共同開発しました。さらに、伝統野菜の機能性に注目して研究を行っています。

農業・食

植物

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Knock the door食環境科学科研究室探訪 2

食品流通経済学研究室 教授 野島直人食料システムの経済を分析する

多様化、高度化した食生活は、原料生産、加工、流通、消費に至る食料の流れの中で、生産者と拡大する食品産業(製造、卸売、小売、外食・中食産業等)の活動に支えられ、今、食品産業なしには成り立たなくなっています。食品流通経済研究室では、フードシステムの主要な担い手である食品産業の市場および流通構造を中心に研究しています

農業・食

生体分子制御研究室 教授 福森 文康外界刺激に適応するための生物の仕組み

細菌は非常に小さな生物ですが、環境の変化を感知しそれに適応するための巧妙な仕組みを持っています。それらは、高等生物の機構のプロトタイプと考えられるものや、それに匹敵するものであることも多くあります。細菌の環境応答機構を研究することで、細菌の衛生面での制御技術や工業的な利用法の開発を試みています。

分子病態栄養学研究室 教授 矢野 友啓日本の健全な超高齢社会を目指して

健康寿命を延ばすことができてはじめて、日本の超高齢社会を健全化することができます。この目標に向かって当研究室では、がんを中心とした各生活習慣病の病態を分子レベルで解き明かし、食品由来の機能性成分の潜在力を有効利用して実効性のある生活習慣病の予防・治療法の構築を試みています。

エコ・環境

健康・医療

微生物

ヒト

健康寿命を平均寿命に極力近づける有効な方法論の構築を目指して

タンパク質の二次元電気泳動解析

糖質生命機能科学研究室 教授 宮西伸光生命が何故”糖”を採用したのか

太古地球において、糖(と呼ぶに相応しい形態のもの)はおそらく様々な状態で 存在していました。そのような糖が、ある時、生物によって取り込まれ(食され)、より使いやすい状態に変換させたり、結合させたりして利用される様になり ました。そのような“糖”の様々な構造と機能について研究しています。

農業・食

動物

健康・医療

植物

食物科学研究室 教授 吉江 由美子食物の持つ様々な機能を解明し機能性食品を開発しよう

食物の持つ有用性は抗酸化、抗ガン、抗疲労など様々です。これらの機能性を持つ成分を分析すると同時に機能性成分が組み合わさったらどのような効能を発現するのか明らかにし、それら機能性を有する食品として加工品を試作し、食品として受け入れられる味や形態を有している事を官能検査によって明らかにすることを試みています。

農業・食

ヒト

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Knock the door食環境科学科研究室探訪 3

生物情報学研究室 准教授 玉岡 迅農作物の産地判別法を開発する

植物が栽培されるとき、生長した植物に含まれる無機元素は栽培土壌から取り込まれる。栽培土壌が違えば、無機元素組成に差が生じる。そこで、いろいろな栽培地の農作物の無機元素組成を調べ、その差を統計的手法で解析することで、「国産」と産地偽装している外国産の農作物を見分ける産地判別法について研究しています。

農業・食

植物

健康・医療

材料

エコ・環境

○○

食品栄養学研究室 准教授 太田 昌子

実学に基づく食品開発、そして栄養管理の実践

アスリートの食習慣について検討したり、アスリートの疲労骨折を予防するために、バイオマーカーを特定して栄養管理に応用できるように検討しています。また、食品開発においては、マーケティング、品質の維持、流通経路の確保は重要な要素であり、この3本柱が揃わないとヒット商品は生まれません。食品会社の食品開発の手助けを行っています。

健康スポーツ科学・保健学研究室 准教授 高橋 珠実運動・スポーツ実践を通した健康づくり法

「運動」、「環境」、「生涯を通じた健康づくり」をテーマに様々な視点から研究を行っています。「紙飛行機を用いた運動遊びに関する研究」や「運動と免疫機能に関する研究」等、こころの健康や健康の維持増進などをねらいとする研究、運動・スポーツ実践を通した健康づくりとその有効な指導法等について研究を行っています。

光食環境科学研究室 教授 和田 直久光は生物の情報伝達や体内エネルギー生成の手段

ホタルやキノコの生物発光反応の電子励起状態生成機構においては酸素要求性反応が多く見られますが、その発光メカニズムの詳細は分かっていません。そこで、この機構を分子レベルで解明し、その知見を踏まえて酸化劣化とも考えられる老化や発ガンなどの疾患に対する光効果についての応用研究を目指します。

