Japan Society of Personality Psychology

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Japan 　Sooiety 　of 　Personality 　Psyohology

性格 心 琿 学研究

1998 第 6巻 第 2 号 138−147原 著

1ヨ本版 NEO − PI− R の作成とその 因子的妥当性の検討

下 　仲 　順　子

東京都老人 総合研 究 所

中　里 　克　治 権　藤　恭　之 高 　山 緑

　本研究 の 目的 は 日本版NEO −PI −R 作成 とそ の 因子的 妥当性 の 検討で あ る ．　 NEO −PI−−R は 人格 の 5

因子 モ デル に 基づ く人格テ ス トで ，青年 か ら老 人 ま で を含む 幅 広 い 年齢層 に適用す る よ う作 られ ，元

は Costa＆ McCrae （1985， 1992b）に よ り公刊 され た も の で ある，　 NEO −PI−R を バ ッ ク トラ ン ス レー

シ ョ ン を ふ く む 何 回 か の 予備 的検 討 を経 て 日 本版を作成 し た．次 に 本テ ス トを学生 245名 と老 人232名

か らな る対 象者 に 施 行 した．Cronbach の α 係数，探索的因子分析，プ ロ ク ラ ス テ ス 法 に よ る確認的 因

子分 析 か ら ， 本テ ス トが 十分 な信頼性 と妥 当性 を持つ こ とが 示 され た 。結 果は比較 文化的文脈か らも

考察 され た．

キーワー

ド ： NEO −Pl −R， 信頼性 ， 妥当性，プ ロ ク ラ ス テ ス 回転

問 題

1． 研究の 目的

　我 が国で は，これ まで 様 々 な人格テ ス トが標 準

化 され ， 人格の 測定 に用い られ て きた． しか し，

こ れ らの テ ス トは い ずれ も青年期か ら中年期 ，老

年期 と幅広い 年齢層 を対 象と して 使用 する こ とを

意識 して作 られて い ない ．NEO 　Personality　lnven−

tory （NEO −PI）は Costa＆ McCrae （1985）の一

連の 研究 に基づ い て 開発 され た もの で あ り，人格

の 生涯発達的研 究 を視点 に入れ た新 しい イ ン ベ ン

トリー

で ある ．こ の テ ス トは 1978年 か ら10年間に

わた り研 究，開発 され て きた もの で あ り，人 格の

5 因子 モ デル に基づ く，Norman （1963）は人格を

表す用語には， 5 因子，すなわち，外向性 （Extra・

version ），調和性 （Agreeableness＞， 良心性 （Con−

sciousness ），感情の 安定性 （Emotional　Stability），

お よび文化 （Culture） がみ られ る こ とを指摘 して

い る．人格 の 5 因子 モ デル が確認 され るま で の 経

過 を 見る と，その後，Eysenckら （Eysenck，1947 ，

1953 ；Eysenck ＆ Eysenck ，1964，1975）は ，イ ン

ベ ン トリーを因子 分析 し， 2 つ の 高次の 人格 次元

で ある神経症傾 向 と外 向性 を見出 し，こ の 2 因子

が人格 の 中核 的側面 で あ る と結 論 した． しか し ，

1970年代 に は 2 つ の 側 面 に加 えて ，第 3 の 側面 ，

経験 へ の 開放性が あ る こ とが指摘 され た （Costa＆

McCrae ，1976 ； Tellegen＆ Atkinson，1974）．さ

らに 1980年代に入 る と，第 4 の 側面．誠実性 と第

5 の 側面，調和性Dが発見され，現在では ， 5因子

モ デル が人格の 基礎的側面をなす と結論づ け られ ，

人格研 究の 主流 とな っ て い る．

　イ ン ベ ン トリーを開発す る アプ ロー

チ は 多種多

1）“Agreeableness”は 協 調 性 とも訳 され る が ，広 辞 苑 に よ

　 れ ば，協調性は厂

利害の 対 立 し た双 方が お だや か に 相互

　 の 問題を解決 しよ うとす る こ と」 と して お り，そ の 中に

　 は 葛 藤 が 含 まれ て い る．NEO −｝DI −R の“Ageeableness”

　 は他 人 に 対 す る 肯定的 ・否 定的方 向 を示 して お り，6 つ

　 の 下位次元 の 中で「応諾 」 の み が個人 間の 葛藤 に 対 して

　 特 徴 的反 応 をす るこ とに 関係 し て い る．そ の た め，原 意

　 を最 も良 く表 して い る1調 和 性 」 の 訳 を 採用 した．

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様で ある．NEO −PI−R は従来 の イ ン ベ ン トリー

と

異な り， 人格に お ける個人差 の すべ て の 主要な側

面 を測 定で き ，か つ 多目的に使用 可能なイ ン ベ ン

トリー とし て 開発 され る こ とにな っ た ．

　NEO −PI− R は 1978年 に NEO イ ン ベ ン トリーと

してそ の 開発 が始ま っ た ．開発 当初 は ， まだ 5 因子

モ デル に対する研 究者間の 意見の一

致は なく，それ

に代わ っ て ， Eysenck＆ Eysenck（1975）R’　Cattell，

Eber ＆ Tatsuoka （1970），　Gui！ferd，　 Zinllnernan＆

Guilford（1976＞，Buss ＆ Plomin （1975）らに よ る人格

の 分類体系が あ っ た ．McCrae と Costaは こ れ らの

体系 を比較 ，検討 して 行 く中で ， 人格 の 分類 の 仕

方や捉 え方 はそ れぞ れ異な るが，特に神経症傾向

と外向性 とい う高次の 因子が存在す るこ とに 関 し

て は意見 の一致がみ られ る と考 えた．そ し て 神経

症傾向 と外向性は よ り広 い ク ラ ス ター，つ ま り人

格特性の 次元 （Domain） と して現れ，さらに こ の

次元がそれ ぞれ い くつ か の下位次元 （Facet）に分

類 ・分割 で きる と考 えた．そこ で ， 彼 らは総合的

なイ ン ベ ン トリーを開発す るに あた り，まず ， 人

格特性に つ い て 最 も広 い 領 域，つ ま り人格特性 の

次元 を特定 し，次に 各次元 ご とに さ らに細か く分

析 して，重要か つ 臨床上有効な人格特 性で あ る 下

位次元を特定 した．

　 こ の よ うな トッ プ ダウン 方式に よ っ て ，神経症

傾向 （N ） と外 向性 （E ） に加 え第 3 の 次元で あ

る開放性 （0 ）の 3 次元 と18の 下位 次元 を特定 し，

NEO −PIお よび NEO −PI−R の 前身で ある NEO イ

ン ベ ン トリー

を 開発 した．そ の 後 ，1983年に NEO

イ ン ベ ン トリー

に調和性 （A ） と誠実性 （C ） の

次元 を測定す る尺 度が追加 され ，1985年 に ，N ，

E ，0 の 次元 ス ケー

ル と下位次元 ス ケール ，そ し

て A とC の 次元 ス ケー

ル か ら構成 され る NEO −PI

を刊行 し た．さ らに 1990年に は A と C の 下位次元

ス ケール も作 成 され ，同時に N ， E ，0 に関す る

項 目に微修正 を加 え，NEO −PI− R を完成 し，1991

年に 刊行 した （Costa ＆ McCrae，

1989，1992a，

1992b）．

日本版 NEO −PI−R の 作成 とそ の 因子 的 妥 当性 の 検 討 　　ムJY

　こ の よ うな開発方針で作成 され た NEO −PI− R の

5 因子 モ デル は そ の 後 ， 多 くの 調査 ・研究 に よ っ

て 広 く支持 されて きて い る．

　NEO −PI−R の 5 つ の 次元 は，それ ぞれ 6 つ の 下

位次元 （facet）か ら構成され て い る． 5 つ の 次元

とそれ ぞれ 6 つ の 下位次元に つ い ては Table　1お よ

び Appendix に示 され て い る， ト ッ プダウン 方式 と

い うNEO −PI−R 特有の 方略に は い くつ か の 利点が

ある．第 1に ， そ の 次元 を測 定す るた め に 用 い ら

れた項 目は で きる だ け広範囲に わた っ た思考，感

情，行 為な どを網羅 し て い る．第 2 に ， 数個 の独

立 した下位次元 ス ケー

ル を もつ こ とに よ り， 人格

の 本質的な把握をす る こ とが可 能になる．第 3 に ，

個人差 を各次元か らきめ細か くみる こ とが で きる。

こ れ は次元 ご との 得点がす べ て平均値 で あ っ て さ

え ， 精彩をは なつ 特徴 で あ る．例 えば ， N 得 点が

平均値 の 範囲で あ っ て も，それ は 「敵意」 が低 く，

「抑 うつ 」 が高い こ とか ら得 られた結果で あるか も

しれ ない ．こ れ は ま っ た く同 じN 得点 を得た と し

て も， 「敵意」 が高 く，

「抑 うつ 」 が低い 人 とで は

人格 の 解釈上，大 きな違 い が あ る．こ の よ うな違

い を認識するこ とは 大切 な こ とであ る．

　 NEO −PI−R の 開発過程で 信頼性 ・妥当性に つ い

て様 々 な検討がな された ．まず ， 信頼性 は 内的一

貫性 が α 係数を用い て検討された．NEO −PI− R に

は 自己評価版 （S 版） と他 者評価版 （R 版 ）が あ

る が，成人サ ン プル で の そ れぞ れの α 係数を算 出

した と こ ろ，各下位次元の α 係数は S版で ．56〜．81，

R 版 で ．60〜．90で あっ た．ま た，次元で は ．86〜，95

とい う，よ り高い α 係数が得 られた （Costa＆ M 〔£ rae ，

1992b ；Costa，　 M （〈）rae ＆ Dye，1991）．

　 また，安定性 を検討す るた め ，31名 の 男女対 象

者 を用 い て再 テス トによる安定性か ら信頼性 を検

討 して い る．そ の 結果 ，下位 次元 の 安定性 は ．66〜

．92， 次元 の 安定性 は ．87〜 ．91で あ り，安定性 と

い う点 で も信 頼性 が保証 され て い る （McCrae ＆

（）osta ，　1983）．

　 つ ぎに ， 妥当性 の検 討で は ，NEO −PI−R は人格

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」寸U　　　T土 僅 r’L、理 子 叫 プ匸　 弟 t〕巷 　　弟 と 号