健康・医療

健康・医療

微生物

ホタルの明滅機構のモデル

ヒト

農業・食

植物

健康・医療

ヒト

科学教育研究室 教授 柄山正樹身近な事柄から展開する科学教育教材の研究

中・高の理科の授業に使える、比較的簡単に実施でき、身近な科学に潜む事柄や現象を解明できる教材の開発を行っている。主なテーマは、「簡単なアルコール発酵の検出」、「UVカット化粧品の効果」、「身近なものを使った二酸化炭素」、「樟脳舟の科学を探る」、「身近なものを使って手軽に時計反応」、「顕微万華鏡の製作」である。

教職

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Knock the door食環境科学科研究室探訪 4

卒業研究テーマの例・非平衡蒸気検出型ニオイセンサの開発 ・植物粉末及び加工食品中での抗酸化能分析・コメの芽部における糖鎖構造解析 ・微生物制御御因子の惣菜類消費期限延長に及ぼす影響・コメの向き元素組成による産地判別の試み ・コンビニエンスストアの食品分野におけるPB商品戦略・世界の国々の主食と食文化の関連について ・前立腺がんの予防・治療に有効な標的分子の特定・ヤコウタケ菌糸の青色化の条件検索 ・アカモク入り中華麺のアルギン酸保持効果の検討・ギョウジャニンニクの機能性に関する研究 ・ジャガイモスナック菓子における遺伝子組換え表示の検証・検知器を用いたアルコール濃度測定

健康・医療

材料

健康・医療

動物保健栄養学研究室 助教 吉﨑 貴大朝食を食べることは体内時計に関わるのか

食生活を工夫することで、体内時計の乱れを適切な状態へと改善できる可能性があります。今後も管理栄養士としての人間栄養学の視点を軸とし、基礎的な因果の解明から実生活への還元を将来的な目標に掲げ、心身の健康に対する食生活面からのアプローチ法を検討していきます。

応用生理学研究室 講師 大上 安奈全身を巡る血液の流れとそれを流す血管の働き

静脈は血液をためやすい性質があるため、安静にしている時は全血液量の約60%が静脈血管に存在しています。一方、運動時など体に血液がたくさん必要な場合、静脈は血管を硬くして、血液を心臓に還しやすくする性質もあります。そのような静脈血管の反応や調節の仕組みをヒトを対象に調べています。

健康・医療

ヒト

健康・医療

ヒト

授業 学生実験 工場見学

講義・実験・校外活動風景

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Knock the door健康栄養学科研究室探訪 1

公衆栄養学研究室 教授 佐藤 加代子公衆栄養活動で健康寿命の延伸と医療費抑制を・・。

超高齢者社会の今日では「健康寿命」を伸ばして平均寿命との差を埋めることが重要な課題です。個人、集団の健康の維持・増進と生活習慣病予防を目的に人の健康と食をめぐる問題、特に子どもの健康・食の問題について公衆栄養学の視点からの研究を行っています。

微量元素研究室 教授 澤田孝子

ミネラルの働きと人間の健康

鉄欠乏性貧血の被験者は除き、潜在性鉄欠乏・鉄欠乏の被験者を対象に亜鉛サプリメントの付加の影響を心理テストを含めて検証しています。また、対象者をランダム化された2重盲検法によって分類して、栄養アセスメントを行い元素分析をICP-MSで分析し亜鉛付加により特異的に動く元素を研究しています。

給食経営管理研究室 教授 辻 ひろみ給食における管理栄養士の専門的業務効率を向上させる

給食は施設の経営理念、経営状態、関連法規により実施方法が異なります。多様な施設で活躍する管理栄養士とともに給食業務の栄養管理およびサービス業務の問題を発見し、業務効率向上に関する研究をしています。また、給食の食事を教材にした食教育システム についても研究しています。

健康・医療

健康・医療

ヒト

健康・医療

ヒト

ヒト

母親の行動と子どもの食事行動との関係

母親の精神的安定度

育児不安

母親の子どもの

食事への配慮

子どもの日常生活での気が散りやすさ

子どもの日常生活での新奇性不安

子どもの体調不良

子どもの食べ物への新奇性反応

子どもの食事中の

気の散りやすさ

-.35 **

-.25 **

.25 **

.51**

.58 **

.34 **

.20

*

.31 **

.10

-共分散構造分析-

*:P<0.05 **:P<0.001

健康栄養学科では4年間の学びを通じて、医療、介護、福祉、教育等の場で専門的知識を活かして行動できる能力や、健康保持増進のために必要な栄養管理・指導ができる専門職にふさわしい高度な知識と技術を身につけ、管理栄養士国家試験の合格により管理栄養士として社会に貢献することを目標にします。