の 5 因子 モ デ ル に基づ い て 開発 され て い る の で ，

内的構造が こ の モ デル を予測す る か と い う， 因子

的妥 当性 が 検 討 され た．Costa，　McCrae ＆ Dye

（1991）は 240項 目を因子分析 し， 5因子 で バ リマ ッ

ク ス 回転 し，

5 因子に わかれ るこ とを確認 し て い

る．また因子得点 とN ， E ，　 O ，　 A ，　 C の 各次元

ス ケー

ル の 相関をみると ．91，

．89， ．95， ．95，．89

で あ っ た ．

　 さ らに 下位次元 の 収束 的妥 当性お よび弁別的妥

当性は，NEO −PI−R 尺 度と同様の 構造 をもつ 別 の

尺度 との相関 によ り証明され た （Costa，　McCrae ＆

HQIIand，1984）．ま た ， 弁別的妥当性 は同 じ領域 内

の 異 なる下位 次元 の相関係数の 対比 か ら検討され

た．

　基準関連妥当性は心理 的幸福感 （C。s・a ＆ M ・C・ae ，

1980），コー

ピ ン グ （McCrae ＆ Costa，1986），防衛，

欲求と動機 （Costa＆ McCrae ，1988），創造性 〈McCrae ，

1987＞．ア イ デ ン テ ィ テ ィ （Whitbourne，1986）など

を基準変数 とした併存的 妥当性 か ら検 討され た，

　以上，NEO −PI−R 標準化の 過程 を展望 した．わ

れ われは成人 期か ら老年期に わ た る広 い 年齢層 を

対象に した人格研究に NEO −PI−R を用 い る こ とを

目標 と して ，1992年 よ りNEO −PI−−R の 日本版 の 標

準化を進 め て きた．本論文で は 日本版作成の 過程

と信頼性 お よび 閃子的妥 当性 の 検 討を 報告す る．

2． NEO −PI−R 日本版 作成 と予備的検討

　 1992年に NEO −P正一R の 日本語 へ の 翻訳作業を開

始 した．日本版作成 の 目標 と して ，｛1〕成人初期か

ら老年期 にわた る広 い 年齢層に適用で きる ，  人

絡 の 国際比 較研究で の 使用 に 適す る の 2 点を考慮

した．そ こ で，NEO −PI−R を で きるだ け忠実に翻

訳 し，標準化する こ とに した，以下 に 日本版 NEO −

PI−R の 標準化 の 過程 を述 べ る ．

1） 日本版 NEO −Pl−R （検討版 1 ）

　まず，NEO −PI−R （以．ド，

　 NEO と略す）の原著

者 と出版元 か ら，書 面に よ り研究用翻訳版 を作 る

正 式 の 許 可 を得た．その 後 ， 著者 と打ち合わせ ，

日本版で の 翻訳上 の 誤 りを避 けるため バッ ク ・ト

ラ ン ス レー

シ ョ ン を行い， 訳 の チ ェ ッ ク を行 うこ

とに した ．NEO の 240項 目を 5 次元お よびそ の 下

の 6下位 次元 （各 8項 目）に分類 し，項 目が測定

する特性に留意 し翻訳 した．NEO には最後 に妥当

性確認項 目が 置かれて お り， それ も翻訳 し た ．訳

した項 目は 口本語，英 語 ともに精通 し た在 日 ア メ

リカ 人心理学者 に依頼 し，バ ソ ク ・トラ ン ス レ

ー

シ ョ ン を行 っ た．

　 バ ッ ク・トラ ン ス レ

ーシ ョ ン を著者に送 り，確

認 し た．そ の 結果 ， 意味の 取 り違 い ま たは 文化的

要因 か ら意味が 通 じに くい 項 目 ，バ ッ ク ・トラ ン

ス レー

シ ョ ン時 の 間違い を含む 26項 目に 関 して，

指摘 があ っ た．指摘の あっ た 項 目は訳 を改め，前

回 とは違 う翻訳者 に ．よ り ， 再び バッ ク ・トラ ン ス

レー

シ ョ ン を行 っ て ， 著者に 送 っ た．同様 の プ ロ

セ ス を繰 り返 し ， 著者に誤 りがない こ とを確認 し ，

訳 を決定 し 巨本版 NEO （検討版 1 ） と した．

　 1993年 2月 に K 大学 の 1 年生206名を対象に検討

版 1 を施行 した．全項 目に 回答 したが ， 妥当性確

認項 目へ の 回答か ら問題の ある者を除き ， 191名 （男

性50名 ， 女性 141名〉を分析対象と した。別の サ ン

プ ル に 項 H の 難易度も評定 させ た が ， 特に文章の

意味が分か りに くい 項．目は指 摘されなか っ た．Table　1

は人格 次元 と下位 次元 ごとに α 係数 を算出 し た も

の で ある，左端 の検 討版 1 の 次元 ， 下位次元 ご と

の α 係数 で は ，全体 と して は 高 い 信頼性が 得 られ

た． しか し，開放性 の 01 ， C）4 と 06 と調和性 の

A3 ，　 A4 ，　 A5 とA6 の 各 下位次元 で は α 係数が ，60

未満で あ っ た．さらに ， Table中には示 さなか っ た

が，O ，　 A ，　 C 次元の項 目の 内，項 目得点相関 が ，20

以 下 を改善の 必 要の あ る項 目 とし再検討 した．見

直 しは平 易 さを第一

と し，文化 差などか ら 日本語

として意味が 理解 しに くい と判 断 した項 目は，原

意 を損なわな い 範囲で 意訳 した．数度にわ た る項

目の 見直 しを行い 検討版 2 を作成 した，変更項 目

は O ， A ，　 C の 下位次元 で合計27項 目で あ っ た．

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層」　　 　 　

ル　‘亠

Tablel　 NEO −PI−R 信頼性係数の推移

検 討版 1 検 討版 2 最終版

次

元

髄　【匚

O　AC

向

性

性

性

性

顱

向

放

和

実

経

外

開

調

誠

神 ．93，38

．86

．83、91

．go．88．83

．84．91

．93

．89．89

，87．go

神経

症

傾

向

外

向

性下

安　

　

う

意

動

 居

行

動

驚

不

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自

衝

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A　

A　A　

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心

懺重

信

実

利

応

慎

優皿ピ

秩

良

達

自

慎

3379544158

ア

8

88866

ア…777666

509217

門314618

・了

！

4453480883

了

2

ア

494

787666

．了

77666n6

了

54

了

3．了

6

了

6656

了

4

ア

67

951141

…122

ア

83

ア

ア

867

了…了

了

了

66

了

位開

　 放

次 　性

．59．73

．61．58．ア9

：43

．了8

．了4．63

．50．了9．55

次元ご と の α 係数 を示 した．次元の 信

頼 性は安定 して い た が，項 目を変更 し

た下位次元に 関 して ， 旧項目 と新項 目

それ ぞれの 組合せ で α 係数を求めた と

こ ろ，03 ，04 ，06 ，A6 ，　 C3 で は α 係

数 が ．6味 満で あ り，改善が十分で なく，

さらなる改訂が必 要 とな っ た．

　検討版 2 まで の 項 目文 は原版 との 整

合性を保つ こ とに 重点を置 い たため に

直訳調で あ っ た ，そ こ で ， 最終版 を 目

指す最終版で は 表現を さらに平易に し，

文 章を簡潔に する こ とを心 が けて 項 目

文 を修正 し た ．

　以 上 の 予備的検討に よ り ，NEO の 翻

訳 お よび そ の 改訂作業 がほぼ終了 した．

謂

和

性

元

実

性

729758

．326462

775555

冖776777

．了0．了3．了1

．62．了2

一二4旦

コ ン

　 慎 重 さ

．61，了1

，71，72

，69．77

2）検討版 2 へ

　改訂前 の 項 目文 も含 めた281項 目 を1993年3月 に

K 大学で 学生473名に ，さらに同年 7 月 に G 大学の

106名お よびM 大学 （工 科大学） の 307名を対象に

集 団法で実施 した （詳 し くは権藤 ・下仲 ・中里 ・

石原 ・藺牟田 ，1994を参照）．検討版 1の 分析 と同

様に 回答 に 問題 の ある対 象は 分析 か ら除 い た ．両

校をあわせ た有効回答は 766名 （男 371名 ， 女395名），

そ の 平均年齢は 19．3歳 ， 年齢範囲は 18−24歳で あっ

た．

　 Table　1の 左 か ら 2列 目に検討版 2 の 次元 ，下位

3． NEO −−PI−−R 日本版の信頼性 ・妥 当

　　性の 検討

　検討版 2 で は 下位次元 で α 係数 が低

い もの もあ っ た が ，その 原因の一

つ に

対 象サ ン プ ル の 影響 が考 えられ る．た

とえば，開放性次元は価値 （06 ） にみ

られる よ うに 世代や 生活環境の 違 い を

反 映する （Costa＆ McCrae，　1978）．こ

れまでは 大学生 の み を翻訳版検討 の 対

象と した が ， 等質性の 高 い 単一の 集団

だ けでは こ れ らの 項 目に対す る反応 の

偏 りを操作で きな い と思わ れ る．そ こ で ， 最終版

の 検討で は新た に 65歳以上 の 老人 を対象者 に 含め

る こ とに した ．こ れ は 日本版 を幅広 い 年齢 層に適

用 可能な形で 標準化す るとい う目的 とも合致する、

今 回の 対象者 に は 中年者は 含 まれ て い ない が，大

学 生 と老人に適用可能で あれば，中年者 へ の 適用

に 問題は ない で あ ろ う．

方　　法

　対象 と調査手続 き　対象は大学生 と老人で ある．

大学生群 は 1995年 2 月 ， N 大学の 学生 を対象 とし，

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集団法で実施 した．有効 回答数は 245名 （男100名，

女145名）で あ り， そ の平均年齢は20．2歳 ， 年齢範

囲は 19−23歳であ っ た．老人群 は 1995年 にM 市に居

住 す る老人に行 っ た調査 （中里 ・下 仲 ・河合 ・佐

藤 ， 1994） へ の 協力者 277名を対象者 とし， 戸別 聞

き取 り調査を行 っ た ，調査完了者 は234名 （回収 率

84．5％） で あ り ， 有効回 答数は 232名 （男 102名 ，

女 130名） で ， 平 均年齢74．7歳 ， 年齢範囲67−87歳

であ っ た．調査不能の 内訳は転居 また は長期不在

5 名，入 院 4 名 ， 不在10名，病気 5名，痴呆 1名，

調査拒否 18名で あ っ た ．

各次元に対応す る下位次元が ま とまる形で 5 因子

解が ほ ぼ あて は まっ て い る．そ の 下位 次元 が属す

る次元 に対応す る因子 に対 し て ，負荷の 低い 因子

は E1，　 A5 の 2 つ の み で あ っ た ．

　次に 日本版の 因子構造を原版 と比較す るために，

プ ロ ク ラ ス テ ス 法 を用 い ，原版 の 因 子 負荷行列

（Costa＆ McCrae ，1992a）をターゲ ッ トに回 転を

行 っ た．こ の 因子 負荷行列をターゲ ッ トに 選 んだ

の は，「日本版作南 の項でも述べ たように，NEO −

PI−R の で きるだけ忠実な翻訳版を作 る とい う目的

に沿 っ たもの である．そ の 結果を示 したの が Table　3

結　 　果Table　2　NEO −PI−R 下位次元 の 因子分析 （バ リマ ッ ク ス 回転）

1． 信頼性 の 検討

　Table　1 の 右端に最終版の 次元 ，

下 位 次元 ご と の α 係数 を 示 した ．

5 次元 では 十分 な α 係数が示 され

た．また ， 下位次元で も感情 （03）

で．54か ら．63へ ，価値 （06）で ．33

か ら ，55 へ ，良心性 （C3） で ．47

か ら ．71 へ と α 係数が 改善 した．

しか し，行為 （04 ），価値 （06 ），

優 し さ （A6 ）などは まだ α 係数が

低か っ た．

次

元

下 位 次元 因 子 上　 　 因 子 2　 　 因 子 3　 　 因 子 4 　 　 因子 5　 N 　　　　　 E　　　　　 O　　 　　　 A 　　　　 　 C