臨床栄養学研究室 教授 角田 伸代実践で利用可能な食事療法における科学的根拠の構築

生活習慣病の予防・治療と食生活に関する研究は多数あります。しかし、病院や特定検診に来る患者さんの身体状況や病態、食生活状況は千差万別で、画一的な科学的根拠のみでは食生活改善アドバイスに困る場面が多々あります。本研究室では、病院や特定検診など実践の場で利用可能な食事療法における科学的根拠を構築するための研究を行っています。

ヒト

健康・医療

人体栄養学・応用生理学研究室 教授 西牟田守人体における、運動・栄養・休養の必要量

必須ミネラルは体内で偏在しており、生理的存在部位でミネラルを分類できる。細胞内の濃度が高い必須ミネラルを細胞内ミネラル(K, Mg, P, Fe, Zn)、逆に、細胞外液の濃度が高い必須ミネラルを細胞外ミネラル(Na, Cl, Ca)とよぶ。骨を構成し、骨が貯蔵庫であるミネラルを骨ミネラルと呼ぶ。骨ミネラルはMg, P, Zn(細胞内)とNa, Ca(細胞外)とである。

健康・医療

ヒト

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Knock the door健康栄養学科研究室探訪 2

分子微生物学研究室 准教授 藤澤 誠食品-微生物-ヒトの関わりを解く

本研究室では、食品-微生物-ヒトの関わりに興味を持って研究しています。ヒトの健康を真に理解するためには、腸内細菌や皮膚常在菌などのヒトと共生する微生物や食品に含まれる微生物、さらにはヒトに病気を起こす微生物も含めた統括的な理解が必要です。最近は微生物の多様性と食品微生物の薬剤耐性に興味を持って研究しています。

食品機能研究室 教授 林 清生理機能が期待される抗酸化成分の測定

食品には三つ機能があります。栄養機能としての一次機能、おいしさにかかわる二次機能、健康の維持・向上に関連する三次機能です。三次機能をもつ抗酸化成分には、体内の過剰な活性酸素の害を抑える機能があります。抗酸化成分は、植物が紫外線や害虫から身を守るための物質で、色、香り、アクの成分などであり、これら抗酸化成分を測定する研究をしています。

植物

エコ・環境

微生物

農業・食

調理学研究室 准教授 飯島 久美子ハッショウマメの普及を目指して

ムクナ属マメの一種であるハッショウマメはL-3,4-dihydroxyphenylalanine(L-DOPA)が含まれるため、調理品として利用するためには除去あるいは制御が必要です。そこで、調理方法を組み合わせてL-DOPA量を制御しつつ、おいしくかつ機能性の高い調理品の開発を目的に研究しています。

ハッショウマメの利用農業・食

ヒト

健康・医療

栄養教育学研究室 准教授 井上 広子科学的根拠に基づいた栄養教育方法と客観的評価の確立を目指す

栄養教育学分野における研究は、日本ではまだ発展途上で、今後益々発展が期待されている分野です。当研究室では、栄養教育学分野の研究におけるエビデンスづくりとして、疾病の一次予防のための科学的根拠に基づく効果的な栄養教育方法の検証と客観的な評価方法の確立を目指し、研究成果を世界に向けて発信できるよう努めています。

植物

農業・食

イギリス・ルネッサンス文化研究室 教授 五十嵐博久シェイクスピアの作品研究

板倉キャンパスの英語教育プログラムのコーディネートを担当しています。専門的には、シェイクスピア作品の本文編纂、上演方法、そして批評について、十八世紀以降における受容史の中でそれらがどのように変容してロマン主義の時代へと継承されたのかについて調査研究を行っています。

教養

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Knock the door健康栄養学科研究室探訪 3

予防医学研究室 准教授 宮越雄一活性酸素による健康影響評価

活性酸素は生体内の構成成分を傷害し、発がん、糖尿病、動脈硬化症などを引き起こすことが報告されています。活性酸素による酸化ストレス状態を早期に把握するバイオマーカーを用いることが病態把握のためにも重要です。研究室では、健康食品やサプリメントなどを用いることにより抗酸化能の評価について行っています。

ヒト

健康・医療

講義・実験・実習風景とオリジナルハンドブック

食品学Ⅰ(1年生) 調理学実習Ⅰ(1年生) 微生物学実験(2年生)

健康栄養学科オリジナル

「管理栄養士ハンドブック」


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