1　

@2@

　

　　

　　

　

6

リ

　バ

　　

　　

　

　

り

曳

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ｯ憧

ざ

　

　

　

　

す

@　

う

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動

@

　

　

　

　

や

不

敵

抑

自

衝

き

　

　

　

　

　

つ

　

　

　

　　

神

症傾向

．8T

，64

，80

，71

，45C14

一．10．2B|

，2

−，1

，3

−，1

．1

− ．

．

．0

．35|

，06一t、0

ー．

− ，

−．

−，

−，

一、

−．

− ．

−．

−

47 − ，3

外 向 性 　

かさ ： E1群居 性 ： E2

@ 断行性 ： E3

@ 活動 性： E4

h激希求

；E5@

よい感

：E6黶C23−．10

−．2

− ．

−

09|

、0

，3

．4

，6

．6

，4．4

，1

，0

．2，19

．45

．54

．66

．45−、03

．12

．06、30A04

|． 14 ．1．29 − 、31 − ． 14

2 ．妥当性の検 討 　 日本 版NEﾅ 終版 の 妥当性の 検 討は，1

因子分 析法 による5 閃 子 モデル

ら見 た尺度の 構成概念妥 当 性の検討 ， 2

アメリカの 原版の 因子負荷行列 （ Co

a ＆McCrae ， 1992a

との 類似性の 検 討を行っ た． 　

子的妥 当性　H 本 版NEO 最 終

ﾅ の 下位次元 の因 子 分析を 行っ た

共通性の 推 定 値に 重 相関の二

を 用 いた主因子法により，バ リ マソ

N

ス

回

を行 った ．この

索 的 因 子

析 の 結果 をTa

e 　 2に 示し

， 開 放性

  @ 　想 ：01

審美性

02ｴ

　　

：03s

　　

04

Aイデ

．05

価　　

：06

．27

．05

．24

−，1．0

，0

．0

、D

．31

，26

、es

，08．62D66

D72D40

，71C54

黶D0

、11

、

1

． Ol −

13 − ．

一 ．29

．04 − ，

− ， 05

C05 −

40

性信

　頼：A

実直さ

A2

 ｼ性

A3栫@　諾A4

み深さ：

優し

：A6

一．3

−，1−，

− 、

、1

．08

　01

−．3

ー

02|

．4

−．

．

．

−

33

，0G

−、1

−

．

− 、 05 ．

．4167 ．5

．15 ．

，0531 、3

1GA12DT5ｽ

実性Rンピテス：Cl

秩　　

：C2ﾇ

心性；

達

追求；

自己

練：C

慎重さ

C6

．4e−，08−．18

−、1

−．

−

15D21

−，9

− ，

．

．

−

27D14

−． 15 − ， 19

12 − ， 09 − ． 21 ， 06 ．05 、

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日本瓶 NEO −P】−R の 作成 とそ の 因子的 妥 当性 の 検討　　149

Table　3 確 認的因子分析 （NEO 原版 を ターゲ ッ ト と した プ ロ ク ラ ス テ ス 法）

次元

下位次元 因 子 1　 　 因 子 2 　 　 因子 3　 　 因子 4　 　 因 子 5　 　一

致係数　 N　　　　 E　　　　 O　　　　 A　　　　 C　　 （下位次元）

　 　 　 不 　 　9 ；Nl神　 　 　 敵 　 　意 製2経症　　 抑 う つ ；N3

喬　 自 意 酬 ・

　　 　 衝 動 性：N5

　 傷 つ きや す さ ；N6

．82

．6D

．80

，TO

．41

，T4

一．07

．03−．05−．14

．3T−．D9

．G6−．20

．03

．00

．16−．IT

．03−，49−，01−，03−，24−，02

一．12−．eT−．26−．15−．36−．3s

．99纏

．99緯

．99鉢

．97纏

．95零

．99締

外

向

性

温 か さ ；El

群 居 性 ：E2

断 行 性 ；E3

　活 動 性 ：E4

刺激希 求性 ：E5

　よ〜、感 情：Eも

一．16−．07−，23−，05

，06−．06

．T2

．6E

，51

．55

．48

．63

．16−，07

、09

，09

，30

．45

，3了

，08−，45−．2了一．11

，02

．11−．06

．36

．45−．15

．02

．99鉾

．99‡寧

．96纏

．竪9纏

．901

．89‡

開

放

性

空 　 　想 ：01

書 美 性 ：02

感 　 　情 ：03

行 　 　A ：04

ア イ デア ：05

価 　 　値 ：e6

．23

．05

．23−．14−．03−．03

．10

．1了

．41

，25

，04

．01

，5s

，fi7

．55

．35

．75

．4B

一．06

．12

，00−，11−．09− 18

一．Is

．14

．05

．07

．20−．29

．98舞

．95零＊

、95零零

．8B零

．93ホ

．86零

調

和

性

信 　 　頼 ：Al

実 直 さ ：A2

利 他 性 ：A3

応 　 　諾 ：A4

慎み 深 さ：A5

優 し さ；A6

一28−．OT−、Ofi−．21

．17

．15

．49−．09

．38−．07−．38

，35

．12−．！8

．09−．02−．37−．03

．55

．54

．60

，TO

．41

．47

．02

．17

、33

．01−．08

．11

，97拿專

，96纏

，95纏

．97纏

．84

．90零

緘

実

性

コ ン ピテ ン ス ；Cl

秩 　　序 ；C2

良 心 性 ：c3

達 成追 求 ：C4

自己鍛 練 ：C5

慎 霊 さ ：C5

一．46−．04−．11−．12−．32−．11

．16−．04

、06

，25

，08−．24

．22−、08−．06

、17

．02−，05

一．06

．06

．3D−．03

．e3

、19

．61

．57

．62

．75

．T4

．51

，99緋

．95零零

．97舞

．98緋

．98纏

．98纏

一致係 数 （次元）　　 ．97＃ 　 　　．96＃ ，91零零　　　　　．95零宰　　　　　、9了零ホ　　　　．95零拿

因 子 負 荷は 絶 対値 ．4e以 上 を太 字 で 示 した．

一致係数 の 有意 水 準 は，＊

p く ．05；＊＊p ＜ ．Ol （基準は ．　 McCrae 　et　aL ，1996に よ る｝

で ある．Tableの右端は本結果の 各下位次元が，最

下行は 各 次元 が ， ター

ゲ ッ ト行列 と一致 して い る

か を示す一致係数で ある （McCrae，　 Z。nde   an ，

Costa，　Bond ＆ Paunonen，1996）．　 Tableの 右端 の

一致係数 を見る と，調和性 の 中の 慎み深 さの 下位

次元 が有意で な か っ た の を除き，す べ て の 下位次

元 が有意 な一

致係数 を示 した ．ま た，次元 もすべ

て有意で あっ た．こ の こ とか ら目本版 NEO に よ り

測定 され る人格因子は原版 と非常に似た もの で あ

るこ とが示 され た ．

考 察

　 日本版 NEO −PI−R を作成 し，それ を大学生 と老

人 をふ くむ対象 に施行 し ， その 信頼性 と妥 当性 を

検討 した．NEO は 5 つ の 次元 とそれ を構成す る30

の 下位次元 をも っ て い る．次元 に 関 して は，項 目

間の 内的整合性を示 す Cronbachの α 係数か ら，十

分な信頼性 が示 された．また，下位次元 に 関 し て

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144　 性格 心理 学研究　第 6巻　第 2号

もほ とん どの 下位次元で ほ ぼ満足の 行 く α 係数が

え られた が ， 開放性の 行為 （04 ） と価値 （06） と

調和性 の 優しさ （A6 ＞の 3 つ の 下位次元で は まだ

若干低 か っ た ．ア メ リカ 原版で も開放 性の 行為

（（）4） と調 和性の 応諾 （A4 ） と優 しさ （A6 ）の 3

つ の 下位次元 で は α 係数 が ．60以下 で あ り ， 価値

（04） も．67とそれ ほ ど高い 数値は得 られて い ない ．

こ れ ら の 下位 次元 は 内的整合性 が低 くな りや すい

の で あ ろ うか．今後 の 検討が必 要で あろ う．

　 Piedmont ＆ Chae （1997＞ は NEO −PI−R の 韓

国版 を作 り，信頼性を検討 して い るが， α 係数が ．60

未満 の 下位 次元 が 10もあ る の と比 較す ると，今回

の 日本版 の 方が入念な翻訳手続 きを取 っ た成果 が

表れ て い る とい え るだ ろ う．ま た，韓 国版で も開

放性 の行為 （04 ） と価値 （06 ） と調和性の 優 しさ

（A6 ） の 下位次元の α 係数が低 くな っ て い る．こ れ

は 日韓の 文化 に共通 した特 徴を反 映 し て い る の か

も知れ な い ．「

行為 」 の 項 目は新奇な行 動を行 うこ

とで あ り，「

価値」 の 項 目は反伝統的で リベ ラル な

態度を反映する．また，「優 しさ」 は他者 へ の 関心

や共感 を示 す もの で ある． 日韓の 文化 で は ともに

伝統志向や保守性 が高 く ， 新奇な行動に 走 る こ と

は よ しとされない ．そ の一

方 ，他者 へ の 関心や共

感 は要求 される が ， そ の 表現 にお い て は 消極的 で

ある とい う特徴を持つ （西平，1987）．こ の よ うに

目韓で 同 じ傾向が示 され た こ とは交差妥 当性 と似

た意味で α 係数 の 低 さを補 う信頼性 に関す る情報

を示すもの で は あるまい か．

　再検査信頼性の 検討 が今後 の 課題 と して 残 され

て お り，特 に内的整合性 が十分 に示 され な か っ た

下位 次元 に つ い て は必要な手 続 きで ある．

　妥 当性に 関 して は，因子 的妥当性を検討 し た が ，

探索的因子 分析か らも ， 原版 （Costa ＆ McCrae ，

199．　2a ）で の 因子 分析 の 負荷行列をターゲ ッ トと し

た確認的閃子 分析か らも，妥当性 が確か め られ た ．

Piedm 。 nt ＆ Chae （1997＞の 韓国版 で も確 認的 因

子 分析 が行われて い るが，そこ で 特に負荷 が 低か っ

た F位 次元 は温 か さ　（El ），よ い 感情 （E6 ）， 行為

（04），実直さ 〔A2 ＞， 応諾 （A4 ＞，慎み深 さ （A5）

で あ っ た．本研 究で は温 か さ （E1） と慎み深 さ

〔A5 ） の 2 つ で あ っ たが，外向性 と調和性 の 下位次

元が 中心 で ある点で はほぼ同 じ で ある． こ れ に は

信頼性の 項ですで に述 べ た 日韓 の 文化的特徴 が影

響 して い るの であ ろ う．また，外向性 と調耡性 の

次元 の 間で 因子 の 重複 が認め られた こ とも， 日韓

に共通 した特徴で あ る．McCrae 　et　al．（1996）は

権藤 ら （1994）の 結果 を再分析 し ， 外向性 と調和

性の 直交回転 を3S’修正 す る と当て はま りが よ くな

る こ とを指摘 し てい る．これは，分析の ア ーチ フ ァ

ク トで ある 可能性 を考え る よ りも文化差 を考え た

方が 良い こ とを示 して い る．

　以上 の 結果か ら， 今回検討 した NEO の 日本版 が

十 分な信頼性 をもつ こ と，幅広 い 年齢層に適用可

能 なテ ス トで ある こ と，そ し て ， 妥 当性 の．一

部が

示 された．妥当性に つ い て は NEO が開放性 ， 調和

性，誠実性 な ど従来の イ ン ベ ン トリー

で は あま り

測 る こ と の な か っ た側面 をふ くむテ ス トで あるた

め ， 今後，さ ら に 種 々 の サ ン プ ル に適 用 し，さま

ざまな変数 との 関係 を検討す る必 要 があろ う．

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146　 性 格心理 学 研 究　第 ら巻　第 2 号

AppendiX　 NEO −P1−R の 次元 と下位次元 の 要約

高得 点者 の 特怪 スケー

ル 低得 点者 の 持 性

心 配 性 ，神 経 質 ，感 情 的．不安な，感，心気的

　　　　　　　　　　次 　元

　　　　　　　　　 神経症傾向

不 全　 適志 vs ．情動 不 安定，不安，非 現実 的

　　　 考え，行 き過 ぎた 希求 や 衝 動，不 適 応

　　　 な対処行動 へ の 傾き

静か な，リ ラ ッ ク ス した，感 情 的 で な い ，苦痛 に耐 え る ，安心 して い る，自足 して い

る

社交的，活動 的，お しゃ べ り，人 好 きな、楽観 的、楽 しみ を求 め る ，愛情深 い

　 　 　 　 　 　外 　 向　性

対 人 関係の 量 と 強 さ 「活 動水 準．刺 激希求，喜 び の 能力

控 え め な，冷 静な．元 気 の な い ，超 然 と した，仕事 中心 の ，遠慮 が ち の ，一

歩退い た

好 奇心 の あ る，興 味 が広 い ．創造的，独創的，想像 力の ある，伝 統 的 でな い

　　　　　　開　放　性

経験を積 極的 に 求 め楽 しむ，馴染み の

ない もの に 耐え られ 求め る伝 統 的 な，地 に足 の つ い た，興味 の 狭 い ，芸 術的で な い ，分析的で な い

柔和な，気の 良い 、人 を 信 じる ，人 を助 け

る，人 を許す 、だ ま さ れ や す い ，率 直な

　 　 　 　 　 　調 　和 　性

思 考，感 情，行 為 に お け る 同情 か ら 敵対 ま で の 連続糘 上 で の 対人 志向の 質 を評 価

的

す

力や

協し

非ら

　卩い

い

ら

深い

い

，疑な

，悲

な慈

野無

粗゜

、い

る

い

深操

ぽ

念を

つ

執人

肉

’「

皮

ない

し っ か り し た．頼 りに な る ．一生 懸命 や

る ，自 制 心 の あ る ，時 間 を 守 る．几 帳 面な．き ちん と した，野心 の ある 、忍 耐強い

　　　　　　誠　実　性

目標志向 的 行動 に おけ る気 構 え，持 久力、動機 づ け を評 価，頼れ る よ り良 い

もの を求め る人とだ らしな い 人 を対 照

注

快不

，　°い

な

弱

惰の

怠志

，意

い

　’な

なら

慢な

怠

に

】りだ

頼ん

，る

なた

的胃な

目な

的

無意

楽

緊 張，恐 れ，心配 ，懸 念

短気 さ，怒 り，フ ラ ス トレー

シ ョ ン を 持 ちや す い

失 望、罪悪 感，意気 消 沈，ゆ ううつ

恥 ずか しが り，劣等 感，す ぐに 当惑する

や りた い と思 っ た ら 止 ま ら な い ，衝 動に 負け る

神経症傾向の下位次元

す ぐ混 乱す る、パ ニ ッ ク にな る ，ス トレ ス を処理 で きな い

　不　　安

　 敵 　 　慰

　抑 う つ

　 自 意 議

　 衝 動 性

傷 つ きや すさ

穏 やか な，リ ラ ッ ク ス した ．安定 し た，恐れの な い

友 好的な，落ち着い た、な か なか 攻 撃 しない

め っ た に 悲 し まない ，希望に 満ち た，自信の あ る

安 定 した．確信の あ る ．自足 した，ゆ と りの あ る

誘惑 に 抗する ，自己 コ ン トロー

ル で き る

回 Pt］Jの あ る ，冷静な，有能な，苦痛 に耐 える

社交的な、お しゃ べ り ，愛情深 い

宴会 好 き，多 くの 友 達 を持 つ ，入 と の 接触を 求め る

支配 的、力強 い ，自信家、確信 的

エ ネル ギッ シ ュ ，べ一

ス が 速 い ，精力的

一時 的，強 い 刺激 を求め る ，危険を冒す

元気な，気概 の ある，喜びに あふ れた

外 向性の 下位次 元

　 温 　 か さ

　 群 居 性

　 断 行 性

　 活 動 性

　 刺激希求性

よ い 感情

冷 た い ．人 と 距離 を 持つ ，形 式的

人込 み を さけ る ，一人 で い る ，孤独を好む，無 冂 な

で しゃ ば らな い ，控 え め な，遠慮な く 話 すの を避 ける

あわ て な い ，ゆ っ く り慎重 に

過剰 な 刺 激 を さけ る ，注意深 い ，落 ち着 い た，ス リル を求め な い

情熱 的 で ない 、穏 やか ，ま じめ な

想像 力 の あ る ，夢想を 楽 し む．空 想 をふ くら ませ る

審美的経験に 価殖 を置 く，芸術 や 美に 感 動す る

感情的反応，敏感，共感 的，自分 の 感情 に価値を 置く

新奇な も の を 好 む，様 々 な もの を求 め る ，新 しい 活 動 を

試 す

知 的好 奇心 が ある ，理論 的志向，分析的

心 の 広 い ，寛 容な．決 ま り を守 ら な い ，偏見の な い

開放性 の下 位 次元

　 空　 　想

　 審 美 性

　 感　　情

　 行 　 　篇

アイ デア

価　 　値

現実 的思 考 を好む，実際的．夢想をさける

美 に鈍感，芸術 を解 さな い

感 情 の 幅 が狭 い，周 囲 に鈍感

慣 れ た も の を好む．決ま りきっ たや り方 に従 う，決 まっ

た道を 行 く

実際的，事実志向，知的 挑戦 を楽 しまな い

教 条 的，決 ま りに 従う ，心 が 狭 い ，保 守 的

人 を 信 じる．善意

実 直．誠 実，無邪気

人 の た め にな ろ うと する

人 に 譲 る，攻撃を お さえ る，人 を許す，忘れ る

謙 遜，自分 を出 さな い

人 の 必 要 で 動 か され る ，社会 政策 の 側 で 人に 同情 す る

調 和性 の下 位 次元

信 　 　頼

実 直 さ

利 他 性

応 　 　諾

慎 み深 さ

優 し さ

皮肉 屋，懐疑的．人 を信 じな い

人を操 ろ う と する

自己 中心 的，人の 問題 に関 わ るの を好 まない

攻撃的．競争を好 む，敵 意 を露 に す る の をた め らわ な い

自分 が 優れ て い る と思 う，あ つ か ま しい

石 頭，情 に 動 かされ な い ，現実 的 で 冷 た い論 理 で 勤 く

人 生上 の 問題 に うま く対処 で き る と考 え てい る

き ちん と した．気構 えがで きて い る ，物 をき ち ん とす る

倫 理 的原 則 に 従 う，道 徳的義務に 忠実に 従う

要 求水準が 高 い ，目標 達成 の た め に 頑張る

飽 ききり気 を散 ら した り せ ず，仕事を 始 め，経 続 し，やり終 汎 る よ うに 自分 を 動 機づ ける 能力 を持つ

慎 重．熟 考 型

誠実性の下位次元

　 コ ン ビテ ン ス

　 秩 　 　序

　 良 心 性

　 達成追求

　　自己鍛練

煩 重 さ

能 力が 低 く，準備不 足 と思 う

気構 え が で き てお らず，順序 立 て て 物 事がで きな い

物事 に い い か げん，頼 りに な らず信 頼 で きな い

い い 加 減で 怠け者、野心 や 目的 を持 た な い

っ ま らな い こ とに何 時 まで もか かず ら わ る ，す ぐに が っ

か り し，止 め たが る

あわ て もの で ，結果を考え ずに 話 した りやっ た りす る

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Japan Society of Personality Psychology

NII-Electronic Library Service

Japan 　Sooiety 　of 　Personality 　Psyohology

日本版 NEO −Pl−R の 作成 とそ の 因 子 的 妥当 性 の 検 討 147

Yoshiko　Shiinonaka，　Katsuharu　Nakazato ，　Yasuyuki 　Gondo ＆ Midod　Takayama （Tokyo 　MetropohtanInstitute　of 　Gerontology）．　 Construction　andfactorial 　validity 　of 　tゐe　Japanes召 NEO −P1−R ．　THE　JApANEsEJouRNAL　oF 　PERsoNALITY　1998，　Vo1．6，　 No．2，138 −147．

　NEO −PI−R　 is　 a　 personality　inventory　based　 on 　the 　five　factor　mode1 （FFM ）of 　person疝 ty，　and 　is

designed　for　a 　wide 　age 　range 　of 　people，　from　adolescent 　to　elderly ．　 Originally　published　by　Costa＆McCrae （1985，1992b ），　NEO −P豆一R 　was 　translated 　into　Japanese　through 　 several 　pleliminary　examina ．

tions ，　 including　back　 translation ．　 Subsequently ，　 the 　inventory　 was 　 administered 　to　 a 　rnixture 　of 　two

samples 　of　245　college 　undergraduates 　and 　232　elder 工y　people．　 Cronbach’s　alpha 　ooefflcients ，　explorateryfactor　analyses ，　and 　eenfirmatory 　factor　ana 】y5es 　with 　pr  rastes 　rotation 　showed 　that　the　japanese　NEO −

PI−R　has　sufficient　reliability 　and 　validity ．　Results　of　the　present　study 　were 　also 　discussed　in　thecontext 　 Qf 　 cross −cu 蓋ture 　research ．

Key　wordS ： NEO −PI−R ，　reliability ，　validity ，　facter　analysis ，　procrastes　rotation

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